息子のクラスメイトの両親モニカとブライアンを訪ねる。
ブライアンは学校理事会のメンバー。
モニカはファンドレイジングソサエティのコミッティとして、学校の財政を支えている。
この国ではファンドレイジングは、PTAが行うことが多いのだけれど、うちではなぜか独立したファンドレイジングのための組織があって、それがPTAが楽そうに見えるひとつの原因でもある。
ファンドレイジング・ソサエティは、インコーポレイティド・ソサエティの体裁をとる。1991年よりその形になっている。じゃ incorporated societyとは? イマイチよく分からず……調べなきゃ。
ソサエティのメンバーはほとんど現役の保護者。
そして、時々先生も。目下のところ、図書室のライブラリアンの有志が、参加して学校とのリエゾンになってくれている。
学校理事会と密接に協力しつつ動く。学校のコンピューターを三〇台新調したいという目標があれば、そこのところを強調して各種イベントを行う。
ちなみに、デイリーな業務(たとえば清掃であるとか)ではなく、目に見えるものに向かってファンドレイズすることが多い。これは、その方が、「分かりやすく」「集金しやすい」とのこと。
具体的になにをしているか……
それはもういろいろ。
Schwop
いらなくなった服などの交換会。チケットを売って、買った人がホールでの交換会に出席できる。
これはファンドレイジングとしてはとても一般的。一番大きなイベントでもあって、2-3000ドルくらいの収益を見込める。
学校でバーを出す。もちろん子どもは来ちゃダメ。
学校でお酒を飲むというのが、楽しい。
リカーライセンスが必要でそこで少しお金がいる。また、モニカはデューティ・マネジャーの資格を持っており、それゆえ仕切ることができる。お酒を扱うので、いろいろとやっかいなことはあるけれど、地元の酒店がワインを寄付してくれたりして、結構賑わう。
去年はアートオークションを行った。
子どもたちの絵を売る。親が買っていく場合もあれば、地域の人が買うこともある。
親で絵描きさんがいて、学校の光景だとか、ピカソ風の絵を描いたらそれも、それぞれ75ドル35ドルで売れた。
もちろんraffleも。
これは富くじなのだけれど、正確な内容はちょっと知らない。
20くらいのプライズを用意すると言っていたから、お金が返ってくるのではなく、モノが当たるのだろう。
これもこの2,3年のイベントで、7-8000ドルの収益。もとでがいらず、チケット代がまるまる収益になる。
あと、ソーセージシズリングはよくやる。
どこそこのフットボールクラブの試合があると、出かけていって、ソーセージを焼いて売る。
一回で、200ドルくらいにはなる。
副収入というところ。
エンタテインメントブックを安く仕入れる仕組みがあって、それを15ドルの原価のものを65ドルくらいで。ちなみにニュージーランドは本がとても高い。2000-2500ドルの収益。
年末にはスクールカレンダーが定番。
子どもの絵を使って、学校のイベントやPTA会合やだれそれの誕生日に貼れるシールもつけて、低学年の子がいる家庭ではたいてい買ってくれる。なかにはきょうだいの数だけ買う世帯もある。子ども部屋に貼っておくのだそうだ。ただ、高学年の子は買わないことが多い。
80パーセントの世帯が買うのが毎年の傾向。
原価が7-8ドルのものを13ドルで売る。
トータルで2007年は17000ドル、2008年は8500ドルの収益。
ちなみに、ファンドレイジングコミッティは、少なくと6人、多くても11人くらいの出席。先生は2人。
モニカは、もともと、子どものサッカーチーム(ジュニア世代ではラグビーと同じくらいサッカーもさかん)のヘルプをすることから、コミュニティ活動にかかわりはじめた。
あと、クラスマム(クラスの面倒を見る立場で、PTAとは認識されていない)をするうちに、誘われもし、興味もあったので、ファンレイジングをはじめた。
600くらいある世帯のうちせいぜい9世帯から人が出ているだけ。それで、学校の資金を補う仕事をしている。
もちろん無償。
コミッティとして関わらないひとも、多くの場合は協力的。
ヘルプをするのはいいけれど、オーガナイズする立場は面倒、みたいな気持ちがあるのだろうとモニカは分析する。
