染織工房豆ブログ

染織工房「豆」の日々の記録

作品につきまして、

2009年03月08日 06時53分11秒 | Weblog
作品を制作するにあたって、色々考えることがあるのですが、コンクリートの作品については見た目だけで判断されることも多いので、こちらに基本理念をメモしておきます。
それほど長くはなりません。

そもそもコンクリートを創めたのは、温暖化による砂漠化などの環境破壊は何故起きているのか。
理由は明らかですが、その問題提起はどのようにできるか、都市と自然をどのように表現したらいいかと考えたときに、コンクリートと多肉植物、草食動物の組み合わせとなりました。

草を主食とする生き物が、草を守る事は何を意味するのか、何者から草を守らなければならないか。
それをご覧になった方に感じていただけると幸いです。

一応窓やへこんでいるところなどは、人が住んでいたもしくは住んでいる空間です。
窓の中には会場近くで見つけた住人を入れるようにしていますが、それが出来ないときは豆をいれます。豆は希望です。
特に多いのは蝉の抜け殻ですが、変化の早い都市の地下にいる住人です。

大きな作品ではロウソクなどを灯せるようになっていまして、人の営みはまだ続いていて、これからでもいい世界に出きるのではないかという想いです。

以前から「地球を守る」という考え方は嫌いです。
それは結局人間を守ると同義です。地球は環境の変化くらいでは無くなりません。この表現は人間のうぬぼれだと感じます。
それでも、僕も含めた人間の行動や行為によって、地球上の生き物が死滅していく現状は耐えられません。多様性のある世界をこれからも残していくことが地球上の生命の螺旋を繋げることとなるのだと思います。
であるので、環境の急激な変化は防止していかなくてはなりません。
意識の変化を僕ら造形家にできる方法で行動していかなくてはならないと感じています。

僕のコンクリの作品は楽しいけれども、色々考えているんですよ。

ちなみに今回の羽村での展示作品には草食動物はいません。置いてももちろん構わないのですが、無くても構わないので、正直申し上げると、忘れましたんですよ。ホント情けない。申し訳ありません。
糸がコンクリの周りをめぐっていますが、あれは糸電話です。滅びゆく6大陸つなぐ唯一の手段です。