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引退

2013-09-26 07:09:53 | Weblog
宮崎駿監督はスタジオジブリのスタッフに、こんなことを言ったことがあるらしい。「もしジブリ倒産ということになったら、最後に『となりのトトロ2』をつくってみんなでお金を分けようね」
 
倒産は困るが、トトロの続編はぜひ見たい。しかし、それはかなわない。作家の半蔵一利さんとの対談『腰ぬけ愛国談義』(文藝春秋)で、宮崎さんは言っている。

トトロ、は「雑草という草はない」という昭和天皇の言葉のように、雑草一本まで日本の自然を描いた作品。「それがもう、描けないんです。いまの人間たちには描けない・・・縁はもうあの頃の緑と違う色ですから」。

乱開発されて、ウマオイの声すら消えつつある自然。経済大国といいつつ、さまざまな形の貧しさを抱え込むこの国の姿に怒りつつ、宮崎さんは「子どもたちにこの世は生きるに値することを伝える」ため、名作を送り出してきた。

先日の引退会見で宮崎さんは、敬愛する作家として、英国の児童文学学者ロバート・ウェストールの名を挙げた。その作品集『ブラッカムの爆撃機(岩浪書店』を自ら編んだ宮崎さんはウエストールに語りかける。

「あなたの作品には、このムゴイ世界と戦いつづける勇気と、失われたものへの愛惜に満ちています。すてきです」。この言葉を、そのまま宮崎監督に贈ろう。

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