認知症の早期診断 介護並びに回復と予防のシステム

アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病なので、発病を予防でき、早期治療により治せるのです

政府大綱が進める「介護の予防」、更には、『発病自体の予防』 (Eー04)

2020-04-01 | 定年後の第二の人生をどう生きるか

(プロローグ)「徘徊」して行方が分からなくなった「お年寄り」に関する情報の提供を呼び掛ける役場のスピーカーの音が、今日もまた朝早くから聞こえてくる。日本全体での高齢化率が30%に到達し、「超高齢社会」に到達した世界の先頭をひた走る日本の市町村でみられる日常的な光景なのです。それらのお年寄りは、アルツハイマー型認知症というタイプの認知症の発病者であり、且つ、末期の段階の症状であり、私たちの区分で言う、「大ボケ」の段階の後半の段階の症状が発現してきている「お年寄り」のことなのです(「アルツハイマー型認知症」は、「老年発症」が特徴であり、発病する対象者は、第二の人生を送っている60歳を超える年齢の「高齢者」に限られている事実に注意して頂きたいのです=二段階方式が、これまでに集積した「小ボケ」、「中ボケ」、「大ボケ」の各患者を含む極めて多数の症例データが根拠)。
➡重度の「記銘力障害」と海馬の萎縮が認められるものの、『前頭葉』の機能が正常なレベルに在る場合は、側頭葉性健忘症なのです。「アルツハイマー型認知症」の発病との診断は、明確な『誤診』なのです(アルツハイマー型認知症と側頭葉性健忘症とを鑑別する最も重要な要件は、前頭葉の機能が異常であるか、正常であるかなのです)。「アルツハイマー型認知症」は、『前頭葉』の機能が真っ先に最初に異常なレベルに衰えてくることが特徴なのです。両者の違いを知らない医師が多いのです。最近流行りの、『若年性アルツハイマー型認知症』という病気は、実在していない、架空の病気なのです。
➡専門家だけでなく、素人も誤った情報を発信し続けているのです。脳の働きという物差しを持たないで、末期の段階の発病者の介護の経験だけで、表面的な観察に基づいただけの、推測や憶測に基づいた情報を、テレビや新聞で情報発信しているのです(素人であるという自覚に欠けていて、自分が誤った情報を発信しているという認識が無く、逆に、断定的な発言をしている人達が多いのです)。➡『脳の働きという物差し』の活用並びに『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルにリンクした「三段階に区分される症状」という説明が出来ない人は、ズブの『素人』なのです。

&1「アルツハイマー型認知症」については、専門家達さえもが無知
世界中の権威が、『「アルツハイマー型認知症」は、発病の原因が分からないし、症状を治すことが出来ないし、発病自体を予防することが出来ないタイプの認知症である』と主張し続けてきたのです。それが「重大な誤りである」ことに気づかないで、誤った情報を発信し続けてきたのです。
その結果として早期診断による回復というテーマも、発病自体の予防というテーマも、何等の対策が講じられないまま、放置されているのです。昨年の「政府大綱」により、介護の予防(日常の生活面でセルフケアにも支障が出てきて、介護が不可欠のものとなる、「大ボケ」の段階にまでは症状を進行させないこと)だけは、市町村で対応することとなったのですが、それでも、対策自体が不可能とされてきた従来の対応に比べれば、大きな進展なのです。

&2「アルツハイマー型認知症」の正体(発病のメカニズム)
『アルツハイマー型認知症』は、廃用症候群に属する、老化・廃用型生活習慣病(但し、食生活は無関係で、脳の使い方としての生活習慣が関わるもの)に過ぎないのであり、発病の対象となるのは、日々の暮らしが「仕事」とは無縁となる『第二の人生』を送っている60歳を超えた年齢の『高齢者』に限られているのです(権威とされる人達は、末期の段階の症状にしか目が向いていないので、且つ、『前頭葉』の機能レベルという視点が欠けている為に、気が付かないのです)。
そうした『高齢者』が、『第二の人生』を送る日々の生活面で、どのような脳の使い方としての『生活習慣』を送っているのかという要因だけが、「発病するか/発病しないか」を決定づける『核心的な条件』となるのです。➡アミロイドベータの蓄積や、タウタンパクの蓄積や、アセチルコリンの不足や、脳の萎縮の進行等「4つの仮説」が想定する原因は、発病の原因とは無関係なのです。⇒先日の新聞報道では、京大が、タウ蛋白の増加を抑制する効能を有するワクチンの開発に成功し、且つ、当該「ワクチン」を投与された「マウス」の『認知機能』が改善する効果が確認されたことに因り、「アルツハイマー型認知症」の発病の予防に役立つ可能性が期待されているとありました。私たち人間の認知機能の改善効果という為には、私たち人間だけに特有な「意識的な世界」を構築している『前頭葉』の機能への改善効果が確認されることが、不可欠の条件となるのです。そもそも、マウスには、意識的な世界は存在していないし、前頭葉と言う脳機能も備わってはいないことが無視された結論というしかないのです。加えて言うと、そもそも、タウ蛋白の蓄積(神経原線維変化)とアルツハイマー型認知症の発病との間に直接の因果関係は存在していないのです。更に言うと、アルツハイマー型認知症は、記憶障害に起因して発現するわけのものではないのです。重大な誤りであり、世の中を惑わせる研究発表として、指弾したいのです。
「仕事」を遂行するということは、目標を設定し、実行すべき内容を計画し、手順を考えて、効率的に実施していくことが要求される中で、洞察、推理、シミュレーション、創意、工夫などの『実行機能』の活用が不可欠となり、それら実行機能の機能発揮上必然的に注意の分配力の機能の発揮が機能構造的に要求されることに因り、たとえ、畑仕事や裁縫のような労働内容であっても、『注意の分配力』の機能の出番が不可欠で、出番も多いので、仕事が現職(肩書だけの名誉職は除く)である限り、60歳を超える年齢の「高齢者」であっても、「アルツハイマー型認知症」を発病することは、絶対に起きてはこないのです。
⇒ 現在議論されている働き方改革の一環としての、「定年年齢の延長」というテーマは、仕事というテーマの保持、第二の人生の開始時期の先送りとなることから、『アルツハイマー型認知症』の発病の予防(発病時期の先送り)という効果の面からみても、有益であり、真剣に議論されるべきものなのです。
アルツハイマー型認知症を発病したお年寄り(小ボケ、中ボケ及び大ボケの段階の症例を含む14689例)の脳機能データの解析並びに累計452の市町村で「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復、介護の予防及び発病自体の予防を明確な目的とした住民参加型の「地域予防活動」の実践により、私たち「二段階方式」の主張内容が正しいことを疫学的に実証しているのです。
アルツハイマー型認知症は、老年発症が特徴であり(加齢に起因した前頭葉の機能低下という要因が基礎となることから、若年での発症は、有り得ない)、早期診断(小ボケ及び中ボケの段階で発病を見つけること)と「脳のリハビリ」(前頭葉が活性化する=注意の分配力の機能の出番が多い生活習慣の実践)により治せるし、「末期の段階」である大ボケにまで症状を進行させないことに因り、『介護の予防』が可能であるし、更には、「注意の分配力」の機能の出番が出来るだけ多くなるような「テーマ」の選択と継続的実践という『生活習慣』の構築と実践の継続により、発病自体を予防することが出来ると主張しているのは、「二段階方式」だけなのです(世界初の主張)。
※ 私たち(エイジングライフ研究所)に解明できる程度のことが、世界中の権威が何も分かっていないのはどうしてなのか、皆さんは疑問に思うでしょう。一つの理由は、『アルツハイマー型認知症』は、意識的に何かのテーマを発想し実行に移す世界、意識的な世界に関わる際に支障が出て来る(認知症としての症状が発現する)のが特徴となる認知症なのです。私たちは、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルにリンクして発現する症状に着目して、小ボケ、中ボケの前半、中ボケの後半及び大ボケの段階の症状を精査してきたのです。ところが、世界中の権威は、前頭葉の機能が備わっていないマウスに着目して、研究しているのです。私たち人間だけに特有意識的な世界(自分が置かれている状況を分析し、理解し、判断して、状況判断に沿って、何かのテーマを発想し、実行に移す世界)は、『注意の分配力』の機能が核心的な機能として、構築され、統合され、管理され及びコントロールされていることに、世界中のアルツハイマー型認知症研究の専門家達(研究者、学者、医師)が、未だに気づいていないことが問題なのです。
もう一つの理由は、世界中の権威は、末期の段階の症状が発現してきて、更に何年間も生きた発病者の、死後の脳の解剖所見に共通に確認される老人斑神経原繊維変化及び脳の萎縮に着目して、それ等が発病を惹き起こすとの条件を想定し(憶測の類)、「記憶障害」に起因して症状が発現してくるとの推測による「仮説」を組み立てて、発病との間の因果関係を立証出来ない儘に、未だにそれらの仮説にしがみついたままなのです(因果関係の立証が無いので、仮説とされている)。
哀しいかな、権威が不足している為に(権威とは真反対のことを主張している為もあり)、私たちの考え方及び手技が世の中に浸透して行かないのです。正しい主張内容であっても、権威が無いことだけで、世の中には浸透して行かないという現実の壁に突き当たっているのです。

