仏壇販売人、ぶつぶつ日記

山口県の隅っこから
仏壇販売人のたわ言、繰言、独り言。
ほぼワタクシごと、たまにお仕事。

古くて、新しい、仏具の色

2008-11-29 13:36:28 | 商品のこと

このおリン、以前にも紹介したことのある、

モダン仏具、「たまゆらリン」です。

左側が従来からあるもので、グッドデザイン賞に輝いたもの。

そして、今回、満を持して登場したのが右側。

「色付き、たまゆらリン」です。

 

何がどう「色付き」か、というと・・・・

この微妙な褐色は「宣徳色」と呼ばれる色です。

中国は明時代、宣徳年間に研究、製作された青銅器の着色法に

由来している、といいます。

メッキについて詳しいページによると

熱した青銅器の表面に鉄錆汁や植物染料を何度も刷き、

その後、イボタロウで磨きだす、という色付け方法だそうです。

 

こうして、古の方法に出来る限り忠実につくられた、

「色付きたまゆらリン」。

言うなれば、「由緒正しきお家柄に育った、現代っ子」。

え?DAIGOみたい???

 

ただ、このおリンを見たときの女性スタッフの反応は

「きゃーーー!!かわいい~~」とは

程遠かったですけどね・・・・。

 


これぞ細密画?「親鸞聖人」

2008-11-28 13:45:43 | 商品のこと

昨日入荷してきた額の題材は「親鸞聖人」。

彫金によるパネルです。

作者は彫金作家、北光生氏

(他店のページにリンクをはって、手抜きをしてしまいましが・・・・それはさておき)

その世界では一流の作家です。

そして手がけたのが「親鸞聖人」。

う~~~む、確かに、浄土真宗本願寺派の掛軸等で

見覚えのあるお顔。

 

ところがこれ、意外なウラがあるのです。

実物の写真ではわかりにくいのでパンフレットを紹介しましたが

(それでもまだわかりにくいが・・)

全ての線を「六字名号=南無阿弥陀仏」の文字で

描いているのです。

 

その精密さは驚異的。

彫金という技法ならではの技かもしれません。

 

あまりに細かい文字の連続なので、虫眼鏡を使っても、

認識できるか、できないか・・・・

老眼の人だと

「全ての線が六字名号で描いてあるらしい

 大変精密で、ありがたいものらしい。」

などということになるのではないか、と少々心配したりもします。

 

個人的には眉毛の辺りの線が太いので

このあたりを見ていただくと納得していただけるのではないか、と思ってます。

 

ともあれ、線の鋭さが親鸞聖人の波乱の人生を彷彿とさせる一枚です。

浄土真宗の門徒さんには特にお勧めですね。

 

 

 


新入荷のお仏壇。赤い。

2008-11-25 15:08:00 | 商品のこと

ブログの更新は昼休みに食後の空き時間を利用して

行うことが多いのですが・・・・。

ちょっとしたズレで今日の「食後の時間」はなんと3時。

この季節の3時ともなると、日差しがなんとなく

夕方めいてきて、妙な感じの昼食となりました。

 

・・・・・・それはさておき。

先日入荷したお仏壇。

紅溜色(べにためいろ)」と言われる色です。赤い。

お仏壇に赤、というとギョッとするかもしれませんが

溜塗とか朱塗というのはポピュラーな漆塗りの一つだし。

仏像を安置する厨子には朱塗りのものも以前から多くあった

ことを思えば、さほど違和感のあるものでもないはず。

 

それに、タンスの上とかにおけるコンパクトなタイプなので

とてもかわいらしく仕上がっています。

物々しさがないにも関わらず、格調のようなものも兼ね備えています。

この「格調」というものが出てくるのも

「漆塗り」の底力でしょうか。

 

自分だけの仏像を祀るもよし。

最近よくある、「実家が絶えてしまったので、せめて小さなお仏壇でも

置いて、婚家でも手をあわせたい」などという場合にも

こういうお仏壇なら重くなりすぎず、ちょうどいいのではないでしょうか。

女性スタッフのイチオシです。

 

