認知症の早期診断 介護並びに回復と予防のシステム

アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病なので、発病を予防でき、早期治療により治せるのです

アルツハイマー型認知症の発病原因と生き方(日本人の価値観その1)(N-78)

2013-03-01 | アルツハイマー型認知症発病のメカニズム

(プロローグ) 「人生60年」と言われていた一昔前と違い、世界に先駆けて「超高齢社会」を実現し、誰でもが80歳90歳まで生きる我が国では、「第二の人生」が20年も30年もあるので、人生を完走する上で、「第二の人生をどう生きるか」が、極めて重要なものとなるのです。人生の終焉を迎えるその時まで、自分の来し方を振り返り感謝の気持ちを込めて、「生きてきて、よかった」と感じることができる『前頭葉』(前頭前野に局在する、前頭葉の三本柱の機能、評価の物差しの機能及び実行機能から構成されている複合機能体を言うものとする。以下、同じ)の働きを維持していてほしいのです。その為、どのような脳の使い方、「生き方」をすれば良いのかについて、皆さんに、「脳の機能データ」の解析に基づき、「問題提起」したいと思うのです。

&1   『アルツハイマー型認知症』は、『意識』が関わるタイプの認知症

(1) 私達が意識的に何等かの「テーマ」を実行しようとするに際して、その実行内容が複雑で高度なものであればあるほど、そうした場面で要求される「前頭葉」のさまざまな個別認知機能(総称して、「実行機能」=Executive Function と言います)の「発揮度」(様々な程度態様からなる情報の認知とその処理にかかわる「前頭葉」の各種個別認知機能の発揮にかかわる「認知度」と密接不可分の関係)を左右する前頭葉の三本柱』の機能、「意欲、注意の集中力及び注意の分配力」からなる機能に、「正常老化の性質」が本来的に内在していることが、私たち「二段階方式」独自の手技である『改訂版かなひろいテスト』の実施データの解析により判明したのです。

(2)『意識的な世界』(目的的な世界)で、意識が覚醒した状態下では、状況に応じた「テーマ」を発想し、テーマを実行する実行内容を計画し、実行結果をシミュレーションし、比較した上で、選択し、最終的な実行内容と実行の仕方を決定し、その実行を決断して、左脳や右脳や運動の脳に対して実行の指令を出す過程では、情報の「認知度」と情報の処理に関わる「前頭葉」の各種個別認知機能の「発揮度」及び「認知度」が高いレベルで要求されることになります。

(3) 複合機能体である『前頭葉』の構成要素である各種個別認知機能(総称が「実行機能」)、例えば、自発性、発想、計画、考察、洞察、推理、検索、忖度、憶測、機転、修正、感動、抑制、忍耐、決断などの個々の認知機能の認知度発揮度も、「前頭葉の三本柱それ自身の機能レベル及び機能の発揮度が、異常なレベルに機能低下してきたときは、その先にある「評価の物差し」の機能及び「実行機能」の発揮度も同様の機能の発揮度状態に置かれる機能構造(機能発揮上の二重構造及び廃用性の機能低下の進行が連鎖していく連鎖構造)、私たち「二段階方式」独自の言葉で言う『機能発揮上の二重構造』が存在していると考えるのです(「前頭葉の三本柱」の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行していくのに連動する形で、同じ過程を辿って、「前頭葉」の各種構成要素としての各種機能も機能の発揮度が異常なレベルに低下してくると考えられるのです。

&2 『機能発揮上の二重構造』とその要である『注意の分配力』の機能

(1)上述した私たち「二段階方式独自の理解であり、見解である『二重構造の仕組み』についての分かり易い補足説明をします。例えば、信号が青になって通りを横断しているとしましょう。道の反対側の「信号が青になっている」のを確認した時(そのことが、認知されあなたの『意識』に上ってきたとき)、その背景としての建物や樹木や車や歩行者等の映像が、あなたの意識に上っている信号の映像と同時に、物理的にあなたの目には映し出されているはずなのです。但し、選択されて「意識」の対象となるべき特定の映像に対し注がれているあなたの「注意集中力」(或いは、「注意分配力」の一部)が一定レベル以上になっていないと(言い換えると、その特定の映像に対する『認知度』が一定レベル以上のものになっていないと)、あなたの「意識」には上ってこないということなのです。

