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税理士 倉垣豊明 ブログ

東京武蔵野市(三鷹)の税理士 相続税、贈与税等資産税対策、法人・個人向け税務・会計・会社法のブログ

FX取引の簡単な計算例

2009-03-13 08:22:42 | 会計
おはようございます。税理士の倉垣です。

今の経済不況は金融危機からスタートしましたが、その金融取引は現在ではずいぶん複雑になっているようです。
私も、金融に関しては専門知識が不足しているので、少しづつ勉強をしていこうと思っています。最初はFX取引からです。シンプルな例を設定して、計算機をたたきながらやると少しは実感がわくのではないでしょうか。
実際にやるのはリスクを考えて慎重になりますが。

FX取引の簡単な計算例

[例]
FX(外国為替証拠金取引)で、1ドル=98円のときに10万ドルを購入し、1年後に1ドル100円で売却した。ドル、円の金利がそれぞれ2%、1%であったときのこの取引の収支は。

[答]
1.円の借入額:98円×10万ドル=9,800千円
2.返済時の円の借入利息:9,800千円×1%=98千円
3.購入したドルの運用利息:10万ドル×2%=2,000ドル
4.利益:100円×(10万ドル+2,000ドル)-(9,800千円+98千円)=302千円
この場合、スワップ・ポイントは302千円-10万ドル×(100円-98円)=102千円です。

以上のようにFX取引は、購入資金(上例では9,800千円)を借入し、それでもって外貨(上例では10万ドル)を購入する。購入資金の借入利息の利率と購入外貨の運用利率に差があればこれもFX取引の収支を構成します。

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BATIC(連結財務諸表-取得後その5)

2008-12-19 08:20:35 | 会計
おはようございます。税理士の倉垣です。

今日も連結グループ間の内部取引の消去ですが、今回はアップストリームつまりS社からP社に販売している場合の処理です。そして、S社には少数株主が存在しているという設定です。

1.Intercompany Accounts/Loans Receivable and Payable
企業グループ内の会社相互間の債権債務は、重複項目として相殺消去する。
その場合、Items in transit(未達事項)を処理する。

2.Intercompany Merchandise Sales(グループ内商品売買取引)
グループ内の商品売買取引は、相殺消去される。

3.内部利益の消去
S社の期末在庫に含まれる未実現利益を消去する。

4.消去内部利益のうち少数株主持分相当額を少数株主に負担させる。

[例]
P社が原価$800の商品をその子会社S社(P社が70%の株保有)に$1,000で掛けで販売し、S社はその商品の80%を期末までに外部に$1,500で販売した。期末にS社はP社に仕入れ代金のうち$200を小切手で送金したが、P社には未達であった。

Step1:未達取引の認識
Dr. Cr.
Cash 200
Accounts Receivable(From S Company) 200

Step2:債権債務の相殺消去
Dr. Cr.
Accounts Payable(to P Company) 800
Accounts Receivable(From S Company) 800

Step3:売上高と仕入高の相殺消去
Dr. Cr.
Sales(to S Company) 1,000
Cost of Good Sold 1,000

Step4:未実現利益の消去
Dr. Cr.
Cost of Good Sold 40
Inventory 40
S社の期末在庫に含まれている利益$40(=$1,000×20%×0.2)はまだグループ外に販売されていないため利益が実現されていなので消去します。

Step5:未実現利益の少数株主持分相当額を少数株主に負担させる
Dr. Cr.
Noncontrolling Interest 12
Income to Noncontrolling Interest 12
未実現利益$40のうち$12(=$40×30%)は、少数株主に負担させる。

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BATIC(連結財務諸表-取得後その4)

2008-12-18 08:07:57 | 会計
おはようございます。税理士の倉垣です。

今日は連結グループ間の内部取引の消去の続きですが、今回はS社に在庫がある場合の内部利益の消去も取り扱います。

1.Intercompany Accounts/Loans Receivable and Payable
企業グループ内の会社相互間の債権債務は、重複項目として相殺消去する。
その場合、Items in transit(未達事項)を処理する。

