仏壇販売人、ぶつぶつ日記

山口県の隅っこから
仏壇販売人のたわ言、繰言、独り言。
ほぼワタクシごと、たまにお仕事。

プロの裏技  その2

2007-04-30 13:57:01 | 本音

恥ずかしながら、先日車に傷をつけてしまいました。

軽症ながら無残なすり傷。

こすったポール(らしい)の黄色い塗料に加えて

10cm角くらいのすり痕。中にはちょっぴり深そうな傷も。

今まで結構慎重に運転してきただけにこれはショック!!

 

と、車を見た上司。

「大丈夫、大丈夫」と

すかさず取り出したのは仏具を磨くための真鍮磨き剤と

写真の汚れとり兼艶出し剤。

 

傷に真鍮磨きを薄く塗りつけて塗りひろげた後、ふき取り。

さらに艶出し剤を塗りひろげた後、ふき取り。

すり傷がほとんど目立たなくなりました

これにはちょっと感動!!

使用前、使用後の写真がないのが残念。

 

ともあれ、

「仏壇ご契約のお客様は、車の小キズ修理が無料!!」という

新サービスを提案したくなったのでした。

 


もう一度、お客様の身になって・・・

2007-04-29 13:32:26 | 本音

最近、印鑑を作る必要に迫られました。

幸か不幸か今まで三文判の認め印だけで事足りていた私。

気が付くと印鑑のことは何も知らない

 

とりあえずネットで調べてみると、あるわあるわ・・・

材質、大きさ、字体に価格・・・まさにピンからキリまで星の数。

印鑑といえば柘植くらいしか知らない私は目がテンに。

何の材料がどういいのか?さっぱりわからない。

そういえば、「印相」などという言葉もあるくらいで

字体とか材質によって縁起の良し悪しもあるのかしらん?

そうそう買い換えるものじゃないから、ある程度は品質もいいものにしたい・・・

今まで無縁だっただけに疑問と不安がどんどん膨らんでいく・・・。

 

結局、身近な人にあれこれ体験談を聞き、店でも付き合いのある

印鑑屋さんにお願いしました。

予算は少々オーバーしましたが(これは、お店のせいではなく、私の

認識が非常に甘かったせいです。念のため)

ともかく、長く使うものだし、地元で長く続いているお店なので信用できるだろう・・・

と思ったのがお願いした理由。

 

そして、出来上がった印鑑を手にして、ハタと気が付いた。

これって、お客さんが仏壇を買うときと同じだよね・・・・

材質から始まって、基準も何もわからない、縁起も気になる・・・

私だって、印鑑の材質となると、

「どういうものがあって、どういう長所・短所があって、どういうものが

 良品なのか?」ってすごく聞きたかったし、そういう説明があれば

納得したと思います。

だから、お仏壇のお客様でも同じ。

「とりあえず、仏壇を見に来た」とおっしゃるお客様はまさに五里霧中の状態。

そこを的確な説明やアドバイスで商品を決定する道筋をつけるのが

私たちの腕の見せ所なのかも。

「売りたいモノを売る」のじゃなくて「お客様が一番適切なものを選ぶお手伝い」

なんですね。

 

自分が経験してああして欲しい、これが聞きたいと思ったポイントを

じっくり思い出して、今後の接客に生かしたいと思ってます。

 

そして、やっぱり、お店の信用。「長い」ということは財産です。

 

 

 

 


くしゃくしゃのお数珠の房への裏技

2007-04-24 13:22:11 | 商品のこと

先日、お数珠を買いにこられたお客様。

急いで入用なのに、房がくしゃくしゃで使い物にならない、とのことでした。

修理に出そうにも翌日には必要なので間に合わないし・・・。

そこで持ってこられたお数珠を手に取り、

ハンドパワー数分。

見事すっきりまっすぐな房になりました。

 

な~~んちゃって。

実はくしゃくしゃになった房は蒸気をあてながら

手で押さえたり伸ばしたり・・を繰り返すとかなりまっすぐきれいになるのです

ただし、熱を加えるので房に軽いやけどをさせているのと同じこと。

化繊の房ならだいじょうぶですが、正絹の房にはあまりお勧めできません。

さらに、

色があせたり、房の糸そのものがくたびれてきているものは修復不可能。

本格的な修理をお勧めします。

 

ま、今回はうまい具合にきれいになって、お客様には大変

喜んでいただきました。

もっとも、そのせいでお数珠を一つ、売りのがした訳ですから

上司にばれるとちょっぴり睨まれるかも・・・・。


逆毛のほぐし方

2007-04-21 13:29:50 | 一般人のつぶやき

どんな世界にも「その道のプロの裏技」というものがあるものです。

先日、「へぇ~~」と思ったのは、着付けのプロからきいた技。

着物に合うヘアスタイルと言うと、

逆毛を立ててアップスタイルに・・・ということが多いのですが、

これ、あとからほぐしてシャンプーするのが大変。

 

そこで裏技。

髪をぬらす前に、コンディショナーを揉みこむのです。

何度か繰り返していると、ホントに逆毛がほぐれてするっと指が通るようになります。

それから、改めて通常の手順でシャンプーするというわけ。

試して納得。

さすが、プロ

 


