この前の月曜日@世田谷区役所。
出席者は、小池健康づくり課長、平井教育委員会事務局・スポーツ生涯学習課長、そして、今回の件で実働した保健師さん二人。
まず最初に、区による総括。
まだ表には出ていないアンケートなどの集計結果を見せてもらう。いちいち数字などメモらなかったけれど、こういうものの常で、講師に好意的な意見がほとんどだった。「非常によかった」「よかった」が大多数を占める。
また、「非常に納得できる話だった」「子供にゲームをさせる危険性がよくわかった」というような評価が多数よせられていた。その一方で、「業者や反対の人がいたのが残念」という意見も17件あって、かなり上のほうだった。なぜ、これだけ数字を覚えているかというと、ぼくも「業者」に見えたんだろうなあ、とちょっと凹む気分があったから。
講演後の電話による反響は一件のみ。森氏を批判する内容だったとのこと。ちなみに、普通、講演の後に、「すばらしかった」という電話がかかってくることは、ほとんどない、そうだ。
というような、区からの「結果」の説明を受けて、あとは茶飲み話的に雑談やら要望やら。
森氏が講演の冒頭で引用した、日本青少年研究所(http://www1.odn.ne.jp/youth-study/)の「高校生の友人関係と生活意識??日本・アメリカ・中国・韓国の4カ国比較」のプリントアウトを持っていって、「データのつまみ食い」についてあらためて伝えた。森氏は、日本の高校生が「リーダーシップを取りたがらない」などの結果を、ゲームと関連づけたのだけれど、この調査では日本の高校生は韓国やアメリカの高校生と比べてもゲームに関心を持っていない。非・専門家でも分かる明らかな「つまみ食い」なので、指摘しておく。ちゃんと理解してもらえたと思う。
同じ調査の中で、日本の高校生の親が、子供に対して放任であったり、無関心であったり、とにかくコミットメントが低いことが明らかになっていて、そのことも話題になる。この調査単体でみると、ゲームやインターネットよりも、むしろ親と子の関わり方の独特の形が気になる、とかなんとか。子供が感じている親からの期待のプレッシャーとか、大人として扱ってもらえているという実感とか、いろんな「かかわり」が、のきなみ際だって低いのだ。にもかかわらず、「親とよく話す」は他国とそれほどかわらない、というきわめて不思議な数字が面白い。
講演中で森氏が言及した久保田競氏の「ゲーム絶賛発言」の出典について、もしも分かれば教えてもらえることになった。ビデオ収録はしてあるものの、画面の大写しではないので、難しいかも、とのこと。
日本の子供が切れやすくなり、笑わなくなっているのか、ということについて意見交換。
教育委員会事務局であり、生涯学習スポーツ課の平井課長によれば、彼が知る限り特にそういうことはない、とのこと。もちろん、それぞれの教育現場でなにがしかの問題が発生している可能性は常にあるが、それが世田谷区教育委員会にまであがってきて、全区的な問題として取り上げられていることはない、そうだ。
意を強くする。
また、健康づくり課の保健師さんの意見も聞く。
子供が切れるとか、そういう問題よりも、むしろ、母親が子育てに行き詰まることの方が問題なのではないか、とのこと。
子育てに自信を持てない、あるいは、変に追い込まれてしまう人たちが多いのだという。
もっとも、三十代前半よりも年下の母親はすべて「ファミコン世代」以降なので、ゲーム脳理論の守備範囲だと指摘すると、爆笑。
けれど、保健師さんは、キャリアを持った母親でかなり高年齢で出産し、「ファミコン前」の人も同じように追い込まれている印象がある、いう。
最後に、二つほど、要望込みの情報提供をしておく。
もしも、ゲームと発達についての講演を開くことが、今後あるならば、人選は慎重にお願いしたし。ぼくが、この件でいろいろ調べた範囲で、一番フェアだと感じた、坂元章氏の「テレビゲームと子どもの心??子どもたちは凶暴化していくのか?」を紹介しておく。小池課長は、森氏の講演も、本来ならシンポジウム形式の方がよかったとの認識を示す。
さらに、「擬似科学に騙されないために」というテーマで、区の職員研修など企画してみてはなどと言っておく。大阪大の菊池さんは、お話しもとても面白いそうです、などと。菊池さんは迷惑かもしれないけれせど。
というふうなかんじ。
自分の持ち場で、やるべきことはやって、最後は疲れちまって、竜頭蛇尾ではあるけれど、まあ、こんなとこかな、と。
