認知症の早期診断 介護並びに回復と予防のシステム

アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病なので、発病を予防でき、早期治療により治せるのです

アルツハイマー型認知症は、老化廃用型の生活習慣病なのです(その三:Cー12)

2018-08-22 | 定年後の第二の人生をどう生きるか

 

&アルツハイマー型認知症の正体と医療機関による診断の実態

(1)  今年は、例年に増してうだるような暑さが続いた夏でした。その上、偏西風の異常による変則的な台風がもたらした風水害の規模も甚大なものでした。風水害の被災、居住する家屋が甚大な被害を蒙ると、経済的に家屋を再建することが困難な状況が伴う場合には、そのことをキッカケにして、『意欲自体を喪失するお年寄り』が出てくることになるのです。第二の人生を送っていた60歳を超える年齢の高齢者であるお年寄りが、そうしたキッカケを契機意欲を喪失すると、何事に対しても意欲が出てこない生活状態に陥っていくことになるのです。被災前迄の日々の生き方として第二の人生を自分なりに楽しんできた生活であった趣味や遊びの会、或いは、お茶っこの会等にも参加できない上に、リフォームもままならないで、応急修理しただけの家屋に住む生活、何等かの「目標」を持つ気にもなれないで、『家に籠り勝ち』の生活が続くことになるのです。これといった刺激もない単調な生活が継続するだけの日々、『生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものがない毎日、ナイナイ尽くしの単調な生活』が習慣化し、継続していると、半年から1年の経過により、「アルツハイマー型認知症」を発病していくことになるのです我が国だけでなくて、世界中の、認知症研究の専門家とされる人達の誰一人として気づいていないことなのですが、彼等から、原因不明と言われ続けている「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズム、更には、症状の重症化が進行していくメカニズムが、これなのです。これを脳の機能面から説明すると、『「アルツハイマー型認知症」は、廃用症候群に属する老化廃用型の「生活習慣病」である』ということなのです。脳の使い方としての「生活習慣」が、発病するかしないか及び症状の重症化の進行を決定づける核心的な要因なのです。

誰を恨めばというものではないが、神がこの世に存在するのであれば、何故このような不条理な状況が惹き起こされてくるのか。私も既に古希を超えた年齢、これまでの人生で、様々な不条理を体験してきた我が身なのですが、アルツハイマー型認知症に対する不条理、医学会が社会的責任の自覚もなく、平然と行っている問題については、国民全体を正しい方向へと向かわせる道筋をつけておきたいと考えているのです。『「アルツハイマー型認知症」は、発病の原因が分からないし、症状を治すことが出来ないし、更に、発病を予防する方法もない』との主張自体が、重大な誤りなのであること並びに『「アルツハイマー型認知症」は、廃用症候群に属する老化廃用型の「生活習慣病」なのであり、早期診断により治せるし、発病自体を予防することが出来るものなのだ』ということを我が国だけでなくて、世界中に広めて、徹底させたいと願っているのです。せめて、その端緒だけでも、自らの活動で切り開いておきたいと願っているのです。その活動の基幹となるものが、私たちが、私的な試みの活動として、1995年の活動開始以来、北海道から九州に至る日本全国450を超える数の市町村で指導してきた『「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復及び発病の予防を明確な目的とした、住民参加型の「地域予防活動」』の全国展開の制度化なのです。その為に、政府に提出する『建白書』を準備しているところなのです。何かの類の論文や仮説とは異なり、実際に活動が開始されて初めて意味があるので、準備も結構大変なのです。私たち二人だけによる試みの活動から、公的な制度化、政府による全国展開、小さな地域単位で、全国通津浦々に隈なく展開したいと考えているのです。「第二の人生」を送っているお年寄りの間に余りにも多く見られる現象である『家に籠り勝ちの生活』から抜け出して、家の外に出ていき、『他人と交わる場所と機会』を確保する為に、間伐材やはびこりすぎている竹を活用して建設した平屋建ての家、『交流の駅舎』の建設を夢見てもいるのです。『早朝のラジオ体操、速足の散歩及び交流の駅舎で他人と交わること』を「アルツハイマー型認知症」の発病の予防対策となる『生活習慣』の礎石(「前頭葉」の活性化を担保する『三本立ての基本的な実施項目』)として据えたいと考えてもいるのです。それを出発点に、個々人が創意工夫するのです。

(2) 我が国だけではなくて、世界中の医療機関で行われているアルツハイマー型認知症の診断の実態はというと、レッテルを貼るだけの診断と効きもしない薬を処方するだけの診断がまかり通っているのです。米国精神医学会が策定した診断基準である『DSM4』が世界中の認知症研究(診断)の専門家とされる人達(学者、研究者、医師)の脳を(見方や関心を)、誤った悪い方向に導き洗脳しているのです。