皆さんが日ごろ目にしたり、耳にしたりする認知症とは、その殆どが、「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症のことなのです。生まれつき特定の遺伝子に異常が確認される人達だけを対象に発病が確認される「アルツハイマー病」(基本的に、若年発症が特徴)と加齢による脳機能の低下の進行を基礎としつつ、その要因に対する廃用性の機能低下を加重要因として60歳を超える年齢の「高齢者」だけに発病が確認される『アルツハイマー型認知症』(老年発症が特徴)とは、発病のメカニズムも、発病の対象年齢も、発病後の症状の進行も、治療及び予防の可能性の有無も全く異なることに注意して頂きたいのです。両者を纏めて、「アルツハイマー病」と表現する学者や医師が我が国には多いのですが、それらの人達は、「アルツハイマー病」についても、「アルツハイマー型認知症」についても、知識が乏しい人達なのです。
⇒交遊の機会を多く持つことや運動する機会を多く持つ生活習慣が、アルツハイマー型認知症の予防に効果があると言いつつ、アルツハイマー型認知症の発病原因について、アミロイドベータ説やタウ蛋白説を語る人であれば、どれだけの権威が有る人であろうとも、アルツハイマー型認知症については、無知な人なのです。さらに、認知機能の低下と言いつつ、『前頭葉』の機能レベルという視点を欠いていて、単に『物忘れの症状』の頻度や程度を主たる要因として提示されている指標である『MCI』(軽度認知障害)について語る人達も、同様に無知な人達なのです。
※1世界中の権威が主張する内容、アルツハイマー型認知症の発病のメカニズム、症状の重症化が進行するメカニズムと機序、症状を治す方法、症状の進行を抑制する方法、更には、発病自体の予防の方法とそのメカニズムについての話なのです。世界中の権威はと言うと、発病のメカニズムについては、アミロイドベータ説、タウタンパク説、脳の萎縮説、アセチルコリン説という4つの仮説が提示されていて、それら全てが、「記憶障害」に起因して症状が発現し、重症化が進行するという主張、単なる憶測に基づいた主張を展開しているのです。
※2 「アルツハイマー型認知症」の症状が記憶の障害に起因して発現するとの考え方は、米国精神医学会が策定した『DSM-4』の「第一要件」が規定しているものであり、4つの仮説はそれが正しいものとしての前提に立って、「記憶障害」を惹き起こす要因として「アミロイドベータ」の蓄積による老人斑の生成、タウタンパクの蓄積に因る神経原繊維変化、アセチルコリンの不足、脳の萎縮を想定したそれぞれの「仮説」を打ち立て、主張を展開しているだけなのです(憶測の類に過ぎないのです)。
※アルツハイマー型認知症の発病の最初の段階であり、私たち二段階方式の区分で言う「小ボケ」の段階の症状は、全てが、『前頭葉』の機能障害、就中、「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能の機能障害(それらの機能が、異常な機能レベルに在ること)の直接の反映としての発現であることに注意して下さい。世界の権威達が未だに気づいていないことが重大問題なのです。彼等が、本当の意味での早期の段階(脳のリハビリの実施により治すことが出来る段階であり、私たちの区分で言う小ボケ及び中ボケの段階)に気づいていなくて、末期の段階であり、最早治すことが出来ない段階(私たちの区分で言う大ボケの段階)ばかりに着目していて、『アルツハイマー型認知症は、治すことが出来ないもの』という、誤った情報を発信し続けているのです。

