エンリッチメント大賞2007
動物園ネタが続きます。
今年のエンリッチメント大賞が発表されました。
最優秀賞・動物園人賞・奨励賞の三つ。
これまでよりも、エンリッチメントの「原義」に近いものに立ち返って、授賞しようという意図があり、それにそぐうものになっていると思います。
え? エンリッチメントって何って?
そういう人は、手前味噌ながら、こちらを。今なお、入門書としての意義は失っていないと思いますので。
動物園ネタが続きます。
今年のエンリッチメント大賞が発表されました。
最優秀賞・動物園人賞・奨励賞の三つ。
これまでよりも、エンリッチメントの「原義」に近いものに立ち返って、授賞しようという意図があり、それにそぐうものになっていると思います。
え? エンリッチメントって何って?
そういう人は、手前味噌ながら、こちらを。今なお、入門書としての意義は失っていないと思いますので。
動物園にできること (文春文庫) 価格:¥ 690(税込) 発売日:2006-03-10 |
日動水の新飼育ハンドブック4集も確認したのですが、広義の生態的展示には行動展示の理念も含まれますので。
クマが冬眠するのは、彼らが好きでやっているとは思えませんよね・・・
新しいクマ舎に、クマごと冷やせる冷蔵庫ができたので、冬眠チャレンジのプロジェクトも可能になったのです。
冬眠中のクマの行動や状態を連続してモニタリングすることはこれまでできなかったわけですから、今後の展開もいろいろ考えられると思います。
このような取り組みを評価する場合、様々な評価軸があると思うのですが・・・
多面的な評価をこれからしていくことになると思います。
入園者の少なくなる冬季に話題となり夕刊の一面を4誌で飾るとか、エンリッチメント大賞をいただくとか、これらも評価の一面だと思っています。
そうそう、機能展示って、何に書いてありましたか?
生態展示というのは、本当に曖昧で、日本語の「生態」がまっとうな定義を与えられたことがないこともあって、なんだかもやもやします。以前も、たしか話題にしましたよね。
いずれにしても、このあたり、来年、じっくり考えますよ。
言葉遊びは、しんどいです。
エンリッチメント大賞の軌道修正も、結構前から、審査員が言っていて、事務局側もそうですねー、というふうなやりとりをしていたんですが、今年、やっとまともに反映されたってかんじでしょうか。
そのあたり、その時々、どんな議論があったのか、今や、「自分がやったこと」も歴史的な検証の課題です。
3種類のクライアントの件、行動展示を語る時、少なくともメディアは、動物と来園者のニーズを混同し、管理者の方のニーズはそんなものあるのかというふうに視界の外に置いていると思います。
新しい言葉を作り出しては、目新しいことばかりに振り回されてないで、ちゃんと前見て歩いてくださいって。
言葉の一人歩きというか、誤解の拡大再生産というか・・・
川端さんとも話したことがあるけど、過去のエンリッチメント大賞の授賞の取り組みには「エンリッチメント」のピントがぼけるというか、動物園の新しい取り組みを応援するということで、まったく違う取り組みをエンリッチメント大賞とすることで、「誤解の拡大再生産」をしていることがありましたよね・・・
僕はとても怖いことだと思って、何度か関係する人と話をしたけど、「あまりいじめないで」みたいなことを言われて、取り合ってもらえなかったな・・・
そのころと比較すると今年はきちんとしているというか、原点に戻っていますよね?
だから、ホンキミさんのように「ホニャララ展示」の創出にムカついているのは私も含めそれを客観的に見て「本筋じゃないものに熱中している」と考えるスジの人たちで、なんだか最近「構造改革」と共に業界に蔓延させられた「経営原理主義」に飲み込まれた人たちは「売り文句」と「マスコミウケ」をとにかく追い求めている事があり、あるいは反発を感じる人たちが別の言葉を求めたり、そういうことだろうと感じます。「機能展示」という言葉をあえて売り込む姿勢ではないというのも、コピーの安売りがかえってイメージを良くしないということが分かっているからではないのでしょうか。
日本の動物園は長期展望によりどんなものを求めていくかということより、とりあえず流行を作ったり流行に乗ったり、その場しのぎで人気を集めようとする傾向にあります。その態度を改めるには住民や利用者の理解が必要であり、それこそ「教育普及」でまず基礎を形成しなくてはならないはずだと仕事でも仲間の集まりでも私は主張します。ただ経営責任者や管理職などは、広告作戦が目の前をちらついている方にばかり目が行き、短期の数値達成にまず力を注ぐのが自分の仕事だと考えてしまいます。最近の「構造改革」ニッポンは、「優先順位」なる差別の姿勢さえも一般的なものにしようとしており、社会的な神経疾患がこの「ホニャララ展示」という言葉の存在に良く表れているのだと思えます。