だから、オーガナイズするような役職には、「あ、ここでもやっているの」みたいなかんじで同じ人が関わることがしばしば。
「フェアじゃないと感じることは?」と聞いたら、「時々ある」と率直な回答だった。忙しいことを理由にする人が多いけれど、忙しくない人なんていない。
けれど、自分はコミュニティをビルディングすることに興味があって、そうじゃない人ができないのは当たり前とも述べる。
学校にかかわった方が、結果的に子どもをよりよく見てもらえる傾向があるような気がするけれど、それは本質的な問題ではなくて、コミュニティコンシャスな人たちがやるのだ、というふうにも述べる。
これだけの活動をしつつ、使っている時間はどれくらいかというと……。
まずミーティングは月に1時間から1時間半だから、これを毎月でそれだけで年間30時間。各イベントごとに2、3時間はかかり、とりわけシュワブは10時間以上の拘束がある。あれだけは時間がかかる。
というわげて、イベントやカレンダー作りにかかる時間はまとめると年間で20から30時間ほど。
結局最大でも60時間の供出でまわっているというから、すごく効率的だ。
ちなみに、モニカはかつてプロフェショナルな仕事を持っていたが、子育てのために今はパートタイムの仕事。
ニュージーランドの社会は一見、男女の雇用機会が均等のように見えるかもしれないけれど、やはり男性優位にかわりない。
多くの女性が、育児期に仕事をいったん手放す。男性の方が、稼ぎがあることが多いから。
そして、いったん手放してしまうと、プロフェッショナルな仕事に戻りにくいのは日本と同じ。多少はマシであるにしても。
モニカも自分が仕事をやめる決心をして、ちょっと残念がっている。しかし、コミュニティをビルドする仕事を見つけて、やりがいを感じていることも重要なポイント。
ブライアンは学校理事会のメンバー。
モニカはファンドレイジングソサエティのコミッティとして、学校の財政を支えている。
この国ではファンドレイジングは、PTAが行うことが多いのだけれど、うちではなぜか独立したファンドレイジングのための組織があって、それがPTAが楽そうに見えるひとつの原因でもある。
ファンドレイジング・ソサエティは、インコーポレイティド・ソサエティの体裁をとる。1991年よりその形になっている。じゃ incorporated societyとは? イマイチよく分からず……調べなきゃ。
ソサエティのメンバーはほとんど現役の保護者。
そして、時々先生も。目下のところ、図書室のライブラリアンの有志が、参加して学校とのリエゾンになってくれている。
学校理事会と密接に協力しつつ動く。学校のコンピューターを三〇台新調したいという目標があれば、そこのところを強調して各種イベントを行う。
ちなみに、デイリーな業務(たとえば清掃であるとか)ではなく、目に見えるものに向かってファンドレイズすることが多い。これは、その方が、「分かりやすく」「集金しやすい」とのこと。
具体的になにをしているか……
それはもういろいろ。
Schwop
いらなくなった服などの交換会。チケットを売って、買った人がホールでの交換会に出席できる。
これはファンドレイジングとしてはとても一般的。一番大きなイベントでもあって、2-3000ドルくらいの収益を見込める。
学校でバーを出す。もちろん子どもは来ちゃダメ。
学校でお酒を飲むというのが、楽しい。
リカーライセンスが必要でそこで少しお金がいる。また、モニカはデューティ・マネジャーの資格を持っており、それゆえ仕切ることができる。お酒を扱うので、いろいろとやっかいなことはあるけれど、地元の酒店がワインを寄付してくれたりして、結構賑わう。
去年はアートオークションを行った。
子どもたちの絵を売る。親が買っていく場合もあれば、地域の人が買うこともある。
親で絵描きさんがいて、学校の光景だとか、ピカソ風の絵を描いたらそれも、それぞれ75ドル35ドルで売れた。
もちろんraffleも。
これは富くじなのだけれど、正確な内容はちょっと知らない。
20くらいのプライズを用意すると言っていたから、お金が返ってくるのではなく、モノが当たるのだろう。