⇒アルツハイマー型認知症は、性質それ自体として治すことが出来ないものではないのです。彼等が見つけている段階が遅すぎる(末期の段階で、発病を見つけている)為、治すことが出来ないだけなのです。
➡『アルツハイマー型認知症』も通常の病気と同じ、「早期診断」(小ボケ及び中ボケの段階で見つける)と「早期治療」(脳のリハビリの実施)により治すことが出来るものなのです。
そうした状況下で、政府大綱が、介護の予防(日常の生活面での介護が不可欠となる段階、末期の段階の症状が発現してくる大ボケの段階にまでは、症状を進行させないことを目的としての『生活習慣』の改善を提唱)の目標を設定したことは、大いに評価すべきものと考えるのです。このことは、「発病自体の予防」というテーマに陽が当たるきっかけを作り出すと考えているのです。
※3 そもそも「記憶障害」は、『前頭葉』(就中、注意の分配力)の機能の低下に起因した機能障害が原因で惹起されるものなのです。『加齢』に起因した前頭葉の機能低下(注意の分配力の機能低下)に因り、『物忘れ』の症状が発現してくるのもその一例。但し、物忘れの症状である為には、脳全体の司令塔の「前頭葉」の機能が正常な機能レベルであることが必須の条件となります。
➡ 『記憶は、記銘して、保持して、想起してくるもの』なのです。その場合、良く記銘されたものが、良く保持され、良く想起されてくるのです。よく記銘されるには、記憶の対象となる情報の記銘時の記銘度が高いことが条件となるのです。記銘時の記銘度が高かったものが、結果として長期記憶となり、記銘度が低かったものが結果として短期記憶となるだけのものなのです。海馬が、長期記憶と短期記憶とを区分けているという主張は、「誤り」なのです。
記銘時の記銘度の高さを左右する要因が、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能という3つの要因(『前頭葉の三本柱の機能』)なのです。意欲と注意の集中力が関わることは、皆さんも体験的に理解できると思うのですが、最も肝心な要因は、『注意の分配力』の機能の関わり方及びその機能の発揮度という要因なのです。『注意の分配力』の機能は、私たち人間だけに備わる人間だけに特有な機能であり、異なる複数のテーマを同時に並行して処理する為に不可欠の機能なのです。私たち人間だけに備わるこの『注意の分配力』という脳機能が、意識を構築し、統合し、統括する機能であり、『意識的な世界』を管理する核心となる脳機能なのです。
異なる複数の記憶の対象を同時に認識し、記銘するときの状況次第で、或る特定のテーマAに対する意識の集中度が特別に高くて(注意の分配力の配分量が特別に多い)、テーマAに対する注意の分配力の配分が偏った状態下で及び他のテーマBに対する注意の分配力の配分量がその分少ない状況下で、それぞれの記銘が為された場合には、記銘度が低かった対象のテーマBについての想起がその分難しくなるのです(注意の分配力の総量は、一定であることに注意)。
➡その日、子供が、センター試験を受験していることがとても気になっている心理的な状況下で、家の掃除や片付けや用事をしているときには、「物忘れ」が増えるのは、そうした構造に因るからなのです。雪が降っている道路の状況で、会場にちゃんと着けたのかしらと気になりながら、二階の部屋に行って、自分がその部屋に何を取りに来たのが分からないあなたが居るはずなのです(この場合、「前頭葉」の機能レベルが正常な機能レベルに在ることが確認されるならば、当該症状は、単なる『物忘れの症状』であるということなのです)。
テレビで、いくつかの記憶対象を並べ、或いは、簡単なストーリーを流した後で、対象の記憶の数をチェックし、少ないとアルツハイマー型認知症の危険がある等と言った番組が多いのですが、アルツハイマー型認知症についての無知からくる、でたらめな内容の番組というしかないのです。記憶の数を問題にする前に、最低限度の要確認事項として、対象者の年齢(60歳を超える年齢の高齢者で、且つ、「第二の人生」を送っていることが条件)、更には、『前頭葉』の機能レベルが正常なレベル(「物忘れ」の症状)であるか、異常なレベル(「アルツハイマー型認知症」の症状としての記憶障害の症状)であるかのチェックが必要不可欠の条件となるからです。テーマがテーマであるだけに、単なるお笑い番組として流すのは問題が大きいのです。世界中の権威ある機関さえも、アルツハイマー型認知症については、未だに、発病のメカニズムが分からないと表明しているのですから。加えて、末期の段階の症状しか知らず、私たちのように本当の意味での早期の段階である小ボケや中ボケの段階の症状については未だに気が付いていないのですから。
※4MCI(Mild Cognitive Impairment軽度認知障害)という極めて曖昧な概念を持ち出し、「アルツハイマー型認知症の前駆的状態である」といかにも分かったらしい説明をつけていながら、その判定基準の核となる要件が、『前頭葉』の機能レベルという要因を欠いていて、加えて、「物忘れ」の症状の頻度と程度だけという極めて稚拙な概念が提示されているのです。MCIの基準を持ち出しただけで、その人は、『アルツハイマー型認知症』については無知な人なのであり、他人の権威に頼るタイプの人だと考えるべきなのです。
60歳を超える年齢の「高齢者」であり、且つ、仕事とは無縁の生活を送ることになる第二の人生を送っている状況下で、加齢に起因した機能低下に加重される要因、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」(生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものも無い、単調な日々の暮らし方、脳の使い方としての単調な「生活習慣」)の継続に起因した廃用性の機能低下という要因が存在するとき、「前頭葉」(就中、注意の分配力の機能)を含む脳全体の機能について、両要因が同時に存在し充足されることに因る廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行していくことになるのです。発病の最初の段階であり、私たちの区分で言う「小ボケ」の段階で確認される類型的で典型的な症状として『同じことを繰り返し話したり、尋ねたりする』というのが有ります。『注意の分配力』の機能が異常なレベルに衰えてきている為に、起きてくる症状であり、これは単なる物忘れの症状とは異なるものである(アルツハイマー型認知症の発病としての症状である)ことの理解が必要となります。
※5 「記憶障害」に起因した症状と言っても、「前頭葉」の機能(就中、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能)が正常な機能レベルに在って、『加齢』という要因のみに起因した機能低下を基礎として発現してくるのが所謂『物忘れ』の症状なのです⦅30代後半から発現してくる)。
『前頭葉』(就中、意欲、注意の集中力及び注意の分配力)を含む脳全体の機能が、加齢に起因した機能低下に加重される要因、ナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続に起因した廃用性の機能低下という加重要因の同時存在により異常な機能レベルに衰えてきたことに起因して発現してくるのが『アルツハイマー型認知症』の症状なのです。「アルツハイマー型認知症」の症状は、「前頭葉」を含む『脳全体の機能レベル』にリンクする形で、小ボケ、中ボケ及び大ボケの『三段階に区分される症状』が、発現してくるのです。
⇒ 専門家の間で未だに世界的に権威があるとされている『DSM-4』の「第二要件」が、「初期症状」として確認を要求している失語や失認や失行の症状は、実は、末期の段階である大ボケの更に後半になって初めて発現が確認される症状、「極めて重度の症状」である(14689例にも上る「アルツハイマー型認知症」の発病患者の脳機能データを解析して得られた結果は、11の下位項目から構成されていて、30点が満点であるMMSEの得点が、「一桁の得点」にしかならない程に「前頭葉」を含む脳全体の機能が衰えてきた「お年寄り」の場合にしか確認されない症状である)ことが気づかれていないのです。「アルツハイマー型認知症」の研究及び診断の権威とされる人達が、無条件に信奉している「DSM-4」の「第一要件」の規定内容も、「第二要件」の規定内容も、『共に重大な誤りである』ことに、未だに気づいていないのです。⇒「前頭葉」という脳機能も、「注意の分配力」という脳機能も備わっていないマウス(アルツハイマー・マウスとて同じこと)が餌を探して檻の中を彷徨するデータばかりを追いかけまわし憶測ばかりしているのが、世界的に「通説」の地位にあるアミロイドベータ説の主張であり、支持者達の研究方法なのです。
