こころとからだがかたちんば

YMOエイジに愛を込めて。

YMOとリリー・フランキーさんが対談

2007-07-07 22:09:36 | 音楽帳
 元イエロー・マジック・オーケストラ(YMO)の坂本龍一(55)、高橋幸宏(55)、細野晴臣(59)が、イラストレーターのリリー・フランキーさん(43)と初対談した。NHKプレミアム10「YMOからHASへ~高橋幸宏+坂本龍一+細野晴臣 音楽の旅」(7月6日・後10時)で実現したもので、坂本が1993年の「再生」(再結成)について「はめられた」と振り返り、「YMOの時は生意気だった」と、本音トークを展開している。



 YMOの歴史をひもとく対談は、93年の「再生」の話題から始まった。

 78年に結成後、海外ツアーも行ったほどテクノポップブームを全世界に巻き起こしたが、83年に「散開」という形で解散。10年間の沈黙を破る「再生」プロジェクトに坂本は「再生の時は、はめられたね。外からやらされた感じ」と苦笑い。細野も「無理があったよ」と言い、高橋は「『伝説だ』みたいに大げさなこと言われて、あんまり会ったことない人が現れていろんなこと言うし。プロジェクトがどんどん大きくなって、嫌になって『もういい』って感じだった」と、本意ではなかったことを明かした。

 その後、YMOとして活動することはなかったが、3人の音楽を通じた交流は続いた。今年の5月19日には「HAS(Human Audio Sponge)」としてスペシャルライブを開催。YMOファンで、3人とも親交があるリリーさんが、HASのチャリティーTシャツをデザインしたこともきっかけとなり、対談が実現した。

 リリーさんが「細野さんの家でおにぎりを食べながら、結成の話をしたんですよね」と知識を披露すると、高橋は「ミカンもあったよね」と30年前を懐かしんだ。坂本は「ソロも忙しかったので、最初はバイト気分だった。でも、2枚目のアルバムが売れたころから、道で『あ、坂本だ』とか言われてプレッシャーを感じて、本業と思わざるを得なかった」と振り返った。

 高橋が「いくつ(何歳)くらいの自分が一番嫌いか」と切り出すと、坂本は迷わず「YMOやってたころが一番嫌い。生意気だった」と…。「あのころの自分がいたら殴ってる?」と聞く高橋に、「もうチョーパン(頭突き)でしょ」と笑わせた。

 また、年齢を重ねたことで「(メンバーと)顔合わせないように、日にちをずらしてスタジオに行ったころもあった。でも、確執とかそういうの忘れちゃった。笑い話になっちゃうんですよね」としみじみ。細野も「物忘れがひどくなってきたのがいい。自分が何をしたいかとか、こだわらなくなる」と前向きだ。

 今後について、リリーさんが「それぞれソロに戻るのか」と尋ねると、「それが基本」と細野。坂本は「(曲を)思いついたら2人にサウンドファイルを送ったりして。手紙みたいなもんですよ」と話した。

***

「再生」が失敗だった、とさかんに坂本龍一は過去から言っていたし、細野さんも「無理やりやらされた」とは言っていた。
ただ、それにしても「テクノドン」は名盤だと思う。
正直、素晴らしいレベルのアルバムだと思う。

しかし、こうして、再度、3人が自然な形で「邂逅」できたことは、実に深い。
深すぎる。

この後も、この自然な流れで、3人が、また新しい音をつむぎ出すことに、こちらも「自然」に、期待している。


■ヒューマン・オーディオ・スポンジ 「以心電信」(2007年5月19日 パシフィコ横浜)■
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする