チレボンバティック工房日記

インドネシア・ジャワ島、チレボン市にある手描きバティック工房から。

バティック技法で人物の顔を描く

2015-03-03 16:36:33 | バティック

バティック技法で実在の人物の顔を表現する、という試みをしてみました。原画はジャカルタからお引越しされて現在バンコク在住のイラストレーターのホンダトモコさん。

ホンダさんの絵はこんな感じです。インドネシア人によくあるステレオタイプな顔の特徴をよく捉えていますね。

 

(ホンダトモコさんのFBページ→https://www.facebook.com/tomoko.honda.9678

他にも楽しい作品がたくさん!3月6日~7日の南極星のバザーの際にタイから飛んでくるそうなので、是非お立ち寄りください。

さて、コラボ作品はこんな感じ。実在の人物とはジョゴウィドド大統領とアホックジャカルタ州知事です。偉い人に絡むWong Cilik・ペンコ族。。。ホンダさんからいただいた絵葉書が見つからないので見切り発車(すみません!)。

まずはジョコウィ。

(1)当初、テンボック職人の出勤率が悪かったので、ソロアンで顔描きました。↓

(2)うーん、ちょっとイマイチかなと思い、顔をテンボック↓

(3)顔が黄土色だとちょっと怖いです。

  

続いてアホックジャカルタ州知事。

(1)やはりSoloanからトライ。青い顔。。。。。シュールだわ、、↓

(2)テンボックしてみた。↓

さらに肌の部分を残して全て伏せてから肌色に染めてみる。↓

職人さんからの提案。眼鏡だけ白抜き(笑)↓

アホック州知事は筏バージョンもあります。↓

黄色い水って、、、、↓

こんなキーオーナメントも作りました。

縫製スタッフ、ワタ詰めすぎてる。。。↓

それでは、南極星のバザーでお目にかかりましょう。

  


バティックでLINEスタンプ

2015-02-09 10:52:48 | バティック

バティック技法をベースに使ってLINEスタンプを作ってみました。たぶん世界初なのでギネスかMURIに認定してもらおうかな(ウソです)。仕事ではありませんが、芋ペンキャラを他のメディアにするとどうなるのかな~という好奇心が発端でした。

既に登録したのは3種類。

サッカー編(英語版)。すでに販売中です。↓

 

https://store.line.me/stickershop/product/1047250/en

 

日本のサカ友と大陸間PV(島嶼間か。。。)するときに使います。ブラジルワールドカップの時に配布されたサッカー観戦無料スタンプの期限がきれちゃったので、これ便利。

    

インドネシア語編。こちらも販売中↓

ストアURL       http://line.me/S/sticker/1093057

ただただ勢いで作っているため、「Terima Kasih」とか「Maaf」とかすごく基本的な言葉入れ忘れてました。第二弾も進行中。。。

こちらは審査中の日本語バージョン。ペンギンに指がなくて「イイネ!」出来ないのでのでジャワ猫さんも駆り出した。↓

 

製作はこんな感じです。ベースになるのはバティック。とりあえず、下絵を描きます。その時に入れる入れないにかかわらず文字も描いておく。スキャンしやすいようにA4サイズ。↓

職人さんが下絵通りにトレースして蝋描きしてくれます。↓

青の濃淡で染めます。これをスキャンして日本の友人に送り、切り抜きと彩色と文字を入れて透過(?)加工してもらいます。

出来た!登録します。ここからが長い。。。。。気長に待ってリジェクトなどが来たら修正して対応します。↓

    

製作風景のスナップ。スタンプ原画に蝋描きする職人さん。リンダ大先生↓

線はくっきり染め上がるように裏からも蝋を置きます。スタンプだからといって手加減はしないぞという気迫がみなぎっている。

  

ヨガマットにどんな模様を描けば良いか聴いてきたから適当に点描で小紋模様を描いておけと答えておいた。私が側を通るたびに質問攻めにする突っ込み好きなエーエルちゃん。↓

1色目完了。干して、伏せて、染めて、干しての無限(じゃないけど)ループ。。。↓

  

南極星2015年1月号紙上で製作過程を紹介していただきました。ありがとうございます。↓

 

印刷でポストカードとかも作ってみたいな。。。。。

 

 

 