※6 私たちは、『アルツハイマー型認知症』の発病患者と判定されたお年寄り、14689人分の脳機能データを持っています。発病者の症状は、最も軽い段階の「小ボケ」から、それに次ぐ段階の「中ボケ」及び最も重い段階、末期の段階である「大ボケ」の全ての段階の患者の脳機能データを解析しているのです。「二段階方式」の手技を活用して『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルを判定し、それにリンクした症状を並べ解析して行くと、三段階に区分される類型的な症状が浮かび上がってくるのです。『アルツハイマー型認知症』は、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルにリンクした症状が発現してくるのが特徴でもあるのです。脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」の機能レベルを『かなひろいテスト』で判定し、左脳及び右脳の機能レベルをMMSEで判定します。実は、MMSEは、11の下位項目から構成されていて、30点が満点のテストなのですが、「アルツハイマー型認知症」の発病患者である場合は(且つ、その場合に限って)、 MMSEの下位項目に出来なくなっていく厳格な順番が存在しているのです。出来なくなっていく順番は必ず、想起注意と計算、時の見当識、所の見当識、三段階口頭命令、図形の模写、文を書く、記銘、書字命令、復唱、命名の順番となるのです。⇒『想起、注意と計算』の項目がいち早く出来なくなるのは、注意の分配力の機能の発揮が高度に要求される項目だからです。世界中の権威ある機関はと言うと、末期の段階の症状の存在にしか気づいていないので、こうしたデータさえも持ち合わせてはいないのです。二段階方式では、「アルツハイマー型認知症」の発病患者であるか否かの判定に際して、MMSEの下位項目についての被験者の回答が、「MMSEの下位項目の項目困難度」のデータが示す通りの順番で出来なくなっているか否かを、最初にチェックします。この項目の順番通りでないケースは、「アルツハイマー型認知症」の発病者ではないからなのです(14689例の症例データが示す事象事実の存在だけで、『「4つの仮説」の主張内容は、全てが誤りである』と言い切ることが出来る程のデータなのです)。
※ もう一つの根拠を示しておきましょう。「アルツハイマー型認知症」の発病の本当の意味での初期の段階であり、私たちの区分で言う「小ボケ」の段階(左脳、右脳及び運動の脳の全てが未だ正常な機能レベルに在るものの=MMSEの得点が24点以上。But,脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』の機能が既に異常な機能レベルに在る=かなひろいテストが不合格となる)の症状は、全てが、「前頭葉」の機能障害(意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能が異常なレベルに在る)に起因した(を反映した)症状だけが確認されるのです。
末期の段階にしか注目していない世界中の権威達は、このことを知らない(データ自体を有してはいない)のです。アルツハイマー型認知症の発病患者である場合には、且つその場合に限り、前頭葉の機能、左脳の機能、右脳の機能、運動の脳の機能の順番に衰えが進行して来るという機序が存在しているのです。「4つの仮説」は、私たちが提示する脳機能データ(事象事実)を説明することが出来ないのです。
➡ハーバード大学も、東大も、京大も、理化学研究所も、アミロイドベータ説なのです。権威があるとはいっても、主張している内容は、誤りだと断言できるのです。その他にも、私たちが有する、「アルツハイマー型認知症」の発病患者の『脳機能データ』として、「小ボケ」及び「中ボケ」の期間の標準的な滞留期間の存在のデータ、「小ボケ」及び「中ボケ」の各期間について確認される脳の老化のスピード差をもたらす「生活習慣」(食生活でなくて、脳の使い方としての『生活習慣』であることに留意する)という要因のデータが存在していて、それらの事象事実もまた、『「4つの仮説」が単なる憶測の類であり、内容自体が誤りである』ことの客観的な証拠資料が幾つも存在しているのです。※そもそも、『アルツハイマー型認知症』は、器質的な原因病変が何等確認されないのに、私たちが意識的に何かのテーマを発想し、実行に移す際に、様々な程度及び態様による支障(認知症の症状)が発現してくるのが特徴なのです。私たちの意識的な世界、意識的に何かのテーマを発想し、実行に移す世界では、自分が置かれた状況の分析や理解や判断も、状況判断に沿ったテーマの発想も、テーマを実行する為の実行の計画も、実行結果の洞察や推理やシミュレーションも、シミュレーションの結果に基づいた比較や選択も、実行の決断も、或いは何かに対する感動も、更には、何事かに対する感情の抑制も、注意の分配力の機能の関与なしには機能が発揮されないという機能構造になっているのです。どのような状況であれ、必ず存在している複数の意識の構築、統合、管理、コントロールさえもが、注意の分配力の機能の関わりなしには存立できない構造になっているのです。日常の挨拶程度の会話が成り立つ為にも、ズボンをきちんとはく動作を正しく遂行するにも、手に取ったものがハサミであることの正しい認識を得るにも、この、注意の分配力の機能が働くことが不可欠となることに、専門家とされる人達が未だに気づいていないことが重大な問題なのです。こうした機能構造の理解なくしては、前頭葉の機能障害、就中、廃用性の機能低下に起因した機能障害というテーマに行き着くことは出来ない相談というしかないのです(注意の分配力の機能は、異なる複数のテーマを同時に並行して処理する機能であり、『あーしたらこうなる、こうしたらあーなる』という風に、洞察し、推理し、シミュレーションし、検索し、選択する際に不可欠の機能であり、加えて、あの人は「頭の回転が速い」という言葉が示すように、咄嗟の判断と対応とに不可欠の機能でもあるのです。「お年寄り」が自動車事故を起こすことが多いのは、『注意の分配力』の機能が異常なレベルに衰えてきているせいなのです。私たちの区分で言う「小ボケ」のレベルに在る「お年寄り」が、車を運転しているケースが多いのです)。
➡私たちが「正常老化の性質」と呼ぶ、『加齢』に起因した機能低下が進行している60歳を超えた年齢の「高齢者」が、左脳が主管する仕事とは無縁となる、「第二の人生」を送る生活の中で、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、これといった目標となるものも無い日々の暮らし方、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続(但し、食生活自体は関係なくて、「脳の使い方」としての生活習慣という要因のみが関係していることに注意する)に起因した廃用性の機能低下が前頭葉の機能障害(就中、注意の分配力の機能の機能障害)を惹き起こすことが、「アルツハイマー型認知症」の発病及び症状の重症化が進行するか否かを決定づける「核心的な要因」であることに、世界中の認知症研究の権威ある専門家達(専門機関)が、早く気付いて欲しいと願うのです。何等の対策(早期診断による回復、介護の予防、更には、発病自体の予防)がとられないでいると、「介護」が必要となるお年寄り(末期の段階の症状が発現してきて、セルフ・ケアにも重大な支障が出てきて日常の生活面での介護が不可欠となるお年寄り、私たちの区分で言う「大ボケ」の段階のお年寄り)の数が増加し続けていくこととなり、結果として、既に年間で10兆円を超えたとされている『介護費用』がとめども無く増加して行くことになってしまうことを恐れるのです。このことを、野党の国会議員やマスコミにも、問題提起しておきたいのです(厚労省とは、昨年末に協議しました)。
➡様々な種類が数ある認知症の内で、90%以上の割合を占めているのが、「アルツハイマー型認知症」である為に、世の中に極めて大きく、重大な悪弊を生じさせているのです。平成の大合併前の時期を中心に(440を超える市町村が、二段階方式を導入し、実践し、成果を挙げていながら、「二段階方式」の使用料を5年で無償にした為並びに平成の大合併で導入市町村が吸収合併された為に、予防活動が、泡のように立ち消えて行ってしまったのです➡予算化が不要になると、保健師さんの配置も無くなったのです。合併後の人事異動により、経験のある保健師さんが、他部署や他の地域に異動させられてしまったのです)。
➡ それはそれとして、権威とされる機関や人達が、誤った情報を流し続けていることが重大な問題なのです。彼等が主張の前提においている『記憶障害』に起因して発病するとの想定自体が『重大な誤り』なのです。
「アルツハイマー型認知症」の発病を惹き起こす原因は、加齢に起因した機能低下を基礎要因とし、『加重要因』としてのナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続に因る廃用性の機能低下に起因した「前頭葉」の機能障害という、異なる二つの要因が同時に存在し充足されることによる相乗効果によって、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行していくことなのです(単純な要因)。
私たちが、市町村との契約に基づいて先駆的な活動として実践してきた住民参加型の地域予防活動により、『アルツハイマー型認知症』の本態は、廃用性症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病に過ぎないことが疫学的方法により実証されてきているのであり、『早期診断と脳のリハビリの実施により治せるし、症状の進行を抑制することにより介護の予防が出来るものなのです。更には、前頭葉が活性化する(=「注意の分配力」の機能の出番が多い)生活習慣の構築と日々の実践により発病自体を予防することが出来る』ものなのです。我が国の実態で言うと、『発病の原因が不明で、治せないもの』とする権威の主張(重大な誤り)の社会への影響が強すぎて、何等の対策が実行されないままに居る状況下で、「介護費用」だけで年間10兆円を超えた状況にあるという訳なのです。
※最近になって、スエーデンのカロリンスカ研究所やロンドンに拠点を置くランセット委員会等が、『「生活習慣」が、アルツハイマー型認知症発病の危険因子と考えられる』との主張を展開し始めたとはいえ、AI技術を駆使した多人数の分析程度のものに過ぎず、内容的には不十分なものであり、『食生活や学歴が関係する』などという誤った要因が挙げられていたりもするのです。