(2) つまり、意識自体にも『意識の覚醒の度合い』(意識度)というものがあり、注意の集中力(或いは、注意の分配力の一部)が一定レベル以上になっていないと対象が(或いは、対象となるべき意識の内容が)特定されないので、「対象」に対する意識の覚醒の度合が薄く(或いは、低いと表現してもいいのですが)、意識下でありながら、あなたに認識されないだけのことなのです。カメラの焦点がきちんと合わないと、対象となる画像がピンボケになってしまうのに似ているといえば理解しやすいでしょうか。でありながら、

(3)この「認知度」が低い為に「意識度」が低くて、意識下でありながら、『意識的』には認識されていないレベルの「認知された状況」(或いは、内容)について、「無意識」の世界と勘違い(或いは、混同)している学者が少なからずいるのです。こうした考えが、若い「脳科学者」達の間で、流行の気配さえ最近はあるのです。『人間の行動や行為や思考の全ては、無意識起因するものであって、意識に起因する行動や行為や思考というものは存在しない』などと、声高に意味不明のことを言い募る学者達が少なからずいるのには、本当に驚かされるのです。

このことに関わる『リベットの実験』に於いて、リベット自身が、『注意の分配力』の機能による先行的メタ認知(実際の実体験認知の実行に僅かに先行して、起きている認知)について無知であった為に、実験の結果の解釈を誤り、無意識が全ての意識に先行しているものと誤解しただけなのです。『注意の分配力』の機能は、異なる3つ以上の複数の意識」を構築し、統括し、管理する機能であり並びに複数の異なる「テーマ」同時に並行して処理する上で不可欠の機能であり及び咄嗟の判断と処理に不可欠の機能なのです。『意識』を解明するには、『注意の分配力』の働きの深い理解が不可欠となるのです(『注意の分配力』の機能は、マウスは愚か、チンパンジーにも備わっていない機能なのです)。

注意の分配力』の機能の働きによって、同時に並行して行われる認知機能の発揮により、⓵秒針が3時の真上に来た瞬間にボタンを押すという「テーマを保持している」機能の発揮状態下で、②秒針の動きを常に目が追っていきながら、秒針が3時の真上に来る直前に、「秒針が真上に来たらボタンを押す」という「テーマ」を強く意識(認知)し(強い血流変化)、④秒針が3時の真上に来たことを認識した瞬間に、⑤ボタンを押す指示が(脳内で)行われて(強い血流変化)、その結果、ボタンを押す動作」が実行されているだけのことなのです(先行するメタ認知である③と④認知機能の発揮は、無意識ではなくて、意識下のものであり、後行する実体験認知である⑤と⑥の認知機能の発揮も、同じく、意識下のものなのです)。

&3  『アルツハイマー型認知症』発病の『第一要件』

(1)「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症は、発病の対象者を実態面から見るとき、「第二の人生」を送っていて、60歳を超える年齢の「高齢者だけが、発病の対象となっているという特徴があります。

高齢者だけが発病の対象となるには、「脳の機能面」から見た時、次のような理由があることがその根拠となるのです。私達が開発した「二段階方式」と呼ばれる神経心理機能テストを活用して、『前頭葉』の機能レベル年齢別の推移を調べたのです。そのデータの解析によって、「意識的な世界」(目的的な世界)に於ける脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』基盤的機能である意欲、注意の集中力及び注意の分配力(二段階方式が、「前頭葉の三本柱」の機能と総称)には、「脳の使い方」としての意味で言う『生活習慣』の如何に拘わらず、「加齢」の進行と共に老化していくという性質(「正常老化」の性質二段階方式が命名)があることが判明したのです。

(2) 自分なりに追求する特定のテーマとそれを達成するための目標が有り、趣味や遊びや人付き合いや運動を楽しんでい居て、喜びや生き甲斐を覚える機会がある「脳の使い方」としての生活習慣』の下で日々を過ごしていようとも、20歳代の半ばにピークを打ったその先は、年を重ねていくにつれて「前頭葉の三本柱」の機能レベルが正常な機能レベルを保ちつつも、100歳に向かって緩やかに低下していくという性質が本来的な性質として内在しているのです。

