仏壇販売人、ぶつぶつ日記

山口県の隅っこから
仏壇販売人のたわ言、繰言、独り言。
ほぼワタクシごと、たまにお仕事。

他人の日記が面白い

2007-09-29 13:44:07 | 私の本棚から

「暑さ寒さも彼岸まで」とはよくぞ言ったもので、

昨日までの残暑が一転、すっかり涼しくなった本日です。

まあ、曇り加減のお天気のせいかも知れないけれど。

読書の秋、食欲の秋、なんてわけでもないけれど

最近読んだのは「幕末単身赴任 下級武士の食日記」

(青木直巳 著 生活人新書)という本。

 

幕末に紀州藩の江戸屋敷に単身赴任してきていた

酒井伴四郎という下級武士の詳細な日記から

当時の食生活を見てみよう、という内容。

・・・・・と、言ってしまえば「な~~んだ」ってなモノですが、

読みやすく噛み砕いた著者の力量ではありましょうが、

これが何とも面白い。

 

「男子厨房に入らず」なんて言ってられない単身赴任。

鍋や調理器具を少しずつ買い集め、

安い材料をあれこれ使いまわしたりしている若い武士の姿が

生き生きと浮かんできます。

「今日の料理はよく出来た」と得意になってみたり、

同僚である同居人の料理下手をぼやいてみたり

なんとも人間くさくて微笑ましい限り。

 

登場する料理や食材も現代に共通するものや

今では考えられないもの、現在の形の原型と思われるもの、など

バラエティに富んでいます。

日記の当事者、「酒井伴四郎」が何かにつけてちょっと一杯やっているのも

ご愛嬌。

節句などの行事食もこまめに語られており、

我が身を振り返って

「そういえば、このところ季節の行事を意識することもなかったなぁ・・・」なとど

反省させられることもあります。

 

それにしても、この「酒井伴四郎」の日記は他にも研究者によって

解釈されたり分析されたりしています。

かなり詳細に書かれた日記のようですから

幕末の生活を知るためのよい資料なのでしょう。

伴四郎というひとは器用に料理をこなしたりしているところからも

うかがえる通り、かなりマメな人だったのかもしれません。

この日記の書かれた万延元年(1860年)に28歳だった伴四郎。

その後の消息は不明ですが普通に生活していれば

明治の半ば過ぎくらいまでは存命だったはず。

自分の日記がこれほどの人に読まれ、自分の名前が活字になって

飛び交う、なんて想像だにしなかったでしょうねぇ・・・・。

 

 

 


両脇の見分け方

2007-09-27 14:07:19 | 仏事のあれこれ

お仏壇の飾り方(荘厳)や仏具は各宗派によってさまざまです。

また、同じ宗派でも地方によって荘厳の仕方が違う場合もあります。

これはある程度仕方のないことなのですが、

どの宗派にも共通で、変らない事が一つ。

それはお仏壇の最上段、須弥壇の真ん中がご本尊様で、

その左右が両脇である、ということ。

もちろん、宗派によってそれぞれのご本尊様等は違いますが

この並び方の原則だけは同じです。

写真は浄土宗のご本尊様と両脇ですが、これが掛軸(絵像)になろうと

仏像であろうと、基本は同じです。

中にはより丁寧にご本尊様の脇侍の仏様を祀られるところもあるかも

知れませんが。

 

そこで、このご本尊様はいいとして、

両脇の区別がつかなくなっちゃった!!!」

「どっちが右でどっちが左なの???」というご質問がちょくちょくあります。

浄土宗なら

「数珠を持っていらっしゃる方が法然上人で左側、

 小さい仏様が描かれている方が善導大師で右側です」というのが

正しい答え。なのでしょうが・・・

 

電話なんかだとお客様にごちゃごちゃ説明しても始まらない。

まずは、「両方とも、お顔が真ん中のご本尊様の方を向くように

 並べてください。」とお話します。

結論はなるべく早く、簡潔に述べないと、お客さまは混乱してしまいます。

これはほとんどの宗派の両脇にも応用できる見分け方です。

日蓮宗とか、たまに例外はありますが。

 

ところで、この、右側の善導大師。

善導大師が念仏を唱えるとそれが阿弥陀仏の姿となって現れた(応声即現)という

言い伝えを元に、口から出る仏が描かれています。

決して「雲を吐いてる」わけではありません。念のため。

 

 


トランスフォーマー、お仏壇版?