葬儀のしきたり、あれこれ

2007-04-19 14:17:35 | 仏事のあれこれ

最近身内に不幸があって、葬儀に出席しました。

以前の記事では、葬儀の際に、実家のあたりは「喪主が斎場へ行かない」

と言うしきたりがある、と書いていました。

でも、この数年(とくに、地域でしきる葬儀から、葬儀社にまかせるように

なってから??)この風習も薄れてきたようです。

今回は喪主も骨あげをしました。

 

それにしても、会葬方法一つとっても

柳井近辺では会葬者は焼香の時間がくるまで待って、お焼香、ということに

なるのでどうしても葬儀の最初から最後までいることになるのですが、

実家あたりでは身近な人や有志だけが最後まで残り、

一般の会葬者は葬儀が始まると同時に、どんどん焼香して

さっさと帰っていきます。

どちらのやり方も一長一短があるのでしょうが、

地域差にびっくり。

他にも、受付の前に御礼のお辞儀だけをする係りの人(礼場:レイバ、と言います)

がいたり、

果物籠、などのお供えがど派手だったり・・・・。

お寺様は枕経だけあげて、通夜・納棺には来なかったり・・・

とかくこういうことはまだまだローカル色が濃厚です。

とりあえず、今回は「郷に入れば郷に従え」と自分自身に言い聞かせたので

ありました。

 

それにつけても

今後、お客様にあれこれしきたりについて尋ねられたら、

私たちのお答えすることは、あくまでも

柳井近辺の、ごくごく一般的かつ簡素なやり方であって、

地域・地区・集落によって細かなしきたりの違いは限りなく存在する

ということをよくよくご理解いただくように努めよう!!と心に誓ったのでした。

 

だって、なんといっても葬儀の段取りをする地元の人の意気込みたるや、

「自分たちのやり方こそ、国際プロトコール」的な勢いなんですもの・・・。

 

 


白檀塗りのお仏壇 その2

2007-04-10 14:10:03 | 商品のこと

昨日の記事で白檀塗りを施したお仏壇は「拭いてもはげない」と

書きましたが、これはあくまでも「白檀塗り」の部分のみ、の話。

念のため。

その他の、漆に金箔貼りで仕上げた部分は、当然、

拭いたら剥がれます。

本当に、「拭いてもはげない金箔仕上げ」という加工を謳っているところも

ありますが、やはり、微妙に金箔の風合いが違うように感じます。

 

「拭いたらはげる」という不便を承知で、伝統の技法にこだわって

作られるからには、その方法でなくてはならない、それなりの理由が

あると思います。

「仕上がりの美しさ」「金箔本来の美しさを生かす」というようなことも

理由の一つかも知れません。

 

少々面倒な取り扱い上の注意ですが、

伝統工芸の美しさに対する敬意の表現、と思っていただいてはいかがでしょうか?

 

まぁ、その、ぶっちゃけ

丁寧に扱ってりゃ、ありがたみもいや増す、ということで・・・・

 

 

 


白檀塗のお仏壇

2007-04-09 14:06:09 | 商品のこと

漆塗りの仕上げの技法には様々なものがありますが、

白檀塗り」もその一つ。

写真のお仏壇は大戸(雨戸)と猫戸・引出の部分にこの技法を使用しています。

赤褐色に見えている部分がそうです。

「白檀塗り」とは中塗りの後、金箔(あるいは銀箔)を貼り、

(通常の金仏壇の場合はここで出来上がり、となります)その上に

褐色味の強い透明の漆を塗って仕上げたものです

「白檀塗り」という名称は香木の白檀の色に似ているから・・・と言われているようです。

 

金と黒だけで、ともするとキツイ印象になりがちな金仏壇ですが、

こういう色味が入るとぐっと雰囲気がやわらかく、明るくなります。

それにもう一つ。

白檀塗りは金箔の上にもう一度漆を塗ってあるので

通常の金箔貼りのお仏壇と違ってこの部分は手を触れても大丈夫。

拭いてもはげない伝統の技法なのです。

 


水晶灰

2007-04-03 14:11:12 | 商品のこと

写真の商品、「水晶灰」と言いますが実際は小さな小さな

ガラスの粒です。

「水晶」でもなければ「灰」でもない、ツルツル、コロコロした小さな粒です。

ところがこれには素晴らしい特性がありまして、

コロコロしてるから「カチカチにならない」のです。

だから風雨にさらされる、お墓のお線香立の灰として重宝します。

しかもご覧の通り、キラキラ美しいので

室内香の香炉の灰としても喜ばれます。

また、お寺様などで境内に大きな香炉(線香立)を設置されたとき、

香炉の灰にこの水晶灰を混ぜると灰を落ち着かせることが出来ます。

 

と、いうように才色兼備、というか美しいばかりでなく機能的、な「水晶灰」です。

ただ、やはりどんな美女(?)にも欠点が・・・・・・

それはこぼすと回収がやっかいなこと。

ちっちゃい上にツルツル、コロコロ・・・つまみにくい。

そのくせ拾い残すと、1粒でも妙にはっきりと靴の裏に感触があるし。

小さいからうっかり踏んだりしても割れることもなく

いつまでも原型をとどめているし・・・。

 

うっかりこぼしたが最後、延々と地味な作業が待っている、ということになります。