(3) 私達がこれまでに集積してきた極めて多数の症例に基づく脳機能「データ」によると、「正常な老化」の場合でも、「高齢者」と呼ばれる年代の65歳頃になると誰でも、その働き具合がピーク時である20歳代の半ば頃に比べて「半分程度」にまで衰えてきているのです。このことが、加齢による前頭葉の「正常老化」の性質の重要な点でもあるのです。つまり、この「60歳を超えた年齢の高齢者である」という条件こそが、「アルツハイマー型認知症」を発病する「第一の要件」なのです。そして、加齢による前頭葉の「正常老化」のカーブは、その先70歳代、80歳代、90歳代、100歳代と年をとるにつれて、「直線的」ではあるが緩やかなカーブを描きながら、更なる「低空飛行」の状態に入っていくのです。それ故に、実態面を見るとき、「アルツハイマー型認知症」を発病する対象は60歳を超える年齢の「高齢者」だけということになるのです。更に言えば、60歳代よりも70歳代、70歳代よりも80歳代、80歳代よりも90歳代、90歳代よりも100歳代と、年齢が増せば増すほど「アルツハイマー型認知症」を発病する人達の「同年代での発病率」が大きくなっていくのです(年をとればとるほど、「アルツハイマー型認知症」を発病するお年寄りの割合を示す数値が大きくなる)。北海道から九州まで、日本全国どこでも、この特徴的な「実態」が確認されているのです。

&4  『アルツハイマー型認知症』発病の『第二要件』

(1)  脳の使い方としての「生活習慣」が発病の引き金に(「第二の要件」)

「正常老化」のカーブを辿りつつ年をとっていく過程にあるとはいえ、「前頭葉」の機能が「低空飛行」の状態に入ってきている「60歳を超えた高齢者と呼ばれる年齢のお年寄り」が(上述した、発病の「第一の要件」)、脳を積極的に使おうとはしない「単調な生活」、キャッチ・コピー的な表現を借りて言えば、「自分なりの追求する特定のテーマがない暮らし方、生き甲斐なく、趣味なく、交友なく、運動もせず、目標もない単調な生活」というナイナイ尽くしの「単調な生活習慣」を日々続けていると(発病の「第二の要件」)、出番が極端に少ないために使われる機会が極端に減った『前頭葉』が廃用性の異常な機能低下を進行させていくことになるのです。

(2) 私たち「二段階方式」が定義する発病の第一の要件」と「第二の要件」とが重なり合う(二つの要件が「同時に充足される」)ことの「相剰効果」によって、「前頭葉」の廃用性加速度的異常機能低下進んでいくことになるのです。「前頭葉」の働きが加速度的に衰えていくことにより、脳の働き具合(機能レベル)が異常なレベルに衰えてくるその先に、「アルツハイマー型認知症」(晩発型、或いは老年性「アルツハイマー病」と呼称されることもあります)の発病が待っているのです(発病の最初の段階が、私たち「二段階方式」の区分でいう「軽度認知症」=「小ボケ」の段階です)。

&5 『アルツハイマー型認知症』の発病の『三段階区分」の意味

(1) その機能構造の結果、最も高い機能レベルが要求される「社会生活面」において、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行して異常な機能レベルに衰えた『前頭葉』の機能レベルの「直接のアウトプット」として、『アルツハイマー型認知症』の発病としての症状が発現れてくると考えられるのです(最初の段階である、「軽度認知症」=「小ボケ」の段階)。但し、「小ボケ」の段階では、「前頭葉」のコントロールの下で「前頭葉」と協働して働いている『左脳』も『右脳』も『運動の脳』も、それら全ての機能レベルが未だ正常なレベルにあることが重要なのです(『前頭葉』だけが異常なレベル)。

(2)『前頭葉』の機能レベルが更に衰えていくのに同時に並行して、これらの「左脳や右脳や運動の脳」の機能までもが「異常なレベルに衰えが進行してきたときから、「次の段階」(「中等度認知症」=「中ボケ」=前頭葉を含む脳全体の機能が異常なレベルに在る)に進んでいき、「家庭生活面」にも支障が出てくるようになるのです。

(3)更に、「前頭葉」並びに「左脳、右脳及び運動の脳」が、同時進行的に更に廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行していくことにより、最後は、「末期の段階」である「重度認知症」=「大ボケ」の症状が、発現して来て、「セルフケア」にも支障が出てくるようになり、日常の生活面での「介護」が必要となるのです。