&3 「意識的な世界」と『実行機能』の関わり方
『アルツハイマー型認知症』について説明している書籍でよく見かける『実行機能』(Executive function)と言う用語が有ります。実行機能の障害という風に使われるものなのです。ところが、アルツハイマー型認知症の発病との関係において、実行機能の障害がどのようなメカニズムで起きてくるのかについて、実証された定説が無く、発病との間の因果関係が立証されていない仮説しか存在していないという状況なのです。問題は、意識の機能構造が未だに解明されていない状況下で、意識的に何かのテーマを発想し、実行に移す際に、様々な程度及び態様による支障(認知症としての症状)が発現してくるのが、『アルツハイマー型認知症』というタイプの認知症の特徴であることが理解されていないことなのです。実行機能と総称される個別認知機能が機能を発揮するには、意欲、注意の集中力、就中、注意の分配力の機能の発揮度が関わること、即ち、実行機能の機能の発揮度並びに意識の覚醒の度合いは、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能の発揮度に左右され、下支えられていること、機能発揮上の「二重構造」が存在していることに気づいているのは、私たちの『二段階方式』だけなのです。この問題に気が付かない限り、「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズム及び廃用性の機能低下に起因した症状の重症化のメカニズムを解明することは不可能ということなのです。
※私たち人間だけに特有な世界である『意識的な世界』、自分が置かれている状況を分析し、理解し、判断して、状況判断に沿ったテーマを発想し、テーマを実行する為の実行の内容及びその仕方を計画し、実行結果をシミュレーションして修正を加え、最終的な実行内容及び仕方(態様及び程度)を選択し、決定し、実行に移す決断を行う世界に関わる『前頭葉』(実行機能)を含む脳の働き方について起きてくる、廃用性の機能低下という要因が惹き起こされてくる原因のことなのです(例示した個別認知機能が、「実行機能」と総称されている脳機能の一例です)。実は、世界中の、脳機能の専門家、就中、「アルツハイマー型認知症」の専門家とされる人達でさえも、「実行機能」の詳細について、或いは、その機能構造については、殆ど分かっていないという現実が存在しているのです。⇒ 「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズムを研究している専門家とされる人達でさえ、「マウス」を研究材料にしているという有様なのです。『注意の分配力』の機能が、脳の機能構造として、備わっていないマウスの行動を何時まで研究しようとも、「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズムの解明は不可能であることを、専門家とされる人たちに対して問題提起する為に、2016年の4月1日に掲載した私の過去のブログの内容を、再度ここに引用。
&4『旧ブログ』(2016年4月1日)からの引用(一部、加筆修正)。
様々な種類が数ある認知症の内の大半、90%以上の割合を占めている『アルツハイマー型認知症』発病の核心的な要因は二つに限られるのです。
「一つ」は、『加齢』に起因した脳機能の低下という要因です『私たちが、二段階方式の手技を活用して集積した「正常老化の性質」(「前頭葉の老化曲線」)と名付ける「脳機能データ」が存在しているのです』(NHKの人気番組、チコちゃんに叱られるでも引用されたもの)。これが発病の基礎となっているのです。「若年発症」を特徴とするアルツハイマー病とは異なり、「老年発症」を特徴とする『アルツハイマー型認知症』の発病の対象者が、60歳を超える年齢の『高齢者』に限られているのは、その為なのです。但し、加齢に起因した機能低下という要因だけでは発病はしないのです。「もう一つ別の」要因、加重される要因が、『廃用性の機能低下』という要因なのです。私たち人間だけに特有なものである『意識的な世界』(意識的に何かのテーマを発想し、実行する世界)に於いて、関係する脳機能の使われる機会が極端に少ない生活習慣の継続が原因で機能が異常なレベルに低下する(廃用性の機能低下の進行)という要因の存在なのです(私たちが世界で初めて発見)。 異なるこの二つの要因こそ、発病を決定づけている核心的な要因なのです。
加齢に起因した機能低下という基礎要因に加重される廃用性の機能低下という要因の存在により、両者の同時存在による相乗効果に因り、『前頭葉』を含む脳全体の機能について惹起されてくる廃用性加速度的異常な機能低下の進行により、「前頭葉」の機能が異常な機能レベルに衰えてくることに端を発して発病し(発病の最初の段階であり、私たちの区分で言う小ボケの段階)、次いで、中ボケの段階を経て、最後は末期の段階であり、日常の生活面での介護が不可欠となる大ボケの段階へと重症化が進行していくことになるのです。
➡言い換えると、廃用症候群に属する老化・廃用型の『生活習慣病』(但し、脳の使い方としての生活習慣であり、食生活とは無関係であることに留意する)というのが、『アルツハイマー型認知症』の真の本態(正体)なのです。
14689例にも及ぶ「アルツハイマー型認知症」の発病患者に対し「二段階方式」の手技を実施した「脳機能データ」並びに累積452の市町村での先駆的な実践である、『アルツハイマー型認知症の早期診断と回復及び介護の予防並びに発病自体の予防を明確な目的とする住民参加型の地域予防活動』の実践の成果に基づく、私たち独自の主張(厚労省老健局総務課認知症施策推進室に対しては、資料を提出し、協議の場を設けて頂き、説明済み=2019年11月に実施)なのです(世界初の、且つ独自の主張内容=疫学的方法により、主張内容が正しいことを実証済みのもの)。
MRIやf-MRIやSPECTやPET等の機器を総動員しようとも、何等の器質的な原因病変が確認されないのが特徴。それが、「アルツハイマー型認知症」なのです。
➡アルツハイマー型認知症は、意識的に何等かのテーマを発想し、実行に移す際に、様々な程度及び態様による支障が出てくる(認知症の症状が発現してくる)のが特徴でもあるのです。上記に例示した「実行機能」と総称される各個別認知機能は、「注意の分配力」の機能が関わらないと機能が発揮されない機能構造にある(「実行機能」の機能発揮上の二重構造の存在)ことが、見落とされている(専門家とされる人達が気づいていない)ことが問題なのであり、「記憶障害」が発病の原因だとする想定自体が、重大な誤りなのです。
➡症状が末期の段階にまで進んで、更に、何年も生きたお年寄りの死後の脳の解剖所見に共通して確認されるものである、老人斑、神経原繊維変化、脳の顕著な萎縮などを見て、それ等が発病の原因であると勝手に憶測しただけの主張、『4つの仮説』が未だに幅を利かせていることが問題なのです。彼等は、『木を見ているだけで、森を見ていない』し、『誤った場所を、誤った方法で、単に深く掘り続けているだけ』なのです。
&5 私たちの眼前に存在するのは、人間だけに特有な「意識」の世界
 お風呂に身を沈めて、ゆったりと朝の入浴を楽しみながら、この庭の景色をぼんやりと眺めているのです。その時、上の庭の全体像を私の目が捉えているのです。その全体像を一つの視野に入れた時、複数の様々な覚醒度が異なるレベルの「意識」と言うか、或いは、二次元的ではなくて、三次元むしろ四次元的な意識状態と言うべきものであり、その「意識度」(個々の意識の覚醒の度合い)が異なる意識の世界が、複数存在していることに気づいて頂けるでしょうか。「主題」として明確に認識されていない世界も、覚醒度が「主題」のそれよりは低いものの、別の「意識」として、複数の意識の一つとして存在しているのです。「主題」となる対象を右奥のブーゲンビリアの木から庭の中央に据え付けられているピザ窯に移したとき、主題こそ変わっても、同じように認識され、視野の中に捉えられている「覚醒度」が主題よりも低い複数の「意識の世界」が、そこには、存在しているのです。
※私たちの意識の世界は、基本的には、上述したような「複数の、且つ、重層的で覚醒の度合いが異なる意識」の同時存在と言う形で構成されているのです。
それを可能にしている脳機能こそ、今日のテーマである、『注意の分配力』の機能なのです。思考であれ、発言であれ、或いは行動であれ、意識的に行われるそれらの世界は、この『注意の分配力』の機能なしには、存在し得ないものなのです。
私が問題提起している「意識の世界」とそれを可能にしている「注意の分配力」の機能の働きについては、日本だけでなく、世界中の哲学者も心理学者も脳科学者も、誰一人として、問題提起したことは無い、世界初の話なのです。Tad以外の誰にも知られていない世界なのです。意識的な世界において、脳全体の『司令塔』の役割を担いながら、専門家達による研究が遅れていて未知の領域に近い『前頭葉』(「前頭前野」を言うものとする)と言う機能の働きやそのメカニズムが明らかになるにつれて、今後、今日の私の問題提起と説明が注目されることになるはずと考えるのです。
このテーマを今日持ち出すのは、「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズムを理解する(解明する)上で、早期診断による回復(治療)の方法を解明する上で、或いは発病自体を予防する方法を解明する上で、「前頭葉」の機能並びに意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能から構成される「前頭葉」の三本柱の機能(私たち独自の命名)、就中、『注意の分配力』の機能の機能構造の理解が、必要不可欠のものであるからなのです。
そもそも、それら「仮説」の中で、世界的に通説の地位に在るアミロイドベータ説が主張の根拠にしている、アミロイド・ベータの沈着と「アルツハイマー型認知症」の発病との間には、何等の「因果関係」が存在していないのです。「アルツハイマー型認知症」の様々な症状は、「前頭葉」を含む脳全体の機能の器質的な病変が原因なのではなくて、機能的な変化、廃用性の加速度的で異常な機能低下が原因で発現してくるものだからなのです。更に言うと、様々な程度及び態様で発現してくるアルツハイマー型認知症の症状は、記憶障害に起因して発現するものではなくて、『前頭葉』の機能障害の発現及びその進行に起因して発現するものなのです。そこには、意欲、注意の集中力、就中、注意の分配力の機能の機能障害に起因した前頭葉の個別認知機能である「実行機能」の機能障害が発現し及び進行するという『二重構造の問題』が存在していることに、未だに誰も気づいていないことが、重大な問題なのです。更に言うと、意識の覚醒度(覚醒の度合い)も、前頭葉の三本柱の機能の総体としての発揮度にリンクしているとの理解が重要なのです。「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の単なる「生活習慣病」(脳の使い方としての「生活習慣」に起因する病気)に過ぎないのであり、早期診断(「小ボケ」及び「中ボケ」までの段階で発病に気付いて)と「脳のリハビリ」を実践させることにより回復させることが出来るし(治すことが出来る)、発病自体を予防することが出来る(脳の使い方としての「生活習慣」の改善と工夫に基づく、「前頭葉」を含む脳全体を活性化させる生活習慣の構築と日々の実践が不可欠の条件)病気なのです。世の中の権威のある人達や組織、学者や研究者や医師達は、「DSM-4」の規定に惑わされて、「アルツハイマー型認知症」の中核症状が「記憶の障害」(第一の要件として規定されている)であると誤解し、第二の要件が規定し確認を要求している失語、失認、又は失行と言った極めて重度の症状(私たちが末期の段階として規定する「重度認知症」の段階でも、更にその後半の段階、30点が満点のMMSEの得点が一桁にならないと発現してくることが無い程の重度の症状)が発現してきていないと、「アルツハイマー型認知症」の発病とは考えないのです。
➡ 余りにも遅い段階、極めて重度の症状の確認に基づく診断であるが故に、本当の意味での早期の段階、私たちの区分で言う「軽度認知症」(小ボケ)及び「中等度認知症」(中ボケ)の段階で見つけて、「脳のリハビリ」を施せば治すことが出来るタイプの認知症であるにも拘わらず、世界中の権威達は、誤解に基づいているとも知らずに、『治すことが出来ない病気だ』との確信をもって、そのように『内容が誤った主張』を、今なお発信し続けているのです。
脳の使い方としての『生活習慣』、ナイナイ尽くしの『単調な生活習慣』の継続こそ、「アルツハイマー型認知症」の発病及び症状進行(重症化の進行)の真の原因なのです。なお、私たちが言う「単調な生活」の継続とは、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続のことであり、こうした『生活習慣』こそが、発病及び重症化を進行させる真犯人なのです。それ故に、廃用性症候群に属する老化・廃用型の『生活習慣病』であるというその本質から(発病のメカニズム)、症状の進行を遅らせる効能を有する薬も、症状を治すという意味での治療の効能を有する薬も、発病自体を予防する効能を有する薬も、未来永劫開発されることは有り得ないことを指摘し、問題提起したいのです。『第二の人生』における日々の脳の使い方としての『生活習慣』の改善と工夫こそが、発病を予防する唯一の方法となるのであり、「脳のリハビリ」こそが、症状の進行を防止し及び症状を改善させ/治す為の唯一の方法となるのです。⇒アミロイドベータの蓄積による老人斑の出現も、タウ蛋白の蓄積による神経原線維変化の出現も、共に、「アルツハイマー型認知症」の症状の発現の原因ではなくて、発病の結果としての単なる副産物に過ぎないと考えるのです。