2.Intercompany Merchandise Sales(グループ内商品売買取引)
グループ内の商品売買取引は、相殺消去される。

3.内部利益の消去
S社の期末在庫に含まれる未実現利益を消去する。

[例]
P社が原価$800の商品をその子会社S社に$1,000で掛けで販売し、S社はその商品の80%を期末までに外部に$1,500で販売した。期末にS社はP社に仕入れ代金のうち$200を小切手で送金したが、P社には未達であった。

Step1:未達取引の認識
Dr. Cr.
Cash 200
Accounts Receivable(From S Company) 200

Step2:債権債務の相殺消去
Dr. Cr.
Accounts Payable(to P Company) 800
Accounts Receivable(From S Company) 800

Step3:売上高と仕入高の相殺消去
Dr. Cr.
Sales(to S Company) 1,000
Cost of Good Sold 1,000

Step4:未実現利益の消去
Dr. Cr.
Cost of Good Sold 40
Inventory 40
S社の期末在庫に含まれている利益$40(=$1,000×20%×0.2)はまだグループ外に販売されていないため利益が実現されていなので消去します。

次回はS社からP社へ商品が販売された場合、つまりアップストリームについて検討してみます。

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BATIC(連結財務諸表-取得後その3)

2008-12-17 08:34:05 | 会計
おはようございます。税理士の倉垣です。

今日は連結グループ間の内部取引の消去について書いてみました。

1.Intercompany Accounts/Loans Receivable and Payable
企業グループ内の会社相互間の債権債務は、重複項目として相殺消去する。
その場合、Items in transit(未達事項)を処理する。

2.Intercompany Merchandise Sales(グループ内商品売買取引)
グループ内の商品売買取引は、相殺消去される。

[例]
P社が原価$800の商品をその子会社S社に$1,000で掛けで販売し、S社はその商品を$1,500で販売した。期末にS社はP社に仕入れ代金のうち$200を小切手で送金したが、P社には未達であった。

Step1:未達取引の認識
Dr. Cr.
Cash 200
Accounts Receivable(From S Company) 200

Step2:債権債務の相殺消去
Dr. Cr.
Accounts Payable(to P Company) 800
Accounts Receivable(From S Company) 800

Step3:売上高と仕入高の相殺消去
Dr. Cr.
Sales(to S Company) 1,000
Cost of Good Sold 1,000

以上の仕訳をすることにより、連結グループを一つの会社とした財務諸表が作成される。

今回はS社が商品を全部売却していますが、次回は在庫がある場合に内部利益の消去について検討してみます。

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BATIC(棚卸資産1)

2008-11-20 08:46:52 | 会計
おはようございます。税理士の倉垣です。

米国基準では、棚卸資産につき低価法が強制適用されています。
低価法(Lower of cost or market method)とは、棚卸資産の原価(Cost)と市場価額(Market value)を比較 していずれか低いほうを棚卸資産の評価額とする方法です。

1.市場価額(Market value)の決定方法
市場価額(Market value)は原則として再調達原価(Replacement cost)ですが、上限(Ceiling)と下限(Floor
)を設けています。
上限(Ceiling)は、Net realizable value(正味実現可能価額、予定販売価格-販売直接費)
下限(Floor)は、Net realizable value-Normal prfit margin(正味実現可能価額-正常利益)

したがって、市場価額(Market value)は次のようになります。
(1)再調達原価が上限を超える場合。上限の額が時価となります。
(2)再調達原価が上限と下限の間にある場合。再調達原価が時価になる。
(3)再調達原価が下限を下回る場合。下限の額が時価となります。
要するに、3つの価額(上限、下限、再調達原価)のうち真中にあるものを時価とすると考えればいいのです。

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権利の一部が他人に属する場合における売主の担保責任

2008-11-18 08:21:54 | 会計
おはようございます。税理士の倉垣です。

今日は権利の一部が他人に属する場合において、売買においてその権利の一部を買主に移転できない場合の売主 の責任を条文で確認してみました。(民法563条、564条)

1.代金の減額請求
売買の目的である権利の一部が他人に属することにより、売主がこれを買主に移転することができないときは、 買主は、その不足部分の割合に応じて代金の減額を請求することができる。

