仏壇販売人、ぶつぶつ日記

山口県の隅っこから
仏壇販売人のたわ言、繰言、独り言。
ほぼワタクシごと、たまにお仕事。

廻り灯籠と盆提灯

2008-07-31 13:49:09 | 仏事のあれこれ

「仏具屋さんで聞いたんだけど、廻り灯籠をお盆に飾ってはいけないの?」

というコメントをいただきました。

うーーーん・・・・
廻り灯篭をお盆に使うのは間違いではないです。

少なくとも私どもの店のある、中国地方西部では。

実際、ネットなどでも「盆提灯」として「霊前灯」と言われるタイプの

「ぼんぼり」のような形のものもたくさん売られているし。

むしろ、個人的には「葬儀の時の提灯」を「初盆」に使う、というのが問題なのかな?

と思ったりもします。

語弊はあるかも知れないけれど、

葬儀の提灯によって慰められるのはまだ成仏していない「魂」。

初盆は必ず49日をすぎた「成仏した魂」が初めて家に帰ってくるもの

ですから、同じ提灯でも意味合いが違うのでは?と思います。

 

ただ、お盆の風習は地域によって本当に、大きな違いのあるもの。

仏具店さんだけでなく、お寺様とか親戚・知人など地域の風習をよく知る方

に相談されるのも一つの方法です。

もちろん、地域やお寺様によっては葬儀の時の提灯でもOK、とか

初盆でも廻転灯だけでOKという場合もあります。

 

同じ中国地方でも岡山あたりでは

「盆提灯は一対でなく、一個でもOK」「3年過ぎたら提灯は出さない」という

習慣もあります。


位牌の文字のこと

2008-07-29 13:54:00 | 仏事のあれこれ

「位牌といえば表に戒名、裏に生前の名前を刻むもの」という認識がほとんどですが、

よくよく見ると、戒名や名前以外にも様々な文字が刻まれています。

 

表側の場合だと、それぞれの宗派に合わせて戒名の上に文字を

入れることがあります。

浄土宗なら梵字の「キリーク」

真言宗なら梵字の「ア」(画像はまたいずれ・・)

日蓮宗なら「妙法」など・・。

 

位牌を作りに来られるお客様の中には

戒名のみを写してこられる方もあります。

その時は「梵字はどうしますか?」等々お尋ねすることになります。

そうなると大抵の場合、「それって何ですか?」というお返事。

そこで各宗派のご本尊なり考え方なりを示すものであることを

お伝えします。

 

そして、さらに説明しにくいのが、戒名の下につける「位」という字。

いわゆる下字、というものですが、何とも説明しにくい。

地域やお寺様によってはつけない場合もままあります。

 

わかりません、というわけにもいきません。

「位」は霊の居場所を示すものだとか諸説あるようですが

とりあえず、「様」とか「さん」というくらいの「敬称」と考えていただいたら・・・と

いうのが一番納得していただけます。

 

 


砂糖盛、です。

2008-07-26 13:45:56 | 商品のこと

連日の猛暑。

この時期だからこそ、売れに売れるモノ、というのがあります。

2年前の今頃の記事でも紹介した造花はその最たるもの。

生花が理想だけど、この暑さではいたし方ありません。

 

お供え物もしかり。

今頃の時期は出回る果物も豊富で、お盆ともなれば

どんどんお供えしてあげたいところ。

でも、多いんですよね。

お供えの果物が腐って汁がでて

 お仏壇の敷物がダメになった・・・・・」というお話。

 

そこでこのところ好調な売れ行きを示しているのが

写真の「砂糖盛」。

花の形の砂糖が色づけされて積み上げられたもの。

彩りはきれいだし、高さがあるので豪華に見えるし、

後でちゃんと使える(2ヶ月くらいが目安)、ということで

自宅用だけでなく、お遣い物のお線香などにも添えられるお客様が

増えてます。

 

お供えした果物は新鮮なうちに家族でお相伴し、

「(お仏壇を)汚さぬ前の砂糖盛」というのはいかがでしょう?

