京都つれづれなるままに

京都好きの旅日記。お寺、神社、グルメからスイーツまで!思いつくままに。

南山城の古寺⑤ 浄瑠璃寺 (九体阿弥陀仏)

2019年05月15日 21時19分10秒 | 日記
海住山寺を後にし、浄瑠璃寺にやって来ました。
今回の南山城の古寺の中では最も多くの文化財を所蔵されています。





浄瑠璃寺の伽藍は池の東に位置し、薬師如来をお祀りする三重塔(此岸)、池の西に位置し、九体の阿弥陀さまをお祀りする本堂(彼岸)、北側には大日如来をお祀りする灌頂院と三つのお堂で構成されています。





薬師如来は東方浄土の教主で、現実の苦悩を救ってくれる仏様で阿弥陀如来は西方極楽浄土の教主です。また、大日如来は真言密教の最高仏で宇宙全体の生命の根源であり、また、宇宙そのものだとされています。

庭園は現存する数少ない浄土式庭園のひとつです。近年の発掘調査に基づき州浜が復元されています。

残る浄土式庭園は京都市右京区にある世界文化遺産でもある西芳寺(苔寺)の下段の庭園です。今や苔に覆われていますが浄土式庭園です。それに対して上段の庭は石組みの美しい枯山水庭園で、夢窓疎石の作庭です。また、奥州藤原氏の本拠地だった毛越寺庭園です。最後のひとつは奈良平城宮跡で発掘復元された庭園で計4カ所か現存しています。









本堂は9間の幅があり、中には9体の阿弥陀如来坐像がおられます。平安時代、人間は生前の行いにより、上品上生から下品下生まで9つの"あの世"に行くと考えられていました。どんな生前の行いをしようと極楽往生の世界へ行けるよう9体の阿弥陀さまを造ったわけです。(権力者はホント貪欲ですね)



平安時代にこのような九体阿弥陀堂が三十数棟造られましたが、現存しているのは、ここ浄瑠璃寺だけです。

この日、木津川市の特別公開で吉祥天女像のお厨子が開けられていました。秘仏で普段はお厨子の扉が閉まってるために彩色が綺麗に残っています。






南山城の古寺(14) 猿丸神社・永谷宗円生誕地

2019年05月15日 05時52分45秒 | 日記
禅定寺を後に次に車ど5分ほどのところにある猿丸神社を参拝しました。
万葉集に詳しい方だったらご存知のあの有名な和歌を詠まれた猿丸大夫をお祀りした神社です。





"奥山に 紅葉ふみわけ 鳴く鹿ぞ 声聞くときぞ
秋はかなしき" いい和歌だと思います。
僕がこの和歌を知ったのは井沢元彦さんの歴史推理小説「猿丸幻視行」を読んです。ストーリーが二転三転し非常に面白かったです。井沢元彦さんはこの推理小説で江戸川乱歩賞を受賞されています。あれから2回読み直しています。





次に永谷宗円生誕の地を訪ねました。彼が緑茶の製法を開発していなければ今の日本の緑茶はなかったかもしれないですね!



かなり細い道を車で進んで行きます。
僕の基準では、道路沿いに民家があるかどうか?駐車場があるかどうか?を基準に進みます。今の車社会の中、民家があると必ず車を所有されています。(ひとり一台、軽自動車が多いです)

こちらは土曜、日曜日にしか公開されていないのは知っていましたが、こちらを管理されている近所の奥様が「中を見ていきますか?」と聞いたくださり、お言葉に甘えてお願いしました。











実際にどうやって緑茶を作るのかを説明して下さいました。
最近テレビに2度出られたようで、その後、訪れる人が激増したそうです。
ひとつはNHKの「鶴瓶の家族に乾杯」もうひとつは毎日放送の「ちちんぷいぷい」だったそうです。やはり全国放送のNHKの威力は凄かったようです。
両番組ともアポなしで突然ロケ隊がやっきて、文字通りぶっつけ本番で収録されるようでNHKの時は風呂から上がったところでスッピンでテレビに出てしまったとぼやいておられました。







東屋の生花や、紫陽花の植栽、園路のミニチュア、、、すべて奥様の手によるもので全てボランティアでされています。

このような方に助けられて地域の文化財は大切に維持されているのですねー!
改めて地域のコミュニティの大切さを教えて頂きました。