釣忍・吊忍
釣り忍(つりしのぶ)」とは、竹や針金を芯にして山苔を巻きつけ、その上にシノブ(シダ)の
根茎を巻き付けて、さまざまな形に仕立てたものです。江戸中期からの夏の風物詩となっています

花街の名残の路地や釣忍 石原筑波
釣忍風かよふとき水匂ふ 伊藤範子
銭湯の格子に揺るる釣忍 下山幸重
吊忍日矢に浮かびて艶めけり 中山敏彦
釣忍煽りて風の吹き抜くる 矢野愛乃
吊忍谷中の路地の行き止まり 龍野初心

人知れず暮るゝ軒端や釣忍 日野草城
話すことなくとも愉し釣忍 鈴木真砂女
廻るだけ廻りてもどる釣忍 下村梅子
ひともせば灯影よりそふ吊忍 菖蒲あや
起重機の見えて暮しぬ釣忍 中村汀女
廂間の小さき空や釣忍 山口青邨

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