南極星のインドネシア手帳2015

2015-01-03 12:44:19 | バティック

Selamat Tahun Baru! 2015年、本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

   

ジャカルタで発行されている日本語のフリーペーパー「南極星」からインドネシア手帳というスケジュール帳が発売になっています。ウイークリー仕様。↓

手描きバティックのカバー付です。カバーは内側にポケットとしおり付き。↓

 

中はこんな感じ。平日はお仕事のアポイントなども書き込める時間軸付き。インドネシアの祝祭日も載っています。これは便利!↓

スタジオパチェでいろいろな柄のカバーを製作しました。これはパッチワーク模様。職人さんが細かく描きすぎてものすごく時間がかかった。。。。。↓

ジャカルタの社畜柄↓

猛虎会用(笑)↓

こちらは自分用に作ったサッカー唐草。線描きの単色のもの(青の濃淡)。↓

同じく線描きですが、プロセスを2回にして挿し色を入れました。↓

テンボック。模様は青の濃淡ですが、蝋落としをした後、模様を全部伏せて全体を黄色に染めています。↓

テンボックで挿し色を入れました。これが一番手間がかかるかな↓

ラマレラで銛を使ってマッコウくじらを獲るペンギン柄↓

ボロブドゥール柄。間に合わなかった!↓

大晦日のトランペット売り柄。↓

詳しくは、南極星のWEBサイトでご覧ください。

http://www.nankyokusei.com/

     


南極星1月号発行+マンガプロセス

2012-01-07 07:36:55 | バティック

南極星13号(2012年1月号)が発行されています。

今日はちょっと世界初(?)バティックマンガのプロセスを紹介します。いやー、こんなものをバティックで作ってしまうとは・・・考えたこともありませんでした。

まず最初に鉛筆で下絵を描きます。イイカゲンなインドネシア語のセリフも書き込んでおきます。「×」印は2回目に染めるのでとりあえず蝋でブロックしろという指示。↓

Eerちゃん、苦労しながらイセン完了。文字は裏からも蝋を置きます。私が側を通るたびに「イブー、この部分は背景?それとも椅子の一部?」などと質問攻め。ごめんね、妙な絵を担当させて・・・・・↓

テンボックしているところの写真撮り忘れました。青系の濃淡で染め→伏せを4回終了したところ。↓

1回目の蝋落しがおわりましたー(汗)↓

もう一度イセンを施して、白く残す部分と青の部分を伏せます。↓

部分のアップ。チャンティンで輪郭をとっていきます。↓

大きな部分は筆のようなもので伏せます。↓

インディゴソールで染めたり、、、、↓

とにかく青の補色イロイロ(赤とか)で染めた後、蝋落とし。↓

やっと、完成しました。

毎回、付き合ってくれる職人さんに感謝!

マンガは南極星で見てくださいね。↓

http://www.nankyokusei.com/

 


パチェ工房のクリスマス

2011-12-24 07:12:25 | バティック

今年もあと1週間になってしまいました。

世間はクリスマス休暇に入っているようですが、パチェ工房は平常運転。クリスマスケーキどころか、職人の米がない!って運転手が市場に買いにいったりしています。おまけに今日は週給の支払日だし~。

さて、今年も大幅に出遅れたクリスマス関連のグッズ(笑)。旧暦クリスマスとかあるといいのになあ・・・・・

せっかくなので、工程などアップしちゃいます。BangBiru(赤紺)などの配色もこの技法で染めます。

クリスマスからは赤と緑。パチェ工房ではColetan(色挿し技法)は使っていないので、すべて浸染め。よって蝋落とし2回の「Dua Kali Proses」で製作します。

(1)鉛筆で書いた下絵に1回目のイセンを施したところ

(2)白く残す部分、2回目に染める部分(黄色と緑)をテンボックにてブロック

(3)赤の濃淡で染めました。

(4)1回目蝋落とし終了。赤い線は「Wit」と呼ばれるもの。ペンギンの帽子の白く残す部分は「Pelikan」(プリカン。綴り不明)と呼ばれています。

(5)2度目のイセン開始。担当、ソフィちゃん。

(6)手元アップ。細かいですね。一番細いチャンティンを使ってます。中高年は老眼鏡必至(汗)。

(7)2度目のイセンが終わりました。

(8)赤に残す部分はしっかりカバーします。担当Nurちゃん。

(9)まず、薄い緑で染めます。

(10)薄い緑したい部分をブロックしてさらに濃い緑に染めます。

(11)2度目の蝋落とし終了。染めにはものすごく時間かかります。

完成(すみません、バックが黄色)。オーナメント(兼、鍋つかみ←ほとんど意味不明)にしました。

くつしたの形のものも製作。これも鍋つかみになってます、、、貧乏性。華人の奥様に説明したら「へ?」って反応でした。お手伝いさんいるから自分で鍋持ったりしないのかも。

