仏壇販売人、ぶつぶつ日記

山口県の隅っこから
仏壇販売人のたわ言、繰言、独り言。
ほぼワタクシごと、たまにお仕事。

映画「タッチ」のワンシーン

2006-08-26 16:30:24 | 本音

テレビで、昨年公開された映画「タッチ」をやってました。

物語りも終盤、「かっちゃん」に助けられた親子が上杉家に

やってくるシーン。

黙ってお仏壇に手を合わせる短いシーンでしたが、

その時の上杉家のお仏壇がこの写真のお仏壇とそっくりでした。

実はこれ、家具調のミニ仏壇として当店で販売しているものなのですが

中はスポットライトもついている、モダンなものです。

気のせいかもしれないけど、色といい、形といい、扉の開き具合といい

そっくりだったんだけどなぁ・・・・。

確かめる手段もないけれど。

 

ドラマやニュースを見てても、お仏壇が画面に現れると

番組内容よりも、そっちの方が気になってしまう。

仏壇屋の哀しい習性でした。


七福神がいっぱい

2006-08-25 17:21:05 | 商品のこと

お盆も過ぎたのであいたコーナーに

七福神グッズを集めて「七福神コーナー」を作りました。

タペストリー、友禅描きの額、水晶細工、木彫、九谷焼などなど・・

七福神って、妙に愛嬌があってなんだか絵になるのよね。

表情豊かな七福神を見ていると、

誰もいなくなった夜中の店内できゃーきゃー、ちょろちょろ

騒ぎまわってるんじゃないか???などと想像してしまいます。


お盆の後に売れるもの

2006-08-24 16:11:20 | 本音

お盆の前によく売れるものは「灰」。

お寺様も来られるし、親戚も集まるし、お仏壇の手入れも

しておかなくちゃ・・・といった時、目に付いて

この際だから取り替えるか・・ということになるようです。

 

そして、お盆の後に売れるものが「木魚のバイ(撥)」。

毎年、必ず売れます。

来られたお客様の言い分もほぼ一緒。

「孫が来て、叩いて折ってしまって・・・・」

最近ではお盆過ぎにバイをお求めになったお客様には

「お孫さんですか???」と尋ねてほぼ当り。

おリンを叩く棒を失くした、というのもよくありますね。

中には木魚にひびが入った、などというツワモノも。

そりゃ、ま、音はするわ、キラキラ光っているものやら、

なにやらままごとみたいな道具はならんでいるわ、

小さな子供にすればお仏壇は心踊るファンタジーボックス。

いたずらするな、というのが無理なこと。

 

でも、やっぱり可愛い孫のこと。

皆さん「悪さもするけど、あの子が一番お仏壇を拝んでくれるから・・・」と

目を細められます。

小さなうちから自然に手を合わせる習慣、身について欲しいと思います。


腕輪念珠(数珠ブレス)の修理に悪戦苦闘

2006-08-22 16:44:18 | 本音

朝一番に受けた腕輪念珠の修理。

単純なブレスレット型。これは楽勝。と思いきや・・・

古いゴムの結び目が珠の穴に詰まって出てこない。

取れないことにはつなぎかえられない。

かと言ってあんまり実力行使すれば珠を傷つけるし。

以前、がんばりすぎて水晶の珠が欠けてしまった前科があるし。

小さな珠をぎゅっとつまみ、マチ針でつついてほぐして、引っ張って

格闘すること1時間あまり。店長の手も借りて、やっとこさ穴が開通。

無事お客様に渡せたのはいいけれど、

気が付けば両手の指先がジンジンしてる。

見た目よりずっと体力勝負です。この商売。

 


精霊流し

2006-08-21 17:07:01 | 本音

本日は光市にある普賢寺さんと如宝寺さん合同の精霊流しです。

当然のことながら寺院担当者はお手伝いに行ってます。

私自身も何度か行ったことがありますが、

室積という海辺の土地柄ならではの精霊流しでなんとも素敵です。

と、いうのも沖に出た船の上から

数百の灯篭(藁とボール紙で作ったもの)にろうそくを灯して流すのです。

毎年、協力してくださる地元の船頭さんの船は3隻。

これにお手伝いの人が数人ずつ乗り込み、湾から出るタイミングを

見計らって、灯篭に火をつけ、海に流していくのです。

 

波止場から見ていると、小さな光が行列になってゆったりと湾から出て行きます。

まさに、お盆に帰ってきた精霊がゆっくりと彼岸に戻っていくかのような光景

風情たっぷりの印象的な精霊流しです。

 