&6 重層的な「意識」の存在と『注意の分配力』の機能との関係
○ 意識的な行為の世界と「前頭葉」の個別認知機能によるその認知度及び機能の発揮度
意識的に何かの「テーマ」を実行する場面では、自発性、観察、分析、考察、洞察、推理、推測、憶測、推察、類推、想像、理解、興味、関心、発想、連想、企画、計画、創意、工夫、予見、予測、シミュレーション、比較、修正、選択、機転、決断、抑制、感動及び判断等、「前頭葉」の機能を構成している各種の高度な個別認知機能(「実行機能」=Executive Function)を正常に発揮するに際し、一定レベル以上での「認知度」が確保されていることが不可欠となるのです。認知度が一定レベル以下だと、例示した「前頭葉」の各種個別の認知機能自体が必要なレベルで発揮されなくなるのです。そうした個別の認知機能によるその「認知度」の高さ或いは低さを左右しているのが、「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」という「前頭葉の三本柱」の機能なのです(「認知度」と「発揮度」とが共に、「三本柱」の機能の発揮レベルと「リンク」している)。
「前頭葉」を中核の機能として、有機的な連携のもとに「左脳」や「右脳」や「運動の脳」も参加して、何をどのように実行するのかを脳全体で組み立てるには(自分が置かれているその状況を分析し、理解し、判断し、判断に沿って実行すべき「テーマ」をいくつか発想し、その中から1つを選択し、その実行内容及び実行の程度と態様とを計画し、組み立てるには)、先立って且つ常に、必要な機能レベルでの「意欲」の継続的な発揮が不可欠となるのです。自分が現在置かれている状況と環境の判断をベースとして、様々な状況の変化を予測して考慮しつつ、いく通りかのケース・シミュレーションを経た上で最終的な実行内容及び実行の程度と態様とを決定し、最終的に実行に移すには、「注意の集中力」と「注意の分配力」の機能の継続的な発揮が不可欠となるのです。
この場合、分析、理解、判断、選択、計画、洞察、推理、シミュレーション、決断等の個別認知機能(所謂、「実行機能」)の機能の発揮度が、私たちが、「前頭葉」の三本柱の機能と名付けている「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能の発揮度に左右され、下支えられていることの理解が極めて重要となるのです。『前頭葉』の三本柱の機能は、「三頭立ての馬車」の「御者」の役割、脳全体の「司令塔」の役割を担っている「前頭葉」の機能の構成要素である「個別の認知機能」(Executive Function)によるその認知度及び機能の発揮度を左右し、下支えする働きを担っていて、各個別の認知機能を十分に発揮するに際しての「二重構造」の関係が存在しているからです。 
➡ 世界中の脳科学者や認知症の専門家とされる人達の誰もが未だ気づいてはいないその「テーマ」である、「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズムが解明され、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」という脳機能の働き方のメカニズムにも注目が集まることにより、やがては、「注意の分配力」の機能の分配量の差異に起因したものであり、それぞれの覚醒度が異なる「重層的」な意識の同時存在とそれら各々の覚醒度という「テーマ」が専門家達に注目される時代がやってくることになるのです。『前頭葉』の三本柱の機能(就中、注意の分配力の機能)が担う重要不可欠の機能としての、覚醒度が異なる複数の「意識」が重層的に、並列して、且つ同時に存在する状況下での全体の及び/又は個別の「意識」の覚醒度を統括し、管理し、コントロールする機能(役割)を有するという、脳の機能構造面からの問題を提起しておきたいと思うのです。
※勿論のこと、二重構造というテーマには、「前頭葉」の三本柱の機能の一つであり、廃用性の機能低下という視点で言うと最初にその機能が衰えていくところの機能である「注意の分配力」の機能が直結しているという理解が、アルツハイマー型認知症の発病及び症状の重症化の進行のメカニズム及び機序を理解する上で、極めて重要なのです。
➡「意識」が存在している世界と言っても、その「意識」の覚醒度が様々に異なる世界、注意の分配力の機能を一点に集中して、対象となる特定の「主題」に絞り込まない限り、基本的には常に複数の異なる重層的な「意識」が構築され、統合され、管理されている状態下で存在しているという、私たち人間だけに特有なものである「意識」の世界に、脳科学者達が未だ気づいていないだけのことなのです。
➡ 或る特定の「主題」に「注意」を集中させて又は、複数の「主題」について「注意」を同時に分配させ、関係してくる「実行機能」の各々について一定レベルでの機能を発揮させるには及び/又は、一定レベルでの機能を同時に発揮させるには、「意欲」と「注意の集中力」の機能の発揮が不可欠となり、更には、「注意の分配力」の機能の発揮が不可欠となるのです。但し、我が身が置かれている状況下での「主題」を選択し/特定の内容に注意を集中させる(絞る)機能は、「前頭葉」の三本柱の機能ではなくて、別の機能である『評価の物差し』の機能ではないかと私たちは考えているのです。『評価の物差し』の機能が関与することによって/且つ同時に、「意識の覚醒度が高い特定の意識」の世界(注意が集中された世界)が出現することになるとかんがえているのです。『評価の物差し』と言う機能部位には、前頭葉の三本柱の機能を操り、カメラのレンズの焦点を特定の主題に選択的に切り変え/絞るかのような核心的な機能(3歳児までの親の背中の物差しを反映していて、4歳児以降から18歳ころまでの体験に基づいて、自己が獲得した物差しとの融合の結果として形成された最終的な物差し。評価の対象を、どれに絞り、どのような視点で、どのように切り取り、どのように評価するかの機能を有し、評価の物差しが関わることにより自分独自の評価に基づいた認知が可能となる働きを有するものであり、私たちが「評価の物差し」と名付けている機能=自我に相当する脳機能)が、備わっていると考えているのです。
⇒ 此処で私たち「二段階方式」が提起する『評価の物差し』の機能とは、対象となる事象をどのように切り取り、認識し、記銘し、どのように理解し、評価し、判断するかについての、後天的に個々人が獲得した「評価基準」なのです。この「評価基準」に則る形で、この評価基準が先行し、関わりが構築されて初めて、全ての「実行機能」の認知が実行されていると考えるのです。なお、この場合、実行機能の認知が行われるに際しては、「評価の物差し」と「記憶の倉庫」との連動が起きてくるメカニズムが存在する為に、「DSM-4」の規定の「第一要件』の規定内容(当該内容は、重大な誤りなのですが)に見られる例のように、「アルツハイマー型認知症」の症状が「記憶の障害」に起因して発現するとの誤解を生む一因ともなっていると考えるのです。
※ ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続に起因する廃用性の加速度的で異常な機能低下を本質とする『アルツハイマー型認知症』の発病の場合には、脳の機能に衰えていく明確な順番があるのです。即ち、「前頭葉」の三本柱の機能、就中、最も高度な機能である「注意の分配力」の機能から異常なレベルに衰えていくのです。私たちの区分で言う「軽度認知症」(小ボケ)の段階では、上述したような意識の世界は、脳の機能面から説明すると、自分が置かれている状況の分析や理解や判断も、「テーマ」の発想も、テーマに沿った実行内容の企画や計画も、実行結果についてのシミュレーションも、最終的な決断も、「前頭葉」の三本柱の機能、就中、『注意の分配力』の機能の発揮が明確に不十分/不適切な状態になるまでに機能低下してきているという機能レベルを反映した意識的な世界、「意識の覚醒度」の世界にあることを知るべきなのです。
&7  アルツハイマー型認知症の段階的な症状の態様とその特徴
○「軽度認知症」(小ボケ)の段階で発現する症状の特徴
□ 発想が乏しくなり、画一的な行動が目立つようになってきた
□ 何事をするにも億劫で、何かをやろうという意欲が見られない
□ 同じ食材を買ってくることが多く、献立の単調さが目立つ
□ 一日や一週間の計画が立てられず、テーマを自分で思いつかない
□ 朝は遅くまで起きてこないのに、気がつくと昼間に居眠りしている
□ これまでなら感動していたことにも感動しなくなった
□ 問いかけに対する反応が遅く、生き生きした笑顔が見られない
□ 根気が続かず、中途半端な繰り返しや、やりかけの家事が目立つ
□ ぼんやりしていることが多く、何もしないが指示されるとできる
□ お化粧や髪の手入れや服装など、おしゃれに無関心になってくる
□ 自分に自信がなくて、何かにつけ人を頼ろうとするようになった
□ 歩くとき前屈みの姿勢になり、小股でトボトボと歩く
□ 目の光がどんよりしていて、顔つきが無表情になった
□ 思い込みや思い違いが多く、指摘しても訂正や変更ができない
□ 同じ内容を繰り返して話し、そのことに本人が気づかないでいる

