川端裕人のブログ

旧・リヴァイアさん日々のわざ

ペンギンの憂鬱とコレラの時代の愛

2007-04-10 06:49:22 | ひとが書いたもの
ペンギンの憂鬱ペンギンの憂鬱
価格:¥ 2,100(税込)
発売日:2004-09-29
世界文学というと、あまりにも「なんでもあり」な表現になるけれど、しばしば、世界文学をまとめ読みする時期がある。
ダン・シモンズを読んだのもその一環かもしれず(英米SFも立派な世界文学だと思う)、とはいえ、やはり、ウクライナ現代文学というのはかなり肌色が違う。
別の社会には、別の文脈があって、そこで切実なことを書きつづった小説は、しばしば、日本のぼくらには訳がわからない。なのに、おもしろかったり、迫力があったりするので、楽しいのだが、その典型ががこの作品「ペンギンの憂鬱」かもしれない。

まあ、ストーリーはどうでもいいです。
コウテイペンギンのミーシャが、主人公といっしょに暮らしていて、ペンギンのくせにペンギンぽいような、ぽくないような。

冷凍カレイを食べて生きているというのは、いかがなものなのだろう。
おまけに最後には、心臓病にかかって、人間の小児の心臓を移植されてしまったりする。
ブラックだ。

ちなみに、ペンギンのミーシャはけっして、「かわいい」ものではない。むしろ、喪服を着た動物に見立てられて、葬式に引っ張りだこになったりする。

ペンギン愛好家やら、ペンギン研究家は、いずれにしても、避けて通れない一作。
コレラの時代の愛コレラの時代の愛
価格:¥ 3,150(税込)
発売日:2006-10-28
あと、こちらは、なんやかんやいっても「いつもの」ガルシア・マルケスだと思う。
コロンビア固有の事情よりも、そこから普遍的ななにかに触れる。
特に魔術的・スーパーナチュラルな要素はありません。

フロレンティーノ・アリーサに、わりと感情移入して読めました。
コレラの時代の愛。
うん、いいタイトルだ。

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