これもこの2,3年のイベントで、7-8000ドルの収益。もとでがいらず、チケット代がまるまる収益になる。
あと、ソーセージシズリングはよくやる。
どこそこのフットボールクラブの試合があると、出かけていって、ソーセージを焼いて売る。
一回で、200ドルくらいにはなる。
副収入というところ。
エンタテインメントブックを安く仕入れる仕組みがあって、それを15ドルの原価のものを65ドルくらいで。ちなみにニュージーランドは本がとても高い。2000-2500ドルの収益。
年末にはスクールカレンダーが定番。
子どもの絵を使って、学校のイベントやPTA会合やだれそれの誕生日に貼れるシールもつけて、低学年の子がいる家庭ではたいてい買ってくれる。なかにはきょうだいの数だけ買う世帯もある。子ども部屋に貼っておくのだそうだ。ただ、高学年の子は買わないことが多い。
80パーセントの世帯が買うのが毎年の傾向。
原価が7-8ドルのものを13ドルで売る。
トータルで2007年は17000ドル、2008年は8500ドルの収益。
ちなみに、ファンドレイジングコミッティは、少なくと6人、多くても11人くらいの出席。先生は2人。
モニカは、もともと、子どものサッカーチーム(ジュニア世代ではラグビーと同じくらいサッカーもさかん)のヘルプをすることから、コミュニティ活動にかかわりはじめた。
あと、クラスマム(クラスの面倒を見る立場で、PTAとは認識されていない)をするうちに、誘われもし、興味もあったので、ファンレイジングをはじめた。
600くらいある世帯のうちせいぜい9世帯から人が出ているだけ。それで、学校の資金を補う仕事をしている。
もちろん無償。
コミッティとして関わらないひとも、多くの場合は協力的。
ヘルプをするのはいいけれど、オーガナイズする立場は面倒、みたいな気持ちがあるのだろうとモニカは分析する。
だから、オーガナイズするような役職には、「あ、ここでもやっているの」みたいなかんじで同じ人が関わることがしばしば。
「フェアじゃないと感じることは?」と聞いたら、「時々ある」と率直な回答だった。忙しいことを理由にする人が多いけれど、忙しくない人なんていない。
けれど、自分はコミュニティをビルディングすることに興味があって、そうじゃない人ができないのは当たり前とも述べる。
学校にかかわった方が、結果的に子どもをよりよく見てもらえる傾向があるような気がするけれど、それは本質的な問題ではなくて、コミュニティコンシャスな人たちがやるのだ、というふうにも述べる。
これだけの活動をしつつ、使っている時間はどれくらいかというと……。
まずミーティングは月に1時間から1時間半だから、これを毎月でそれだけで年間30時間。各イベントごとに2、3時間はかかり、とりわけシュワブは10時間以上の拘束がある。あれだけは時間がかかる。
というわげて、イベントやカレンダー作りにかかる時間はまとめると年間で20から30時間ほど。
結局最大でも60時間の供出でまわっているというから、すごく効率的だ。
ちなみに、モニカはかつてプロフェショナルな仕事を持っていたが、子育てのために今はパートタイムの仕事。
ニュージーランドの社会は一見、男女の雇用機会が均等のように見えるかもしれないけれど、やはり男性優位にかわりない。
多くの女性が、育児期に仕事をいったん手放す。男性の方が、稼ぎがあることが多いから。
そして、いったん手放してしまうと、プロフェッショナルな仕事に戻りにくいのは日本と同じ。多少はマシであるにしても。
モニカも自分が仕事をやめる決心をして、ちょっと残念がっている。しかし、コミュニティをビルドする仕事を見つけて、やりがいを感じていることも重要なポイント。
昨日はファミリーフォトの申し込みがあり、家族写真を撮ってもらいその半分が学校に、これは結構安いかな。
ぼくは学校でお酒を飲むの会(笑)にいってみたいんですが、今学期はなさそうなんですよねー。
コミュニティコンシャスな人が一定数いれば、なんにも難しいことはないなあ、と、学校を舞台にいろいろやっている今目の前にいる人たちを見ていてそう思います。
ちなみに、そういう人たちは子どものスポーツクラブなどでも、何かを引き受けたりしているのが常だったりするのだけれど。