 

 

 

 


土用の丑の日、のお約束

2008-07-24 13:43:45 | 仏事のあれこれ

本日は「土用の丑の日」。

世間では「うなぎ」と「シジミ」がダントツにもてはやされる日です。

(この「土用にうなぎ」というのも平賀源内の策略だった、というのも

 今では有名な話のようですが・・・)

ところで、仏事の方面では「土用の丑の日」といえば「胡瓜」です。

 

真言宗のお寺で行われることが多いのが

土用の丑の日の「胡瓜加持」。

病封じの祈りを胡瓜にこめて、無病息災を祈るというもの。

護摩木ならぬ胡瓜に願いと氏名を書いた紙を巻き、

御祈祷した後、川に流す、あるいは土に埋める、というものです。

胡瓜が跡形もなく腐って、病も一緒になくなってしまう、と考えられているようです。

 

この近辺では

下松市の閼伽井坊さんで「胡瓜加持」が行われました。

告知が遅くなったので、今年の「胡瓜加持」は間に合いません。

今年は何とか自力で乗り切って、

来年おでかけになってみてはいかがでしょう。

 


新入荷のお線香「うらわか」シリーズです

2008-07-20 13:48:16 | 商品のこと

最近入荷したお線香の新商品。

「うらわか」シリーズです。

左から、「梅」「お茶」「さくら」の香り。

白檀・丁子などの香料をベースに、「梅」なら梅から、「お茶」ならお茶から、

という具合にそれぞれの材料から抽出したエキスをふんだんに

配合してあるそうです。

 

・・・・って、能書きはさておき、このシリーズ、なかなか好調な売れ行きを

見せております。

特に「梅」なんぞはなんともいえない甘酸っぱいかおり、というか

おいしそうな香り。

「お線香らしくない」かおりのお線香がお好みのお客様にお勧めすると

たいてい納得していただけます。

 

お線香って、「香り」という何とも曖昧なものが商品だから

作り手のイメージと消費者のイメージがどれだけ

合っているか、が問題になってくると思います。

 

地方、とか高齢者が多い、という客層のせいかもしれないけれど

少なくとも当店では「夏の海のイメージ」とか

「オールドローズのかおり」(あくまでも例で、こんな商品はありません)

といった「イメージ」訴える香りは不人気です。

お客様自身がピンとこない、ということかも。

 

ネーミングからぱっと香りが連想できて、

嗅いで見て「そうそう、この香り」と納得できるものが売れ筋です。

わかりやすさ、が第一、ということでしょうか?


たるみ解消!!提灯の・・・・

2008-07-18 13:37:01 | 商品のこと

お盆提灯をしばらく飾っていると、火袋がたるんでくることがあります

写真でいうと、青い矢印のあたりがだぶついたような、

張りのない感じになってきます。

だからといって

「すわ!!不良品!?」などという心配はご無用。

ピンクの矢印の部分のひもが温度や湿度の加減で

伸びていることがほとんどです。

内側に結び目があるはずですから、もう一度、

気持ち紐が短くなるように結びなおしてやれば大丈夫。

 

お盆提灯はたちまち美しい張りを取り戻します。

・・・そんなわけで「しわ」「たるみ」は簡単に解消できます。

いいよなぁ、提灯は。

ただし「シミ」はどうにもなりません。

保管にはご注意を・・・。


仏間に燻煙剤は?

2008-07-14 13:51:03 | 本音

お客様からお問い合わせの電話。

曰く、「お仏壇のある部屋で燻煙殺虫剤を焚きたいんだけど

    大丈夫でしょうか??」

うーーーーーん・・・・・

ほとんどの家財道具がそうでしょうが、

燻煙殺虫剤を焚くと大なり小なりダメージを受けます。

当然、仏壇も。金仏壇ならさらに。

 

とは言え、害虫が気になるのにそのままにしておくわけにもいきません。

小さいお仏壇なら

殺虫剤を焚くときだけ、どこか別の場所にお仏壇を移動しておく、

というテもあります。

それも無理なら、殺虫剤の使用説明書にも書いてあるとおり、

心配なものにはカバーをかける、ということになります。

 

お仏壇の障子や大戸(雨戸)を閉めます。

仏間に入っていないお仏壇なら新聞紙なり、シーツなりで

すっぽり覆ってしまいます。

仏間に入っているものなら仏間の間口を新聞紙などで

ふさいではいかがでしょう?

