先日図書館で借りた本。
以前から小耳には挟んでいたものの・・・・
幸田家の躾、審美眼、食へのこだわり
なんともすごい、を通り越してすさまじい。
ハタキかけ一つにしても、
きれいにする、ということはアタリマエ。
ハタキをかける音はリズミカルであれ、
所作は美しくあれ、
女はどんな時にも美しくなくてはならん。
・・・・と
時には見本を見せつつ(つまりは、出来もしないことを言っていたわけではない)
教えた父親もすごいが
その父の教えにくらいつき、モノにしていった娘もすごい。
現代の自分自身とは比べ様もないけれど
こういうものを時々読んで、
ぴしっとするのもいいものです。
一つでも、二つでも、
「はっ」として、気にかけるようなことがあれば、
小言をいってくれる人も少なくなった中高年の私には
いい刺激になるもの。
同じ著者による、
「台所のおと」という小説も
父、幸田露伴の
「京都の女性はやさしい。
無駄にがちゃがちゃさせない(ここ、うろおぼえ)
台所の音でやさしさがわかる」
という言葉から、著者があたためていた作品とのこと。
台所仕事にしろ、
味付けにしろ、
幸田家では「うるさくない」あるいは「騒々しくない」
ということを非常に大切にしたようです。
このあたりの感覚、
できはしないけれど
わかるような気もします。
「すっごぉ~~く、**しちゃってぇ~~~」と
表記したときに小さい文字がやたら多いようなしゃべり方、
オーバーアクション、
「はい、はい、はい、はい・・・・」と同じ言葉を何度も繰り返す相づち・・・・・
世間は騒々しさに満ちているようです。
でも
一番騒々しいのは
私自身の台所の音、かも。
ほとんど「合戦」の音だし・・・。
出来上がった料理が殺伐としていることは
ご想像に難くありません・・・
ま、
現実を見つめることから
次の一歩が始まるのさ。