 

 

 


ヒトの死因

2008-11-22 13:27:12 | 一般人のつぶやき

健康に気を遣っていた友人が突然亡くなり、

お悔やみに行った後の知人が一言。

 

「・・・・あのねぇ、人間は病気で死ぬんじゃないねぇ。

   人間は、寿命がきて死ぬんだよ。

「だからねぇ、先のことをあれこれ考えるより、

 今、しっかり楽しまなくちゃだめだよぉ。」

   

 

 


新商品入荷。念珠編

2008-11-18 13:37:15 | 商品のこと

最近入荷したお数珠です。水晶製です。

新製品です。

水晶のお数珠なんて珍しくもないのに何が「新製品」なのかというと・・・

拡大写真を見ていただくと一目瞭然!!!(の、はず)

一つ一つの玉にらせん状の彫りが入っているのです。

 

水晶の透明な輝きとマッチした、

この優雅な曲線は「流水彫り」。

流れる水が器によって姿を変える様に、このお数珠を手にする人が

素直で柔軟な気持ちでいられるように・・・・・

そしてまた、流れる水が何者にも止められないように

持つ人が信念を貫くことができるように・・・・

・・・・・そんな願いをこめて製作されたお数珠です。

 

・・・・・・・・・・お客様に尋ねられたらそんな風にでも答えようか????と

思っている私。

 

実際にメーカーさんが持って来た箱には

「本水晶 ツイスト念珠」

って、味もそっけもないラベルが貼ってあっただけでした。

 

ひねりなさい!!ひねりなさい!!!


お仏壇の中の意匠、いろいろ

2008-11-16 13:41:40 | 商品のこと

このお仏壇

 ごくごく一般的な金仏壇です。

でも注目すべきはその金具。

金具といっても、装飾性の高い、錺金具のことです。

 

通常は上の方の金具には鳥、下の方には蓮、といったパターンが

多いのですが、たまにこのようにテーマはっきりしている錺もあります。

このお仏壇の場合は、写真にピックアップしたように、

テーマは楽器。太鼓・鉦鼓・笙・篳篥・琵琶に琴(筝?)・・・・・

楽器をお仏壇の意匠に使う、そのココロは?

 

常に妙なる音楽に満ちている、という極楽にちなんで、

極楽の「音をうかがわせるもの」として楽器を配しているわけです。

こういった楽器づくしの意匠はかの豊臣秀吉を安置した

高台寺の厨子にも施されているそうです。

 

仏壇屋にお越しの際にはぜひじっくりと

お仏壇の意匠もお楽しみください。

 

 

 


仏の耳たぶ、の疑問

2008-11-15 13:45:28 | 仏事のあれこれ

仏像を見に行った話のついでに一つ。

 

仏様の耳たぶは大きくて、長くて、これでもか!!!という勢いの

福耳ですが・・・・

この耳たぶに大きく穴があいているものがあります。

 

如来像に多いのですが、この穴、「ピアスの跡」であるとも

言われます。

つまり、悟りを開く前はネックレスだのピアスだのさまざまな

装身具で飾っていたものが、

悟りを開き、装身具など必要なくなったので

はずしてしまった、そのピアスの穴、だというわけです。

最近、こんな説を聞いて、「なるほど~~~」と

納得していたのですが・・・・・・

 

検索してみると菩薩像などにも耳に穴のあるものが

ちらほら・・・・・

説明がつかなくなってきました。

新たな疑問の発生です。

 

なお、この耳たぶの穴、

在家用の小さい仏像ではめった見られません。

お寺などに安置してある仏像に接する機会があったら、

ぜひチェックしてみて下さい。


彫金を施したおりんです

2008-11-14 13:42:58 | 商品のこと

最近入荷したおリンがこれ。

その名も「夢想リン」。

(・・・って、実際のところおリンの名前はあんまり関係ない。

 材質とか形状を現しているものもあるけれど、

 最近のものはほとんどが新たに命名されたものだから・・・・)

 

