仏壇販売人、ぶつぶつ日記

山口県の隅っこから
仏壇販売人のたわ言、繰言、独り言。
ほぼワタクシごと、たまにお仕事。

しきたり、あれこれ。また。

2007-05-30 14:06:46 | 仏事のあれこれ

早いもので先月身内の葬儀を済ませたと思ったら、もう49日。

葬儀の時もローカルなしきたりの違いにびっくりすることが多かったの

ですが、今回も・・・・。

それは法要に招かれた人が持ってくる金封の表書き

49日の法要の場合、たいていのマナーの本には「御仏前」または「御供」

書いてあります。

当然我が家も「御仏前」と書いて持っていったのですが、

なんとなんと・・・・・

地元の人は「ミズノミ料」と書くのです。

「ミズノミ」の表記は「水飲み」だったり「水呑み」あるいは「水の味」

というのもあったけれど、とにかく地元の人は100%「ミズノミ料」。

他県の親戚でも、もともとそのあたりで育った人は

「ミズノミ料」と書いていました。

でも、同じ県内の親戚でも少し離れた地域の人は「御仏前」。

ホントにその町内と両隣の町だけくらいのローカルルールのようです。

 

なぜ、「ミズノミ料」なのか?

「ミズノミ料」の表書きが使われるのはどういう場合なのか?

本当はどれくらいの地域で使われている表書きなのか?

興味は尽きないのですが話を聞くことが出来ませんでした。

そのへんのしきたりに詳しいお年寄りが元気なうちに

ぜひ聞いてみようと思っています。

 

他県でもきっとあるんでしょうねぇ・・こういうローカルルール。

 


紫檀無垢のお仏壇です。

2007-05-25 14:11:04 | 商品のこと

こちらは総紫檀・無垢のお仏壇です。

通常お仏壇は「紫檀」とか「黒檀」と言われていても

それら「看板」となる材料は4mmとか7mm程度の厚みで別の「芯材」

合わせて使用されるのが一般的です。

お客様によっては、「無垢ではありません」と説明すると

拍子抜けされる方もいらっしゃいますが、

無垢のままでは重い、そりが出やすい、などの欠点を補うために必要なことなのです。

 

でも、このお仏壇は無垢。

それもそのはず、高さ60cm、巾30cm、奥行き27cm。

隣の経机と比べていただければわかるとおり、所謂「ミニ仏壇」です。

小さいから、重さやそりの心配が少ないわけ。

ミニ仏壇とはいえ

上部も扉もしっかり面取りがしてあるし、金具も彫柄の入った凝ったものだし

釘をほとんど使わない、丁寧な作りです。

そして、さらに、下段の引き出しは・・・

この「隠し二重底」。底部分はスライド式です。

(100円玉貯金くらいにしか使い道なさそうな引き出しだけど・・・・)

某芸能人じゃないけど

「どんだけ~~~!?!?!?」っていうくらいの凝り様です。

まさに小さくても本物の風格!!

 

 


モダン仏壇のこと

2007-05-21 14:26:54 | 商品のこと

いつも読ませていただいている彦根仏壇の職人さんのブログ、

「仏壇をつくる人の日々」に最近流行の家具調仏壇の話題が取り上げられていました。

伝統的な仏壇&宗教的色彩vs家具調仏壇&個人的祈りの場

という図式が色濃くなっているようです。

 

確かに、お客様の中で家具調仏壇を選ばれるのは

*伝統的な仏壇は家の雰囲気に合わない

*仰々しくなるのは嫌

*伝統的な仏壇は暗い感じになる

というような理由が多いようです。

それについてはわからないでもないのですが、

問題はその後。

家具調仏壇となると仏具も従来のものではしっくりこず、

仏具はもちろん、位牌やご本尊様にいたるまで家具調仏壇向けの

モダンなものを用意することになります。

その結果、伝統的な仏壇を見慣れた目にはなんとも落ち着かない感じに

なることも否定できません。

家具調仏壇の明るさ、軽やかさを生かしつつ、

それなりの重厚さ、荘重さというものも主張させるには???

我々仏壇店の人間の、コーディネート力が試されているのかも知れません。

 

ところで「仏壇をつくる人の日々」の著者は

家具調仏壇にも伝統の技法を取り入れることはできないものか??と

提案していらっしゃいましたが、この意見には大賛成。

蒔絵にしろ、金具にしろ伝統のものは皆それぞれに

独特な存在感を放つものですから、そういうものが取り入れられれば

家具調仏壇に美しい「重み」が加わるのではないかと期待します。

 

余談ですが、家具調ならぬ「モダン仏壇」としてこういう商品も扱っています。

家具調の作りのお仏壇に桜の木をイメージした漆塗りと桜の蒔絵です。

家具調とのコンビネーション、蒔絵の世界ではすでに始まっているようです。


蒔絵シールの新商品

2007-05-20 13:39:25 | 商品のこと

以前にも紹介した金銀蒔絵シール。

地味にじわり、じわりと売れていって、気が付けば在庫は僅少。

とうとう追加発注となりました。

以前のラインナップが純和風の図柄が多くなっているのに対して

今回は結構ポップなものも増えました。

中でも注目は営業担当中年が泣いて喜ぶアトム

夢見る少女向け、ミッキーマウス!!他に、くまのプーさんとかもあります。

 

ひとえに仕入れ担当者の趣味の問題、という意見もありますが・・・・。

ともあれ、やっぱり貼れば楽しい金蒔絵、です。

 


お墓の悩み

2007-05-18 13:42:02 | 仏事のあれこれ

先日来店されたお客様。

「ちょっとお尋ねしたいのですが・・・・」ときり出されたのは分骨のこと。

分骨して自宅にいくらか骨をおいておきたいのだけれど・・・」という

ご相談でした。

 

聞けば、お墓が遠くておまいりが大変なので、せめて自宅に骨を少しおいて、

手を合わせたい、ということでした。

さしあたりお墓がない場合は自宅にしばらく骨壷を置いておく、というのは

よくあるケースなのですが、この場合はお墓があるのでちょっと例外。

担当者と話した結果、もう少しよく検討する、ということになったようです。

 

お墓がなければ「位牌納骨壇」という手もあるのですが。

その方は「できれば家の庭にでもお骨を少し埋めておきたい」と

役所にも言われたそうですが、墓地以外のところに骨を埋めるのは法律違反に

なります。

割り切った言い方をすれば、「お骨を拝むわけではない」ので

お墓があるのにわざわざ家に分骨しておくことはない、ということになります。

ただ、「やはり何かその人のよすがとなるものを少しでも身近においておきたい」

という気持ちもわからないではありません。

今では遺骨でプレートを作ったり、遺骨を保存しておくためのきれいな容器とか

ペンダントにする、などという方法もあります。

お客様の「身近で手を合わせたい」という切実な願いを聞いていると、

こういう新しい商品もどんどん需要が増えるのかなぁ???なんて思います。

「家」として「お墓」を祀るのではなく「個人」として「お骨」に

こだわる、ということでしょうか。

 

ただ、「日薬(ひぐすり)」という言葉もあるくらいで、

分骨だ、メモリアルだ、とあわてずともゆっくりと後片付けやら後始末やらをして、

一周忌くらいまでくらいに検討されてはいかが?とも思います。

時間を経ることで癒され、立ち直ることもあるわけですから。