デジカメぶらりぶらり

デジカメのほやほやの写真をご覧下さい。

モナリザ」

2012-10-08 08:13:43 | Weblog
レオナルド・ダピンチには、とんでもない弟子がいた。名はジャコモ。10歳で工房入りした少年のことを、巨匠は手記に描きとめた。<泥棒。嘘つき。頑固。大飯食らい><二人前の晩飯を食、4人前のいたずらをした>。

とんだ小悪魔だが、ダビンチは終生、彼を従えて、相当の遺産まで与えた。巨匠はなぜ、こんな悪童を人生の友にしたのか。この謎を種に、米国の作家カニグズバーグは『ジョコンダ夫人の肖像』という名作童話を咲かせた。

小悪魔こそ「モナリザ」誕生の鍵を握る。そんな物語だ、いや、このジャコモ自身が名画のモデルだという研究者もいる。とにかく謎が多いモナリザをめぐる疑問がまた増えた。

英国に伝わった絵がダビンチ作「若き日のモナリザ」だとスイスの財団が発表した。あれは、あくまで模写だとの主張もあり、新たな論争の始まりだ、イタリアでは、モデルとして有力視される商人の妻ジョコンダ夫人の骨を発掘し、顔を復元する試みもある。

死後500年もたって掘り起こされるのだから、天国の夫人は微笑してばかりいられない。巨匠は死ぬまでモナリザに手を加え続けたという。

描くことは<自然のつくるものを超え、限りないものを追求する>ことだった。そんな無限の所業に駆り立てたのは、ひょっとして小悪魔の仕業なのか。あの美女には、やはり謎のベールが似合う。