BCLとベリカードの楽しみ

海外短波放送や国内放送を聴き、放送局からいただけるベリカードなどを紹介。近頃は、自分が楽しいと思える事柄も書いています。

ベリカードこぼれ話 (5) ベリカードで知った出来事

2016-08-13 | BCLアラカルト
ちょっと話が長くなりますが… 

少し前のことです。美術関係の本を見ていたら、絵画の題名がどこかで聞いたことがある名前だ、と思い、その絵に見入ってしまいました。

それが、この絵「サヴォナローラの火刑」です。15世紀のイタリア・フィレンツェのシニョリーア広場で、火あぶりの刑が執行されている光景が描かれています。(右は、部分を拡大)



広場中央に設置された十字架の高い柱の先に2-3人が吊るされ、下には火が燃えさかっています。さらに、あと3人が引き連れてこられていますし、近くには追加の薪を背中にしょった人物もやってきています。周りでは、人々が集まり、ひそひそ話をしているようです。

この絵は、ドミニコ会修道士の「ジローラモ・サヴォナローラ」(Girolamo Savonarola) が、1498年5月23日に処刑された様子を描いたとされる、作者不詳のものです。

サヴォナローラは、当時の教皇や政治の腐敗を批判し、本来の信仰に立ち返るよう訴えて、民衆の支持を得て、フィレンツェで神権政治を行いました。しかし、贅沢品や美術品までも焼却するという厳格な姿勢を示したため、かえって民衆の反感や不満が高まり、その後捉えられて、教皇の裁判で絞首刑ののち火刑に処されてしまいました。

その後、サヴォナローラの評価としては、ジョン・ウィクリフやヤン・フス、マルチン・ルターらとともに宗教改革の先駆者と見なされるようになりました。

そんなサヴォナローラの人物画を描いたベリカードが、AWRから発行されています。宗教改革者シリーズの中の1枚で、ユニークな木製のカードになっていて、2001年にいただきました。



ベリカードで、火あぶりになったサヴォナローラの名前を覚えていましたので、偶然に、この絵を見て、ピンと来たのでした。
16世紀に描かれ、17世紀に模写されたという、その光景の絵画が残されているということは、イタリアでは衝撃的な出来事だったのでしょうし、殉教した改革者という再評価につながる動きがあったことを窺わせます。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« Eベリ 棚田風景3 KTWRフレ... | トップ | ベリカードこぼれ話 (6)  本... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。