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チレボンバティック工房日記

インドネシア・ジャワ島、チレボン市にある手描きバティック工房から。

布を煮〆る

2008-08-24 10:18:59 | バティック


事情があってバティック柄プリント生地を数十枚引き取ることになってしまいました。柄は面白いのですが、色彩がかなりぶっ飛んでいるし、どうしたものか?とりあえず、染料をかけて全体が渋めになるように作業中です。

タイトルの「煮〆」。実際は熱湯で煮るわけでなく、インディゴソールと呼ばれる染料で布全体に色をかける作業です。チレボンでは「ニェロン」とか「チェロン」とか呼んでいます。これは手描きバティックのフィニシングにもよく使われる技法です。うまくいくと高級感が出るのですが、濃すぎるとなんとなく「醤油で煮〆た」ような感じになって非常に難しい。工房で製作したカインなどを染める際は付きっ切りで作業しますが今回は安々のバティック柄プリントなので、染め職人お任せでガンガン染められます。楽しい。

まだまだ続くバティックやバティック柄生地の洋服ブームで、トゥルスミの業者もプリント生地の加工(チェロン)や縫製の段取りに追われている様子。ジャカルタやバンドンあたりからやってくるドメスティックの需要はほとんどこのあたりなんです。週末などは大型観光バスが村の狭い道を行き来しています。この分だと、断食月も賑わいは続きそうですな。







異臭騒ぎ

2008-07-29 23:41:25 | バティック


パチェ工房ではトゥルスミの他の工房と同様に蝋の調合もしています。バティックに使われる蝋には松脂、パラフィン、調合蝋、ピーナッツオイルと共に、再生蝋も大事な材料ひとつです。

今朝、ふと裏(=工房)に出てみたら、縫製のアヨさんは鼻と口覆って仕事しているし、職人さんが皆咳き込んでいます。蝋の調合をするときは材料を煮出すので匂いがするのですが、これはただ事ではない!?大急ぎで染め場の遮光シートを上げて、工業用の扇風機で風を送ってみました。

何事!?と冷静に問いただしたら、いつもは小さな鍋で煮ている再生蝋を「たまたま大量にあったから」という理由で蝋落としで使うドラム缶に入れて、高温でガンガン煮たらしいんですな。丁度、いつも蝋の調合を担当しているユキちゃん(オヤジ)は目の治療で医者に、ウィジャさんは市場に行っていて留守でした。パラフィンを加えずに(切らしていたから、という理由)再生蝋だけ煮たのも匂いが発生する原因になったようです。

これって日本だったらどえらい騒ぎになるよなぁ。まあ、工房のほうもコマールのカミナリが落ちて大騒ぎでしたが。ああ、本当に目が離せないとは、このことか・・・・・。


職人さん、全快

2008-07-17 22:35:51 | バティック


3日間入院したTembok職人・ソミニちゃん、無事退院しました。とりあえず、栄養を付けるため毎日皆と一緒に送迎車に乗ってきて、ごはん、牛乳、果物を食べお手伝いさんのお部屋でゴロゴロしたり、鳥のおじさんたちと日光浴したりする日々です。夕方にはまた送迎者で村の自宅に帰ります。と、いうのも、病気はともかく入院する前に高熱が出た際、ゾクゾクするということで慌てたお母さんがアクアのボトルに熱湯を入れて足の裏に当て、ちょうど土踏まずの部分を火傷してしまったという・・・。火傷の治療もうちでしているんですな。うーん、まさに踏んだり蹴ったりとはこのことか。

口の炎症も治まったので明日から半日お仕事、午後からはゴロゴロという感じでお仕事復帰です。とりあえず、ビタミンB剤も買ってきたので飲ませてみよう。

画像はなんだか今までにない色に染まったのでお披露目です。白抜きの花の部分は「プリカン」と呼ばれる技法。ソロアンのバティックだと白が浮き立ってきれいですね。この「プリカン」部分を伏せるのもTembok職人のお仕事です。




イセン塾その後

2008-07-11 13:10:02 | バティック


イセン塾生の二人のお嬢さん、先週末にちょっと日当が上がりました。今週からちょっとランクがアップした技術に挑戦中。

今週の課題は「Pengapit」(プンアピット、と読みます。細かいボーダー線のこと。)まず、Carat Loroと呼ばれる二口のチャンティンで線を描いて、その中を様々な模様で埋めていきます。難しいのは間隔を均等に取ることと曲がらないようにまっすぐに模様を描いていくこと。二人ともまだまだ「ミミズ」状態ですね。なんだか、ウネウネしてます。

飽きないように一日、5-6本練習します。がんばれー。





ざくろのイセン、練習中

2008-06-21 10:04:54 | バティック


ウウット先生の指導の元、ざくろ柄のイセンをお勉強中のウィンダちゃんとソピアちゃん。「Wajik」と呼ばれるバリエーションですが、ざくろの実についている茎の位置から線の角度を決めなければならず、簡単なようでなかなか難しい。また、線の幅も一定でないときれいにみえないため、技術を要します。がんばれ~。