この「末期の段階」である『大ボケ』の症状が発現してくるようになって初めて、『アルツハイマー型認知症』の発病であると診断する旨を、米国精神医学会が策定した診断規定である『DSM - Ⅳ』の第二要件は、規定しているのです。この「末期の段階」だけを取り上げて「アルツハイマー型認知症」と診断しているが為に、「アルツハイマー型認知症」は、(発病の原因も分からないし、治すことも出来ないし、予防することも出来ない病気)にされてしまったのです。(発病の原因が分からないのも、治すことが出来ないのも)見つけるのが遅すぎるせいなのです

&6 『アルツハイマー型認知症』発病の『初期段階』(「小ボケ」)とは
(1)「軽度認知症」(小ボケ)の段階は、左脳、右脳及び運動の脳の機能は、まだ正常なレベルにあって、司令塔の「前頭葉」の働き具合だけが異常なレベルに衰えてきたことの反映としての症状、『前頭葉の三本柱の機能、評価の物差しの機能及び実行機能』の働きだけが異常なレベルに衰えてきていることを反映した症状だけが発現してくるのです。そのことを分かりやすく説明するために、「小ボケ」が運転すると、どのようなことが起きるかを例示してみましょう。「脳の機能レベル」という視点からすると、「高齢者」が免許証の更新を申請した際は、視力や運動能力だけでなくて、(「前頭葉の機能レベル」が正常なレベルにあるか否かを調べるシステム)の導入を図る必要があると思うのです。

〇運転中のスピードが遅すぎて、同乗していると怖い(周りの車の流れとは無関係に、30キロ程度で、平気でノロノロ運転するようになる)

〇自損事故を起こすことが増えてきて、小さな接触事故を多発するようになる(車の両サイドに、小さな接触傷がやたらと増えてくる)

〇方向指示器、ブレーキの操作が遅くなる(動作をする反応が遅いのではなくて、「注意の分配力」の衰えにより、咄嗟の判断が出来にくくなるし、複数の判断と処理が咄嗟に出来なくて、慌てる)。

〇 本人が既知の場所でも、規制に反してしまうような事が起きてくる(本人が既知の場所で、進入禁止とか右折禁止の違反をしてしまう)

〇車を運転して行くとき、よく知っている行き先への道を間違えるようになる(以前よく行っていた娘の家に行くのに、道順を間違えて手間取るようになる)

 &7 『アルツハイマー型認知症』に特有な『脳機能データ』の意味

 「第一の要件」と「第二の要件」との相剰効果により「廃用性の加速度的で異常な機能低下」が進む時は、下図の右図(熊地区での全数調査)が示すカーブに見られるように、放物線を描いて「加速度的」に(but、緩やかに)脳の機能が衰えていくことを、私たちが集積してきた多数の症例の「データ」が示しているのです(左図は、立体的に表示したもの=14689例)。

    

(1)「第一の要件」と「第二の要件」とが同時に充足されることの「相剰的な効果」により、「廃用性の異常な機能低下」が加速度的に進行していくとき、「前頭葉」を含む脳全体の機能に「衰えていく順番がある」ことが、「アルツハイマー型認知症」の特徴なのです。

⓵「三頭立ての馬車」の御者の役割をしている「前頭葉」が最初に異常なレベルに衰えていき、次いで、馬の役割をしている「左脳」と「右脳」と「運動の脳」が、その順番に異常なレベルに衰えていくのです。

②更に、「アルツハイマー型認知症」の場合は、且つ、その場合に限り、国際的に認知され使用されている神経心理機能テストのMMSEで判定される「左脳」及び「右脳」の衰え方自体にも「厳密な規則性」がある(衰えていく厳蜜な「順番」がある)ことがとても重要な特徴なのです。衰えていく順番は、速い順に次の通り。

 想起、注意と計算、時の見当識、所の見当識、三段階口頭命令、五角形相関図の模写、文を書く、記銘、書字命令、復唱、命名

(2) 少しばかり専門的になりすぎたので、ここで本題に戻ることにしましょう。脳全体の司令塔で、置かれている状況を判断したり、何かを思いついたり、計画を立てたり、工夫したり、洞察や推理をしたり、機転を利かせたり、各種の高度な働きを担当しているのが 、意識的な世界(目的的な世界)に於ける脳全体の司令塔の役割を担っていて、複合機能体である『前頭葉』の機能なのです。

 その働きが、あまりにも高度で、複雑で、且つ働き方や働き具合が様々な程度と態様を示すので、計測したり判定したりする方法の開発が難しい為に、研究自体が遅れてきたのです。その為に、研究者達から、脳の中の「空白地帯」とさえ言われてきたのです。

