京都つれづれなるままに

京都好きの旅日記。お寺、神社、グルメからスイーツまで!思いつくままに。

南山城の古寺① 蟹満寺 (国宝 釈迦如来坐像)

2019年05月04日 17時36分15秒 | 日記
今日、5月3日は、京都市内の混雑を避けて久しぶりに南山城の古寺を車で巡りました。

まず最初に訪れたのが蟹満寺です。





都が奈良に遷都される以前から秦氏の一族が創建し、行基菩薩が関与し、庶民から厚い信仰を集めていたと伝わります。

ご本尊は国宝 釈迦如来坐像です。白鳳期の金銅仏で高さ8尺8寸(2m40cm)の堂々たる尊像です。





寺の名前が示すように、今昔物語集に創建にまつわる"蟹満寺縁起"が記されています。







あらすじは、太古このあたりに慈悲深い夫婦と娘が住んでおり、観音様を信仰していました。
ある日、村人が蟹を捕まえ食べようとしていたところ、娘がその蟹を買い上げて逃がしてやりました。また、娘の父は田んぼで蛇が蛙を呑みこもうとしていました。父は蛇に「蛙を放してくれたら娘の婿にしよう。」と言ったところ、蛇は蛙を放して姿を消しました。
その夜、衣冠を身に付けた紳士が現れ昼間の約束を迫りました。
いろいろな理由をつけて3日後に来るように言いました。
3日後に男は現れましたが雨戸を閉めて約束を守らない父娘に腹を立てた男は蛇の姿に変わり荒れ狂います。
娘は、ひたすら観音経を唱えていたところ、観音様が現れ「恐ることはない。娘は慈悲く常に善良な行いをしている。観音を念ずる観音力は危難を除く。」と告げ姿を消しました。
翌朝、戸外にはハサミで小さく切られた大蛇と無数の蟹の死骸が残されていました。
親子は観音様に感謝し、娘の身代わりになった多くの蟹と蛇の霊を弔うためにお堂を建て観音様を祀りました。
そこで蟹満寺の寺号と娘が観音経の普門品を読誦していた事から山号を普門山と号せられました。

毎年、4月18日には、この縁起にちなみ蟹供養放生会が行われています。




萬福寺で知る文化財保存修理

2019年05月04日 09時52分08秒 | 日記
4月28日は、JR東海の会員イベント「萬福寺で知る文化財保存修理」に参加しました。







13時の集合の後、萬福寺の一室で京都府教育庁 文化財保護課の竹下さまから約一時間レクチャーがありました。

①文化財は定期的に修理する必要があり、状況により屋根だけの葺き替えの場合、部材が痛んでいる場合は、半解体あるいは解体して破損部材を交換し、再び組み直す修復。

②文化財の修復は現状維持が原則で痛んだ部材のみ交換する。彩色が剥落していてもこれ以上、剥落しないように修理保存処理をする。

③過去の文献や建物内部で棟札などが見つかった場合は、創建当初の姿に戻す修復をする。

④建物を覆う巣屋根が必要な半解体、解体修理の場合は、丸太と針金で巣屋根を作る。これも、伝統工法を後世に伝える為に行う。

次にいつもの(?)の萬福寺執事の中島さまに諸堂を案内して頂きました。











次に、ヘルメットを着用して工事現場の見学です。

この日は竹下さまのご配慮で職人体験をさせて頂きました。
大工道具の基本かんなの使い方、また、かんなが発明される以前の槍かんなの使い方を体験!
力の入れ具合で随分と出来映えが変わります。
槍かんなは正直、手強いです。腰を入れて槍の刃に神経を集中してやっても上手く行きません。
おそらく半時間で腕がパンパンになってしまいそうです。
今ではほとんど使われていないそうです。

飛鳥時代 法隆寺建立の際はどんな作業風景だったのでしょうか?

次に檜皮葺きの作業体験です。専用の金槌を使います。長さ2センチほどの竹釘を口に含み、金槌の肢に着いている金属部品で竹釘を檜皮に打ち付けます。それを今度は金槌の先端金属部品で打ち込んでいきます。
これは、なかなか上手く行きました。それもそのはず、下地が畳だからです。実際の檜皮ではこうは行かないでしょうね!これを何百、何千回と素早く、また規則正しい打ち込んでいくのですからかなりの熟練が必要ですね!
今では、この金槌を作る職人さんも全国におふたりしかおられないそうです。







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最近は、このような文化財の修復現場を公開されるようになってきました。見学させて頂くと文化財に対する見方、考え方が変わってきます。足場ひとつ取っても、街中でよく見かけるパイプ材を使って覆屋を作ればいいと考えがちですが、丸太と針金を使う伝統工法を使う事によりその技術の継承や人材の育成につながっているんですねー。

毎年、11月3日の文化の日に事前申込で修復現場の見学が出来ます。
ちなみに、今年の公開現場は、まだ、決まっていないそうです。
中身の濃いイベントでした。
企画されたETさん ありがとうございました。