税理士 倉垣豊明 ブログ

東京武蔵野市(三鷹)の税理士 相続税、贈与税等資産税対策、法人・個人向け税務・会計・会社法のブログ

消費税法の改正(経過措置)

2013-06-14 07:04:17 | 消費税
消費税法の改正(経過措置)

消費税の税率が平成26年4月より8%に、平成27年10月より10%になります。

原則として、この改正は適用日以降の取引から適用になりますが、税率につき経過措置が設けられています。

[経過措置の対象となる取引とその内容]
1,旅客運賃等
施行日(平成26年4月1日)前に領収しているもので、施行日以後に乗車等されるものは旧税率

2,電気・ガス・水道等の供給
施行日から平成26年4月30日までの間に検針等で料金が確定するものは旧税率適用

3,工事の請負等
平成25年9月30日までに締結した工事の請負に係る契約に基づき、施行日以後に資産の譲渡等を行うものは旧税率適用

4,資産の貸付け
平成25年9月30日までに締結した貸付契約に基づき、施行日前から施行日以後引き続き行われる資産の貸付けで、一定の要件を満たすものは旧税率適用

5、役務の提供
平成25年9月30日までに締結した契約に基づき、施行日以後に行われる役務の提供で、一定の要件を満たすものは旧税率適用



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事業税額の計算(外形標準課税)

2013-06-13 06:29:06 | 新会社法
事業税額の計算(外形標準課税)

[設例]
前回の分割課税標準額の計算に基づき、事業税額の計算を行う

[B県]
資本割 145,119,000円×3.26%=4,730,879円→4,730,800円(百円未満切捨て)
付加価値割 531,102,000円×0.504%=2,676,754円→2,676,700円(百円未満切捨て)
資本割 50,361,000円×0.21%=105,758円→105,700円
合計 7,513,200円

[C県]
資本割 360,161,000円×2.9%=10,444,669円→10,444,600円(百円未満切捨て)
付加価値割 1,318,100,000円×0.48%=6,326,880円→6,326,800円(百円未満切捨て)
資本割 124,987,000円×0.2%=249,974円→249,900円
合計 17,021,300円

[D県]
資本割 350,926,000円×2.9%=10,176,854円→10,176,800円(百円未満切捨て)
付加価値割 1,284,303,000円×0.48%=6,164,654円→6,164,600円(百円未満切捨て)
資本割 121,783,000円×0.2%=243,566円→243,500円
合計 16,584,900円

[E県]
資本割 9,234,000円×3.248%=299,920円→299,900円(百円未満切捨て)
付加価値割 33,797,000円×0.504%=170,336円→170300円(百円未満切捨て)
資本割 3,204,000円×0.21%=6,728円→6,700円
合計 476,900円

[F県]
資本割 10,554,000円×3.26%=344,060円→344,000円(百円未満切捨て)
付加価値割 38,625,000円×0.504%=194,670円→194,600円(百円未満切捨て)
資本割 3,662,000円×0.21%=7,690円→7,600円
合計 546,200円

事業税の税率は各県別に異なりますので、確認が必要です。


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分割課税標準額の計算(外形標準課税)

2013-06-12 09:50:49 | 税金一般
分割課税標準額の計算(外形標準課税)

[設例]
外形標準課税の適用を受けるA社の事業税の分割課税標準額の計算を行う。
所得割:875,996,945円
付加価値割:3,205,930,627円
資本割:304,000,000円
事業所の期末従業員数
B県(本社):110人
C県(工場):182人
D県(工場):177人
E県(営業所):7人
F県(営業所):8人

1、分割基準の計算
B県:110人
C県:182人+182人×50%=273人 注
D県:177人+(177人+1人)×50%=266人 注
E県:7人
F県:8人
合計 664人
注:資本金1億円以上の工場は従業員数を50%増しで計算します。

2、分割課税標準額の計算
(1)所得割
B県 875,996,945円×110人/664人=145,119,975円→145,119,975円(千円未満切捨て)
C県 875,996,945円×273人/664人=360,161,394円→360,161,000円(千円未満切捨て)

D県 875,996,945円×266人/664人=350,926,486円→350,926,000円(千円未満切捨て)

E県 875,996,945円×7人/664人=9,234,907円→9,234,000円(千円未満切捨て)