ともあれ、このおリンの最大の特徴はその前面に施された

彫金。

やや黒っぽい地にざっくりと彫り出された桜の枝は

存在感十分。

「掘削」という言葉を連想するくらいに

彫られた部分は荒削りな「面」のようです。

その面一つ一つに細かな線が残っているために

その線が見る角度によって複雑な光の反射を生み、

味わい深い模様を作り出しています。

 

お仏壇の荘厳に、風格のある華やかさを

添えてくれるリンだと思います。

 

ところで、写真では見えにくいのですが、

このおリンは模様の右側あたりに「一彩」と

彫ってあります。

つまりは作者名。

青井一彩氏。金属工芸で有名な高岡市在住の彫金作家です。

実はこの「光の当たり具合で立体感が生まれるように、

計算して、面で彫りだす」

という技法は「彩彫」と名づけられた、

一彩氏独自の技法なのです。

 

職人の手わざ、お近くのお客様はぜひ一度

店頭でご覧下さい。

 

 

 


「運慶流」行ってきました。

2008-11-13 13:42:46 | 本音

一昨日から山口県立美術館で開催されている、

「運慶流 鎌倉・南北朝時代の仏像と蒙古襲来」展に

行ってきました。

 

運慶を中心とした仏師一派の技術や様式の変遷を軸に、

時代の要請にも応えていった仏像の移り変わりを見ていこう、

という企画です。(って、確かそんなキャッチコピーだったと思う)

(要するにパンフレットの受け売り、しかもうろ覚え、なんだけど)

 

会場入口ではお約束の金剛力士像がお出迎え。

今回、この展覧会を開催するにあたり、県立美術館が用意した

パンフレットには「仏の顔ももう四度」とありました。

つまりはここ数年、「仏像」を主体とした展覧会も4回を数えることになった、

ということ。

 

そして、会場の入口で金剛力士像にお目にかかるのも

ひょっとしたら、もう四度・・・・・なのかも。(これまたうろ覚え。)

 

それはさておき、

今回目についたのは、たくさんの仏像に共通する

「線」の変化。

衣紋のラインであったり、筋肉の動きであったり、

狛犬や獅子の巻き毛であったり。

それぞれの場所で、

あらゆる表情、表現の「線」が巧に使い分けれられていること。

それぞれの仏像の個性を線が物語る、という感じでした。

 

そして、圧巻は

「文殊五尊像」。「渡海文殊」とも言われる像で、

獅子にのった文殊菩薩に4人の眷属がつき従う、という像。

 

この展示コーナーに入った途端、

遠くからでも存在感を放っていました。

 

文殊菩薩の端正さもさることながら

獅子を引く眷属の今にも歩き出しそうな躍動感

そして、なんといっても獅子そのものがいい!!!

生き生きとした、という表現がぴったり。

動物の体温が伝わってきそうな迫力でした。

 

この文殊菩薩を見るだけでも、

今回の「運慶流」足を運ぶ価値あり、です。

 

 

 


新入荷のお仏壇

2008-11-08 13:39:36 | 商品のこと

新入荷のお仏壇。

今回はモダン仏壇(家具調とか現代仏壇、とも)です。

モダン仏壇というと洋家具風の明るい色を思い浮かべることも

多いと思うけれど、

今回入荷してきたのは紫檀

それもツヤも重量感もある、上質の紫檀です。

その重量感をうまく逃がしているのが背板(写真青い矢印)部分や

扉部分にあしらわれた和紙。色はピンク

アクセントとして一箇所だけ彫られた桜の模様とリンクしています。

 

内部はモダン仏壇にはおなじみとなった、

ダウンライト付。

 やわらかな明るさです。

 

そして、ぜひ見ていただきたいのが、

全体写真の黄色矢印の部分。

お仏壇の最下部のこの部分。実はまくり扉になってます。

その中には・・・・・・

な、な、なんとぉ!!!!

こーんなかわいい

折りたたみ式の経机が収納してあるのです。

もちろん、机の材質もお仏壇の材質と同じものなので

小さくても安定感はしっかり。

 

コンパクトながらもしっかり魅せてくれる、この秋イチオシのお仏壇です。