平成男子図鑑 リスペクト男子としらふ男子 価格:¥ 1,365(税込) 発売日:2007-06-21 |
男子図鑑とあるだけに、イマドキの若い男子をカテゴライズする本。
実証データは特になし。定量的な議論は、一箇所のみ。この何十年かの男女の性行動の変化についての調査について、数字が示されているあたり。
若者をカテゴライズとというと、即、若者叩き?みたいな気もするけれどさにあらず。
終始一貫して、若者叩きしがちな、おやじ世代と、批判されがちな男子世代に対して、こういところはおたがい学ぶべきものがあるとか、ここはいいとこだけどここ弱点じゃない? とか、建設的な意見に満ちている。
愛がある本、といえる。
こういうスタンスなら、カテゴライズもオーケイってかんじがする。
ヘイトスピーチとは無縁、といういみで、信頼できる記述だった。
ちなみに、深澤さんは、ぼくにとってはリスペクト。まじすげえ、人。にわかリスペクト男子になってしまう(本書参照のこと)。
「夏のロケット」は、何人かの人たちの、意図せぬ連携プレイの結果、世に出た本なのだけれど、深澤さんは、その中の重要なアクトレスなのでした。
頭上がりませんってば。
良い仕事をするのが、お返し、なのですね。
夏のロケット (文春文庫) 価格:¥ 670(税込) 発売日:2002-05 |
昨今の働く女性の方が、当時の評論家の男どもより
よほど働きマンとして目線が確かなようですね。
女性コミック、少女漫画の大当たり作品の作風も
とっくの昔から青年漫画風(のだめもNANAも)ですが
これも均等法のおかげなのでしょうか。
ただ、気になる点も。世紀テン換期前後、不況の
一番ひどい頃、近所のスーパーのレジうちが全員
女子高生バイトになり、やがて不況を乗り切ると全員
解雇されました。職種はどうあれ、同じような未成年
女性の動員でピンチをしのいだ業態はいろいろあると
思います。均衡法の中で使い捨てにされる
婦女子さんは定型化されないから男子図鑑のように
なりにくい。平成男子図鑑にはそうした背景もある
かも知れない。なにより、バブル崩壊時に底辺で
利用された女性労働力こそ、バブル時代の女子高生
図鑑に登場したご当人たちのはずなのですから、
いつか、女性労働力の「失われた」カタログも
手がけてほしいと、ちょっとだけ願望します。