デジカメぶらりぶらり

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散るか

2012-11-20 07:06:56 | Weblog
散るか、散らぬか。自ら散るのか、風に散らされるのか。寒風にひらひら舞う枯れ葉を見れば、訳もなく寂しくなる。植物の声を聞く超能力があれば、落ち葉のすすり泣きが聞こえてくるのだろうか。

どうしてもそうではなさそうだ。植物生理学者の田中修さんが書いている。<葉っぱたちは、寒さのために、枯れ葉とされるのではない。もし、葉っぱたちが話すことができれば、「寒い冬の訪れを予知し、自分から積極的に、枯れ落ちるのだ」と言うだろう>

田中さんの著書「ふしぎの植物学」によれば、葉には15分単位で夜の長さの違いを把握する驚くべき力がある。季節の流れを計り、自分の持っている大切な栄養を幹や根にしっかり送り返してから、散る。

芽吹きのために自分のやるべきことをやり尽くし、風に舞うのだ。やるべきことをやってとも思えぬが、野田首相が党首討論で、「散る覚悟」を口にした。解散と引き換えに、議員定数削減への決意表明を迫られた自民党の安倍総裁は、党首一騎打ちの場では、自らの覚悟を明言しなかった。

葉がもう散るといっているのに、阿吽の呼吸で決然と烈風を吹かせられない。何とも優柔不断な北風だ。民主党内では「まだ散りたくない」の大合唱だ。やるべきことをせず、愛想を尽かされているのに、枝にしがみつこうとしている。

落ち葉を煎じて飲んではどうか。