仏壇販売人、ぶつぶつ日記

山口県の隅っこから
仏壇販売人のたわ言、繰言、独り言。
ほぼワタクシごと、たまにお仕事。

仏前結婚式

2006-06-30 16:30:46 | 仏事のあれこれ

今朝、日本テレビの「ズームイン・スーパー」で
京都の由緒ある寺社仏閣での結婚式が流行中・・・という話題がありました。

紹介されていたのは清水寺での結婚式。

仏前結婚」というと、「え?」という方も多いと思いますが
商売柄、時々耳にします。

菩提寺、またはご縁のあるお寺さんにお願いして本堂で挙式という
パターンが多いようです。

清水寺では参加者で般若心経を唱え、新郎新婦が焼香し、
指輪の交換というような順序で、最後にお寺様から
お数珠が贈られていましたが

私がお手伝いしたお寺では「お数珠の交換」もあったように記憶しています。

好みの問題ですが、
専門式場のお仕着せの舞台装置とちがって
その結婚式のために、整えられた本堂の荘厳は
しっとり落ち着いて「堅実な夫婦」をイメージさせるものだったと思います。

ご自身の結婚式のために、数日前からコツコツと
本堂を整えておられた若いお寺様もいらっしゃいました。

結婚式の時だけ、結婚式のためだけに用意された
ゴーカだけど重みのない教会とかでの挙式って、そろそろなんとかならないかしら。
あれ見る度に新郎新婦がなんとも頼りない「お子様」に
見えるのは私だけかしらん?

そういえば、
あるご住職は知人のイタリア人に頼まれて
イタリアで「仏前結婚式」を執り行ったとか。

珍しがられて、地元で大ニュースになったそうです。
カトリックのお膝元ですものねぇ・・・・。

 


価格改定

2006-06-29 16:28:51 | 仏事のあれこれ

7月1日から価格改定されるのはタバコだけかと思っていたら・・・・。

浄土真宗本願寺派のご本尊様、つまり

一般に「法物」とか「在家免物」とか「ご絵像」と呼ばれるものも
価格が改定されるようです。

以前にも書いたけど、
浄土真宗本願寺派の門徒さんは本願寺からこの「法物」を
受ける(というか冥加金を払って授かる)ことになっています。

わが社のような一般の仏壇店においているものは
言わば「まがい物」。
正式なご本尊様は本願寺からということになっています。

そこで、浄土真宗本願寺派のお客様にお仏壇を
契約していただいたら、ご本尊様については
「こういうものです」という説明と価格表を差し上げるだけです

でも、価格改定となると、価格表を作り直さねばならない
説明しやすいように、全ての金仏壇の中にセットしている価格表も
差し替えねば・・・というわけで結構忙しい。

そういえば、去年の今頃は白檀の高騰とかで
線香が軒並み値上がりし、お客様に説明するのに一苦労でした。

時代の趨勢とはいえ、ものの値段が上がる、というのは
売る側も結構ゆううつです。

 


家紋いろいろ

2006-06-25 17:29:38 | 本音

盆提灯を販売していて背中に緊張が走るのが
家紋を入れたい」と言われたとき。

柄物の提灯で、どう考えても真後ろにしか
描けないような状況でも「家紋を!!」と希望されれば
お受けするよりありません。

でもそれなどはまだ良いほう。

やっぱり一番頭を抱えるのは「何これ?」というような
未知の家紋に出くわしたとき。

実際には4000種とも5000種とも言われているわけだから
紋帳に載っていないものがあっても仕方ないのだけれど
花でもない、動物でもない、何を手がかりに探せばよいのかわからない・・・・
なんてこともあります。

写真の紋のときもそうでした。
中央の片喰まではわかっても外側が??

あちこちひっくり返してやっと「鞠挟み」だとわかりました。
こんなもの今の日常からじゃ見当もつきません。

こういうのも冷や汗だけど、
たとえば「違い鷹の羽」なんかで
「羽に描いてある線がこっちは細くてこっちは太い」とか
言われるのもあせります。

紋を入れた提灯をチェックして、ホントにお客様に
納得していただける図柄になっているかどうか
確認するまでは、胃がキリキリするようです。

家紋を入れることには反対しないけど
せめて、わかりやすい見本を持ってきていただけたら
作業がスムーズになるのに・・・と祈るような気持ちです。


霊具膳の救世主?

2006-06-23 11:03:31 | 商品のこと

浄土真宗以外の宗派ではお盆とか法要のときに
霊具膳が供えられます。

霊具膳とは
お仏壇に供える小型のお膳で、飯椀、汁椀、壷椀、平椀、腰高杯とが組に
なっていて、煮物、和え物、汁物など宗派によって違いはありますが
精進料理を供えるものです。

ところが、お仏壇を祀る人が男性だったりすると
これが結構苦痛になるようです。

そこで売り出されたのがこの「ご先祖さま」なる霊具膳材料セット。

ご飯以外は漬物・汁物・煮物・煮豆がフリーズドライになっていて
お湯に添付のだしの素を入れ、そのだしで戻したり、煮たりするものです。

決して安いものではないように思うのですが
男性を中心に結構売れています。

インスタントでもやらないよりはずっといい、と思います。

でも、でも・・・・・
スーパーのお惣菜、デパ地下・冷凍食品
あらゆるものがそろっている昨今、
これより、スーパーで買われたほうがずっとお得ですよ。って
喉元まで出掛かります。

うーーーん、しかし・・・・
慣れない人は「メニューを考えながら買い物をする」
それ自体が大変なことなのかも知れませんね。

男性も奥様が元気なうちから
料理に親しんでおくのは大事なことだと思います。

まずは食べなきゃ始まりませんからね。

 

 


親の背を見て???