&8「軽度認知症」(小ボケ)の症状が発現するメカニズム
上記に列挙した本当の意味での初期症状、すなわち「アルツハイマー型認知症」の最初の段階の症状(「小ボケ」の症状)は、実は、「記憶の障害」とは関係がないのです(記憶障害に起因した症状は、全く確認されない)。私たちが何かのテーマについて文章で考えを表現するとしましょう。どのようなテーマについて、どのような筋を展開し、どのような内容で表現内容を構成するか、どのような言葉の表現方法を使用するか、全ては、「注意の分配力の機能」(異なった複数のテーマを同時に並行して処理)の適切なレベルでの働きなしには実行することが困難となるのです。
※加齢と共に「正常老化の性質」という条件が進行してきた60歳を超える年齢の「高齢者」が(私たちが定義する、「アルツハイマー型認知症」発病の「第一の要件」)、何かを「キッカケ」にして、何事に対しても意欲を喪失してしまい、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない、ナイナイ尽くしの「単調な生活習慣」を日々継続していると廃用性の機能低下が進行していくことになるのです(私たちが定義する、「アルツハイマー型認知症」発病の「第二の要件」)、第一の要件と第二の要件とが同時に充足されることによるその相乗効果として、「前頭葉」の三本柱の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていく、その行き着く先に、『アルツハイマー型認知症』の発病が待っているという訳なのです。
その最初の段階が、「脳のリハビリ」により正常なレベルに回復させることが容易な段階であり(私たちの区分で言う、軽度認知症「小ボケ」の段階=家の外に出て行き、他人と交わり、何らかの共通のテーマを実行する生活である「社会生活」面で様々な支障が出てくる)、次いで、「脳のリハビリ」により回復させることが未だ可能な段階があり(私たちの区分で言う、中等度認知症「中ボケ」の段階=庭の草取り、洗濯物の取り込みと始末、食器を洗うこと等の「家庭生活」面での簡単な作業にも支障が出てくる)、最後に、回復させることがもはや困難となる段階(私たちの区分で言う、重度認知症「大ボケ」の段階=食事をしたり、風呂に入ったり、トイレに行ったり及びその後始末をしたり等のセルフケアにも支障が出てきて、日常の生活面での介護が必要となる)が有るのです。⇒廃用性症候群に属する老化・廃用型の「生活習慣病」であるに過ぎない「アルツハイマー型認知症」の症状は、徐々に緩やかにしか進行して行かないことが特徴です。前頭葉を含む脳全体の機能レベルにリンクして、三段階に区分される症状が発現してくるのです。
後述する「DSM-4」が「第二の要件」として規定し、初期症状として、確認を要求している「失語や失認や失行」の症状は、「DSM-4」の「第一の要件」が確認を要求する「記憶の障害」に起因した発現ではないのです。失語のような、失行のような、失認のような状態は、前頭葉の機能が、就中、注意の分配力の機能が異常なレベルにまで衰えてきて、殆ど機能していないことが原因なのです。相手が話しているテーマの理解と内容の把握と保持が出来なくて、自分なりの考えを構築できなくて、結果として、簡単な内容の日常の会話のやり取りさえもできないのです。ズボンを頭から被るのは、ズボンがどのような使用目的のものであり、どのようにして使うものであるかを構築できない為なのです。配偶者である妻を娘と間違えるのは、妻と娘とを区別するに際して必要不可欠の機能である注意の分配力の機能が異常なレベルにまで衰えてきていて働かないことが原因で、顔や姿や声の識別が出来なくなっているせいに過ぎないのです。いづれの症状も、「記憶障害」に起因して発現している訳ではないのです。⇒そもそも、アルツハイマー型認知症の発病患者に見られる「記憶障害」という要因自体が、『加齢』の進行に起因した機能低下の進行という基礎要因及びナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続に起因した廃用性の機能低下の進行という加重要因の同時存在による機能低下という先駆的な原因としての直接のかかわりの存在を示すデータ(前述した「MMSE下位項目の項目困難度」のデータ」)が存在していることに、世界中の専門家達が気付いていないことが、意味不明の仮説を生む下地となっていると考えるのです。

