子どもの健康

子どもたちの健やかな成長を願って、子どもに関する小児科医の雑記

夏かぜ

2008-07-14 00:22:26 | 雑記
この時期に流行するウイルス性の感染症を総称して「夏かぜ」と言います。

けっして、「暑さで具合が悪くなった」「冷房で具合がわるくなった」と言う様なものではありません。

最近は、38~39度台に熱を主症状とするものが多くみうけられます。

熱以外に、喉の奥に口内炎ができるような場合は「ヘルパンギーナ」、口内炎以外に手足などの発疹を認めるような場合には「手足口病」といったように、何か特徴的な症状を認めるような時には、別途病名がつけられます。

また、扁桃腺炎や結膜炎を伴う様な場合や喉の検査でアデノウイルスが検出されたような時には、「プール熱」とか「アデノウイルス感染症」といった診断をつけられます。

それ以外、熱の他に特徴的な症状がないけれどウイルス感染症が疑われるような時に「夏かぜ」という診断名が使われることが多いのではないかと思います。

「夏かぜ」自体に効果的な薬はないので、水分や栄養の補給に気をつけながらゆっくり休むことが基本となります。

ただ、水分が十分に摂取できなければ脱水になってしまったり、「脳炎・脳症」など重篤な合併症を併発する場合もあるため、状態に応じてそれなりの対処治療が必要になるので、薬がないのだからどんな状態でも様子をみるしかないということではありませんので注意して下さい。