仏壇販売人、ぶつぶつ日記

山口県の隅っこから
仏壇販売人のたわ言、繰言、独り言。
ほぼワタクシごと、たまにお仕事。

修復品のお預かり

2008-09-29 13:45:48 | 商品のこと

当店では床軸も扱っています。

メインは仏事用の軸ですが、山水や四季花なども置いていて、

ご好評をいただいています。

そのせいか、掛軸の修理を依頼されることもあります。

これは専門業者にお願いするので掛軸の場合は「修理の仲介」ということに

なりますが。

 

さて、先日持ち込まれたこのお軸。

とりあえずは見積を・・・ということだったのですが

素人目にもなかなかの描きっぷり。

精巧な筆致で、鶴や松が端整に描かれています。

図柄からしてもおめでたい時の掛軸らしい。

 

さらに、見積をお願いした業者さんによると、

使われている絵の具がいい!!とのこと。

特に緑というかエメラルドグリーンのような

発色をしている部分はかなり高価な絵の具が使われているらしい。

 

・・・・・なるほど~~~~~

餅は餅屋、というかやっぱりプロですねぇ・・・。

 

さっそくお客様にお伝えしたところ、

そういうことならぜひ修理を・・・とのこと。

 

いやぁ、いいものを見せていただきました。

修理後が楽しみです。

 

 


お線香も季節に合わせて

2008-09-27 13:40:28 | 商品のこと

「暑さ寒さも彼岸まで」とはよく言ったもので、

今朝は肌寒いくらいの気温でした。

それに、前日の雨がすっきりあがって、まさに秋晴れ。

空気まで秋らしく澄んでいるようです。

 

この時期になると思うのが、

「そろそろ、お線香も衣替えかなぁ・・・」ということ。

 

「我が家はこの香り」って、ずーーーっと同じ銘柄のお線香やお香を

焚き続けるのもいいけれど、

季節にあわせてお線香を変えてみるのもおすすめです

 

店でたくお線香も夏場はついつい、あっさり系、

どちらかというと青臭い(?)ようなものが多くなります。

そして、気温が下がるにしたがって、

選ぶお線香は濃厚な香りのものに変っていくように思います。

気温の上下と香りの好みって、関係あるのかしらん???

 

ともあれ、まだ時には暑い日もある初秋のこの時期、

私的にお勧めなのは

落着いた中にもまだ少し軽やかさのある香り。

写真の、玉初堂さんの「朱雀」なんかは白檀らしい甘さも

感じさせつつ、しつこさがなく、爽やかさもあります。

また、

同じ玉初堂さんの「陽明」

 も、かすかに伽羅を思わせる

華やかにして上品な香り。

秋の夜長、かすかに漂うお香の香りを楽しんでみませんか?

 

沈香や白檀には鎮静効果があると言われています

おやすみ前のひと時をお香を焚いてすごせば

安眠できるかも。

お勧めです。


新入荷のお仏壇 桑

2008-09-25 13:56:57 | 商品のこと

本日入荷したお仏壇は

 桑製。

写真ではちょっとわかりづらいけど、紫檀・黒檀を見慣れた目には

「かなり明るい」という印象です。

「唐木」仏壇、という呼ばれ方からついつい

「唐木仏壇」=輸入材という感じがするけれど、

国産材のお仏壇もちゃんとあります。(少数派だけど)

桑もそんな国産材のひとつ。

他には「杉」とか「欅」「松」などもお仏壇に使われる国産材です。

 

それぞれに良さはあるんだろうけれど、

今回のこの桑のお仏壇のウリは

写真にもあるような美しく、はっきりとした木目、

じゃないかと思います。

紫檀とか黒檀、といったキメの細かい均質な感じの

材料を見慣れた目には

このざっくりとした感じがなんとも味があるように思います。

 

ちなみに、桑は昔から家具材料として珍重されてきたようで、

江戸指物の流れを汲む東京仏壇では親しまれた材料だそうです。

 

それにしても

・・・・・一年に一人、くらいの割合で

「桑の仏壇が欲しい」とまず材料ありき、のお客様が

いらっしゃいます。(もちろん、別人)

・・・・桑の木には何か特別な意味があるのかしらん????

 

 


弁財天ビフォーアフター

2008-09-22 17:53:36 | 仏事のあれこれ

9月11日の記事で紹介した、修復した弁天様。

修復はこんな風に各部材をばらばらにするところから

始められました。

右下にあるのが弁天様のお顔。

そして、

十六童子はこんな風な姿でした。

これを数ヶ月かけ、欠けたところを継ぎ足し、彩色をほどこして、

修復したわけです。

そして、

こうなるわけですから、まさに仏像のビフォーアフター。

なんということでしょう・・・・・・・!!!!


「注意一秒、ケガ一生」は車に限らず

2008-09-20 13:49:52 | 本音

「注意一秒、ケガ一生」は車に限ったことではありません。

あの時、ほんのちょっと、気をつけていたら、

一言添えていたら、ひと手間掛けていたら、

・・・・・・こんなトラブルにならなかったかも・・・・という私自身の失敗談。

 

先日持ち込まれた修理のお数珠はちょっと変った房の形。

3色の糸を組み合わせて、房の根本がチャイニーズノットの

ような感じに作ってありました。

房の糸も3色ミックス。

数年前に何点か入荷した覚えがあります。

かわいくて、大変好評な商品でした。

 

今回、糸が切れたので修理に出されることになったのですが・・・・

 

同じ形の房がない!!

