仏壇販売人、ぶつぶつ日記

山口県の隅っこから
仏壇販売人のたわ言、繰言、独り言。
ほぼワタクシごと、たまにお仕事。

新入荷のお仏壇です

2008-06-30 13:51:27 | 商品のこと

本日入荷したお仏壇。

紫檀を主材とした、いわゆる「紫檀二尺一寸」と呼ばれるタイプのものです。

ツヤを抑えた「すり漆仕上げ」は落着いて、穏やかな風合い。

花を中心とした各部分の彫刻。

材質の色や質感がしっかりと感じられる、佳品です。

 

でも、どうしても目を引くのが、大戸と障子に取り付けられた

兆番。

 

一瞬、象嵌かと思ったのですが、そこまで凝ったものではないようです。

普通に型を施したものにあとから着色して仕上げたもののようです。

それにしても、

蘭の柄といい、鮮やかな黄色と葉っぱのグリーンが

渋い色合いの仏壇本体にえらく映えます。

上・中・下と各戸に3ヶ所ずつ取り付けられているので

イヤでも目が行ってしまいます。

 

このお仏壇、

ワキが主役をくっちゃったかなぁ????

 


般若心経の腕輪念珠です

2008-06-27 13:46:41 | 商品のこと

先日入荷した腕輪念珠です。

これまでにも般若心経を刻んだ腕輪はたくさんありましたが

全ての玉に数文字ずつ、という形がほとんどでした。

今回入荷したものは

黒檀製で俵型の玉の部分にのみ金色の文字で数行ずつ

般若心経が刻んであります。

 

どっかで見たような形だなぁ????と

思っていたら、そうそう、摩尼車に似てるんです。

摩尼車は一回まわせば一度お経をあげたのと同じ功徳がある、と

いわれるらしいけどこの腕輪はどうかしらん?

腕輪を眺めつつ、般若心経をあげてみるのも

確かに心は落着くかも・・・・・・・・

 


過去帳のこと

2008-06-26 13:39:41 | 仏事のあれこれ

以前から何度も書いていますが、

現在、浄土真宗本願寺派では位牌ではなく「過去帳」に

法名を記すことがほとんどです。

それはだんだんお客様にも浸透してきていて、

新たに過去帳を求められるお客様も多くいらっしゃいます。

 

ただ、ここで要注意。

過去帳には(大雑把に分けると)2種類あるのです。

すなわち、中紙が罫線だけのものと、見開きに1日から31日まで

日付の入っているもの。

前者を「日無し」後者を「日入り」と呼びます。

 

「日無し」の方は、亡くなった順番にどんどん書き込めるので

ちょっとした家系図のようになります。

「日入り」の方は、日めくりのようにその日の日付のあるページを

開いていくことで、命日をきちんと把握できます。

一長一短があるので、どちらがどちら、とも言えないのが現状です。

 

ただ、お寺様によっては

「うちの門徒さんは『日入り』で」などという場合もあるので

購入される前にお寺様に確認されるのがベターです。

 

いずれの場合も、記入された過去帳をお仏壇の中に

置いておく「見台」が必要です。

過去帳をお求めの際には見台もお忘れなく。

 

・・・・・地域とか宗派によって多少の違いはあるでしょうが・・・・

 


痛恨の極み、汗顔の至り・・・・

2008-06-22 13:39:03 | 本音

身内の恥をさらすようですが・・・・

変に隠すとこれまたよくない、「船場吉兆」の例もあるし・・・

ということであえてカミングアウトします。

 

先日、弊社HPに重大なミスが発覚。

HP中で紹介した親鸞聖人と蓮如上人の名前が入れ違っていました。

しかも、お客様からの指摘で初めて気がつく始末・・・。

HPを立ち上げる時に、何度もチェックしたはずなのに、

よりによってこんな基本的なところでミスするとは・・。

「当たり前」すぎて「見るとも見えず」という状態になっていたんですね。

まったく、冷や汗たらたら。

     痛恨の極み。汗顔の至り。

今まで、HPを見てくださったお客様、申し訳ございませんでした。

お詫びして、訂正いたします。(HPのほうは訂正済み)