2007-09-25 13:39:53 | 商品のこと

最近入荷したお仏壇。

ツマ板の部分(青い線で印をした部分)にも

ひょうたんの透かし彫りが入るなど、なかなか凝ったつくりです。

ところが、これが、

 こう変身。ちょっと小さいけど緑色の↓

                の部分、わかってもらえるかな?

中段が引っ張り出されて、ひょうたんの彫りが隠れてます。

さらに、

 またまた緑色の↓部分にご注目。

                 中段よりさらに上の部分も動きます。

このお仏壇、須弥壇以外の段の奥行きが自由に調整できるのです。

って、お客様に説明するときはすごいアピールポイントになります。

お客様も「へぇ~~~~~」なんて感心してくださいます。

 

・・・・・・・だからといって、これが商品購入の決定打になるか、と言ったら

それはまだ別のオハナシ・・・・。


三十三間堂

2007-09-24 14:09:07 | 本音

昨日のこと、

「三十三間堂の門にペンキがかけられた」というニュースがありました。

幸い、被害にあった門は国宝とかではなかったそうですが、

こういうニュースを聞くと何とも情けないというか索漠とした気分になります。

怒りでもなく、あきれるでもなく、うら寂しくなります。

国宝、あるいは重文か否かは問題ではありません。

 

「美しいもの」「良きもの」を平気で(あるいは意図的に)損なうことの

出来る人、というのは心の中の美に感応するはずの部分が壊死しているのでは

ないかしらん?

美に感応できない人が人間の機微を汲み取ることができるかしらん?

コミュニケーションなんてとれるのかしらん?

 

「美を損なう行為」が起こると、つい「美に感応できない人間」の

ざらざらとした胸の内を見せ付けられたようで

なんとも味気ない気分になります。

 

「美」なんてものは腹の足しにはならないものだけれど

いくら目と頭に取り込んでも邪魔にはならないし、太りすぎの心配もありません。

「命短し、恋せよ乙女」などと申します。

変に斜に構えても人生は過ぎていきます。

この世にあふれている「美」に目を背けているなんて

ああ、もったいない!!

 

 


水晶の力、とか?

2007-09-22 13:49:44 | 商品のこと

これはストラップです。

ストラップでわかりにくい年配のお客様には「根付です」と説明します。

商品名は「本水晶十二支御守」。水晶で形作られているのは

干支にちなんだ動物です。

ちなみに、写真のものは「丑」です。

「丑」と書いてないとわかりません。

 

そして、この商品のパッケージに書かれたコピーは・・

「水晶は生命とかが宿る石。

 集中力及びエネルギーを高めると伝承される」

生命とか、って何!?!?

「とか」って何よ、「とか」って。

他に何が宿るのか、すっごく気になる!!

 

こんなとこぼかしてどーすんじゃい!!

 

むむ・・・・今日の私はかなり凶暴になっている・・・。

喧嘩とか気をつけよう・・・あら?!?!?!


コメントに関するコメント

2007-09-20 13:43:42 | よろづ考察

しばらくお約束の「ネタ枯れ病」だったのですが・・・・。

最近ブログに届いたコメント、

妙なハンドルネームで「氏ねばいいのに・・・うんぬん、かんぬん」

全く意味不明。

なんじゃこりゃ?ってしばらく考えてたけれど

いわゆる「掲示板荒らし」みたいなヤツかしらん?

でもこれはこれで「ネタ枯れ病」のカンフル!!とまではいかないけれど

せいぜい今日を乗り切るくらいのネタにはなるんじゃないの?

 

というわけでそのハンドルネームとタイトルでGoogle検索してみると・・・・

なんと、14件のヒット

やっぱりあちこちのブログに同じ名前、同じタイトル、同じ文面で

コメントしてた。

「何が面白いんだ?」とか「暗い!!」の一言では片付けられないような

「救いのなさ」を感じました。


プレッシャーの木?

2007-09-17 14:14:10 | 本音

最近スタッフの一人が貰ってきた観葉植物

名前もわからないまま、とりあえず植え替えて、水をやって・・。

ところが、先日たまたま目についた花屋さんで

同じ植木を発見!!

なんと、「商売繁盛の木」のプレートが!!

えらいこっちゃーーー!!

枯らしたら縁起悪~~~い!!!

 

思えば「金のなる木」も「幸福の木」

ことごとく枯らしてきた、

栽培下手では他の追随を許さないツワモノの私達。

無謀な挑戦かも?????