当時の仕入先は廃業。あちこち問い合わせるけど

どこにもない。

仕方なく、お客様に事情を話して、じゃ、通常の形でいいわ・・・ということになりました。

ここで、房見本をひろげて、房の色目まで指定していただいていたら・・・)

そして次の日、「あの房が気に入っていたので

房の色目だけでも同じような感じにできるかしら?」とのお電話。

その房は細目の糸で3色くらいを束にしたものでした。

なんか、同じような商品を見たような気がしたので

「はい、出来ますよ」と明るくお返事。

ここでも房見本を確認するか、メーカーに確認してから

折り返しお返事をするようにしていたら・・・・)

・・・・・・・ところが・・・・・

 

今朝になって、色がミックスした房はメーカーにないことが判明。

またまたお客様にお詫びの電話

「昨日、出来るっておっしゃったでしょ」

「何で同じものができないの?」

・・・・・お客様のご立腹はごもっとも

確認不足のまま、安易に請け負ってしまった私のミスです。

 

幸い、「仕方がない、出来る形で・・・・」とおっしゃっていただいて胸をなでおろした

のですが・・・・。

お客様の期待を大きく裏切る結果になってしまいました。

 

急がばまわれ、と言いますが、

ちょっとの手間をはしょったり、「ま、いいか」で流したりすると

大変なことになる、と改めて感じた次第です。

車なら「ケガ一生」ですが

店なら「信用失墜」ということですものね。

・・・・・このところ、仕事、気がゆるんでたかなぁ・・・(反省)

 


仏像の帰還

2008-09-18 13:42:57 | 本音
先日、9月16日にローカルニュースに出ていた千手観音。山陽小野田市の岩崎寺の仏様です。観音堂が改築されて、避難先の県立美術館からのご帰還でした。お引っ越しには弊社スタッフもお手伝いに行きました。梱包がとっても大変だったそうです。手、多いもんね。

安全に、ロウソクの火を消す

2008-09-15 13:48:38 | 商品のこと

お仏壇のロウソクの火やお線香の火は吹き消すものではない、

というのはほぼ常識。

ではどうやって消すのか?

お線香の場合は手であおいだり、お線香を振ったり(危ない気もするけど)

するのが一般的。

ロウソクの場合は専用の道具を使うことがほとんどです。

 

写真は、その専用の道具。「ロウソク消し」。

3点とも、ロウソクの火にかぶせて消すタイプです。

ロウソクを消す道具としては他に、

小さな団扇のような仏扇」(扇いで消す)というものや、

トングのような形状で芯をはさんで消すものなどがあります。

 

当店では「安全確実に消せる」という理由で

写真のタイプのロウソク消しが主流なのですが、

中には

「かぶせるタイプは消すときに芯を押さえつけてしまって、

 次に火がつきにくいから嫌い」

(軽くかぶせていただくといいのですが、手加減に個人差もあるのでしょう)

という方もいらっしゃいます。

 

かといって仏扇もうっかりすると、ロウが飛び散ったり、

仏扇そのものが焼けてしまう、という場合もあります。

 

芯をはさむタイプのものは店においていないので詳細はよくわかりませんが・・・。

 

どれも一長一短あるので、マイナス面をよく理解したうえで

上手に使っていただきたいと思います。

ちなみに、写真の一番右は

かぶせて消した後に、内側に残った蝋で周囲を汚さないように

受け皿付、となっています。

 

火事の原因が「仏壇からの出火」という事例が

ちょくちょくあります。

道具はどうあれ、離れるときは確実消火、でお願いします。

 

 

 


「岩座」の疑問

2008-09-11 14:11:14 | 仏事のあれこれ

修復のためお預かりしていた、あるお寺様の弁天様が

仕上がりました。

八臂弁天」と「十六童子」です。

要するに「財をもたらす弁財天様」と「そのお道具一式」という

感じです。

以前、このブログで別のお寺の弁天様を紹介したのですが

それと同じ種類のものです。

 

ところで、気になったのは、写真でピンクの矢印の部分。

岩座、というか岩屋にまします弁天様とそのご一行のまわりに

点々と存在するこの、青っぽいものは何を表しているんだろう????

コケ?しずく?もしかして・・・・・カビ?

 

よく見ると、店に展示してある恵比寿様の台座にも

同じような点々が・・・・・・

水に関係のある仏像の台座だけに描かれるのか?

他のはどうなんだ???

 

疑問が疑問を呼んで、ネットで調べてみると

角倉了以像制作だよりという

ページに、「古い岩につく、瓦茸というものを描く」とありました。

何だかサルノコシカケに似た、薬効のあるキノコらしいけど・・・・。

キノコだったのか・・・・・

 

それにしても、岩座の点々について書かれた記事は

このサイトが見つかったのみ。

もう一つ、すっきりしません。

その道に詳しい方のご教授を切に希望する次第です。

 


商品のメンテナンス

2008-09-09 13:31:41 | 商品のこと

写真の商品は「塗香入」です。

今日は、この塗香入のメンテナンスをしました。

少々長いこと展示してあるもので・・・・。

 

と、言っても塗香入本体は桜とか紫檀・黒檀などの

しっかりした材質なので商品としては問題ありません。

問題なのは写真の紐の部分。ここがくせもの

多くの場合紫色の紐が使ってあるのですが

展示しているうちにこれが色あせてくるのです

その早いこと、早いこと。

お数珠の房にしてもそうだけど、紫はホント、褪めやすい色です。

 

本体がしっかりしてるとはいえ、色あせた紐では商品として通用しない!!!

なんとかせねば・・・ということで

紐替えに挑戦した次第です。

 

やってみたら意外と簡単。

ついでに紐も紫一色ではなく混ざり糸にしてちょっとイメチェン。

あとは売れるのを待つばかり、です。