F県 875,996,945円×8人/664人=10,554,800円→10,554,000円(千円未満切捨て)
(2)付加価値割
上記(1)と同様に、付加価値割の総額3,205,930,627円を分割基準により各県に按分します。
B県 531,102,000円
C県 1,318,100,000円
D県 1,284,303,000円
E県 33,797,000円
F県 38,625,000円

(3)資本割
上記(1)と同様に、資本割の総額304,000,000円を分割基準により各県に按分します。
B県 50,361,000円
C県 124,987,000円
D県 121,783,000円
E県 3,204,000円
F県 3,662,000円

以上の計算の次の段階は、各県別にそれぞれ分割された課税標準額に税率を乗じて事業税額を算出します。
ほんとうに大変な計算作業ですね。

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外国子会社合算税制

2013-06-11 07:01:28 | 法人税
外国子会社合算税制

税負担の著しく少ない国に子会社等を設立した場合には、その子会社の所得が親会社の所得に合算課税される制度がある。
以下に単純化したモデルで課税の概要を見てみる。

[例]
A社はX国(法人税等が17%)に子会社Cを設立した。
出資割合:A社が30%、B社(日本法人)25%、その他国外法人45%
子会社の所得金額60,000千円

1、判定
(1)外国関係会社の判定 30%+25%=55%>50% ∴該当する
※居住者、内国法人などの持株割合が50%超であるか

(2)特定外国子会社等の判定 法人税等17%<=20% ∴該当する
※外国子会社等の所在地国の法人税等が20%以下か

2、A社の所得に加算される金額
(1)合算課税の判定 30%>=10% ∴合算課税の適用あり
※持株割合が10%以上か

(2)合算課税金額 60,000千円×30%=18,000千円
※子会社所得のうち持株割合に相当する額を合算課税

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収入印紙(保証金、敷金)

2013-06-10 06:34:52 | 税金一般
収入印紙(保証金、敷金)

アパートなどの賃貸借契約における保証金や敷金の受取書には収入印紙が必要かどうか。

1、売上金額以外の金銭の受取書
保証金や敷金の受取書は、印紙税17号の2(売上代金以外の金銭又は有価証券の受取書)に該当するため、印紙税の対象になる

2、金額 200円
 
3、非課税
(1)3万円未満
(2)営業に関しないもの

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事業税の課税標準額の計算(外形標準課税)

2013-06-07 07:03:19 | 税金一般
事業税の課税標準額の計算(外形標準課税)


[設例]
資本金(資本金等も同額)304,000千円の製造会社の事業税の課税標準額の計算
●法人税別表4所得金額総計:876,647,139円
●損金算入所得税額(復興特別所得税含む)は4,047,479円であり、同額が別表4で加算されている。
●損金算入外国税額は650,194円で、同額が別表4で加算されている。外国税額は外国の事業に帰属する所得以外の所得に対して課税されたものである。
●給与は2,358,988,766円、確定企業年金の掛金の額は100,868,026円、労働派遣契約にに基づく支払派遣契約料は128,114,200円
●支払利息は120,390,115円、受取利息は21,808,853円
●支払賃借料は275,720,987円、受取賃貸料は56,199,912円

1、所得の総額
(1)法人税別表4総計欄の金額 876,647,139円
(2)減算
外国の事業に帰属する所得以外に対して課された外国税額 650,194円
(3)所得の総額 (1)-(2)=875,996,945円
2、付加価値額
(1)収益分配額
イ、報酬給与額
(イ)給与等 2,358,988,766円
(ロ)年金  100,868,029円
(ハ)派遣支払額 128,114,200円×75%=96,085,650円
(ニ)合計 (イ)+(ロ)+(ハ)=2,555,942,442円
ロ、純支払利子
120,390,115円-21,808,853円=98,581,262円
ハ、純支払賃借料
275,720,987円-56,199,912円=219,521,075円
ニ、 イ+ロ+ハ=2,874,044,779円

(2)単年度損益
上記1の金額 875,996,945円

(3)雇用安定控除
2,555,942,442円÷2,874,044,779円=0.8893>70% ∴適用あり
2,555,942,442円-2,874,044,779円×70%=544,111,097円

(4)付加価値額
(1)ニ+(2)-(3)=3,205,930,627円→3,205,930,000円(千円未満切捨て)

3、資本金等の額 304,000千円

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事業税の分割基準(製造業)

2013-06-06 07:00:40 | 税金一般
事業税の分割基準(製造業)

