ペンギンの憂鬱 価格:¥ 2,100(税込) 発売日:2004-09-29 |
ダン・シモンズを読んだのもその一環かもしれず(英米SFも立派な世界文学だと思う)、とはいえ、やはり、ウクライナ現代文学というのはかなり肌色が違う。
別の社会には、別の文脈があって、そこで切実なことを書きつづった小説は、しばしば、日本のぼくらには訳がわからない。なのに、おもしろかったり、迫力があったりするので、楽しいのだが、その典型ががこの作品「ペンギンの憂鬱」かもしれない。
まあ、ストーリーはどうでもいいです。
コウテイペンギンのミーシャが、主人公といっしょに暮らしていて、ペンギンのくせにペンギンぽいような、ぽくないような。
冷凍カレイを食べて生きているというのは、いかがなものなのだろう。
おまけに最後には、心臓病にかかって、人間の小児の心臓を移植されてしまったりする。
ブラックだ。
ちなみに、ペンギンのミーシャはけっして、「かわいい」ものではない。むしろ、喪服を着た動物に見立てられて、葬式に引っ張りだこになったりする。
ペンギン愛好家やら、ペンギン研究家は、いずれにしても、避けて通れない一作。
コレラの時代の愛 価格:¥ 3,150(税込) 発売日:2006-10-28 |
コロンビア固有の事情よりも、そこから普遍的ななにかに触れる。
特に魔術的・スーパーナチュラルな要素はありません。
フロレンティーノ・アリーサに、わりと感情移入して読めました。
コレラの時代の愛。
うん、いいタイトルだ。