海山の創作ノート

工房T 海山の書、印、絵、版画、工作、etc.日々の暮らしの中で出来た作品を紹介します。 さて、今日は何を作るかな。

No.821 ○○版リトグラフによる実験的 「フクロウ」

2017-01-26 | 版画

A:アルミホイル版リトグラフ+発泡スチロール版


B:アルミホイル版リトグラフ+発泡スチロール版


c:紙版油性・インク


リトグラフの実験の過程で生まれたフクロウ達です。

正確には、「ミミヅク」ですね。

さて、リトグラフですが、

本来は、石版に、水と油が混じりあわないことを利用する平版の版画です。

石の表面に、化学的に油をはじく所と油がなじむ所を作って、油性インクで刷ります。

油が着く所が形となって表れるわけです。

現在では、石の代わりにアルミの板を使うようになりましたが、方法は同じです。

そのリトグラフを、今自分の持っている材料でやることはできないものかと、実験を繰り返しているのです。

前からのこのブログの読者の方は、ご存じのように、紙版ドライポイントやパスタマシンによるプレス版画をやっていますので、身近にある材料で、なんとかリトグラフはできないものかと、いろいろやっているわけです。

リトグラフの特長は、なんといっても、描いた線がそのまま表れるということです。一番ストレートに線を表現できます。

この良さを生かさないのは、もったいない。

是非やってみたい方法なのです。

しかし、本格的な、正しい、というか教科書に載っているやり方、いろいろと用具用材を買いそろえなければならない方法、ではないことを目指すのです。

そこで、ネットで見つけた、フランスで流行っているという、キッチンリトグラフ。

これは、アルミホイルとコーラとオリーブせっけんで、簡単にリトグラフをやるというものです。
(詳しくはネットで、たくさんあります。)

この方法でやってみました。

アルミホイルとクレヨンとコーラ、そして油絵の具。

しかし、簡単にはできません。

近づきはしていますが、納得のいくものではありません。どうしても、周囲の汚れが出てしまうし、2枚も刷れば版が傷んでダメになります。

きっと、どこかでミスをしているのでしょうね。

数枚できたものに、もう一つ版を重ねてみることで、汚れを目立たないようになればと思い、手近にあった発泡スチロールのトレイで版を作って色を乗せてみました。

そして、できたのが、AとB。

苦心の作です。

どうせ少ない枚数しかできないのならば、この方が簡単できれいなのではないかと、思い立ったのが、C。

厚紙にクレヨンで描いて、油性インクで刷っただけです。

なんだ、こっちの方が良いかな?

でも、これなら、普通に描いた方が良いか。

まあ、そのうちに何か良い方法がみつかるのではないか、
と実験を繰り返すのであります…。