(3) 私たち「二段階方式」は、『アルツハイマー型認知症』の脳の機能の衰え方の臨床データを解析していて、MMSEで判定される「下位項目の衰え方に規則性がある』ことに気付いたのです(廃用性の異常な機能低下が進行していくときは、「下位項目」の衰えて行く順番に、「厳密な規則性がある」のです)。

「二段階方式」の手技を活用し、「前頭葉」を含む脳の全体の機能レベルを調べ、「下位項目」の衰え方が規則通りであるか否かを判定することにより、「アルツハイマー型認知症」であるかどうかを鑑別できるのです。

(4) 認知症の専門家達から、「原因もわからないし、治すことも出来ないし、予防することも出来ない」病気と言われている「アルツハイマー型認知症」の診断につき、世界的に権威があるとされている米国精神医学会の診断基準である『DSM-Ⅳ』への挑戦が、そこから始まったのです。

『DSM-Ⅳ』の規定には、重大な誤りがあり、それがために、症状の回復も、進行の抑制も困難な末期の段階(私たちの区分でいう、「重度認知症」=「大ボケ」の段階)で、初めて発病を見つけることしか出来なくて、症状の回復及び進行の抑制が可能な、本当の意味での早期の段階(私たち「二段階方式」の区分でいう、『小ボケ」及び「中ボケ」の段階が存在していること)を見逃しているだけだということが分かってきたのです。

&8   『注意の分配力』の働きに着目した『脳の機能面からの分析』

  

(1)意識的(目的的)に何等かの「テーマ」を実行する場面では(例えば、あなたが、仲の良いお友達を家に招待して、手料理でもてなすというテーマを考えてみてください)、自発性、観察、分析、考察、洞察、推理、理解、興味、発想、企画、計画、創意、工夫、予見、シミュレーション、修正、整理、機転、抑制、忍耐、感動及び判断等、「前頭葉」を構成している各種の「個別認知機能群」(実行機能)を発揮する上で、不可欠の働きである『注意の分配力』の機能が、「評価の物差し」の機能による評価、関心、注意、選択に基づいて実行機能行使する為には、一定レベル以上での機能の「発揮度」に下支えられた「認知度」が確保されていることが必要となるのです。「実行機能」の機能の「発揮度」及び「認知度」が低いときは、「前頭葉」の各種機能自体が必要なレベルで発揮されなくなるからです。その機能の「発揮度」及び「認知度」の高さ/或いは低さを左右し、下支えているのが、『意欲、注意の集中力及び注意の分配力』という「前頭葉の三本柱」の機能なのです(機能の「発揮度」と「認知度」とが共に、「前頭葉の三本柱」の機能の機能レベル、就中、『注意の分配力』の機能の機能レベルと「リンク」しているのです=機能発揮上の二重構造)。

(2) 自分なりに追求する特定のテーマがなく、生き甲斐となるものも、目標となるものもなく、その上、趣味や遊びや人付きあいを楽しむ機会もなく、運動もしない、ナイナイ尽くしの「単調な生活習慣」を日々送っていると言うことは、脳の機能面から言うと、「前頭葉」の機能の中でも最も基本的で不可欠な機能であり、「認知度」を左右する働きをしている意欲、注意の集中力と注意の分配力という「前頭葉の三本柱」の機能の出番が極端に少ない生活を送っていることになるのです。ナイナイ尽くしの「単調な生活習慣」を日々送っている中で、もともと加齢により機能が衰えていく性質を持っている「前頭葉の三本柱」の働き(複合機能体である「前頭葉」の働きの基盤機能)が、膝の筋肉と同じように、廃用性の異常な機能低下を起こしてきて、更には加速度的に働きの衰えが進行していくのです。

