≪2016年(平成28年)3月13日(日)≫(旧暦2/5)
鉄枴の下にいかなごすなどれり
阿波野青畝
いかなごを炊くに蘊蓄ありにけり
山田弘子
いかなごの釘煮の曲がり剛情な
森田博
いかなごの釘煮と書かれ春のバス
大東由美子
玉筋魚(いかなご)や縞のパンツを干してある
竹内悦子
※ 玉筋魚(いかなご)・叺子(かますご)
体長二〇センチに達するが、普通はもっと小さい。瀬戸内海とくに淡路島方面では春先にこれの大漁があり、浜はすこぶる活気づく。
からだは細長く、銀白色で美しい。ふだんは砂中にもぐっている。味は淡美。干し魚にされて市販される。取立てはすこぶる美味である。
【新訂「現代俳句歳時記/石田波郷・志摩芳次郎編」主婦と生活社より抜粋】
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※☆*わが友に贈る*☆※
受け身の姿勢では
本当の力は出ない。
強盛なる祈りから
一日のスタートを!
わが一念を定めよ!
2016年3月13日
※☆*寸 鉄*☆※
キルギスの大学から会長に名誉博士号。教育通じた平和建設に不動の信頼
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東京・品川「広布誓願の日」。創価源流の誇りは永遠。勇者の大行進いざ
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個人会場の提供者、ご家族の皆様に感謝。近隣にも配慮。良識で宝城飾れ
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我々は、もっと叫ばねばならぬ―魯迅。青年よ目の覚めるような言論戦を
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会合の終了時間を厳守。幹部の話はキリッと明快に。無事故こそ勝利の基
【聖教新聞:2016年(平成28年)3月13日(日)付】
※☆*名字の言*※
韓国・ソウルで5日に行われた、元首相の李寿成博士と原田会長の会見でのこと
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語らいが終わり、記念撮影になった。同席者が並び、いざ撮影という時、博士がカメラマンを制止し、突然、歩きだした。写真に加わるのを遠慮していた韓国SGIの青年部に近づき、一緒に写るよう促したのだ。さりげない振る舞いに青年を思う心情が表れていた
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博士は首相就任の前、韓国最高峰のソウル大学で総長を務めた。民主化運動が激しさを増していた教授時代には、デモを計画する学生たちの身を案じ、説得してやめさせた。そして一緒に学食に行き、食事を振る舞ったという
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総長時代、ある年の入学式ではこうも語った。「君たちは立派だが、少しばかり頭が良くて、暗記力があって、親に恵まれているだけだ」「大切なのは、不当な権力の強者に抗し、持たざる弱者を守るという精神があるかどうかだ」
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大人が青年の成長を真剣に願い、わが子のように慈愛を注ぐ。それを青年が感じた時、未来は健全な方向へ開けるに違いない。会見で李博士は「池田先生は民衆を愛し、目の前の“一人”を愛する方です」と。SGI会長と博士の友情は、青年愛、民衆愛、そして「一人を大切にする心」でつながっていることを、あらためて知った。(朋)
【聖教新聞:2016年(平成28年)3月13日(日)付】
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〈聖教歌壇〉2016年2月24日
