仏壇販売人、ぶつぶつ日記

山口県の隅っこから
仏壇販売人のたわ言、繰言、独り言。
ほぼワタクシごと、たまにお仕事。

地元の八十八ヶ所のガイド本

2008-03-29 13:31:50 | 私の本棚から

お遍路さんの話が出たついでに・・・。

「八十八ヶ所」と言われるところは柳井市の近く、

周防大島にもあります。大島全体をぐるりとめぐるこの周防大島八十八ヶ所

「大島」そのものがかなり大きな島であることもあって

周りがいがあるのか、地元の人にはかなりの人気です。

 

そのため、店でも時々、「大島の八十八ヶ所の地図はありませんか?」と

尋ねられるのですが、あいにく置いていません。

考えたら、こういう、日本全国に無数にある「ご当地八十八ヶ所」とも

言うべきところの案内書って、寡聞にして

あまり見かけたことがありません。

地元の人たちはどうやってまわっているのかしら????

 

ところが・・・ここに一冊、こと周防大島に関しては案内書がありました。

その名も「周防大島八十八ヶ所 札所案内」

著者は地元大島の「大野春夫」氏。

周防大島町内の瀬戸内物産(有)というところから発行されており、

昭和51年の初版以来、なんと平成7年には7版を数えるように

なっています。

内容は、簡単な札所の紹介、とタイトルそのまんまですが・・

 

巻末には大島八十八箇所の全体地図が添付されています。

さらに、徒歩でまわる場合、マイカーでまわる場合、と

シーン別に巡拝順序の例も示してあります。

また、巡拝したときにあげるお経までちゃんと載ってます。

まさに、周防大島八十八ヶ所の巡拝には

これ一冊でOK,という実によくできた案内書です。

 

惜しむらくはこの本が隣町である柳井にさえ、

あまり出回っている風ではないこと。

私も数年前、偶然覗いたJR柳井駅のキオスクで

購入しました。

周防大島町内にはたくさんあるのかなぁ??????

 

そうそう、周防大島町の観光協会の方によると

現在周防大島八十八ヶ所の地図を製作中、とのことでした。

期待して待ちたいと思います。


遍路笠

2008-03-28 13:37:03 | 仏事のあれこれ

このところ、お遍路用品の注文が増えています。

納札・白衣はもちろんのこと、時には「遍路笠」も。

 

この、遍路笠には文字が書かれています。

すなわち

迷故三界城」(迷うがゆえに三界は城にして)

悟故十方空」(悟るがゆえに十方は空なり)

本来無東西」(ほんらい東西はなく)

何処有南北」(何処にか南北あらん)

「迷いを棄てて悟りを得れば、何処にいようと仏の国である」

(かなり大雑把ですが)という意味だそうです。

 

この四行と、梵字、そして「同行二人」の文字が遍路笠には書かれています。

被るときは梵字を正面に。

そして、やや目深に。ひさしを上げ顔を上げて被ると

風で飛ばされそうになったり、歩きにくかったりします。

つまりは、頭を垂れ、慎ましくあれ、ということでしょうか?

 

ところで、お遍路さんにはおなじみの「同行二人」という言葉。

「お大師さんがついていてくださる。お大師様と二人でいる」という

意味なのですが・・・・

 

ある人曰く

「『同行二人』って、もしもの時のために、必ず二人一組で歩け

 ってことなの?」

・・・・それはそれで説得力のある説でした。


ラベラーの呪文

2008-03-25 15:47:56 | 本音

店での小物の値段付けには写真のような

ラベラーを使用しています。

およそ小売店で働いたことのある人なら一度は手にしたことがあるだろう、

というくらいポピュラーなものです。

ところでこのラベラー、ご存知のように印字部分が

回転するようになっていて、組み合わせによって

いろいろなラベルをつけることができるようになっています。

例えば、

左のように単なる価格を打つこともできますが、

右のように一番左部分をあらかじめ組み込んである「かな」に

すれば商品の分類も一度に表示することができます。

 

ところで、この組み込んである「かな」ですが・・・・

この機種の場合、一つの列にセットしてあるのは14文字。

「\」とかはずせないものをセットすると「かな」の数は

限られています。

「はて?いったいどんな規則性をもって『かな』は組み込まれているのか???」

50音なのか?イロハなのか????

改めて使い慣れたラベラーを観察すると・・・・・・

 

 

セットされていた文字は

ヨ」「キ」「ミ」「セ」「サ」「カ」「エ」「ル」  の8文字。

「よき店、栄える」。

ラベラーは今日もガチャンコ、ガチャンコ、繁盛の呪文を唱えていたのでした。

 

善哉。

 

 


とりあえず、「窯変 源氏物語」

2008-03-25 13:46:23 | 私の本棚から

お香を扱う仕事をしているとどうしても避けて通れないというか

気にかかってしまうのが「源氏物語」。

「源氏香」でも知られるとおり、かの物語と「香り」は切ってもきれない

縁のあるもの、らしい。

物語の中でもそれぞれの女性が思い思いに香木を

ブレンドする場面があるなど、「香り」が重要なアイテムとなっている、らしい。

 

「らしい」と括る私は悲しいかな「源氏物語」を読み通したことがない。

高校の古文で断片を目にしたにすぎない。

でも、やはり一度くらいはきちんとした筋を知っておきたい、ということで

「源氏物語」の「現代語訳」であるところの「窯変 源氏物語」(橋本 治 著)

に手を出したところです。

 

何故、「窯変・・・」だったのか?

当然、原本は敷居が高すぎる。

谷崎潤一郎訳、はなんか硬くて挫折しそう。

円地文子訳、は図書館で見当たらなかった。

まさか、「あさきゆめみし」という歳でもないし・・・

と、何のポリシーもなく手に取ったのが橋本治版だった、ということです。

 

源氏からの視点で書かれたこの「窯変・・・・」は

冷徹でありながら優雅な趣も十分に味わえて、入門編として選んだのは

正解だったかな・・・と思っています。

 

それにしても、読めば読むほど気になるのは

結局は訳者の目を通してしか「源氏物語」を見ていないことに

なるのではないか?ということ。

これは外国の本の翻訳でも同じだけど。

写真のフルーツにいくら触れてもその有り様は

正確にはつかめないように、

原文を読むことでしか、本当に味わうことはできないのでは

ないか、と思います。

いずれは原文に挑戦しなくては。

 

と、思っていたら、高千穂大学の渋谷栄一教授のサイトで原文が

のせられていました。

これはありがたい。

 


「普通の家族がいちばん怖い」を読む

2008-03-24 13:36:23 | 私の本棚から

最近、「普通の家族がいちばん怖い」という本を読了しました。

同じ著者で「変る家族、変る食卓」という本も以前読んだけれど

読んだ後に、なんとも寒々とする、というか空恐ろしい感じに

なってしまうのは今回も同じ。

 

行事の準備も、食卓も、主導権を握る主婦の「私の気分」で

増幅されたり、カットされたり。

 

お正月の御節なんて、実家でたべさせてもらうから作ったことはないし

 作ろうとも思わない」けど

「みんなと同じ経験をしてないと子供がかわいそう」だから

「どうせ食べないんだけど一応」

「買ってきた一人分のパック入りの御節を」

パックごとテーブルに飾って」「御節を見せた」ことで

子供に経験させたと思って満足している母親。

 

とりあえず、ぱっと見だけは「なんとなく周りと同じ」にして

意味も内容も深めようとしない母親たち。(あるいは父親も)

しきたりや決まりごとは「めんどうだから」

「私のやりやすいようにアレンジして」「私の気に入ったところだけ」

取り入れる、という姿勢。

母親たちだけを責めてなんとかなる、ということではないけれど

何処かで疑問を持たないと取り返しがつかないことになるような

気がします。

 

このところ「日本のしきたり」やら「慣習」やら「マナー」の本が

やたら目に付くと思ったら

そういったものがホントに家庭から姿を消し去りつつあったんですねぇ。

一つのものが流行したらその対極にあるものも流行する」という

日下公人氏の言葉はなるほど至言です。

 

 


房見本

2008-03-22 14:07:24 | 商品のこと

当店ではお数珠の修理も承っています

ただし、修理品はお数珠のメーカーに送って直してもらうので

正確には「修理の取次ぎ」ということになりますが。

 

ところで、このお数珠の修理の時、

房の色を変更できる、ということをご存じない方も多いようです。

お数珠をつなぎかえるときは、珠を通す糸とともに房も新しいものに

替えることが多いので、当然、色やデザインを変更することもできるのです。

 

若い頃に買ったお数珠でも、修理のついでに

房の色を地味なものにすると、まだまだ使える、ということがよくあります。

そんなお客様のために

当店では房見本を用意しています。

毛糸や縫い糸の色見本のようでもありますが・・・。

お客様が選ばれた房を番号や色で指定してメーカーに注文すれば

OK、というわけ。

一口に「紫」と言っても

「茄子紺」「古代紫」「あか紫」等々微妙な色の表現もまた楽し、というものです。

 


お仏壇の中の動物

2008-03-17 13:59:03 | 商品のこと

寺社仏閣の建築ではいろいろな部分に動物の彫刻が

施されていたり、動物や生き物の名前のついた部分があります。

そして、お寺を模して作られたお仏壇にもやはり、動物が登場することがままあります。

このお仏壇の屋根部分には

青丸の部分には鳳凰。

そしてピンクの丸の部分にはがいます。

こんなところに何故兎?