学者は、その規定の「第一の要件」(必要条件として、「記憶の障害」の症状の確認を要求している)が誤りであり、「第二の要件」(十分条件として、失語、失認、又は、失行の症状の確認を要求している)にも重大な誤解が内容の基礎となっていることに気が付いていないし、そうした規定内容に挑戦しようともしないのです。「第二の要件」を満たす症状の確認が発病との診断の条件となっていることにより、「極めて重度の症状」しか発病と認められないことに挑戦した人達でさえも、「第一の要件」に毒されているのです。MCIMild Cognitive Impairment :軽度認知障害)とかの新しい概念を打ち出してきて、「アルツハイマー型認知症」の発病の前段階の症状の発見に迫ろうとする意欲的なものであることは認めることが出来ても、残念ながら、核心的な内容自体が誤りと言うしかないのです。「記憶の障害」の症状、或いは、「記憶の障害に起因した」症状の確認が、『軽度認知障害の状態』と判定する上での核心的な要素として構成されているからなのです。軽度認知障害と判定された人の場合には、その人達の内の相当数の人達が数年後には、「アルツハイマー型認知症」を発病することになると主張しつつも、肝心の因果関係を立証することはどこかに置き忘れているのです。私は法律分野が専門であり、若い頃、訴額が630億円で、当時は世界最大の移転価格訴訟としてマスコミにも取り上げられたものを含めて訴額が数百億円規模の国際訴訟を10件も戦ってきた(米国、EC、オーストラリア、東南アジアの国々で)経験があるので(実は、1010勝無敗なのですが)、「医学会」における因果関係の立証についての認識の極端な甘さに驚くのです。世界全体での発病者数が5000万人を超えているとされる「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症についても同じことが言えるのです。アルツハイマー型認知症の診断に際して、世界で最も権威があるとされていて、個々の医師による実際の診断の場面で、最も信頼されていてもてはやされている「DSM4」の規定内容も、世界中の学者の間で通説の地位にあるとされるアミロイドベータ説を筆頭にして、タウタンパク説やアセチルコリン説や、脳の萎縮説といった「4つの仮説」の類も、「アルツハイマー型認知症」の発病との間の因果関係を未だに立証出来ないままでいるという訳なのです。そも、因果関係ないものなのであれば、仮に『研究論文』のようなものと考えてみても、全く意味がないものということになるのです。それ等には、専門家に対してだけでなくて、世の中全体に対しても極めて高い「権威」があるので、このままにしておくと、弊害ばかりが大きくなっていくだけなのです。出来るだけ早く取り下げた方が、世の為、人の為になると考えるのです。認知症研究(診断)の専門家達(学者、研究者、医師)の目をマウス(どこかの研究機関が自慢のアルツハイマーマウスを含む)から、私達人間の生の意識的な世界、『意識的に、何かのテーマを発想し、実行する世界』に早く転じさせたいのです。

(3)私たちがこれまでたびたび指摘し、問題提起してきているように、アルツハイマー型認知症の本態は、廃用症候群に属する老化廃用型の「生活習慣病」に過ぎないのです。「器質的な原因病変」は、存在していないのです。記憶障害の症状(記憶障害に起因した症状)が、アルツハイマー型認知症を発病させている原因要素ではないのです。真の犯人は、一つは、『加齢に起因した老化の進行』による機能低下という要素と、もう一つは、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に起因した廃用性の機能低下という要素、異なるこの二つの要素が同時に存在し、充足されることによる「相乗効果」により、「前頭葉」を含む脳全体の機能が『廃用性の、加速度的で、異常な機能低下』を進行させていくその先に「アルツハイマー型認知症」の発病及び三段階に区分される症状の重症化が待っているだけなのです。「DSM4」の規定内容も、その「第一の要件」を基礎として組み立てられている『4つの仮説』の類も、規定内容(主張内容)自体に重大な誤りがあることを指摘し、早急な取り下げを問題提起しておきたいのです。

(4) アルツハイマー型認知症」の症状は、失語や失認や失行の症状よりもはるかに軽い症状(もっと早い段階で発現してくる症状)が存在していて、全体としては(「脳のリハビリ」により治せるか否かの基準により)、以下に示すように、「三段階」に区分されるのです。

小ボケ』 脳のリハビリにより、治すことが比較的に容易な段階

中ボケ』 脳のリハビリにより、治すことが未だ可能な段階             

大ボケ』 脳のリハビリにより、治すことは最早困難な段階

☆認知症研究の専門家(学者、研究者、医師)達は、末期の段階である大ボケの更に後半以降で発現してくる極めて重度の症状のことだけしか知らないのです。

1)「アルツハイマー型認知症」の症状は、上述した発病及び症状が重症化するメカニズム(原因)に鑑み、治したり、症状の進行を遅らせたり、発病自体を予防する効能を有する薬が開発されることは、未来永劫有り得ないことなのだということを注意喚起しておきたいのです。現在開発され、販売されている4種類の薬は、治療薬(症状を改善させたり、治したりする薬)ではなくて、症状の発現の程度を幾分変化させるだけの興奮型或いは抑制型の単なる「対症療法薬」に過ぎないのです(製薬会社自身が、症状を治す効能は有しないと説明しているものなのです)。

2)我が国の医療機関だけでなくて、世界中の医療機関は、末期の段階である「大ボケ」の段階の更に後半になって初めて発現が確認される症状である、失語、失認、又は失行の症状の発現の確認を待って、「アルツハイマー型認知症」の発病であると診断しているのですが、この段階で見つけても、もう手遅れ。治すことは、出来ないのです