&9 『前頭葉』という脳機能について学者や研究者や医師達は理解不足
※私たちは、様々な種類が数ある認知症全体の90%以上の割合を占めている、「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症に特化して、早期診断と脳のリハビリの実施による回復及び介護の予防、更には、発病自体の予防を目的とした住民参加型の『地域予防活動』の展開を市町村の保健師さんを通じて、且つ地域のボランティア組織の協力を得ながら、小さな地域単位で展開して、市町村全体に拡大する活動を1995年以来、北海道から九州までの地域に跨る、累計450を超える数の市町村で展開し、早期診断による「回復」、介護の予防及び発病自体の「予防」の面で実践の顕著な成果を挙げてきているのです。
※ ところが、世界中の専門家達の間では、「アルツハイマー型認知症」は治すことも予防することも出来ないタイプの認知症とされてきているのです。その根本的な原因は、認知症の専門家とされる人達(機関)が、脳全体の司令塔の役割を担い、私たち人間の意識的な世界を支配し、コントロールしている「前頭葉」と言う脳機能について無関心である上に、「意識」の機能構造及び注意の分配力の働きの特徴についても無知なことにあるのです。私たちのように、「二段階方式」と言う精緻な神経心理機能テストを活用して、生きた人間の「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを判定し、同時にその脳機能レベルに厳密にリンクした「症状」及び脳の使い方としての『生活習慣』と言う「生活歴」を詳細に調べ、正常なレベルから始めて、正常下限、「小ボケ」、「中ボケ」の前半、「中ボケ」の後半、「大ボケ」と言う風に、段階を追って、順を追って判定し、鑑別して行けば、「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症は、「DSM―4」の第一要件が想定している「記憶障害に起因して発病してくる」ものではなくて、『前頭葉』(就中、「注意の分配力」の機能が核となる)を含む脳全体の機能について生じてくる廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行が原因で発病してくるという「発病のメカニズム」を解明することが出来るのです。
「アルツハイマー型認知症」の発病の原因を器質的な病変に求め、「前頭葉」を含む脳全体の機能的な変化(廃用性の加速度的で異常な機能低下)という視点に気づかない限り、脳の使い方としての「生活習慣」の改善と工夫/脳のリハビリの実施という方法によって発病の予防も、早期診断による回復も、介護の予防も可能である、廃用性症候群に属する単なる「生活習慣病」であるにすぎない病気を、発病の原因も分からないし、発病を予防することも治すこともできない病気、マンモスに仕立て上げ、効きもしない薬の処方に対して血税を垂れ流し、(「前頭葉」を含む脳全体の廃用性の異常で加速度的な機能低下が症状の発現及び症状の進行の唯一の原因である、「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症の発病のメカニズムを考えるとき、開発することがそもそも不可能であると考えられる)「治療薬や予防薬」の開発という無意味なテーマに、血税を垂れ流し続けることになるのです。
➡「アルツハイマー型認知症」の診断規定である、米国精神医学会の診断規定「DSM-4」の「第一要件」及び「第二要件」の規定内容には、両者共に重大な誤りが有るにも拘わらず、研究者も、学者も、医師も、その規定内容を未だに疑わないのです。

本著作物「Eー04」に掲載され、記載され、表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。このブログ中の内容の一部を引用する際は、著作権法の規定に則り、引用してくださるようお願いします(特に、医学会に身を置く人に、お願い)。 

エイジングライフ研究所 (ホームページ)脳機能からみた認知症 (もうひとつのブログ)  

 


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