2.契約の解除
上記1の場合において、残存する部分のみであれば買主がこれを買い受けなかったときは、善意の買主は、契約の 解除をすることができる。

3.損害賠償の請求
代金減額の請求又は契約の解除は、善意の買主が損害賠償をすることを妨げられない。

4.権利行使期間
上記1から3までの権利は、買主が善意であったときは事実を知った時から、悪意であったときは契約の時から、 それぞれ1年以内に行使しなければならない。

権利の一部を売主が移転できないときは、買主はその部分の代金減額請求ができるが、契約の解除と損害賠償の請求は善意の買主にしか認められない。

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Consolidated F/S-Subsequent to Date of Acquisition2(BATIC)

2008-11-14 08:24:40 | 会計
おはようございます。税理士の倉垣です。

個別財務諸表で行ったEquity Method (持分法)の消去
親会社は期中に子会社に対する投資勘定については、持分法により処理しています。これを消去することにより、子会社の投資勘定を期首又は企業結合直後の残高に戻します。
このEquity Method (持分法)の消去は次のように4つのステップで行います。

1.子会社の利益確定時の仕訳の消去
Dr. Cr.
Income from Investment **
Investment in Subsidiary **

2.子会社の配当に係る仕訳の消去
Dr. Cr.
Investment in Subsidiary **
Dividends Declared **

3.株式取得後の増加利益の少数株主への振替
Dr. Cr.
Income to Noncontrolling Interest **
Noncontrolling Interest **

4.当期配当の少数株主持分への付け替え
Dr. Cr.
Noncontrolling Interest **
Dividends Declared **

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Consolidated F/S-Subsequent to Date of Acquisition( 取得日以降における連結財務諸表)1

2008-11-13 08:24:27 | 会計
おはようございます。税理士の倉垣です。

1.作成する財務諸表
Consolidated F/Sはその作成時期により、次のように作成する財務諸表が異なります。
作成時期 財務諸表の種類
Date of Acquisition(株式の原始取得日) 連結貸借対照表
Subsequent to Date of Acquisition( 取得日以降) 連結貸借対照表、連結損益計算書(Consolidated income statement),連結剰余金計算書(Statement of
retained earnings )
期中で買収があった場合には、期末の連結財務諸表には取得後の子会社の損益を含めます。

2.連結手続き

(1)Opening Journal Entry(開始仕訳)
親会社の子会社取得日から当期首までに行った連結仕訳を最初に行います。
なぜなら、連結仕訳は試算表(Working paper)上だけで行われ、連結各社の個別財務諸表には一切反映されていないからです。

(2)Elimination Journal Entry(連結消去・振替仕訳)
イ、持分法の消去
ロ、投資と資本の相殺消去
ハ、債権・債務の相殺消去
ニ、内部取引の相殺消去
ホ、未実現利益の消去

次回から具体的な連結手続きを見ていきます。

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BATIC(Aquisition2)

2008-11-12 08:24:36 | 会計
おはようございます。税理士の倉垣です。

今日は Acquisition(買収)で、期中に買収を行った場合の、支配獲得日における企業結合の会計処理ですが、100%の買収ではなくて少数株主が存在するときの会計処理です。

支配獲得日の企業結合の会計処理は、両社の貸借対照表を合算したあと、親会社の投資勘定と子会社の資本勘定のうち親会社の持分割合に対応する部分を相殺消去します。次に子会社の資本勘定のうち少数株主の持ち株割合をNoncontrolling Interest勘定に振替ます。最後に子会社の資産及び負債勘定とNoncontrolling Interest勘定を時価評価し、それでもDifferentialがある場合にはGoodwill勘定に振替ます。

6月1日にP社はS社株式の80%を現金$260,000で取得した。被支配持分の公正価値は$45,000である。取得日におけるS社の貸借対照表と資産の公正価値は以下の通り。
P社の企業結合の仕訳と連結修正仕訳を示す。

S社 B/S
Cash $30,000 Accounts Payable $20,000
Accounts Receivable 70,000 Bonds Payable 60,000
Inventory 80,000 Common Stok(@$10) 160,000
Machinery 150,000 Additional Paid-in Capital 10,000
Accumulated Depreciation (50,000) Retained Earnings 30,000
$280,000 $280,000