想像するより他ありません。

仮説その1:「兎が老人に化けた帝釈天をもてなすために、

        火中に身を投げた」という「月兎と帝釈天」の昔話のため。

        ちなみにこのお話はインドのジャータカ神話にあるそうです。

        日本では今昔物語のなかにおさめられているそうです。

        その昔話にちなんで。

仮説その2:兎は安産で多産なところから豊饒と吉祥のシンボルとして。

仮説その3:日本では「兎がもちをつく」とたとえられている「月の兎」ですが

       古来中国では「薬草を挽いている」とされていたそうです。

       兎が植物全体を統率するものとされており、長寿の象徴として。

 

正解は製作者のみぞ知る、というところです。

余談ですが、上の写真の青丸、鳳凰のいる部分。

建築用語では「懸魚(けぎょ)」といいますが

その形が扁平なものを「兎の毛通し」といいます。

また、兎だ・・・・。

 

       

 


神道の先祖まつり

2008-03-14 13:44:04 | 仏事のあれこれ

先日のお客様。

「神棚が欲しい」とおっしゃいます。

きけば神棚用にかなり広いスペースを用意していらっしゃる様子。

これくらい↓の本格的なお社でも十分置けそうです。

もしや?と思ってよくよくうかがうと、お家は「神道」とのこと。

(余談ですが、柳井近辺には結構神道さんが多いのです)

さらにうかがうと、ご家族が亡くなられたために、

その霊璽(仏教でいうところの位牌のようなもの)「御霊代(みたましろ)」とも。

を納めたいとのこと。

それならば、お社ではなく御霊舎(みたまや「祖霊舎」とも書く)が

適当なのでは?

 ということで提案させていただきました。

 

歴史上、「神葬祭」というものが長く人々の暮らしから遠いものに

なってしまっていたせいか、「我が家は神道です」という

お宅でも先祖まつりにはあれこれ迷われることが多いようです。

 

「神道」=「お社」ということで

お札も霊璽もお社に納めたくなってしまうようですが、

神社のお札と祖先の霊璽は全く別物。

それぞれに、相応のところに納めてお祀りしていただきたいと思います。

 

あまり知られてはいないのですが、

神道さん用の「仏壇」、いわゆる「神徒壇

という先祖祀り専用の

ものも市販されています。

ぜひ、仏壇店にご相談下さい。


店子、その後

2008-03-11 14:00:31 | 本音

数日前から天井裏をうろついているハト

気がつくと、

カサ、カサ、・・・・。カササササ・・・・。

と、なんだかずいぶんと広範囲に動き回っている様子。

ひょっとして、天井裏で迷子になってるのかも・・・と

スタッフ一同気をもんでおりました。

 

そのうち、ふと気づくとあれほどカサカサやっていた足音がしない。

????

無事、出て行ったのか????

?????

なんだか、足元のほうからかそけき物音が・・・・!?!?

 

まさか、と思いつつ

縁の下兼物入れになっている扉を開けると、

光の届くその方向に一羽のハトが・・・。

やっぱりオマエか!!

 

その後、店にあった虫取り網(←なんで?)を持ったスタッフが

格闘すること数分。

無事、ご退去願いました。

 

天井裏をウロウロしてるうちに、

壁の隙間にはまって、縁の下まで落ちてしまったみたい

ふ~、やれやれ。

 ハトよけに、隙間対策しなくっちゃ。


店子?

2008-03-09 13:37:42 | 本音

当店の外観はこんな感じです。

店舗は1階のみ。2階部分は倉庫及び休憩室です。

・・・・って、そんな間取りはどうでもいいんだけど、

最近、1回の天井裏で頻繁に

カサッ、カサカサカサ・・・・・と物音が。

どうも屋根と外壁の隙間からハトが入り込んでいるようです。

この間は小枝をくわえてたから、巣作りに励んでいるのかも・・・。

小さな物音ながら、招かれざる店子の存在が気にかかります。

何とかならないものか???

 

「二かいの女が木にかかる」と覚えるのは「櫻」という字だけど

「二かいのハトがきにかかる」場合はどんな字になるんだろう????