と、見ている分にはいいのですが、変なのは船に乗り込んだ人

何しろ積み込む灯篭の数が半端じゃない。

周りを眺める余裕などなく、ひたすら灯篭を組んでは流す、という作業に

没頭するそうです。船の上での作業なので事前の酔い止め薬も

欠かせないとか。

 

それでも灯篭が上手く沖へ流れてくれれば万々歳。

数年前には潮の加減か風のいたずらか、精霊流し後の打ち上げが終わって

ふと見ると、流したはずの灯篭が

逆流して境内の小川まで戻って来ていたとか・

やっぱり、ちゃんと彼岸に行っていただかないとね。

 

 

 


骸の爪

2006-08-19 16:02:25 | 私の本棚から

季節と流行に流されやすいタイプなので

毎年夏になるとやたらとホラーやらミステリやらが読みたくなります。

暑いわ忙しいわで集中力に欠けるから楽しんで一気に読めるものに

走るのかも。

 

で、道尾秀介の「骸の爪」を手に取りました。

この作者のものは初めてだったんだけど、ぱらぱらめくって見た時に、

「仏師」とか「千手観音」とかの言葉が目に入って

商売柄、惹かれてしまったわけです。

読みやすくテンポのいい展開でほぼ一日で読了。

感想は、道尾ファンには申し訳ないけれど「なーんだ」って感じでした。

 

「謎解き」のための「事件」というか、ともかく

仏師とか霊能力者だ僧侶だいわくつきの仏像だ、と一癖ありそうな

素材がずらりと並んでいながら、どれも深みが足りないような気がしました。

やたら観光地の解説が挿入される、

2時間もののサスペンスみたいで。

 

仏像にしても、「仏像辞典」的な解説に終始していて

「別に、仏師や霊媒師じゃなくてもこのくらいしゃべるんじゃない?」などと

思ってしまいました。もっと肉厚の人間像が読みたかった!!

 

せっかくだから京極夏彦の作品のごとく、

(ま、プロとしては他人のまねは出来ないでしょうが)徹底的に登場する仏師に

「仏像を彫る」ということについて語らせて欲しかった・・・と思いました。

 

とにかく、期待しただけにちょっと残念!!な読後感でした。

 

 


位牌に見る「戦争」

2006-08-15 17:48:18 | 本音

終戦記念日だから、というわけでもないけれど

時折垣間見えてくる「戦争の現実」というようなものがあります。

私の場合、「位牌」

たとえば、あまりにも古くなってしまったお位牌を新しいものに作り変える、とか

「繰り出し位牌」に書き換えるとかいうとき、

位牌の裏に「○○にて戦死」などと書いてあるときがあります。

「伍長」など軍隊での位階が書いてあることも。

また、亡くなられた日付が「昭和20年8月6日」だったりすると

「もしかして、広島の原爆で亡くなられたのかな??」と

想像することもあります。

 

そして、もっとどっきりするのが夫婦位牌を作りに来られるとき。

夫婦位牌というのはご夫婦で戒名を彫るために

片方を空けておいて、亡くなった後で彫るというもの。

90歳近くで亡くなったおばあちゃんの戒名をお預かりして、

いざ、夫婦位牌を彫ろうとしてよく見ると

ご主人は昭和20年前後に20代の若さで亡くなっていたりします。

 

若くして夫をなくして、90歳近くまで女で一つで一家を支えてきたおばあちゃんの

長い長い戦後が語りつくせないような感慨を持って、ずっしりと胸に迫ってきます。

戦争って、やってる最中も地獄かもしれないけれど

終わった後も長い長い別の地獄を残しているものです。


金魚ちょうちん祭り

2006-08-13 09:58:39 | 本音

阿波踊りだ、よさこいだ、と各地で夏祭りが

真っ盛りですが、ご他聞にもれずここ柳井でも本日は「金魚ちょうちんまつり」です。

 

昨日も若い二人連れのお客様が開口一番、

「金魚ちょうちん売ってますか?」

「同じ提灯でも金魚はちょっと・・・・」すかさず同僚が一声、

「駅前の通りに行ったらたくさん吊ってありますから
  ご自由にどうぞ~~

って、アナタ、純粋な若者になんちゅうガセネタを・・・。

 

ともあれメイン会場となるあたりにずらりと吊るされた

金魚ちょうちんはなかなかの圧巻。

一匹(?)だけで見るとどうってことない提灯だけど

たくさん並ぶと結構かわいいものです。

 

もっとも商売柄、日中の忙しさにくたびれ果てて

ここ数年、お祭りなんて出かけられない状態です。