BV FMV 差額
Inventory 80,000 85,000 5,000
Machinery 150,000 170,000 20,000
Accumulated Depreciation (50,000) (60,000) (10,000)

1.P社の企業結合の仕訳
借方 貸方
Investment in S Company 260,000
Cash 260,000

2.連結修正仕訳
次のように3ステップで処理します。

<STEP1>
親会社の投資勘定(Investment in S Company)と子会社の資本勘定のうち親会社持分割合80%を相殺消去し、その差額をDifferentialとする。
借方 貸方
Common Stock 128,000
Additional Paid-in Capital 8,000
Retained Earnings 24,000
Differential 100,000
Investment in S Company 260,000
Common Stock $160,000×80%=$128,000
Additional Paid-in Capital $10,000×80%=$8,000
Retained Earnings $30,000×80%=$24,000

<STEP2>
子会社の資本勘定のうち少数株主分20%をNoncontrolling Interest勘定へ振替
借方 貸方
Common Stock 32,000
Additional Paid-in Capital 2,000
Retained Earnings 6,000
Noncontrolling Interest 40,000
Common Stock $160,000×20%=$32,000
Additional Paid-in Capital $10,000×20%=$2,000
Retained Earnings $30,000×20%=$12,000


<STEP3>
STEP1で発生したDifferentialを子会社の資産負債と非支配株主持分を公正価値へ評価替えして、それでも差額があればそれをGoodwillと処理する。
借方 貸方
Inventory 5,000
Machinery 20,000
Goodwill 90,000
Differential 100,000
Accumulated Depreciation 10,000
Noncontrolling Interest 5,000

Differentialが貸方に発生した場合には、子会社の資産及び負債の評価手続きなどの再検討をしたのちGain(利益)へ振り替える。

前回の100%取得のAquisitionに比べ、少数株主持分(Minority Interest)が存在する分、会計処理が複雑になりました。

次回は、取得日以降の連結財務諸表を見ていきます。

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BATIC(Acquisition1)

2008-11-11 08:37:45 | 会計
おはようございます。税理士の倉垣です。

今日はBusiness CombinationのAcquisition(買収)で100%の株式を期中に取得した場合の、支配獲得日における企業結合の会計処理についてまとめてみました。
AcquisitionはMergerと異なり、法的には従前どおり複数の会社がそのまま存続しますが、会計上報告単位が一つになるということです。

支配獲得日の企業結合の会計処理は、両社の貸借対照表を合算したあと、親会社の投資勘定と子会社の資本勘定を相殺消去します。

6月1日にP社はS社株式の100%を現金$260,000で取得した。取得日におけるS社の貸借対照表と資産の公正価値は以下の通り。
P社の企業結合の仕訳と連結修正仕訳を示す。

S社 B/S
Cash $30,000 Accounts Payable $20,000
Accounts Receivable 70,000 Bonds Payable 60,000
Inventory 80,000 Common Stok(@$10) 160,000
Machinery 150,000 Additional Paid-in Capital 10,000
Accumulated Depreciation (50,000) Retained Earnings 30,000
$280,000 $280,000

BV FMV 差額
Inventory 80,000 85,000 5,000
Machinery 150,000 170,000 20,000
Accumulated Depreciation (50,000) (60,000) (10,000)

1.P社の企業結合の仕訳
借方 貸方
Investment in S Company 260,000
Cash 260,000

2.連結修正仕訳
親会社の投資勘定と子会社の資本勘定を次のように2段階で処理します。

<STEP1>
親会社の投資勘定(Investment in S Company)と子会社の資本勘定を相殺し、その差額をDifferentia勘定で処理します。
借方 貸方
Common Stock 160,000
Additional Paid-in Capital 10,000
Retained Earnings 30,000
Differential 60,000
Investment in S Company 260,000
<STEP2>
上記の差額Differentia勘定で子会社の資産負債勘定を公正価値で再評価してもまだ差額があればそれをGoodwillで処理します。
借方 貸方
Inventory 5,000
Machinery 20,000
Goodwill 45,000
Differential 60,000
Accumulated Depreciation 10,000

次回は、Acquisitionで100%未満の株式を取得した場合の支配獲得日の会計処理です。

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