2006-06-21 14:30:35 | 本音

先日いらしたお客様。
娘さん夫婦とおばあちゃん。
おばあちゃんが仏壇を祀るのに、ロウソクだと危ないので、
ということで電池式のロウソクをお求めになりました。

おばあちゃんはかなりのお年らしく
耳も遠いし、足元もたよりない様子。

でも、娘さんはもちろんそのご主人も実に辛抱強く、
優しくおばあちゃんの買い物に付き合っていらっしゃいました

聞けば「年齢が年齢なので心配で最近同居しだした」とか。

その日は
「お花が見たいというので、最近できた『やまぐちフラワーランド』に
 連れて行ってあげようと思って・・・」とのこと。

実の親子だとつい安心してつっけんどんになってしまうのも事実。
娘さんや息子さんから叱られているお年寄りを見て
哀しくなってしまうこともちょくちょくあります。

そんな中、おばあちゃんをいたわる娘さん夫婦に頭が下がりました。

後で「今時珍しいくらい優しい娘さんに、理解のあるご主人よね。」
「幸せなおばあちゃんよね。」と話していたら
同僚曰く
おあばちゃんもそうして来たんじゃないの?」

確かに。親の背を見て子は育つ、っていうものね。

 


セールスあの手この手

2006-06-19 16:51:45 | 本音

店にいるとお客様だけでなく、こちらを「客」とみなした
いろいろな人がやってきます。

パン屋さん、ヤクルトのセールスレディ、保険屋さんに広告代理店
電話会社の勧誘電話・・・・・飛込みで時計や時には文房具を売り歩くお兄さん。
獅子舞、なんてのもありました。

ただ、たいていのセールスの方はとりあえず
「こんにちは。○○です」と名乗ります。最近ではIDカードをつけた人も。

でも今日のセールスは一見巧妙。

お客様みたいにすっと入ってきて、接客につくと

**という線香ありますか
新聞とかで評判なので欲しいんですけど。
(と、新聞の切抜きを見せる)
 メーカーに訊いたら『地元の仏壇屋さんにあるはずだから
 きいて下さい』ということだったんですけど」

取り扱ってない旨伝えると

「式典で使いたいので、そろえば500個くらい欲しいんですけど

せっかくですが扱っていないのでお引取りいただきました。

努力は買いますが、彼のスーツには
しっかりとお線香のにおいが染み付いていました。

たしか、前回は「100個くらい欲しい」と言ったはず。

お取り寄せしてあげればよかったかしら?
前金で。


再葬儀?

2006-06-18 17:13:03 | 仏事のあれこれ

「一番大きい塔婆と普通の塔婆下さい」とお客様。
?????

お寺様から「大きい塔婆とちょっと小さめの塔婆を用意して下さい」と
言われたとのこと。

よくよく聞いてみると、最近よく耳にする
遠方での葬儀にまつわるトラブル(語弊があるかも知れませんが便宜上)」
のようです。

遠方で葬儀をしてそこで来てもらったお寺さんから戒名を
いただいたのですが、いざ地元の菩提寺に埋葬しようとすると
戒名をつけなおさなければならないらしい

ということです。

結局、49日に菩提寺で今ある「戒名」を葬ってもらって
改めて「戒名をいただく」式をすることになったのだとか。

こういう式のことを何と呼ぶのか勉強不足のため知りませんが。

とにかく、49日には

大小の塔婆、大小の白木のお位牌をはじめ
お花、四十九餅と呼ばれるお供え用の小さなお餅(要 手作り)
等々、お客様の手帳には
お寺様から教えていただいた準備の品々がびっしりと書き込まれていました。

普段は遠方に住んでいるという遺族の方の煩雑さや
これからの出費を考えると
「こうなる前に、もうちょっと何とかならなかったものか??」とも思います。


葬儀の前に菩提寺と連絡をとっていればもっとスムーズに
運んだのでは?
とか。

緊急のときだから遺族の方もそこまで気がまわらなかったのでしょう。

幸い、傍から見れば煩雑そうなことでも
遺族の方は
「きちんとした立派なお寺さんだから、丁寧に対応していただける」と
たいそう満足されているようでした。
そういうことなら一安心。

お寺様との信頼関係も「満足できる葬儀」への大事な布石のようです。

 


同業者のブログ

2006-06-17 17:29:53 | 本音

地味な業界ではありますが広大なネットの海にいると
ぽつぽつと同業者のブログやらHPを見つけることがあります。

ちょっと首をかしげるような怪しげなHPや
「お~~いかにも大手」とか「力入ってるなぁ~~」なんて
立派なHPもありますが
同業者としてほっとするのは
地味ながらコツコツと書きためている感じのブログです。

本日見つけたのは「工藤社長の仏事あれこれ」というブログ。
まだ1日めのようですが、なんだか社長さんの人柄がしのばれるような
文章で、楽しみになってきました。

私のようにヒラヒラの末端社員だと直接同業他社の人の話を聞く機会は
ほとんど皆無だし、近辺の会社だと競合関係になるので
そうそう本音も語れないし。

そんなわけで同業者のブログを見つけるのは
すごく楽しみです。

でも、ショッピングページとかで商品がバッティングしてると
ちっきしょーーーーー」って思いますけどね。