大ボケの段階の症状が出てくる前の段階、小ボケ及び中ボケの段階で見つければ、「脳のリハビリ」により治すことが出来るのです。

 

&2 「アルツハイマー型認知症」は、治せないもの(専門家達の主張)なのか、治せるものなのか(私たちの主張)の根拠についての検証

(1)アルツハイマー型認知症」発病の(発病するかしないかを決定する)唯一絶対の核心的な条件、それは、「前頭葉」を含む脳全体の機能について起きてくる廃用性の機能低下であると言いました。『前頭葉』を含む脳全体の廃用性の機能低下を惹き起こす原因は、(日常の生活面で関係する脳機能の出番が余りにも足りない)ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続であると言いました。それでは、治すときは、どうなのか。これと正反対の生活習慣を組み立て、実践すれば良いのです。但し、その為の絶対的な必要条件が、小ボケ及び中ボケまでの段階、本当の意味での早期の段階で「アルツハイマー型認知症」の発病を見つけることであり、末期の段階である「大ボケ」の段階で見つけていたのでは、治すことは最早困難となることに注意して頂きたいのです。認知症専門の医師達が異口同音に、『アルツハイマー型認知症は、治すことが出来ない』と言っているのですが、『見つけている段階が遅すぎる』ことに気が付いていないだけなのです。

)前回のブログで、「アルツハイマー型認知症」の発病者である場合には(但し、生まれつき特定の遺伝子に異常が存在する人だけを対象にして発病し、且つ、若年発症を特徴としていて、発病後は極めて急激に症状の重症化が進行していき、症状を治すことも発病を予防することも困難なものである、所謂『アルツハイマー病』とは、全く異なる性質のものであることに注意してください。両者をまとめてアルツハイマー病と呼称している専門家が多いのですが、彼等は、専門家と称していながら、アルツハイマー型認知症についても、アルツハイマー病についても無知な人たちなのです)、MMSE下位項目の項目困難度と私たちが名づけている脳機能データ(14689例に上るアルツハイマー型認知症発病患者の脳機能データ)の解析結果から、発病患者が出来なくなっていく厳密な順番(『前頭葉』を含む脳全体の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下が原因で衰えていく時の厳密な順番)が存在するのです。これは、「事象事実」なのです。更なる事象事実を提示しましょう。「アルツハイマー型認知症」の発病者である場合には、小ボケ、中ボケ及び大ボケの三段階に区分される症状が順次進行していくと言いました。その小ボケの期間は、3年であり、中ボケの期間は23年で、最後は大ボケとなるのです(「アルツハイマー型認知症」は、廃用症候群に属する生活習慣病であり、その発病自体が原因で死ぬことはないことに注意してください。死亡診断書に誤った病名をつけないで頂きたいのです)。なお、大ボケの場合は(大ボケの枠の中で)、身体が持つ限り、症状は更に進行していくので、大ボケの期間というものは存在しないのです。従って、大ボケの段階の症状はというと、大河の川幅のように、症状の幅が極めて広いものとなり、最後まで身体が持つ場合には、植物人間状態になるまで脳の機能低下が進行していくのです。日常生活面で介護が必要となる「大ボケ」の段階にまで症状が進んできているお年寄りの介護を家族に委ねるような政策は、絶対にあってはならないのです(小ボケ及び中ボケのお年寄りの場合の、家族による支援、「脳のリハビリ」の実践の後押しは、実践を後押しして、「脳のリハビリ」に励ませることにより治すことが期待できるのであり、実際に治すことが出来た時の家族の喜びや生き甲斐にもつながるのです。他方で、セルフケアにも重大な支障が出てきて日常生活面での介護が不可欠となる大ボケのお年寄りの家族による介護には、そうした可能性が残されてはいないのです)。介護離職者』の累積数が100万人を超えている現状を放置している国会議員は、根本的で抜本的な対策の議論と決定を、出来るだけ早急に行うべきなのです。1000万人にも達する貧困層の存在とこの100万人を超えている介護離職者の存在は、我が国の将来を根底から揺るがしかねない重大事なのです。『国家収入が足りない』等と無為無策の言い訳をしないで頂きたいのです。余っておつりがくる程の十分な原資が、目の前に転がっているのです。『アルツハイマー型認知症の早期診断による回復及び発病の予防を明確な目的とした住民参加型の地域予防活動』という実践により有効性が証明された『処方箋』が提示されているのです。この『地域予防活動』を国策として全国展開していけば、現状年間の総額15兆円を超えていて、この先さらに増大すると予想されている「介護関連の総費用」の額が、この先増加していくどころか、減少させていくことさえ期待できるので、十分すぎる程の原資を確保できているのです。

上述した『MMSE下位項目の項目困難度』が示す衰えていく厳密な順番の存在という脳機能データに加えて、『小ボケ及び中ボケの期間(症状の滞留期間)が存在する』ということも事象事実なのです。この2つの事実の存在もまた、DSM4」が規定する「第一の要件」が重大な誤りであること並びに「DSM4」が規定する「第一の要件」の内容が正しいものであるとの仮定(想定)に立脚して組み立てられ、主張されているアセチルコリン説、アミロイドベータ説、タウタンパク説及び脳の萎縮説の4つの仮説の類も全て、主張内容自体が誤りであることの確たる証拠なのです

