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京都つれづれなるままに

京都好きの旅日記。お寺、神社、グルメからスイーツまで!思いつくままに。

春季 京都非公開文化財特別公開⑤ 安祥寺

2019年05月08日 10時39分52秒 | 日記
今日、5月6日は、春季 京都非公開文化財特別公開の最終日です。
まだ、拝観していない安祥寺、長楽寺、泉涌寺と巡る予定です。

まずは、山科にある安祥寺です。





今まで一般に公開された事はないお寺で、今回の特別公開で一番レアな寺院です。ご本尊の十一面観音立像をはじめ多くの素晴らしい寺宝をお持ちです。主催の京都古文化保存協会のGさまによると公開の交渉に10年を要したそうです。
今回、天皇陛下の代がわりとご住職の代がわりが重なり公開に至ったようです。



まずは、本堂へ。ご本尊の十一面観音立像は高さ252.2cmの半丈六仏で額の半ばより上は後補ですが均整の整った美しい観音さまです。



製作年代は乾漆が一部で使われていたり、衣の様式から奈良時代末期までには造立されていたようです。
四方には観音さまを守護する四天王が安置され、一体を除き、平安時代の作だそうです。

続いて大師堂です。





宗祖弘法大師空海、開山恵運他三体の歴代住職の木像が安置されています。

次に地蔵です。



高さ134cmの半丈六仏の寄木造、目には玉眼が入っていることから鎌倉時代に造立されたお地蔵さまのようです。玉眼は鎌倉時代に大流行した技法で、鎌倉以降の多くの仏像にはこの手法が採用されているのが特徴です。







梵鐘は銘文から摂津国の安雲寺の梵鐘として鋳造された事がわかるそうですが、こちらに移された経緯はわからないそうです。



かって地蔵堂の北には多宝塔がありましたが、明治39年(1906)に火災で焼失しましたが、ご本尊の五智如来坐像はすでに京博に寄託されており無事でした。今年、平成31年に国宝指定されました。

次に、ご本尊が勅封秘仏で天皇の代がわり、また厄年にのみ御開帳さる准胝観音さまを拝みに円山公園の高台にある長楽寺へと向かいます。




南山城の古寺③ 大智寺 (重文 文殊菩薩)

2019年05月08日 06時21分38秒 | 日記
以仁王の陵墓に参拝後、木津川市にある大智寺(だいちじ)を参拝しました。







大智寺は奈良 西大寺を本山とする真言律宗の末寺で、鎌倉時代に行基が架けたと言われる泉橋の橋柱をもって文珠菩薩を刻み本尊とし建立されました。

現在の表門、鐘楼、庫裏、書院は、再興に際して東福門院和子より費用が下賜されています。





文殊菩薩がご本尊のお寺は珍しいです。また、脇侍には、平安時代作と伝わる重文の十一面観音立像がお祀りされています。







上の写真、本堂にかかる"大智寺"の額は、日本に黄檗宗の禅を伝え、宇治に萬福寺を開いた隠元禅師の筆です。しかし、これはレプリカで本物は本堂の裏堂に保管されています。

南山城の古寺には十一面観音さまがお祀りされているお寺が多いのも、このエリアの特徴です。(滋賀県の湖北地方もですが)

十一面観音さまは、地域の方々の守り本尊として長らく信仰され、お寺が無住のときには地域住民が当番で管理され大切に守り伝えられてきた歴史があります。
明治の廃仏毀釈の嵐が吹き荒れた時には、畑に埋めたり、川に沈めたりして守ってきた話も聞いた事があります。