建築用のマスキングテープを使うと柱にテープや画鋲の跡を

残さずに済みます。

 

「殺虫剤は使用しない」が理想だけど、

「刺されたら不快」なのも事実。

なんとか上手く折り合いをつけねば・・・。

 


家紋もさまざま

2008-07-11 14:06:18 | 本音

今年も家紋入提灯のご注文をたくさんいただいています。

その家紋ですが、代々「うちの家紋はこれこれ」と伝わっている家や、

既にお墓などがあって家紋がはっきりしている

場合は話が早くて助かります。

 

意見が分かれるのが、いわゆる「分家」にあたる家の場合。

(「分家」という言葉は好きではないけれど

他に的を射た言葉が見つからないので便宜上使います。)

 

この場合、自宅の家紋を決めるのにいくつかのパターンがあります。

*「本家の紋は○○だから」とストレートに本家の紋と同じにする場合。

*本家の紋から少しアレンジする場合。

  丸をつける、とか図案を少しずらして一部しか見せない、とか

  白黒を逆転させていわゆる「陰なんとか」というカタチにする、など。

  これは昔の分家のの紋に多かったパターンだそうです。

*あるいは家系や血筋に関係なく、紋見本の中から自分の好きな紋を

 「我が家の家紋はコレでいく!!」と決めてしまう方法。

*そして、紋見本にもない、まったく新しい家紋を「我が家の家紋」

 としてデザインしてしまう、という場合もあります。

弊社のお客様でも数件、「新しい家紋」を創作された事例がありました。

地方によって、しきたりとか約束事はあると思いますが

「菊の御紋」みたいに明らかにタブーのものでなければ、

いずれの方法で決められてもよいと思います。

 

家紋って、造るにしても、受け継ぐにしても

長い歴史の何処かの時点で、あなたに縁のある人が

それなりの思いを持って決めたもの。

たまにはじっくり眺めて、ご先祖様に思いをはせるのもいいかもしれません。


お盆商戦真っ只中。

2008-07-08 13:47:14 | 本音

山口県地方では先週、7月6日に梅雨明けが宣言されました。

昨年より17日、平年より12日も早い梅雨明けだったとか。

おかげでいきなりの暑さ!!!

でも、この暑さがお客様を動かすような気がします。

つまり・・・・・

当店に限らず、多くのお店は6月半ばくらいから盆提灯を

展示したり、案内を出したりしてお客様にアピールします。

でも、このあたりのお盆は8月。

正直、まだまだ涼しい、6月、梅雨の時期は客足も鈍いのです。

 

それが・・・・・

毎年のことながら、梅雨が明けて、かーーーーっっと暑くなると

一気にお盆提灯のお客様が増えるのです。

暑さ⇒夏⇒お盆  という発想になるのでは・・・と想像しているのですが・・。

 

今年は梅雨明けと売り出しスタートの日が重なって、

おかげさまでてんてこ舞いの忙しさ。

嬉しくもあり、しんどくもあり・・。

でもまあ、この業界、これが当然、というか

この時期に暇だとかなりアブナイかも。

キリキリねじ巻いて、お盆まで一気に走らねば・・・。

 

 


廻るお盆提灯

2008-07-04 13:43:08 | 商品のこと

お盆提灯をお求めのお客様で連日バタバタしています。

お盆提灯にはいろいろなタイプがあるけれど、

最もオーソドックスなのは写真の「大内行灯」と呼ばれるタイプです。

写真の大内行灯は

脚などの部品が木製で、火袋が絹の外袋と紙又はビニロンの内袋、

という「木製絹二重張り」と呼ばれるものです。

木製部分の材質や仕上げによって値段にも巾があります。

当店でも展示している大内行灯の約9割はこのタイプです。

大内行灯の主流といっていいでしょう。

 

ところが・・・・・毎年必ず数人のお客様から

「廻る提灯はないの????」と聞かれます。

いわゆる「走馬灯」とか「廻り灯籠」と呼ばれるもののことです。

中の筒が空気の対流で廻る仕組みになっています。

昔からあるので「盆提灯」=「廻るもの」と思っているお客様も多いみたい。

 

ただ、残念ながら、当店ではあまり多くは置いていません。

バランスをとりながら、空気の対流だけを頼りに廻るものなので

止まったり、スピードに問題があったり・・・・とトラブルが多いのです。

また、廻転する模様をきれいに見せるためか、

火袋が一重のものがほとんどです。つまりは、やや「高級感に欠ける」

というところも・・・。

 

それでも、それがお客様のご希望とあればどのようにも対応します。

「お盆提灯はいいものが欲しいけれど、

 廻る提灯も絶対はずせない!!!!」というお客様のために・・・・・・

芯棒となる針金と絵柄の入った筒、すなわち

たちまち廻転灯セット

(・・・・なんて名前はメーカーはつけてません)が別売で用意されています。

もしもの時はご相談を・・・。