ここ数年、週刊読書人が年末に掲載する「今年の収穫を三冊」みたいな企画に文章を寄せているのだけれど、今年は、こういうのを選びました。紹介文を転載するわけにはいかないけど、とりあえず、タイトルだけ。
『医学者は公害事件で何をしてきたのか』(津田敏秀、岩波書店)
『ロボット学創世』(瀬名秀明ら、岩波書店)
『だれが音楽を殺すのか』(津田大介、翔泳社)
とみてみると、今年は、イワナミとツダに、やられました、って年だったのね。
あんまり小説は読まなかったしな。
みなさんの「三冊」はどんなのでしたか。
『医学者は公害事件で何をしてきたのか』(津田敏秀、岩波書店)
『ロボット学創世』(瀬名秀明ら、岩波書店)
『だれが音楽を殺すのか』(津田大介、翔泳社)
とみてみると、今年は、イワナミとツダに、やられました、って年だったのね。
あんまり小説は読まなかったしな。
みなさんの「三冊」はどんなのでしたか。
・『ブルータワー』(石田依良、徳間書店)
→オーソドックスな筋立てのSFですが、一気に読まされました。やっぱり、ストーリーテリングの力あるなあ。今年は『アキハバラ@Deep』もあったけど、こっちのほうが好き。
・『アラビアの夜の種族』(古川日出男、角川書店)
→著者は本当に日本人ですか? と聞きたくなるほど濃厚な中近東のかほり。昔読んだ大宅壮一訳のエロもたっぷりの『千夜一夜』シリーズを思い出しました。
・『想師』(灰崎 抗、学研)
→設定が好みなのと、主人公が常食?しているチキンカツが異常にうまそう、というくだらない理由から。ブックオフ買いで読んだんですけど、続編がでているらしいので、今度、アマゾンで買おうかな、と思っています。
こうしてみると、SFとファンタジーに反応してるなあ。
あ、あと、カワバタさんの著書はご本人ですからあえて外したんですが、『ふにゅう』にはまいりました。4歳の娘を持つ父親として、自分の至らなさに深く恥じ入った次第。『おっぱい』や『ギンヤンマ、再配置プロジェクト』の主人公はもう仰ぎみるほど立派だけど、父親になるのに自信がなさそうな『デリパニ』のハルキだって、本当に偉い。夫婦の会話なんかもリアルで、どこかしら感情移入してしまう話ばかりで、読み終えたら思わず泣いてしまいました。
古川さんは、どれよんでもすごいけど、「アラビアの……」は出色。最後のページまでたどり着くのがいやだー、と思ってしまうのは、ぼくとしては、池上永一と双璧だなあ。
石田さんは、絶対に外さない人だけど、アキハバラ@DEEPは、「オレネタ」でもあるので、興味津々。
そうそう、オーソドックスなSFってもう書くのが困難になっていて、それをあえて今やるためには、一段上の批評性が要求されるわけですよ。そのあたり、さりげなくクリアしちゃってるところが、やっぱり、匠、ってかんじがします。