 

ちなみにこの木の園芸名は「銀竜」だそうです。

それにしても、「金のなる木」とか「幸福の木」とか・・・・

うっかり枯らしたらいきなり不幸になってしまいそうな

プレッシャーのかかるサブネームも考えものだと思うんですがね。

無精者の僻みかしらん?


新入荷のお仏壇、そのテーマは・・・・

2007-09-15 13:43:41 | 商品のこと

最近入荷したお仏壇は渋~~いたたずまいです

渋さの主たる要因はその材質。ちょっと枯れたような色合いと

不規則な縞模様が、言うなれば「老練さ」を感じさせるシャム柿です。

そして、

きっちりと組み上げた宮殿の桝組。

繊細に彫り上げられた障子の彫刻。

金糸を散らした典雅な障子紗。

渋さだけでなく、豪奢な風格も兼ね備えたお仏壇です。

しかし・・・・

 しかし・・・・

   しかし・・・・・

    このお仏壇、あちこちの彫刻のテーマが一貫している!!

しかも、そのテーマが朝顔!!

Why?!

ランマは当然のこと、須弥壇脇の余間にも朝顔

ご丁寧につぼみまで・・・・。

そして、蹴込みにも朝顔

もちろん華麗な障子の彫刻も朝顔&鳥です。

なんで!?

 

余談ですが、朝顔といえばとってもポピュラーで

よく見かけるこのタイプ、

 実は外来種でとっても繁殖力が強いそうです。

この色の名前は「ヘブンリーブルー」

曽野綾子さんの小説「天上の青」に登場する朝顔です。

まさか、天国の色の花だからお仏壇に使ったんじゃないよね・・・。


走り出したら止まれない

2007-09-13 14:18:38 | 本音

数年前、わけもわからないうちに会社のHP担当になりました。

いや、「担当」なんてご立派なモノじゃなく、いうなれば、

「とりあえず、HPの番をしとけ!!」てな感じの「HP係」みたいなものか。

それから数年、プロに依頼してHPはリニューアル。

ほっとしたのもつかの間、更新しなくちゃならない!技術的にままならない!!

もっと気軽に更新を!!と始めたのがブログ。

これなら更新は楽々。

やれやれ・・と思いきや、しばしば襲ってくる恐怖「ネタなし病」。

一年半続けてきて、やっと無理せず自分のペースで書き込めるように

なってきた・・・・・・・

・・・そして、先日、「iタウンページに広告掲載するから、考えておいて」と上司。

あぁ、またしても・・・・・増殖するネット広告。

 

でも、確かに、HP作りました、だけでうまくいくほど商売は甘くないわけで。

HP作ったからには更新しなくちゃ、

少しでも多くの検索にヒットするように工夫もしなくちゃ。

一つのHPだけじゃなく、いろいろ目先も変えてみるか・・・・というわけで

始めたからには止まれない

楽なところに留まってはいられない。

進化し続けなければならない、というのは商売に限らず

どんな分野でも同じことかも。

滞る水は腐る、とも申します。

せいぜいコツコツやってみますか・・・。

 

 余談だけど、「始めるときよりやめる時の方が大変」

というのもこれまたどんな分野にでもよくある話で・・・・・

安倍総理の辞任は意外だったけれど

それこそ、「行くも地獄、留まるも地獄」だったんでしょうね・・・・。

 

 


すべり止め、ですが・・

2007-09-10 14:16:36 | 商品のこと

お仏壇や神棚で、仏具や神具がすべって困ることはありませんか?

ご飯をお供えするとき、仏器がすべってひっくり返りませんか?

わずかな振動で位牌が倒れてきませんか?

高杯はどうですか?

そんな時はコレ!!

その名も「ぶつだんすべりにく~い」!!

すべりにくくしたいものの底部に張るだけ!!

表面はほこりのつきにくい加工!!

2サイズあるので用途に合わせて使い分けられます!!

 

・・・・・・・って、深夜のテレビショッピングならこのくらいのテンションで

まくし立てるんだろうが・・・・

いつの間にか陳列棚に仲間入していたこの商品。

小さい上に、その効果がイマイチはっきりしない。というか

すべり止張ったくらいで問題が解決するのか?というわけで、

どうにも販売のモチベーションの上がらない一品。

「ぶつだんすべりにく~い」どころか

我々にとっては「うりにく~い」商品になってます。

いつの間にか陳列棚からお蔵入りするかも・・・・。