クリスマスのご挨拶

あー、おいしいクリスマスケーキが食べたいなぁ。


見張り番

2011-10-06 06:53:06 | バティック

埃が舞い上がる乾季終わりのチレボン。

大通りに面していないのに家の中がなんだかザラザラしてます。

さて、レバラン後に職人さんが3人増えてイセンが12人になりました。

イセン職人はガスコンロ2個使っているのですが、10人が限界。

全員出勤してくると2人はみ出します。↓

はみだしたので鉛筆で下絵をトレース中。↓

カンクンのおやつを作るときは「おやつ班」に合流(笑)。↓

職人さんがたくさんいると賑やかです。基本的に兄弟や親戚、気のあうトモダチを推薦するので皆仲良し。

当然おしゃべりが弾みます。笑い転げたりすると手は止まる・・・・・。

とりあえず、こんなものを置いてみました。

ドナルドダックにしたのは洗濯バサミで口を挟める縫いぐるみがこれしかなかったから。

「Menggawe Akeh Ngomong setitik」

ジャワ・チレボン語で「Kerja Banyak Bicara Sedikit」の意味です。↓

職人さん、はっきりいって迷惑そう(笑)。↓

あんまりうるさいと切り札登場。カミナリ警報、ですね。

最近はあまり落としませんが、オヤジ(写真右)のかみなりには要注意!↓

パチェ工房はかなり規律は厳しいほうで、職人さんたち、まあまあ真面目。

村の工房はもっとユルユルな感じらしい。


バティックの蝋で転倒防止グッズ

2011-03-20 15:39:53 | バティック

本日はうちの運転手が交際2週間でSpeed婚約(Tukar Cincin/指輪の交換)をいたしました。あまりに早い展開に「催眠術かけられているのではないか?」、「金目当てか?」、「何故、そんなに急いで!?(相手が)すでに妊娠していて、書類上の父親を探しているのではないか?」との憶測が飛び交っているチレボンはひたすら平和です。

今更ながら実家の地震対策を心配しています。いろいろなサイトで防災グッズを探してみましたが(現時点では)欠品中。そのうちに入荷するとは思うのでぼちぼち買い揃えようと考えています。本が満載された棚が玄関に向かう動線上にたしかあったような?当のご本人たちはひたすら暢気で特に対策を講じようとはしておりません。2004年のスマトラ沖大地震(アチェの津波)のあとも、数年に渡ってスマトラ地域でM7級の大きな地震が起こっていることから、これから地震対策は必至だと思います。

そんな中、さきほどお絵かきをしていてテレビのリモコンを取ろうとしたら机にくっついて離れない。無理矢理はがして裏をみたら直径1cmほどの蝋がはりついていました。バティックの蝋は松脂、混合蝋(たぶん蜜蝋などが混合されたもの*)、パラフィン、ピーナッツオイルから作られています。チレボンの蝋は特に粘度が高い。Tembokanと呼ばれる白場を生かした文様を作るには粘る蝋が必要なのです。

すごい粘着力・・・・・っで、鉛筆立ててみると・・・・↓

バンブーラダーも立ててみました。おおお、、、、、↓

日本の家の床はタイルではないので、使用できる場所は限られるかと思いますがフローリングとかだと使えそうです。粘るので除去するのは難儀しますが・・・・・スクレーパーとかお好み焼きやもんじゃ焼きのヘラ(笑)で取れるのでは。

椅子の足の4隅を固めてみたところ全く動かないので、震度6くらいの地震だったら効果あるかおしれません。ただし、ジャワの高温多湿の気候では粘っているものを日本で使うとどうなるかは未知数です。