◆秋葉四郎選
急坂の側に住み居る我なればロードヒーティングの有難み知る(北海道)竹田光彦
【評】冬期路面の凍結防止、あるいは融雪をして事故を防ぐ装置。急坂では殊に必要だからそれに率直に感謝している歌。一読快い。
アラスカの海にラッコが群なして流氷の中浮き沈みする(福岡県)斉藤由美子
【評】情景が目に見えるよう。乱獲による絶滅の危機から救われたラッコらが、氷河の崩れて流れる流氷に戯れたりしているのである。
冬晴れの刈田の跡の広き空遊覧飛行のセスナ機が飛ぶ
(埼玉県)安中久遠
夜もすがら遠く静かな漁り火も無線によれば雨の中らし
(大阪府)鶴田稔
生いたちの貧しき吾と重りて悲しきドラマ見つつ涙す
(茨城県)井上梅太
次々とあれもこれもとよく動く夫は八十なかばを過ぎて
(大阪府)杉原敏子
雪降りし山脈遠く昇る日を今朝スーパーの屋上に見つ
(新潟県)太田正彦
◆道浦母都子選
失明の夫との旅の車窓よりひとり視てゐるうすき昼の月
(滋賀県)山本夙
【評】昼の月が見えるのは作者だけ。そんな思いが伝わってくる。どこか寂しく、だが、あたたかい一首。
淋しさと背中合せの自由な身何するでもなく時雨聴いてる
(東京都)鈴木真理子
【評】同じ境遇の私には、よくよくわかる一首。寂しいけれど、自由は大事。二つを求めるのは、勝手かもしれない。
ひび割れたガラスのやうな心にもきつと来るなり春の訪れ
(東京都)岡?多加之
ひとひらの雲流れゆく青空に木守の柿の透きてかがよう
(大阪府)西田光子
水茎のあと美しきあなたとの文通長し六十年過ぐ
(神奈川県)白崎道忠
この道は何処へ続くかと散歩道逸れて小道へ足を踏み入る
(千葉県)松尾英子
実家より送られて来し新米の重さは母の愛情語る
(福島県)生山勤
〈聖教歌壇〉
◆坪内稔典選
龍馬忌の空青いぜよ寒いぜよ
(埼玉県)足立亢
【評】土佐言葉を巧みに使って龍馬を目の前に出現させた。うまい、うまい!「空青い」は龍馬の心のさま。
大空の落とし物かな竜の玉
(埼玉県)池田光子
【評】この句も「大空の落とし物」というたとえがとてもうまい。「野を焼いた匂いの男女、君と僕」は、たとえを使った私の句。
木枯にタコヤキ踊る口の中
(大阪府)松岡広行
冬夕焼やがてひとりのふたりかな
(大阪府)磯崎礼子
美容師と私と猫と日向ぼこ
(岡山県)武村美枝子
空の青透けてまぶしき霜柱
(大阪府)菅原イツヱ
弥生式住居の跡に冬来たる
(兵庫県)高橋雅之
◆田中亜美選
初霜に犬の足跡ありにけり
(埼玉県)町田節子
【評】さっそく早朝のお散歩に出かけたのでしょうか。寒さに負けない犬の足跡が、霜の道を歩く私たちにも、冬の楽しさを教えてくれているようです。
ひとり居の冬の小さな息づかひ
(鳥取県)表いさお
【評】外出がおっくうになる冬。ひとりのゆたかな時間を満喫しています。助詞「の」が二つ重なることで「息づかひ」の静けさが効果的に伝わります。
はく息の白さの先にビワの花
(佐賀県)迎八重子
枇杷の花ウクレレの音の響く庭
(千葉県)羽物美知子
歳晩や背伸びして干す濯ぎ物
(東京都)阿部カオル
スッピンもいけるじゃないか初鏡
(新潟県)中島貞男
年賀状ストックケースや六センチ
(埼玉県)関根清志
投稿規定
選者指定の上、はがき1枚に3首(句)まで、未発表の自作に限ります。短歌と俳句を併記しないよう、また、他社との二重投稿にならないよう、ご注意願います。掲載に際し、選者が添削する場合があります。宛先は〒160-8070 聖教新聞編集局「歌壇俳壇係」。住所、氏名、年齢、職業、電話番号を明記。メールで投稿する際は、〈kadan-haidan@seikyo-np.jp〉まで。件名に選者名(1人のみ)を明記。採用分には全国共通図書カードを贈呈。掲載された原稿が当社のウェブサイトに掲載されることもご了承ください。
【聖教新聞:2016年(平成28年)2016年2月24日付】