複数の県に事務所等を有する企業は、その課税標準を分割してそれぞれの県に事業税の申告納付をしなければならない。
今回は、資本金が1億円以下の製造業の分割基準について確認する。

[資本金が1億円未満]
1、従業員数に著しい変動がある事務所等
月末従業員数の最大であるものの数が最小であるものの数の2倍を超える事務所等
各月末の従業員数の合計数÷事業年度の月数
2、中途開設事務所等
年度末の従業者数×事務所等の開設から年度末までの月数/事業年度の月数
3、中途廃止事務所等
廃止直前の月末従業員数×事務所所在月数/事業年度の月数


[資本金が1億円]
計算は上記「資本金が1億円未満」の場合の計算と同じであるが、ただし、工場の従業員数は5割増し計算を行う。

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相続税改正による影響額の計算

2013-06-05 06:44:24 | 相続税・贈与税
相続税改正による影響額の計算

[設例]
土地(自宅)路線価:205千円、面積:730㎡
その他財産:280,000千円
相続人の数:子4人

[現行]
1、土地(自宅)の評価
205千円×730㎡-205千円×240㎡×80%=110,290千円
2、相続財産の総額
110,290千円+280,000千円=390,290千円
3,基礎控除額
50,000千円×@10,000千円×4人=90,000千円
4、相続税の総額
390,290千円-90,000千円=300,290千円
300,290千円÷4人=75,042千円
(75,042千円×30%-7,000千円)×4人=62,086,400円

[改正後]
平成27年1月1日以後の相続については、「小規模宅地等の適用面積の拡大」と「基礎控除額の縮減」が行われる
1、土地(自宅)の評価
205千円×730㎡-205千円×330㎡×80%=95,530千円
2、相続財産の総額
95,530千円+280,000千円=375,530千円
3,基礎控除額
30,000千円×@6,000千円×4人=54,000千円
4、相続税の総額
375,530千円-54,000千円=321,530千円
321,530千円÷4人=80,382千円
(80,382千円×30%-7,000千円)×4人=68,458,400円


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債務免除と期限経過欠損金2

2013-06-04 07:11:50 | 法人税
債務免除と期限経過欠損金2

前回、清算中に多額の債務免除益が発生する場合の、法人税などの税額を計算した。
しかし、納税の心配をしなくて良い場合がある。
期限経過欠損金の使用である。

以下、前回の設例により説明する。
追加事項は、別表5(1)の期首利益積立金額が212,105千円であることだけである。

1、課税所得
債務免除益202,035千円-青色欠損金控除額8,196千円-193,839千円=0

2、法人税等
なし

残余財産の分配が見込めない場合には、期限経過欠損金(=欠損金額-青色欠損金などの繰越控除額)の使用が認められる。


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債務免除と期限経過欠損金

2013-06-03 07:40:24 | 法人税
債務免除益と期限経過欠損金

[設例]
Aは甲社(Aが100%株式所有)に対し、貸付金212,610千円を有し、このままだとこの貸付金が相続財産となり、相続税の負担が多くなるので、甲社を清算することとした。
●納税地:東京
●決算期:5月
●平成25年5月31日現在の貸借対照表
資産:10,575千円
負債:212,610千円
純財産:-202,034千円(資本金:10,000千円、繰越利益:-212,035千円)
●青色欠損金(前7年)の繰越額:8,196千円

解散決議を5月31日に行い、その後、資産全額を債務の弁済に充て、残債務を債務免除し清算結了した場合の課税関係

解散から清算結了までの期間の損益は債務免除益の202,034千円のみとする。

1、課税所得
202,034千円-8,196千円=193,839千円

2、法人税
8,000千円×15%=1,200,000円
185,839千円×25.5%=47,388,940円
法人税計 48,588,900円

3、復興特別法人税
48,588,940円×10%=4,858,800円

4、都民税
48,588,940円×20,7%=10,057,900円

5、事業税
4,000千円×2.95%=118,000円
4,000千円×4.365%=174,600円
185,839千円×5.78%=10,741,400円
事業税計 11,034,000円

6、地方法人特別税
計算過程は省略するが、8,194,200円となる

税額計(2から6)82,733,800円

法人税法の改正により、清算所得に対する課税が損益法となったため、債務免除益が課税所得を構成し、以上のように多額の税負担が生ずることとなる。
このままでは、相続税の対策どころではない。
しかし、心配しなくてもよい方法がありそうです。次回、説明します。

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