子どもの健康

子どもたちの健やかな成長を願って、子どもに関する小児科医の雑記

子宮頸がん予防ワクチン(サーバリックス)

2010-01-22 21:00:16 | 雑記
子宮頸がん予防ワクチン(サーバリックス)が、昨年12月に発売され、当クリニックでも接種できるようになりました。

なぜ小児科で子宮頸がんのワクチン??と思われる方いるのではなかと思います。

子宮頸がんは、主に発がん性ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が原因となって発症します。
このウイルスにはいくつかのタイプが存在しますが、この中でも子宮頸がん発症の原因として頻度の高い16型と18型の感染を予防するために作られたのが今回のワクチンです。

接種対象年齢は10歳以上の女性で、このウイルスの感染は性的な行為で感染するため、セクシュアル・デビュー(初交)前に接種することが重要と考えられており、11歳~14歳(おおむね中学生)での接種が強く推奨され、小児科での啓蒙・接種実施が重要となってきます。

セクシュアル・デビュー(初交)後の接種に関しても、無意味ということではなく、接種年齢の上限はありませんが接種による免疫獲得状況や子宮頸がんの発症年齢などを考慮し45歳程度までの接種を学会などでは推奨しています。

接種回数は計3回(初回接種、初回後1ヶ月、初回後6ヶ月)で、肩への筋肉内注射となります。
費用は当クリニックでは1回17000円(計51000円)となります。
費用負担は大きいと思いますが、子宮頸がんの発症のリスクを確実に減らせる効果を考えてみて下さい。

ただし、このワクチンで子宮頸がんを完全に予防出来る訳ではないので、がん発症年齢(20歳以上)になったら子宮頸がん検診を受けることも重要になります。

ワクチン接種はお子さんに限らず、お母さんもご希望があれば接種を行いますが、子宮頸がん検診を必ず並行して受けるようにして下さい。

子宮頸がんについては、ワクチン発売元の製薬会社の子宮頸がん情報サイトに詳しく説明がありますので参考にして下さい。