というわけで日曜日、ひたすらヒマな実験をしているワタクシでした。日本でバティックの蝋をお持ちの方(いないよね、、、←汗)、是非試してみてください。

*蜜蝋は高価なため、混合蝋(チレボンではBaronと呼ばれています)には含まれてはいないという話ですが、未確認。型押しバティックの場合はこの混合蝋をそのまま使いますが、手描きの場合はさらに松脂、パラフィン、ピーナッツオイルを加えて調合し、硬さや粘りなどを調節します。


蝋でスッタモンダ

2011-03-20 06:36:16 | バティック

風邪でブログの更新をサボっていました。先週末、そろそろちゃんとお仕事を!と立ち上がったところに東日本大地震(正式名称ではないようですね)が発生。その後、しばらくはテレビの緊急地震情報や原発に関するニュースにこんなに遠くから一喜一憂しつづけ、ブログの更新が出来ませんでした。

さて、ここしばらくのところ工房で大問題になっていた「蝋の調子が悪い」という問題。いろいろ試してみましたが一向に改善せず、蝋落としたものの10%は大きく割れたり、腺がブチブチに切れたりで失敗。カトゥラ師匠や同業者の友人に相談した結果、プカロガンから蝋を買うことになりました。「Malam Cong」と呼ばれるものでプカロガン郊外の電気屋さんで販売されています。

Tembok(Popok)用の蝋。たしかに割れにくいです。ただ、ちょっと匂いがきつい。↓

SMSしてネットで振り込むとプカロガンから送ってくれます。すごーい便利。インドネシアも日々、発展中。

ISEN用の蝋。かなり色が薄いです。4個で1kg↓

イセン用の蝋を溶かしてみました。食用油みたい。↓

イセンのお嬢さんたち、2グループに分かれてお試し中。↓

色が薄くて見づらいとブーブー言ってます。

通常の蝋、プカロガンの蝋を交互に使って描きます(ウィンダちゃん)。↓

同じく、スリちゃん。おばさんが見張っているので仕方なく(笑)↓

サンプル、出来ました。色がかなり違いますね。この段階では通常の蝋のほうがきれいに上がっているように思えます。イセン職人の意見も同じ。↓

染めてみました。↓

プカロガンの蝋は白く見えます。

<MC>というのがプカロガンの蝋使用。<MB>は通常使っている蝋使用です。↓

通常つかっている蝋は線描き(Soloan)部分がかなりブチブチ途切れてますね。イセンにはMalamCongを使ったほうが良いようです。

震災後の日本の様子を聞きにカトゥラ師匠が立ち寄ったので、蝋について見てもらいます。↓

カトゥラ師匠は日本人顧客がたくさんいるので、今回の大災害をとても心配されていました。

蝋は季節によって調整が必要だし、1日使うと底に砂のようなものがたまるので、毎朝漉すことになりました。そのほかににWitが作りにくいとかまだまだ問題はあるようです。いろいろ試しながら解決していこうと思ってます。

 


職人探し騒動その2

2010-12-31 07:53:19 | バティック

師走の様相などほとんど見られない緩々なインドネシア。日本は雪が降っているところも多いみたいですねぇ。

工房のお休みは1月1日だけですが、翌日が日曜日なので2連休になります。よって金曜日の今日がGajian(給料日)。トランペットももちろん配布します(笑)。

テンボック職人探し騒動、とりあえず一人お試し中です。まず最初にWit(白地部分を細く残す技法)がどの程度出来るのか見たかったので、ISENの施されていない下絵のみの布を渡してみました。↓

なかなか、キレイ。でも4日近くかかっちゃった(汗)。途中でイヤになっちゃうんじゃないかと心配しましたが、なんとかクリア。

葉っぱのギザギザもキリっと描けてます。↓

でも、この葉っぱ、ギザギザ多すぎ。カトゥラ師匠にもよく指摘されています。これじゃー職人さん、かわいそうって。うちの下絵師のおじさん、次の工程のことほとんど考えずに自分の好きなように描いている様子(汗)。

やっと2枚目。こんな感じで進めていきます。

ちなみにお試し中の職人さんのお母さん、うちの元職人さんで、しかも下絵のおじさんの「元カノジョ」。「Laaa, anak tirinya Bapo Sap!(アラー、サプおじさんの継子)」って、皆で大騒ぎ。こちらもユルユル~。

まあ、続くかどうかは分かりませんが、とりあえず第一歩。もう2人くらいは欲しいので継続して探します~。