 

間違いを指摘してくださったお客さまからは

他にもいろいろとご指導いただき、

詳しい資料までいただきました。

指摘してくださるお客様があってこそ、

軌道修正も、成長もできるというものです。

 

HPにしろ、ブログにしろ世間に向かって発信しているもの。

微弱電波なみの発信力しかないにしても、

やはりアウトプットには責任と自覚を持たなければ・・・と

気持ちを新たにした次第でした。

 


新製品のおりんです

2008-06-19 13:45:51 | 商品のこと

昨日入荷した、新製品のおりんです。

一番下の部分はガラス板。

おりんの下の部分、通常ならリン台として扱われる部分は金属製。

まさに、シャープでクールな印象です。

手のひらサイズで、今流行の小さな家具調仏壇に

ぴったり、というデザインです。

 

このおりんの最大の特徴は「磁石」

おりん本体に仕込まれた強力磁石(写真の矢印部分)

が、金属製の台とひきあって、しっかり台にのっかっている、ということです。

少々の衝撃では転がり落ちることはありません。

ただ・・・・・

如何せん・・・

この磁石のせいかどうか・・・・・

音の響きは正直、今一歩。

同じメーカーさんの他のおりんの方がよい響きのようです。

 

むかしむかし、磁石の反発を利用して、宙にうくコマ、なんてのが

あったけど

どうせなら「浮いてるおりん」なんて作って欲しいなぁ・・・・。

 


目障りだけど必要なもの~スポンジ~

2008-06-17 13:46:52 | 商品のこと

当店の金仏壇には職人技とは無関係な

「部品」がついているところがあります。

それが写真の矢印のもの。

障子の錺金具の上に貼り付けられた「スポンジ」。

 

せっかくの錺金具の上になんとも

無粋で味気ないものがひっついている、というわけです。

でもこれ、必要悪、なのです。

 

通常お仏壇には大戸とか雨戸と呼ばれる外側の扉と、

写真のような、内側の障子とがあります。

2種類の扉は多くの場合、ハの字くらいに開けたままの状態で

置かれています。

このとき、金仏壇だと障子の金具が大戸の裏(内側)に貼った

金箔にあたってしまいます。

金具VS 金箔、では当然戸裏の金箔にキズがつく、ということになります。

 

そこで苦肉の策、として大戸とぶつかることが予想される部分の

金具に緩衝材をつける、ということになったのです。

ちょっと違和感があるけれど、商品を守るため。

いたしかたありません。

 

 


命に別状はないけど生命力にかかわること!?

2008-06-15 13:45:30 | 一般人のつぶやき

まったくの私事ですが先日風邪をひきました。

数年ぶりです。

「馬鹿じゃなくなった!!」と胸をはったのもつかの間、

鼻が馬鹿になりました。

味覚の大部分は嗅覚が支えていることを知りました。

食べても味がしない。食べることを楽しめない。

匂いがないと、自分のいる場所にリアリティがない。

映像を見ているみたい。

 

「鼻がきかない」って、外見からはなんの問題もないし、

まずもって命にかかわるようなことはないけど、

「生きる意欲」には大変な影響を及ぼすようです。

 


聖天さん

2008-06-13 13:55:30 | 本音

6月10日の記事で

軍荼利明王に調伏される、というか頭が上がらないと言われる、と書いた聖天さん。

「聖天」あるいは「大聖歓喜天」とも呼ばれます。

詳しく書かれたサイトもあるので細かいことは

そちらを参考にしていただくとして、簡単に紹介すると

一般的に象頭の男女が抱き合う姿で現されています。

歓喜天はとても力が強いので、強力なご利益があり、

7代先までの子孫の福を一代でとる、とも言われています。

その分、祟りもきつく、約束を守らないものには容赦なく罰を与えるので

中途半端な祀り方は厳禁、とされています。

 

