ちょっと時間がたってしまいましたが、まだ余韻さめやらぬわたくしです。
2016/02/21 Sun 川端裕人×坂巻学×井上優@下北沢B&B
「声で世界を作る仕事~『本格声優小説ができるまで』を声優さんと語ってみる~」
『声のお仕事』(文藝春秋)刊行記念
無事に、かつ、盛況に、このイベントを終えました。写真は、イベント終了後の宴にて(なんかふたりとも色気あるなあ。ぼくは両手に華状態だ)。
イベント中は写真を一枚も撮っておらず、もはや「記憶の中」にのみ、の状態ですが、同じ場を共有してくださったみなさま。心から感謝申し上げます。
なごやかで興味津々な雰囲気のおかげで、2時間近く、密度の高い時間を持てました。
内容は、「声のお仕事」(川端裕人・文藝春秋)をサカナにして、声優という仕事にまつわる様々なことを聞く、みたいなものでしたが、こう書いてしまうとありきたりですね。
それでも、やっぱり、違うなあと思うのは、アニメ公式のイベントなんかだとちょっとリミッターがかかるような部分がまったくない、という点。
とっても素敵な仕事だけど大変なこともたくさん。光もあれば闇もある。結構、踏み込んだ話も多かったですよ(ココニハカケナイ(笑))
で、その上で──
ぼくがこのイベントで実現したかったのは、「声で世界が変わる瞬間」というのを体験してみてほしい、ということにつきます。
そういう意図があったので、坂巻さんと井上さんに、作中の高校野球アニメ「センターライン」のアバン(導入部)を読んでもらいました。
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きみには、大きな夢があるか。
つなげたい、思いがあるか。
走れ、魂のオーバードライブ!
届け、怒涛のビームキャノン!
ともに白球を追う夏、センターライン!
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ほんとうにたったこれだけで、なにか空気感、世界のかんじが変わってしまうわけです。
目の前に、見たことがないアニメの世界が広がっているように思えてしまう。
そんなふうに感じていただけたら、さいわい、でありました。
結局、ぼくが、小説まで書いちゃったのは、声の芝居をする人たちの、世界創造力の物凄さ、それを表現したかったがゆえ、というのにつきます。
なのでなので、さらに貪欲に、「声のお仕事」の中では描かれなかったシーン(作中で起きている出来事の裏で起きていたこと)の新作台本を作って実際に演じていただいたり、とても贅沢なことをさせていただきました。
ちなみに、その台本は、主要キャラとして「脇を固める」立場の日向学と友坂優の掛け合いです。それを、坂巻学さんと井上優さんに演じてもらう、と。
それを十全に演じてくださって素敵でした。演技の最中、ぼくも完全にお客さんの一人でしたね(笑)。
結局、録音もしていないし、次の予定も具体的にあるわけではないので、今のところ「幻の」お芝居です。
演じて下さったお二人、聞いてくださった方、ありがとう! お芝居って、ブラックホールに投げ込んでもお芝居ではなくて、オーディエンスがいてはじめて成り立つものだと思っています。
そして、今回はとにかく、よいプレゼンテーションができたな、と思っています。
「声で世界を変えてやる!」
ユウキくんが口走る、意味不明のタンカの背景は、こういうことなんです、と。