Blog: Sato Site on the Web Side

「幻滅のたびに甦る期待はすべて、未来論の一章を示唆する。」(Novalis)

まーたーなーつがおわるー、もうさよーなーらーだねー(ミスチル)

2005年09月01日 | Weblog
懲りずに、夕方から電車のって、湘南、eau cafeに。さすがに8/31、海の家ところどころで壊しているし、ここでも、奥ではライフセーバー達が五十人くらいで打ち上げしてて「青春」な盛り上がりみせてくれちゃうし、で、こっちは目の前で、シンプルなジャズ演奏してるしで。

ああ、今年の夏は相当難儀した。ある助成金のための応募書類は、ちょっとしたトラブルがあったけれど、何とか受領され、一歩が踏み出されたし、まだまだ書き直す箇所はたくさんあるだろうけれど、超長い論文は、どうにか500枚強書けた。以前、「潜水」の喩えをしましたが、もうだいたい地上の息吸いに水面上目指してもいいと思うのだけれど、まだ爽快感は後回しって感じで、何故か気持ちはへんなところをまださまよっている。

ブニュエル『乱暴者』が田舎で以前ダビングしてそのまんまになっていたので、見た。暴力と欲望が生み出す人間のただひたすらアンバランスな運動が、どんどんアンバランスさを推進力にして進んでいく。実にブニュエルらしい。

そういや今日、和光大学図書館から帰る途中、ネクタイ締めてヘルメット被って自転車こいでやってくる、へんな外国人二人組に襲われた。「イエスキリスト~」という名札を付けている。ぼくに「神様はいますかいませんか?」とか突然聞いてくる。いいかげん、まだ暑い午後三時半に、てくてくと大学から歩いてくる男捕まえて、そんなことよく聞けるなー、どんな精神しているんだ?と思いながら、20分ほどお話をした。スゴイ若い彼ら。多分25才くらいだろう。どこの国から来たかは分からないが、わざわざ布教のために来ているのだこの日本に、しかもスゴイ微妙な田舎であるここ町田に。そして、突然話しかける、「神はいますかいませんか?」。ぼくも応戦して「カント読め!」とか力説する。よくよく見ると、彼らはぼくが話を進めようとすると、嫌そうな顔というか、「ダメダナー」「フフーン」といった顔をする。この顔が何か凄く象徴的に思えてきて、この顔に会えたことはちょっと収穫だな、と思う。これはひょっとしたら、アフリカでアフリカの人々が出会った顔ではないか、南米で原住民が出会った顔ではないか。教条的で、蔑んだ、「君たちはこんなことも知らないのかね」といった表情。グリーンブラット『驚異と占有』の序なんかを思い出しつつ、帰り道、この虚しい20分をごまかしていた。