さて、男女が抱き合うすがたの聖天さんですが

一方が一方の足を踏んでいる姿が多いそうです。

これは・・・

「あらぶる神だった『毘那夜迦』を十一面観音が身を挺してなだめた」と

いういわれによって、「足を踏んでいる方が女神、つまりは男神をなだめ

おさえている」と言われています。

 

身を挺してなだめた、とされる十一面観音と

聖天を調伏する、といわれる軍荼利明王。

実はこの二人(と、数えていいものか?)の仏様は

聖天さまの障りを鎮めるといわれています。

 

お預かりしたチベットのタンカは十一面観音と軍荼利明王。

一緒に祀って聖天様の障りを逃れよう、というところでしょうか?

 

ところで聖天さまの好物は大根。

大根をお供えして願い事をするとかないやすいとか。

ちなみに山口県防府市の周防国分寺にも

聖天さまを祀る「聖天堂」があります。

そういえば、聖天堂の幟には大根が描かれていたような???

周防国分寺さんの聖天さまのお祭りは毎年4月16日。

多くのお寺がそうであるように

聖天さまは秘仏中の秘仏。

ご住職ですらまだお目にかかったことがないそうです。

 

 


チベットの仏画(タンカ)もう一枚

2008-06-10 14:54:35 | 仏事のあれこれ

お客様からお預かりしたチベットの仏画(タンカ)の

もう一幅はなんともグロテスクな姿。

三つの目。どくろ。身体のあちこちに巻きついた蛇。

軍荼利明王です。

五大明王の中では南方の守護神に当たります。

軍荼利明王についてのウィキペディアの記述によると

金剛界曼荼羅においては「甘露軍荼利菩薩」とされるそうです。

サンスクリット語で「アムリタ・クンダリン」。

アムリタ=不死の薬=甘露

クンダリン=水瓶あるいはとぐろを巻いた蛇という意味。

三つ目、というのはシヴァ神にも共通する特徴だそうで、ゆえに軍荼利明王は

シヴァ神の神格を継承し、

疫病をもたらす毘那夜迦天(インドのガネーシャ)を調伏する、とされています。

日本では災厄をのぞき、息災延命の明王として信仰を集めています。

 

ところで、その軍荼利明王に調伏されるガネーシャとは、

歓喜天、あるいは聖天、大聖歓喜自在天ともいい、

夫婦和合・子授けの神として日本でも篤く信仰されているもの。

なぜ調伏されなければいけないの??????

 

これはまたガネーシャについても調べてみなければ・・・。

 


仏画。チベットの・・。

2008-06-09 14:12:36 | 仏事のあれこれ

先日、スタッフが某所から表装のためにお預かりしてきた2幅の絵。

チベットの仏画、だそうです。

タンカ」とも呼ばれるこれはチベット文化圏で作られる

布に描かれた宗教画です。

実物を見るのは初めてです。

 

セレモニーの時に寺院や屋内の祭壇に掛けたり、

お守りとして自分の守護尊の描かれたタンカを持って旅に出たり

していたそうです。

このあたり、日本の仏軸と同じようなものでしょうか。

現在ではお土産用のタンカも多いそうですが、宗教目的の作品は

「儀軌」と呼ばれる色や構図の取り決めがあるそうです

そして、あくまでも宗教目的なので描いた作者の名前が入ることはなく、

開眼の時、背面にマントラが書き込まれるのみ、だそうです。

 

それにしても、思わず息を呑んでしまうような鮮やかさ。

主として岩絵の具が使われるそうですが、なんとも大胆で鮮やかな色彩。

「日本人は『水』の表現を多く持ち、エスキモーは『白』を表現する言葉を

多く持つ」と言われるけれど、環境が感覚を育てるなら

チベット文化圏の人々のこの色彩感覚はどういう環境が育てたのかしらん?

 

ちなみにこの絵に描かれているのは「十一面観音」だそうです。

もう一幅は「軍荼利明王」。こちらは次の機会にアップします。