仏壇販売人、ぶつぶつ日記

山口県の隅っこから
仏壇販売人のたわ言、繰言、独り言。
ほぼワタクシごと、たまにお仕事。

仏像の話

2006-03-31 17:06:46 | 仏事のあれこれ

営業の男性が預かってきた仏像修理。
仕上がって、納品に行く段になって、
「ところで、これ、何のホトケサマ?」と
いうことに。

担当者の話では
手が6本あって、台座に『見ざる、言わざる、聞かざる』の
 三猿がいる・・・・


「へ?猿?」

ぜひ写真を、と思ったのですが
残念ながら現物は既に厳重梱包済み。
 幸い、下のページにそれらしき写真がありました。

http://mall.commercecity.or.jp/Mall/categoryshop/kurita/contents/static/syoumenkongou.jpg       

青面金剛」一般に「庚申さま」といわれているものでした。

これは中国の道教の影響をうけており、
人間の体の中には三尸という虫が棲んでおり、
これが庚申の日に天に昇って人間の悪行を報告する

悪行を報告されると天罰があたって、疫病が流行したり
するから、この日は一晩中、寝ずの番をして
三尸を見張るというのである。

仏教では青面金剛は帝釈天の使者とされ
病魔を払い除くということから、庚申信仰と
混交して祀られるようになった。

また、日本では「申」の日にあたることから
猿田彦神や三猿が祭神として祀られるようになった
(瓜生 中著「仏像がよくわかる本」 PHP文庫より抜粋)

というものでした。

修理の仏像をお預かりしたお客様のお宅は
ひょっとしたら、かつての「庚申講」の
リーダー格だったのかも。

一般には木像ではなく石像が多いようですね。
そういえば、田舎道で「庚申塔」を
見かけたこともありました。




明珠在掌(明珠、たなごころに在り)

2006-03-30 16:12:05 | 私の本棚から

明珠在掌(明珠、たなごころにあり

「明珠とは、計りきれないほどの価値ある宝です。
 それがあなたの掌にあると教えてくれている言葉です。(略)
 あなたはどこか遥か遠くに宝があると思って
 一生懸命それを探しに行こうとしている。・・・・」

大好きな一冊「ほっとする禅語 70」の中でも
特に好きな一節です。

お客様相手の仕事をしていると
腹を立てたり、(昨日も強引に値切られた・・)
落ち込んだり(接客が稚拙で売り損ねたかな??)
反抗したり(・・・そういうことは早く言って!!)
と、ややもするとマイナス感情で
どろどろになりがち。