(2) アミロイドベータ説(アミロイドベータの蓄積により形成される『老人斑』が、情報を連絡する役割を担っている神経細胞の大量死を惹き起こすことが発病の原因であるとの主張)タウタンパク説(タウタンパクの蓄積により形成される『神経原繊維変化』が、情報を連絡する役割を担っている神経細胞の大量死を惹き起こすことが発病の原因であるとの主張)等の仮説を主張する(支持する)専門家達は、MMSE下位項目の項目困難度の脳機能データが提示する『脳機能が衰えていく順番』の存在並びに小ボケ及び中ボケの症状の発現が継続する期間の存在について、合理的で科学的な説明が出来るというのであれば、是非とも、その要説を伺ってみたいと考えるのです。

世の中を混乱させるだけであり、早期診断による回復というテーマにも、更には、発病の予防というテーマにも、世の中の関心が向かない状態が継続されていて、『介護関連の費用の総額CTやらMRIやらSPECTやら、果ては、PETまで等といった機器の使用、高額の診察費を要求されるだけのことであって、「脳のリハビリ」により回復させることが可能である本当の意味での早期の段階での発病の判定は困難であり、使用自体が何の意味も持たない機器の使用による「アルツハイマー型」認知症の発病の有無の診断、治すことにも症状の進行を遅らせることにも何の効能も有しない薬の処方及びセルフケアにも重大な支障がある末期の段階のお年寄りの介護の為の費用の総額)が、2015年度ベースで『15兆円』を超えてしまっていて、この先更に増加する一方と予想されている「不条理な状況」が放置された儘なのです。我が国の野党は、『モリカケ問題』ばかりに関心があって、党利党略ばかりで国会での政策論議もせず、何年も無駄に過ごしていて、この問題に対する関心さえ持っていないのです。

(3) 世界中の認知症の専門家達は、「DSM4」の規定の「第二の要件」に惑わされていて、失語、失認、又は失行の症状の発現を確認して初めて、「アルツハイマー型認知症」の発病だと考えるのです。実は、30点が満点のMMSEの得点が一桁にならないと、その発現を確認することが出来ない程の極めて重度の症状であることに気が付いていないのです。更なる重大な問題を指摘すると、それらの症状より「軽い段階の症状」(私たちの区分で言う小ボケ及び中ボケの段階の症状)が発現していても、「アルツハイマー型認知症」の発病とは考えないということなのです。彼等が依拠している基準自体に『重大な誤りがある』ことに気づかないでいて、脳のリハビリにより治すことが可能である小ボケ及び中ボケの段階を見落としているのです(なお、最早治すことは困難なのですが、大ボケの前半、即ち、MMSEの得点が二けた、1410点の範囲までのお年寄りをも、発病の対象から見落としているということなのです)。どれだけの権威があろうとも、治せる段階を見落としていて、最早治すことが出来ない大ボケの段階の更に後半の段階になって発現してくる症状である失語、失認、又は失行の症状を基準にしての『診断』等、世の中を混乱させるばかり、基準の策定者達に『社会的な責任』の自覚があるのであれば、出来るだけ早期に取り下げられるべきということを提言しておきたいのです。

(4) 猶、『ナイナイ尽くしの単調な生活習慣』とは、『生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない単調な日々の暮らし方である』と言いました。ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が繰り返され、継続されることにより、「前頭葉」の個別認知機能の発揮度を支配し、下支えしている機能であって、私たちが「前頭葉」の三本柱の機能と名付けている「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」という機能の出番が少なくなる、就中、最も高度な機能であり、加齢による機能低下及び廃用性の機能低下により、最も早く衰えていく機能である『注意の分配力』の機能の出番が極端に少なくなる生活習慣、日々の暮らし方が、前頭葉を含む脳全体の機能についての廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行を惹き起こしてくるその先に「アルツハイマー型認知症」の発病が待っているのです。

(5) さて、皆さんが最も関心があるテーマだと思うのですが、小ボケ及び中ボケの段階で見つけられた『アルツハイマー型認知症」の症状を治すときは(前頭葉を含む脳全体の機能を正常な機能レベルにまで引き戻すには)、衰えさせていく時と全く逆の生活習慣」の構築とその継続的な実践が不可欠となる訳なのです。意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能からなる前頭葉の三本柱の機能の出番が、就中、『注意の分配力』の機能の出番が出来るだけ多くなるようなテーマを見つけて、本人なりの『目標』を設定して、継続して実行し、出来れば家族や友人や仲間達がそれを後ろ/周りから支え、或いは、一緒に実践して頂きたいのです(単に口で言ったり、必要性を説明するだけでなくて、後押し、一押しして、支えてあげて頂きたいのです)。本人の意欲自体が低下しているのですから。

