７月 １２日

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　枇杷・枇杷もぐ・枇杷の種

 

 

 

　　　　　　　　　　　　　　　　

 

 

 

　　　　　　　　　　房総の色たしかなる枇杷貰ふ　　　　　　　　　　　細見綾子

 

　　　　　　　　　　小粒枇杷坂の真下の海ひかる　　　　　　　　　　　栗田やすし

 

　　　　　　　　　　雨七日落つるにまかせ小粒枇杷　　　　　　　　　　下里美恵子

 

　　　　　　　　　　ゆるやかに煙吐く島枇杷熟るる　　　　　　　　　　服部鏡子

 

　　　　　　　　　　大粒の種まろやかや枇杷啜る　　　　　　　　　　　磯田なつえ

 

　　　　　　　　　　枇杷を捥ぐ女きゃたつを仁王立ち　　　　　　　　　関根近子

 

 

 

　　　　　　　　　　　　　　　　

 

 

 

　　　　　　　　　　木の上にひとり枇杷くふ童かな　　　　　　　　　　正岡子規

 

　　　　　　　　　　どの家にも枇杷彩なせり城下町　　　　　　　　　　松崎鉄之介

 

　　　　　　　　　　黒衣より掌を出し神父枇杷をもぐ　　　　　　　　　津田清子 

 

　　　　　　　　　　江の電にすれすれ枇杷の熟れにけり　　　　　　　　清崎敏郎

 

　　　　　　　　　　枇杷を食むぼろりぼろりと種子二つ　　　　　　　　星野立子

 

　　　　　　　　　　枇杷買ひて夜の深さに枇杷匂ふ　　　　　　　　　　中村汀女

 

 

 

　　　　　　　　　　　　　　　　　

 

 

 

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