子どもの健康

子どもたちの健やかな成長を願って、子どもに関する小児科医の雑記

インフルエンザ

2009-09-06 22:28:27 | 雑記
夏休み中、インフルエンザA型(=新型)の発生は中高生が中心でしたが、9月に入り保育園・幼稚園・小学校での発生が散見されるようになってきました。

テレビや新聞などの報道では、重症例・死亡例が取り上げられることが多く、不安になるのではないかと思いますが、実際の診療現場では通常のインフルエンザと同程度から症状の軽い症例の方が多く、過度の心配はせずに落ち着いて対応する必要があると思います。

微熱や咳など軽い症状で、心配だけで慌てる事はしないで、自宅でゆっくり休養するなど様子をみて、熱が上がって続くなどあれば、医療機関を受診して診察を受けるのがよいと思います。

慌ててすぐ受診しても、インフルエンザの診断もつかず、経過をみて再度受診しなければならなくなってしまいます。

咳がひどい、呼吸が苦しい、けいれんを起こした、嘔吐を繰り返す、意識がはっきりしない、様子がおかしいなど、気になる症状がある時にはすぐ受診する必要がありますが、熱だけで状態が落ち着いているような時には少し様子をみるぐらいの余裕も必要です。

ただ、非常に症状の軽いインフルエンザの方もいるので、身近でインフルエンザが発生している場合には、症状が軽くても体調がいつもと違うような場合は少し様子をみて(自分の症状は軽くても周囲には感染を広めてしまう)、念のため医療機関を受診する事をお勧めします。

今回の新型インフルエンザは、ある程度の感染者が発生することは避けられません。通常の季節性インフルエンザでさえ、前もってワクチンを接種するなどある程度免疫をもっているにも関わらず、毎年流行が起こるのですから、新型のインフルエンザの発生がそれ以上になるのは避けられないことだと思います。

今は、インフルエンザによる健康被害のリスクの高い方達にできるだけ被害が及ばない様に、また重症化した人たちに出来るだけ早く適切な処置が出来る様に、全ての人が冷静にどうしなければいけないのか、各人が意識して責任ある行動をしなければならないと思います。