6月1日

2008-06-01 07:06:24 | Weblog

      ( 佃島・佃煮屋天安 )

 

久しぶりに佃島の吟行、この一角は震災、戦災の被害も

少なく昔ながらの佇まいがあります

広さからいったら東京ドームと変わらないかもしれない

佃大橋東橋詰を南に月島のもんじゃ通り、橋を渡れば聖路加タワー

そして築地・銀座、北は門前仲町、深川八幡、芭蕉庵

連衆のCさんのお句がこの佃煮屋のあたりの匂いと扇風機を詠まれた

実際は換気扇なのだが、この機転はいい。いい句でしたよ!

佃煮は煮た後、冷まして余計な水分を飛ばさなければ長持ちしないので

私の家の家業であった佃煮工場(こうじょうでは無くこうば)では大型扇風機が

いつも唸っていました。

子供の頃、夏の夜は兄と工場に泊り込む、朝には佃煮の醤油と鰹節の匂いを

たっぷり纏った兄弟のできあがり(家庭用扇風機など有りません)

そう言えば、昔の子供は家業の匂いを纏ってました。

天麩羅屋の島田さんはごま油の匂い、豆屋の小川君は煎り豆の匂い

莫大小屋の堀井くんは埃っぽい匂い・・・教室は匂いの宝庫?

最近の下町にも匂いが少なくなった気がする

路地を通れば「ここんちは今夜はカレーだな」「ここは昆布煮てる」なんて

昔はみんな鼻が利いた

俳人も 目利き、鼻利き、耳聡さ、の感性が絶対に必要に思う

表面を捉える写生では美しい句は詠めても、鑑賞者に伝わらない

五感の鈍ったころころはCさんの一句に目覚めました。

他所へお出しになる可能性があり、ここに紹介できないのが残念です。

もう額の花が咲いていました。

 

額の花ひすいの花粉葉にこぼれ    澤木欣一

 

地震あとは簡素に住みて額の花     千原叡子

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コメント (7)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする