
夏になると聴きたくなる曲がある。
いっとき、どこから夏が始まるか?
の判定を、(=イコール)初アイスコーヒーを飲む日、とじぶんは勝手に決めていた。
そして夏の始まりの曲は、パーシー・フェイス・オーケストラの「夏の日の恋」と決めていた。
それは90年代後半から00年代始めの僕の習わしだった。
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イージーリスニングがはやった70年代。
小学校の給食時間、その時間の校内放送では必ずイージーリスニングが流れていた。
ポール・モーリアやカラベリ・グランド・オーケストラ・・・etc。
その時代には特別な感想も無かった、この有名な曲「夏の日の恋」。
昼下がりのFM「ワールド・オブ・エレガンス」でもかかったであろう一曲。
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その後、中学生になるとともにYMOやテクノ一辺倒になった中学時代。
イージーリスニングがダサいと言われた80年代初頭。
その時代を超え、この曲が大好きになったのは、「FMトランスミッションバリケード」がきっかけだった。
「・・・バリケード」は、ニューウェイヴのアンダーグラウンドな新譜を選曲した稀有な深夜番組だったが、1984年夏の(7月だったか?)番組冒頭1曲目に「夏の日の恋」がかかった。
そうか、こんな選曲もあるな、と感心した。
90年代に入って「モンド・ミュージック」と言い出したり、砂原良徳さんが「ジェット・ストリーム」的世界をアルバムにしたり、という動きがあったが、こんな選曲はそれより早いものだった。
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幼い頃、夏の日あった風景の断片がフラッシュバックする。
喫茶店には必ずアイスコーヒーの小さなポスター。
青空・白雲をバックに、つべたい氷のかたまりが入ったアイスコーヒー。
ヨットや水着のお姉さんと映って居たり、、。
中華屋の店頭に「冷やし中華、はじめました」と書かれる頃と同じくして、季節を感じる。
子供は普段いないはずの日中、家にいたりすると、TVからはお中元のCM、サラダ油やおそうめん。。。
着物を着たいでたちの綺麗な女性が日傘をさして、そろりそろりと幻みたいに遠くへ消えてゆく。
■Percy Faith Orchestra 「Theme From A Summer Place」■
PS:このロマンティックな名曲「夏の日の恋」
同曲をスケッチショー(細野晴臣+高橋幸宏)がカバーしたのは意外だったが、
疲弊し切った2人のしばしの休暇・リハビリ的ゆるやかさで、とても落ち着くカバー曲となっている。
これ以降再び始まっていく、21世紀音楽旅を泳ぐための前運動みたいだった。

■Sketch Show 「Theme From A Summer Place」'02■
Words:Mack Discant Music: Max Steiner
Mix: Sketch Show and Hiroshi Haraguchi at Yosemite ST.
There's a summer place
where it may rain or storm
yet I'm safe and warm
For within that summer place
Your arms reach out to me
And my heart is free from all care
for it knows
There are no gloomy skies
When seen through the eyes of those
who are blessed with love
and the a sweet secret of
a summer place
Is that it's any where
When two people share
All their hopes
All their dreams
All their love
All their hopes
All their dreams