チレボンバティック工房日記

インドネシア・ジャワ島、チレボン市にある手描きバティック工房から。

バティックの下絵

2009-04-14 09:29:05 | バティック


先週からMeto職人が再び通いはじめています。数年前に通っていたイダ、次男が一人でも遊べるようになったので、とりあえず週3日復帰してもらうことにしました。休職中は家で時々請負仕事をしていたとのこと。請負仕事の大部分は「オブロガン」と呼ばれる安価なバティックのため、とにかく早さが重要。線や形の精密さなどは要求されません。イダもたぶんその手の仕事に慣れていたためか、トレースが超高速。一筆描きをしているようで、結果、形が正確に写されていません。

うーん、これは困った・・・・・ということで、練習用の柄を製作中。

パチェ工房の下絵師のおじさんはこの道40年のベテラン、しかし、欠点は「線が完結していないこと」。トゥルスミでよく使われている「Tingkas」というトレーシングペーパーにサインペンで下絵を描く手法の場合、クリアーなはっきりした下絵が出来上がります。一方、おじさんはチャンティンで布に下絵を作成するのでなんだかユルユルの絵になるんですね。「動きのある面白い絵」ともいえますが、曖昧な形はいろいろな解釈が出来てしまうので続きの仕事をする職人がよく困惑しています。

画像は左がおじさんの下絵(鉛筆で描いてもらいます)をサインペンできっちりなぞったもの。曖昧な線は直してあります。右がイダのトレース。下絵がはっきりしていれば多少描き易いようです。