そのテーマを実行している際に、『時間の経過が本人の感覚なりに短く感じられる』ようなテーマ、或いは、実行の仕方であるときは、「前頭葉」の三本柱の機能が、就中、注意の分配力の機能がそれなりに活性化しているということなのです。そうした暮らし方が継続されていると、「小ボケ」は正常な機能レベルへと回復することとなり、「中ボケ」は小ボケの機能レベルへと回復することとなり、その先の正常な機能レベルへと回復する道が開けてくるのです。アルツハイマー型認知症は、段階を追って衰えていくように、回復してくるときも、段階を追って回復してくるのです。「中ボケ」の段階から、一足跳びに正常なレベルに回復するということは起きないのです。

)「前頭葉」の出番が多くなる、言い換えると、「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能の出番が出来るだけ多くなるような『テーマ』を見つけて、本人の置かれている状況(生活条件と肉体条件)と脳の機能レベル(小ボケ、中ボケの前半、中ボケの後半)とを考慮し、配慮した目標及び目標値を設定して、その目標の達成の過程や、目標の達成自体を当の本人なりの「楽しみ」につなげることが出来れば、脳の機能は元の正常な機能レベルにまで回復してくるのです。それが、私たちが提唱している「脳のリハビリ」という妙薬の効能なのです。症状を治したり、発病を予防する効能を有する薬の開発については、発病及び症状が重症化するメカニズムに照らして、『開発される日は、未来永劫絶対に来ない』のです。「脳のリハビリ」こそが、唯一無二の治療薬となるのです。

)『アルツハイマー型認知症』を発病していて、本当の意味での早期の段階である小ボケ又は中ボケの段階にあるお年寄りだけが、『脳リハビリ』の対象となります。末期の段階である大ボケの段階になるまでに、『前頭葉』を含む脳全体の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させてきてしまうと、回復させることは最早困難となるからなのです。世界中の認知症研究の専門家達は、『「アルツハイマー型認知症」は、発病の原因(メカニズム)が不明であり、症状を治すことが出来ないし、発病を予防することが出来ないタイプの認知症である』と主張していて、その考え方がそのまま世界中で定着しているのです。独自に開発した「二段階方式」の手技を活用して、主張内容が正しいことを「地域予防活動」により実証してきた私たちの主張内容とは、根本的に異なっているのです。私たちは、「脳機能データ」(小ボケ、中ボケ及び大ボケの段階の発病者の全てを含む14689例に上る「アルツハイマー型認知症」の発病者の脳機能データ)の解析結果が示す内容並びに北海道から九州に至る日本全国450を超える市町村で展開を指導してきた『「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復及び発病の予防を明確な目的とした住民参加型の「地域予防活動」の実証の実績』に基づいた結論として、『廃用症候群に属する老化廃用型の「生活習慣病」に過ぎない「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症は、早期診断により治せるもの』であり、『性質それ自体として治すことが出来ないものなのではない』と主張しているのです。医療機関は、『DSM4』という、権威だけは世界最高であっても、内容自体に重大な誤りと誤解がある規定の第二の要件に従って、失語や失認や失行といった極めて重度の症状末期の段階である大ボケの段階の更に後半になって初めて発現が確認される症状であり、30点が満点のMMSEの得点が一桁になるまでに、「前頭葉」を含む脳全体の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させてきている「お年寄り」だけに確認される症状)の確認を待って初めて発病と診断しているが故に治らないだけ(治すことが出来ないだけ)なのです。見つけている段階が遅すぎるだけということなのです

)医療機関では、『「アルツハイマー型認知症」の早期診断』なる言葉だけを歌い文句にしている場合が見受けられるのですが、それは、私たちが言う本当の意味での早期の段階(「脳のリハビリ」により、治すことが出来る小ボケ及び中ボケの段階)の発見という意味ではないのです。彼等の診断基準は、あくまで、「DSM4」の規定が信頼すべき基準だと考えて診断に採用し、適用しているのです。失語や失認や失行の症状が出発点で(早期の段階と誤解していて)、更にそれらよりも重い症状だけが、「アルツハイマー型認知症」の症状だと誤解したままなのです。失語や失認や失行の症状が確認されない場合は、老化現象としての物忘れの症状の確認等を頼りにして、上述したMCI(「軽度認知障害」)の状態にあるなどとして、予防と称して効きもしない薬を処方しているのです

 

&3 私たちが提唱する『症状を治す為の処方箋』とは、どのようなものなのか

(1)  さて、『治すには、どうしたらいいのか』ということについての具体的な処方箋はあるのかということなのですが、普遍的な表現を借りれば、発病前の本人が日々行っていた『元々の生活習慣』に引き戻すということなのです。

