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第1トッパーを廃止、潤滑油製造は継続 ENEOS根岸製油所、来秋能力削減へ

2021-01-15 07:23:21 | 日記
ENEOSは14日、2022年10月をめどに根岸製油所(常圧蒸留装置=トッパー能力27万BPSD)のうち、第1常圧蒸留装置(12万BPSD)と系列の2次装置を廃止すると発表した。廃止後の根岸製油所のトッパー能力は15万BPSDとなる。また、ENEOSグループ製油所の常圧蒸留装置能力は合計で174万88百万BPSDとなり、6.4%削減される。
製油所の能力削減を行う背景には、国内の石油製品需要の減退があげられており、さらにアジアを中心とした国際競争の激化に加え、新型コロナウイルスにより人の動きが制限されていることで世界的にジェット燃料など移動用燃料の需要が落ち込んでいる。ワクチン接種などで新型コロナが収束した後は一時的に需要が回復するものの、日本政府が2050年のカーボンニュートラルを打ち出しているように需要はコロナ前には戻らず、そのまま減少していくものとみられている。特に政府は2030年代半ばに新社販売する全ての乗用車を電動化する方針を打ち出しており、たとえハイブリッド車が中心であってもガソリン需要が大幅に減少していくことになる。昨年5月に一部改訂したENEOSグループの長期ビジョンでは、2040年時点のガソリン販売が現状の半分になるとみており、自動車の電動化が進めば減少ペースがさらに加速する可能性がある。
根岸製油所で2022年10月をめどに廃止する装置は、第1常圧蒸留装置と系列に属する一部の減圧蒸留装置と接触分解装置。潤滑油製造装置(27万kl/年)も廃止するが、他の製油所や製造所からベースオイルを転送し潤滑油のブレンドや出荷を継続する。ENEOSでは引き続き基盤事業の石油・石化製品事業のサプライチェーン全体の競争力強化と安定供給を前提とした最適生産・供給体制の構築にスピード感をもって取り組むとしている。

石油通信社
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