昔、桑沢デザイン研究所(1年だけ在籍)に通っていたころ、30cm四方の正方形の中に「烏口」(←あああ、年がばれる~)で均等な線を引くという恐ろしい課題が出されたことがあって、それを思い出しました。大変だったなぁ、あれ。ぐちゃぐちゃになりながらやり遂げましたが、今だったら絶対投げ出しているは。若いってすごい。





イセン塾は続く

2008-06-21 09:54:57 | バティック


「Tujuh Bulan」の儀式を済ませたイセン職人のウウットちゃん。本格的に休暇に入りました。今日は挨拶に来たついでにお子様イセンの二人を指導。イセンのバリエーションと描き方を教えています。写真、左からWinda、Uut先生、Sopia。

だいたい出産すると2年くらいはお休み。以前、やはりイセンの要のひとりだったエカちゃんが「子供が乳離れしたら復帰したいけれど、いいか?」とのこと。ウウットちゃんもいつか戻ってくるのかなぁ?ああ、未練、タラタラ。




木綿バティックブーム

2008-06-04 11:06:40 | バティック


ここのところ、国内市場で木綿バティックブームが続いています。芸能人などがバティック柄の洋服を着ているのもよくテレビで見るようになりました。

そのブームを受けてか、ここのところトゥルスミのショウルーム、工房は注文をさばくのにパニック状態のようです。ただし、売れているのは「安々」のもの。チャップやプリント、「オブロガン」と呼ばれる手の粗い格安の手描きバティックなどです。

友人の工房では本業は高級手描きバティックの製作なのですが、ジャカルタからのオーダーを受けて、安々バティックを探してきて渋い色を全体にかけるという作業で大忙しです。「バティック布より染料のほうが高いの~」と嘆いておりました。トゥルスミでは木綿バティックが品薄になっているそうで、チレボン市内にある華人経営の卸問屋まで探しにいくそうです。これはちょっと笑える・・・。

昨日、トゥルスミで格安のバティックを販売している人気店「Nova」に白生地を買いにいったところ、ジャカルタから遠征してきている奥様方がごちゃまんとおり、木綿バティック生地の物色中でした。つい、一緒になって洋服生地も購入(汗)。このブーム、いつまで続くのでしょうか???





イセンの基本

2008-05-30 01:17:33 | バティック


月曜日から通ってきているイセン塾のお嬢さん達、日に日に上手になっています。お姉ちゃんや義理のお姉さん(ウィンダちゃんはMetoのCurちゃんのダンナさんの妹)と一緒に通っているので、まあまあリラックスしてお勉強してくれています。最初は「Titik,Sawut(点と線)」というイセンの基本中の基本を習います。

今日は試しにPrimaという練習用生地にペンギンちゃんを描いてもらいました。ウィンダちゃん、ペンギンの嘴を花びらと見なしたらしく、Sawut(線)を描いてしまっています。「ヒゲぺんぎん」と皆で大受け。

ちなみに羽の部分が「Sawut」、お腹は「Bulu」、背中は「Titik Pasung」、頭は「caco」という呼び名のイセンです。イセンの考案(どの部分にどのバリエーションのイセンをするか)をしたのはウウットちゃん。初めてみたときは、「どえー、ペンギンの頭にネット被せてあるっ!」ってびっくりしましたが、今ではすっかりスタンダードに(大汗)。このイセンのせいか、「カワイイ雀よねっ!?」って良く誉められます~。




イセン塾開講

2008-05-26 22:40:30 | バティック


苦労して探し出したイセン職人見習い、2名が今日から出勤しています。どうしても見つからないので、職人一人一人にインタビューしたところ、イセン職人候補が出てくる、出てくる。単に言い出しにくかったというだけのことだったようです。

もうこうなったら早い者勝ちということで、名乗り上げてきたお嬢さん2名をお勉強させることにしました。二人とも中学卒業したばかりの14歳。現在、育児でお休み中のヤナちゃんの妹、ウィンダちゃんと現役イセン職人・コディジャちゃんの妹、ソピアちゃんです。うーん、まあ、チャンティンは使ったことがあるという程度でしょうか。まずは1週間、様子を見てみます。

写真画像、先週まではガランとしていたイセン職人の場所が今日は9人でいっぱいいっぱいになっています。右下の縞模様のTシャツがソピアちゃん、右端、ショートカットがもうすぐお母さんになるウウット先生、その後ろがウィンダちゃんです。がんばってねぇ。



イセン職人探し

2008-05-19 18:56:33 | バティック


「Ibuuuu, minyak tanahnya langka!」(灯油がありませんー)、とペンギンお手伝いさんディタちゃんが騒いでおります。近所のワルンから灯油が消えてます。やばいっ。値上げが近づいてきているので、どこかに溜め込まれているんでしょうか???

イセン職人難も相変わらず続いております。今日は3人。通常ならは8人で輪になっているのに、こんな状態です。テンボック職人に回すイセン済みのストックがどんどんなくなってきています。こちらもヤバイ・・・。