自分なりの生き甲斐」や喜びがあり、それなりに時間が経つのを忘れて打ち込むことが出来るような、何等かの趣味や交遊や運動を自分なりに楽しみ、或いは、居住地域での地域活性化活動に関わり、自分なりの目標」がある日々の暮らし方』という、『元々の生活習慣』に引き戻すことが、治す為の『処方箋』になるのです。発病前の本人の暮らし方を詳しく聞き取り、現在置かれている状況の下での「最善策」を探り、実行させるのです。その場合、当の本人の前頭葉を含む脳全体の機能レベル(小ボケ、中ボケの前半、又は、中ボケの後半)への配慮が不可欠であること並びに全てが『ステップ・バイ・ステップ』であることが、注意事項なのです。『急いては、事を仕損じることになる』のです。即ち、「アルツハイマー型認知症」を発病しているということは、脳の機能面からすると、「小ボケ」の段階で既に前頭葉の機能レベルが異常なレベルに低下してきているので、具体的な「脳のリハビリ」の実践の過程で、当の本人が、『生き甲斐』を覚えるということは期待できないことに注意が必要なのです。「脳のリハビリ」となるべき「生活改善」を組み立てる際の設定すべき目標について、「前頭葉」の三本柱の機能を駆使して、就中、注意の分配力の機能を最大限に活用して、あれこれシミュレーションし、検索する等ということは、期待できない脳の機能レベルにあることに注意が必要であり、配慮が要求されるのです。たまにと言うか、一端の口を利くことがあっても、状況の理解も判断も出来て居なくて、子細に考えた上での発言ではないのです。『口から出まかせの発言』に過ぎないのです。肝心の『前頭葉』が効いていない、就中、あれこれとシミュレーションする機能である「注意の分配力」の機能が働いてはいないのですから。家族(や周りにいる人たち)が中心となって、設定すべき「脳のリハビリ」の対象となるテーマ及び目標値をあれこれシミュレーションして決定してあげることが不可欠の条件となるのです(周りが支えて、後押ししてあげること)。

)脳全体の機能が正常な機能レベルにあれば、就中、「前頭葉」が正常な機能レベルにあれば、設定する目標が大きなものであればある程、「目標」を達成する過程で、或いは、「目標」の達成により、生き甲斐や喜びを覚えることが増え、又は、大きくなり、目標の遂行課程での脳機能への効果もそれだけ大きくなるはずなのですが、「脳のリハビリ」の対象者は、「前頭葉」の機能が異常なレベルにある小ボケ、或いは、「前頭葉」を含む脳全体の機能が異常なレベルにある中ボケの段階のお年寄りということになるのです。その問題点を克服するには、「脳のリハビリ」の実施上設定するテーマ及び目標は、脳の機能レベルの問題に配慮したもの、余り大き過ぎない目標とか、達成する上での困難さが余り大きくなり過ぎない目標であることを考慮することが重要な視点となるのです。達成することが可能であり、努力の継続実施が可能なものでなければ、必要な「脳のリハビリ」の効果を期待できないからなのです

)ここで留意すべき重要な条件があります。注意点とは、『「前頭葉」の働きを活性化させ、『前頭葉』を含む脳全体の働き具合を、正常な機能レベルに引き戻す為の唯一の方法である「脳のリハビリ」の実践に関わるテーマ及び実践の程度は、小ボケ、中ボケの前半、中ボケの後半の「三つの段階」に区分することが必要となるのです。小ボケ及び中ボケの前半までに対しては、集団での「脳のリハビリ」が可能であるのに対して、中ボケの後半に対しては、集団ではなくて、個別の『特別メニュー』の実践と家族の協力が必要不可欠になるのです。

)「アルツハイマー型認知症」の正体(発病のメカニズム)、早期診断による回復並びに発病自体の予防というテーマについて、専門家レベルではなくて、『お年寄り』の皆さんに読んで頂き実行して頂きたいと考えていて、分かり易い説明や方法による出版を考えているのです。基本書(A4判で33ページ程度)及び小冊子(A4判20ページ程度)、いきいき手帖-四季版(生き生き生活-あなたの前頭葉が活性化する脳の使い方としての四季の生活習慣)、万年カレンダー(前頭葉を活性化させる為の注意と工夫)(A4判33ページ)の4種類です。原稿自体は既に書きあがっていて、挿絵をつければ完成できるところまで準備が出来ています。販売は、小冊子(ボケは、防げる治せる)で採ったのと同じ形態、直販による販売です。  

(2)導入のための契約を締結した上で二段階方式を導入して、二段階方式の考え方及び二段階方式の手技を活用して、『アルツハイマー型認知症の早期診断による回復及び発病の予防を明確な目的とした住民参加型の地域予防活動』を実践展開する市町村に対してのみ、直販する形を採る予定です。「小ボケ」及び「中ボケ」の段階で、アルツハイマー型認知症の発病を見つけて、「脳のリハビリ」の指導と実践により治して見せた実際の症例を積み重ね、積み上げていきたいと考えているのです。その数が大きなものになればなるほど、発病自体の予防の為の脳の使い方としての「生活習慣」の構築というテーマについて国民の関心が高まり、結果として、発病を予防することが当然の課題として、社会全体に認知される日が来ると考えているのです。

そうなれば、2015年度実績で15兆円を超えるところまで来ていて、この先さらに増加する一方と予測されている『介護関連の総費用』の額が劇的に減少し、且つ減少化傾向が定着する日が来ることさえも、夢物語ではなくなってくると考えているのです。

)脳が活性化、「前頭葉」が活性化するテーマは、言葉で表現するのは簡単なことなのですが、個々のお年寄り、特に、「第二の人生」を送っているお年寄りについて、具体的にどんなテーマが前頭葉の活性化に役立つのかというと、実は、とても難しいことなのです。