出席者は、小池健康づくり課長、平井教育委員会事務局・スポーツ生涯学習課長、そして、今回の件で実働した保健師さん二人。
まず最初に、区による総括。
まだ表には出ていないアンケートなどの集計結果を見せてもらう。いちいち数字などメモらなかったけれど、こういうものの常で、講師に好意的な意見がほとんどだった。「非常によかった」「よかった」が大多数を占める。
また、「非常に納得できる話だった」「子供にゲームをさせる危険性がよくわかった」というような評価が多数よせられていた。その一方で、「業者や反対の人がいたのが残念」という意見も17件あって、かなり上のほうだった。なぜ、これだけ数字を覚えているかというと、ぼくも「業者」に見えたんだろうなあ、とちょっと凹む気分があったから。
講演後の電話による反響は一件のみ。森氏を批判する内容だったとのこと。ちなみに、普通、講演の後に、「すばらしかった」という電話がかかってくることは、ほとんどない、そうだ。
というような、区からの「結果」の説明を受けて、あとは茶飲み話的に雑談やら要望やら。
森氏が講演の冒頭で引用した、日本青少年研究所(http://www1.odn.ne.jp/youth-study/)の「高校生の友人関係と生活意識??日本・アメリカ・中国・韓国の4カ国比較」のプリントアウトを持っていって、「データのつまみ食い」についてあらためて伝えた。森氏は、日本の高校生が「リーダーシップを取りたがらない」などの結果を、ゲームと関連づけたのだけれど、この調査では日本の高校生は韓国やアメリカの高校生と比べてもゲームに関心を持っていない。非・専門家でも分かる明らかな「つまみ食い」なので、指摘しておく。ちゃんと理解してもらえたと思う。
同じ調査の中で、日本の高校生の親が、子供に対して放任であったり、無関心であったり、とにかくコミットメントが低いことが明らかになっていて、そのことも話題になる。この調査単体でみると、ゲームやインターネットよりも、むしろ親と子の関わり方の独特の形が気になる、とかなんとか。子供が感じている親からの期待のプレッシャーとか、大人として扱ってもらえているという実感とか、いろんな「かかわり」が、のきなみ際だって低いのだ。にもかかわらず、「親とよく話す」は他国とそれほどかわらない、というきわめて不思議な数字が面白い。
講演中で森氏が言及した久保田競氏の「ゲーム絶賛発言」の出典について、もしも分かれば教えてもらえることになった。ビデオ収録はしてあるものの、画面の大写しではないので、難しいかも、とのこと。
日本の子供が切れやすくなり、笑わなくなっているのか、ということについて意見交換。
教育委員会事務局であり、生涯学習スポーツ課の平井課長によれば、彼が知る限り特にそういうことはない、とのこと。もちろん、それぞれの教育現場でなにがしかの問題が発生している可能性は常にあるが、それが世田谷区教育委員会にまであがってきて、全区的な問題として取り上げられていることはない、そうだ。
意を強くする。
また、健康づくり課の保健師さんの意見も聞く。
子供が切れるとか、そういう問題よりも、むしろ、母親が子育てに行き詰まることの方が問題なのではないか、とのこと。
子育てに自信を持てない、あるいは、変に追い込まれてしまう人たちが多いのだという。
もっとも、三十代前半よりも年下の母親はすべて「ファミコン世代」以降なので、ゲーム脳理論の守備範囲だと指摘すると、爆笑。
けれど、保健師さんは、キャリアを持った母親でかなり高年齢で出産し、「ファミコン前」の人も同じように追い込まれている印象がある、いう。
最後に、二つほど、要望込みの情報提供をしておく。
もしも、ゲームと発達についての講演を開くことが、今後あるならば、人選は慎重にお願いしたし。ぼくが、この件でいろいろ調べた範囲で、一番フェアだと感じた、坂元章氏の「テレビゲームと子どもの心??子どもたちは凶暴化していくのか?」を紹介しておく。小池課長は、森氏の講演も、本来ならシンポジウム形式の方がよかったとの認識を示す。
さらに、「擬似科学に騙されないために」というテーマで、区の職員研修など企画してみてはなどと言っておく。大阪大の菊池さんは、お話しもとても面白いそうです、などと。菊池さんは迷惑かもしれないけれせど。
というふうなかんじ。
自分の持ち場で、やるべきことはやって、最後は疲れちまって、竜頭蛇尾ではあるけれど、まあ、こんなとこかな、と。