染織工房豆ブログ

染織工房「豆」の日々の記録

画廊について思う所

2015年11月16日 15時38分22秒 | 芸術作品
個展開催中の時に色々お声を架けていただいた所に行ってますが、
何とも釈然としない話の中で、先日マンタムさんという方とお話いさせていただいて、ちょっと溜飲が下がりました。

「俺の作品、嫌われるんだよね」

と、もうしておりました。彼の作品は生き物に対して真摯に向き合い、骨などの既に息絶えているものに新たな息吹を与えるもので、まあ、見る人が見たら、ちょっと怖いかもしれませんが、作品に対して、その畏怖や意志が感じられ、とても共感できる方です。

画廊の方とお話をしていて、やはり僕も嫌われる感じでしたが、画廊に飾ってある作品は、多分居間とか、会議室とか社長室とかにあって、ほんとに飾り物に調度いいんでしょう。主張もなければ、意志も感じられない。上手だけど、残念な感じ。
巷では、確かにファンタジーな作品は多いのですが、それよりも何も語らない作品たちが、雑然と置かれている。この作品を見ている人達も、値段を見てすごいと言っているようにしか見えない。
こういうところでは、当然嫌われるわけですよ。

この画廊のスペースとは別に、販売スペースを設けて、他の作家と同様に作品をおいていただくような話をしていたのですが、その場所もなかなか雑然というか梱包用の箱とかも棚においてあり、台は紙で覆ってある。多分まだ改装中でもあるのでしょうが、木彫の作品とともに陶芸作品があり、抹茶のセットとかも置いてある。これは作家に申し訳ない。ちょっとひどい。そんな所にちょっと嫌がられた僕はもっとひどいのかもしれないけれどね。

話を聞くと、こちらではコンセプトを設けてやっていると言っているし、外部の方も入ってもらっているらしい。
じゃあ、もうちょっと頑張って欲しい。コンセプトやテーマって何かとか、作家と言ってもほぼ工芸家だから、納品すればそれで後はおまかせという人は多いから、何も言われないんだと思いますけど、作品がすきで置くのであれば、こういう扱いは出来ないと思うなあ。と打ち合わせ中思いました。

「我々は、彫刻や絵画なら展示はしっかり出来る」
と鼻息荒く申していましたが、新しい物を見ていない人が、あえて言ってしまう言葉は危険であると、経験上知っている。

嫌われた富士山麓の猪のペンケースと小物いれ。物語や命を感じられるものがお嫌いらしい。


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