そもそも、第二の人生を送っているということは、仕事とは無縁の日々の暮らしということなのです。「仕事」が関わらない日々ということは、『左脳』(言葉、論理、計算、場合分け等のデジタル情報の処理に特化した脳機能)の出番が、「第一の人生」に比べて極端に少なくなるということになるのです。言い換えると、第二の人生で前頭葉を含む脳全体の機能を正常な機能レベルに保ち続ける条件(アルツハイマー型認知症の発病を予防し、「第二の人生」を完走するために必要不可欠の条件)、それは、第一の人生では脇役であった「右脳」及び「運動の脳」の出番が多くなり、活躍する場面が出来るだけ多くなるような『テーマ』を発想し、選択し、工夫して、日々の暮らしの中に取り込み、生活習慣化する必要があるということなのです。

)脳の活性化、前頭葉の活性化、或いは、アルツハイマー型認知症の発病の予防というテーマについて、食生活や運動等といった類の様々な仮説が主張されているのです。記憶のメカニズムについての理解も不十分であって、「物忘れ」の症状の僅かな程度及び頻度の改善を脳の活性化、或いは、脳の機能レベルの改善の判断基準にしていたりもするのです。前頭葉の機能についての理解が足りないのです。

平仮名で書かれたおとぎ話を音読したり、簡単な足し算や引き算を毎日、朝、昼、夕方と実行するようなテーマが柱となるような日々の暮らし方、「生活習慣」では、アルツハイマー型認知症の発病を予防することは出来ないのです。100人程の「第二の人生」を送っている60歳を超える年齢の高齢者を集めてきて、趣味や遊びや人付き合いや運動(簡単な体操を含む)を遮断して、『音読と計算の日々だけ』という暮らし方を半年も実行させてみれば、前頭葉の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていく脳機能データが集積されることになるはずなのです。そうした暮らし方を敢えて反対はしませんが、理解した上で、選択して頂きたいと願うのです。

 

4 「アルツハイマー型認知症」の発病の予防と再雇用の問題

(1)「アルツハイマー型認知症」を治す方法は、「前頭葉」を含む脳全体の機能が活性化するテーマの選択と実践に尽きると言いました。実は、「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症の特徴はというと、最初の段階である「小ボケ」の段階は、脳の機能面からいうと、三頭立ての馬車を牽引する三頭の馬、左脳、右脳、運動の脳の機能は未だ正常なレベルにあるのに対して、御者である前頭葉の機能だけが既に異常なレベルにあるのです。中ボケの段階になると、前頭葉の機能が更に異常なレベルにあって、左脳も右脳も運動の脳も異常なレベルにまで機能が低下して来ているのです。言い換えると、脳全体の機能、前頭葉、左脳、右脳及び運動の脳の全てが正常な機能レベルにあること、具体的な衰え方の順番を考慮した表現からすれば、『「前頭葉」の働きが、正常な機能レベルを保っている限りは、「アルツハイマー型認知症」を発病することはない』ということなのです

『「生き甲斐」や喜びがあり、時間の経つのを忘れて打ち込むことが出来るような、何等かの趣味や交遊や運動を楽しみ、或いは、居住地域での「地域活性化活動」に関わり、自分なりの「目標」がある日々の暮らし方、言い換えると、前頭葉が活性化する生活習慣を実践し、継続すること』が、発病の予防を担保してくれることになるのです。

(2)私たちが定義する、「アルツハイマー型認知症」を発病する「第一の要件」は、「第二の人生」を送っている60歳を超える年齢の「高齢者」であることなのです。従って、『例え年齢が60歳を超える年齢の高齢者』であっても、「第二の人生」を送っていない場合は、発病の「第一の要件」からは除外されることになるのです。何故か。

仕事に従事するために、「左脳」の出番が極めて多い暮らし方となり、その日々の生活習慣の中で、「前頭葉」を含む脳全体の機能が活性化することにより、正常な機能レベルを保つことが出来る状況が確保されることになるからなのです。目標の設定、目標を達成するための種々様々な創意と工夫、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能の駆使による「前頭葉」を含む脳全体の機能が活性化する「生活状況」及び「生活習慣」が存在し、継続されているということなのです。

)あーしたらどうなる、こうしたらどうなる、様々な状況を発想し、対策をシミュレーションし、効果的で最適な対応策を具体的に検索し、選択し、実行に努めることになるのです。こうした状況下では、意欲や注意の集中力の機能は言うまでもないことながら、取り分けて、「注意の分配力」の機能(異なったテーマを同時に並行して処理する為の機能。シミュレーションや検索に不可欠)の出番が極めて多く、極めて高く活性化されることになるのです。その意味で、労働力の減少という側面からの考えに加えて、『アルツハイマー型認知症の発病の予防』という視点からも、「第二の人生」に入る為の時期を先送りする等の雇用制度(但し、通常の勤務形態ではなくて、午前又は午後だけの勤務、一週間の中での勤務日を分割した分割勤務のようなパート勤務)の検討が必要であり、有効であり、有益だと考えるのです。仕事のある生活により「第二の人生」の開始時期を先送りすることが、「アルツハイマー型認知症」の発病の予防(その分、発病時期の先送り)にもつながり、その帰結として、『介護関連の総費用』の絶対額の顕著な規模での減額に直結することにもなるのです。