どうにもこうにもぐじゃぐじゃする時、
この本を開きます。
問題が解決するわけではないけれど
タイトルどおり「ほっと」します。

まぁ、ともかく明日からもやっていこうか、と。
今、現在の自分と自分の居場所に
とことん付き合おうか。
そんな気持ちになります。
気持ちの持続期間は短いけれど。

ずーっとそんな気持ちでいられるなら
とっくにエライ人になれてるわけで。
あせらない。あわてない。
でも、飽きない、狎れない。

ところで先日ポストに見覚えのある筆跡の
封筒が。

著者のW師から家人へのお便りでした。
ひょんなことからご縁があって、
時候のあいさつなど差し上げると
必ずお返事をくださいます。

何かを成す人、というのは
マメな方が多いようです。


美の脇役

2006-03-28 15:55:10 | 私の本棚から

「楚々」「嫋々」「泰然」・・・・
日本語の形容詞・形容動詞はこれほどまでに
豊かで情感のあるものだったのか、と
読むたびに感嘆させられるのが
「美の脇役」です。

http://bookweb.kinokuniya.co.jp/guest/cgi-bin/wshosea.cgi?W-NIPS=9979998628


「脇役」というものに焦点をあてた
目のつけどころもいいけれど、
なんといっても執筆陣の
筆の巧さ。
文章に「格」を感じます。

「かわいい」
「きれい」
「ゴージャス」
果ては「イケてる」・・・・

貧弱になりがちな自分自身の
言葉の感覚に
喝を入れてくれる本でもあります。

小学校からの英語教育もいいけれど
巷に氾濫する雑駁な日本語を
淘汰するような国語教育も
再考ねがいたいものです。

きちんとした言葉遣いと
ちゃんとした姿勢は
よい出会いの扉を開く、と私は信じているのですが。


宇野千代さんの「薄墨桜」

2006-03-25 17:03:54 | 商品のこと

またしても新製品が入荷しました。

その名もズバリ

「宇野千代さんのお線香 『薄墨の桜』」

パッケージも宇野千代カラー全開の

はんなり桜柄です。

香りは・・・・ほのか。ま、きっつい匂いよりいいか。

アピールする時期が限られているような気もするし

どーせなら、もうちょっと早く仕入れてよ!!とか

地元ではあるし

錦帯橋の河原に出店でも出すか・・・とか

とりあえず、桜柄の風呂敷が売れ残って(?)いたので

一緒にディスプレイしました.

もうすぐお花見、かなぁ・・・。


「眼下の敵」対策

2006-03-23 16:43:55 | 本音

「仏壇」という高額商品を扱う以上
「商談」は重要です。

高額な上になじみの薄い商品ですから、
細かな説明や
相談も必要です。

当然、お店での商談も長引きます

お客様の疑問に一つ一つ応え、
不安を解消し、相談にのり、
一緒に解決の道を探り・・・・・
十分な接客の後、御納得いただいて
ご契約、となるわけです。

とっころが!!!ここにその商談に水を差す、
思わぬ伏兵、「眼下の敵」(!?)が!!

話が長引くほどに、

飽きて、騒いで、
ぐずりだす子供たち!!!

子供がぐずって、
「ああ、はいはい、すみません。
 また今度・・・」なんてことも。

そこで、店長の苦肉の策。

動物さんの紙風船。

金魚・パンダ・ペンギンetc.

いったいどこで見つけてきたのやら
店長、かなりお気に入りの様子。

ま、確かに面白い。

お陰で今のところはかなり効果的です。

でも、これに飽きられたらどうするかなぁ・・・。


やっぱり、お彼岸。

2006-03-20 17:46:50 | 本音

お彼岸とはいえ微妙に寒いし
一昨日くらいまでは
比較的ゆったりしていたから、

「お彼岸」を意識するような
几帳面な人も少なくなったのかな??と
思っていたら・・・・

なんの、なんの・・・・
朝から電話は鳴るは
お客様は多いは
そういう日に限ってスタッフは一人、
公休だわ・・・。

あ~~しんどかった。
お天気のせいか?
WBCで気をよくした人が安心して
動き始めたのか?????

さすがに、お墓用品と進物用お線香
売れ行きが好調で、
こういう流れを見ると、「ああ、お彼岸だなぁ」と
思います。

ちなみに、墓参のために親戚などを尋ねるとき
菓子折りとかだと好き嫌いがあったり、
高齢者だけの世帯では処分に困ることも。

その点、お線香なら燃えてなくなるものだし
匂いが気に入らない時は
お墓でどんどん焚いてしまえばいいし。

進物線香は手土産としてはかなりのスグレモノだと
思います。


天声人語で・・・

2006-03-19 11:08:33 | 本音

今日の朝日新聞の「天声人語」に

院号はグリーン車、居士は指定席
 信士は自由席。どうせ行くならグリーン車で
」と
 戒名料を吊り上げようとするお寺の
エピソードが載っていました。

http://www.asahi.com/paper/column.html

また逆に後継者を公募したり、
永代供養をうけつけたり斬新な発想で
お寺に人を呼んでいるところも紹介されていました。

そういえば最近、お寺様から
「院号は○○万円、居士は**万・・・、
 葬儀はいくら、法事はこれこれ・・・」と
細かく料金設定された
プリントを渡された、というお客様もありました。

わかりやすくていい、かもしれないけれど
「なんだかなぁ??」って感じです.