(3)「アルツハイマー型認知症」の発病を予防する唯一絶対の方法は、『「生き甲斐」があり、時間の経つのを忘れて打ち込むことが出来るような、何等かの趣味や交遊や運動を楽しみ、或いは、居住地域での地域活性化活動に関わり、自分なりの「目標」がある日々の暮らし方、生活習慣を実践し、継続すること』だと言いました。

とはいえ、「第二の人生」を送っている60歳を超える年齢の個々の「高齢者」について言うと、「第一の人生」でのキャリアも異なるし、「第二の人生」を送る上での条件(居住する地域の条件)自体が大きく異なる上に、経済的な条件(金銭的な条件及び居住条件)及び家庭的な条件(家族構成及び家族関係)、更には、肉体的な条件も異なる訳なのです。上述の『大枠の条件』をもとにして、個々に、具体的に工夫して頂くしか方法がないのです。そうとは言え、私たちが提起しようとしている『地域予防活動』(市町村の保健士さんと地域住民とが共同して展開する『「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復及び発病の予防を明確な目的とした住民参加型の「地域予防活動」の全国展開』を拡大していく中で、或る程度のパターン化が必要となるとも考えているのです。

)国際的に権威があるとされるランセット委員会(Lancet International Commission on Dementia Prevention ,Intervention and Care)が、2017年にアルツハイマー病協会国際会議(AAIC)に提出した、『アルツハイマー型認知症の予防が可能である』とするレポートを読みましたが、提示された9項目の内容は、残念ながら、お粗末と言うしかないものでした。AI技術を利用しただけでは、真の原因に迫ることは出来ないのです。とはいえ、『生活習慣がリスク要因である』とする大枠自体は正しいものであり、4つの仮説が主導する誤った従来の考え方を劇的に変えてくれる可能性、『コペルニクス的展開』を起こさせる可能性を感じているのです。とはいえ、高齢者のリスク要因に掲げられている5項目のリスク要因は(うつ病、糖尿病、物理的な不活動、喫煙、社会的な接触が少ないこと)、アルツハイマー型認知症の発病者として集積されていたデータのAI技術の活用による分析により、共通に確認される割合が高かったというだけのものに過ぎないと言うしかないのです。

そのことが、「アルツハイマー型認知症」の発病との間の因果関係の存在を直接的に立証している訳のものではないということなのです。私たちが、「地域予防活動」の展開により行ってきた、「疫学的な立証」に基づいた主張に比べると、次元が違うと言うしかないのです。

極めて高度なAI技術を駆使して分析したとは言え、「分析の対象」となった基礎データの中に、私たちが、発病のリスク要因として主張している、脳の使い方としての生活習慣という項目が存在していないことがそもそも重大な問題(欠陥)なのです。とはいえ、カロリンスカ研究所の発表やランセット委員会の発表であるということが、極めて重要な意味を持つのです。実力自体は抜群でも、無名のエイジングライフ研究所の発表内容というのとは、世界の医学会に与えるインパクトが異次元だからであり、風向きが変わってくるのです!

(4)早期診断(本当の意味での早期の段階である小ボケ及び中ボケの段階で発病を見つけること)により、実際に治して見せること、その顕著な実績を国民に向けて情報発信していくこと、そのことが、一つには、発病自体の『予防』というテーマに関心を喚起することとなり、加えて、更にもう一つには、『「前頭葉」を含む脳全体が活性化する「生活習慣」の構築とその実践』という「テーマ」に対しても関心を喚起することになると考えるのです。その為の効果的な方法が、出来るだけ小さな「地域単位」での住民参加型の「地域予防活動」の密な展開ということなのです(出来るだけ小さな地域単位で展開する)。

(5)「アルツハイマー型認知症」の「末期の段階」である「大ボケ」の段階にまで症状が進行してくると、最早治すことが出来なくなり、介護の途しか残されなくなることを住民に周知徹底させるのです。

大ボケの段階にまで症状が進行して来て、介護が不可欠の状態になると、本人の生活だけでなくて、家族の生活自体が重大な困難に遭遇することを住民は良く知っているのです。早期診断による回復及び発病自体の予防が、「前頭葉」を含む脳全体が活性化する「生活習慣」の構築とその実践により達成可能な方法であることを具体的に目に見える形により、周囲の住民に示して見せることが極めて重要だと考えるのです。即ち、早期診断により治して見せる実績を出来るだけたくさん積み上げることだと考えているのです。「脳のリハビリ」の実行により、小ボケや中ボケの段階から治して見せることにより、『治らないもの、治せないもの』とする専門家の主張が誤りであり、『アルツハイマー型認知症が生活習慣病であること』の理解が進むことが、『発病自体の予防及びその重要性』に対して国民の目を向けさせることに繋がると考えているのです。

)「地域予防活動」の原資としては、『介護関連の総費用』の1~3%相当の額を投入すれば、介護関連の総費用の額自体を何割も削減させ、更には、絶対額の減少化傾向を定着させることが可能であると考えているのです。

  本著作物「Cー12」に掲載され、記載され、表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。 

    エイジングライフ研究所のHP左の部分をクリックしてください)

    脳機能から見た認知症(具体例をベースとしたもう一つのブログです)

 


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