人柄とかお寺や社会への貢献度は
考慮されないの??と。

作家でもあり、僧侶でもある
玄侑宗久氏が
「戒名をつける、というのは
 その人の生にタイトルをつけるようなもの」と
どこかで語っていらっしゃいましたが
そう考えると、
お布施の額で戒名うんぬんを語る前に
ちゃんと和尚さんに自分の人生にふさわしい
タイトルをつけてもらえるようなお付き合いを
していなくちゃいけませんね。


一方、記事によると、
積極的に活動する若い僧侶の間では
ボーズ ビ アンビシャス」という言葉が
流行っているとか。

あれこれ工夫し、悩み

人の中に出て、お寺に人を呼ぼう、

訪れる人のためのお寺であろう、と

頑張っている和尚さん方もたくさんいらっしゃいます。

在家の私たちも
お寺ともっと積極的に関わりたいものです。

イベントでもそうだけれど
結局、一番面白いのは
見物する側じゃなくて
仕掛けて、動かす側だと思っております。

ディスカヴァー 仏教    です。

 

 


同業者のブログ

2006-03-18 10:36:15 | 本音

参考のため、

向学のため、

人のスキ見てわが振り直す、ため

ちょくちょくチェックしていた同業者の方のブログが

昨日から見られなくなってしまいました。

「ページが表示されました」っていう

メッセージは出てるのに、「真っ白」

もしかして、アクセス拒否?

もしかして、嫌われた?

なーーんも、悪いことしてないよ~~~


仏具のニューウェーブ?

2006-03-16 17:35:59 | 商品のこと

ニューウェーブ、というにはちょっとおとなしめ。
仏具のマイナーチェンジ、と言うべきか。

ご紹介したのは「散金塗りシリーズ」の
仏具(高月・香合)です。

沈金の技法に近いのではないかと
勝手に思っているのですが、
内側に散らした金箔

無作為の面白さ(きゃー!!神秘的~~)と


仕上がりの鮮やかな色合いが
 (エメラルドグリーン&ワインレッドじゃん!!)

かなり気に入っております。

他にリン台・仏器台・お茶湯なども
シリーズであります。

光のあたり方で表情を変えるので
従来のお仏壇の
アクセントになってくれるのではないか・・・と
期待してます。

とはいえ、
誰が考案したのか、店に展示してある
大戸の裏一面に緑の散金塗りを
施した、金仏壇・・・・

ありゃー、ちょっとねぇ
私見だけど、無駄な懲り方というか
無駄に頑張ってるバックコーラスみたいな・・・


写経用紙あれこれ

2006-03-15 15:07:59 | 商品のこと

流行なのかどうかは知らないけれど、
ここ数年、コンスタントに売れているのが
写経用紙

「毎日書いている」とおっしゃる奥様や
ノリで買っていかれるご主人、
「最近家の中がバタバタしているから
 ちょっと落ち着こうと思って・・・」という方まで
動機は様々です。

「写経用紙」そのものも、
お手本と罫線入りの薄い雁皮紙がセットに
なったものやら、
しっかりしたお手本と紺地に金銀の文字入りの
見た目にも美しいもの、
用紙に透かしのはいったものなど様々。

そんな時、あるお客様から一言。

「これ、題名に『仏説』が入ってないじゃない!!

 仏式の写経用紙には『仏説』がないとダメよ

ええっ~~!!

ありゃりゃ・・・そう言えば「摩訶般若波羅蜜多心経」に

なってる。これはうかつでした。勉強不足

あわてて他のお経本を見ると、

「仏説」のあるものとないものが?????

とりあえず、ネットで調べた結果、

こちらのページが参考になりました。

http://www.hokoji.info/hannyasin-1.html

他にも、たくさんあったのですが。

乱暴に言うと、

「般若心経」には7種くらいの漢訳があり、
そのうち主流(?)になったのが玄奘の訳。
現在一般に唱えられているのは玄奘訳とは
微妙に違うけれども
時代とともに広まった「流布本」。

ちなみに空海が「般若心経」を伝えたときは
『仏説』の文字を入れていたそうです。
そのせいかどうか、真言宗系では
『仏説』をつけることが多いとのこと。

あってもなくても、間違いではない、と
わかって一安心。

でも、神道でも「般若心経」をあげるとか
とにかく「般若心経」は奥が深い。

まだまだお勉強、です。

ところで、「般若心経」と言えば
ちょっと数え上げただけでも

湯のみ
手ぬぐい
扇子
腕輪
キーホルダー
時計
ネクタイ・・・・・etc.

ありとあらゆるものに商品化され
かつ、長く売れているという

究極のキャラクター商品だ!!!

と、誰かが言ってました。