(3)「前頭葉の三本柱」の働きが、就中、「注意の分配力」の働きが廃用性の加速度的で異常な機能低下を起こし、さらに進行して行く時、同時に、自発性、観察、分析、考察、洞察、推理、理解、興味、発想、企画、計画、創意、工夫、予見、シミュレーション、修正、整理、機転、抑制、忍耐、感動及び判断という「実行機能」機能及び機能の「発揮度」同時に加速度的に低下していくということなのです(上述した『二重構造」とその連鎖の仕組み』の問題)。そうした各種の機能が異常なレベルに低下した下での、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルのアウトプット自体が、前頭葉』を含む脳全体の機能レベル厳密にリンクした、三段階に区分される「類型的な症状」、即ち、『アルツハイマー型認知症発病の症状として発現してくるのです(世界初で、唯一で、且つ、正しいことが、対象を、『アルツハイマー型認知症』の発病の予防に特化した活動であり、452の市町村での住民参加型の『地域予防活動』の実践展開指導で、疫学的方法により実証されていて、顕著な成果を挙げてもいたのです。政府が、『ボケても安心な社会づくり』を標榜して、『介護の予防』という川下に目を向けた活動を市町村での全国展開を制度化していく中で、私たち「二段階方式」が標榜する『持続可能な超高齢社会』を構築し、維持していく上で不可欠であり、川上に目を向けた活動が、市町村から消えていくこととなったのです(現在では、G00ブログ上での情報発信しかしていないのですが、いつの日か、天の命を受けて、市町村による予防活動の国策化実施を実現したいと考えているのです(臥薪嘗胆)。


&9  「 小ボケ」と「中ボケ」の段階を見落としている問題点

(1) この「前頭葉の三本柱」の機能が異常なレベルに機能低下してきたことにより発現してくる症状(より詳細に説明すると、「前頭葉の三本柱」の機能が異常なレベルに衰えてくることに連動し連鎖して、「前頭葉」の構成要素としての各種機能の機能発揮度も異常なレベルに衰えてくることが原因で発現してくる症状)、複合機能体としての『前頭葉』の機能障害としての『アルツハイマー型認知症』の症状について、発病の最初の段階である「軽度認知症」(小ボケ)の症状として例示してあるものの中から、いくつか取り上げて、症状を具体的に説明しましょう。

〇 複数のことに注意が分配できなくて、3つの用事が同時にさばけない(「注意分配力」の機能障害)

〇機転がきかなくて、状況に応じた創意工夫ができない(「実行機能」の機能障害)

〇 発想が乏しくて、画一的な行動が目立つ(「実行機能」の機能障害)

〇何事をするにも億劫で面倒がり、何かをやってみようという意欲が見られない(「意欲」の機能障害)

〇一日や一週間の計画が自分で立てられず、なにも思いつかない様子(「実行機能」の機能障害)

〇これまでなら感動していたことに対して感動しない(「実行機能」の機能障害)

〇ぼんやりしていることが多く、自分から何もしないが指示されるとできる(「評価の物差し」の機能障害)

〇 根気が続かず中途半端なことを繰り返し、やりかけの家事が目立つ(「注意集中力」の機能障害)

(2) 『前頭葉だけが(個別の構成要素を挙げると、意欲、注意の集中力及び注意の分配力からなる「前頭葉の三本柱」の機能、「評価の物差し」=意識の首座=自我の機能及び「実行機能」)異常レベルであって、「左脳も右脳も運動の脳も」機能が、未だ正常レベルである「軽度認知症」(小ボケ)の段階で発現してくる症状は、この複合機能体である『前頭葉』の各構成要素が異常な機能レベルに在ることの『アウトプットそのまま』であることが重要なのです。とはいえ、『意識的な世界』に於ける脳全体の「司令塔」の役割(三頭立ての馬車の御者)を担っている『前頭葉』の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行に因り、異常なレベルに衰えてきたその時(その段階=小ボケ)から、『アルツハイマー型認知症』は、『もう始まっている』と考えるべきなのです。

(3)『アルツハイマー型認知症』は、性質それ自体として「治すことが出来ない」タイプの認知症ではないのです。治すことが出来ないのは、本当の意味での早期の段階であり、治すことが出来る小ボケ」及び「中ボケ」の段階を見落として、最早治すことが出来なくなる「末期の段階」、「大ボケ」の段階で、発病を見つけている医師達に責任があるのです(「発病のレッテル貼り」をしているだけ)。

(4)その大本は、「DSM-Ⅳ」の第二要件の規定内容の誤りにあり及び「DSM-Ⅳ」の第一要件の誤りに気付かず、妄信していて、憶測と想定による仮説内容である『アミロイドβ仮説』の誤りにあるのです。

& 10「アルツハイマー型認知症」発病の引き金となる要因

(1) 世界中の認知症の専門家達から発病の原因が不明と言われている「アルツハイマー型認知症」は、上述したように、「加齢の進行とともに脳の老化が進む=正常老化の性質」という発病の「第一の要件」)と「ナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続」という発病の「第二の要件」)二つの条件が同時に充足されることによる『相剰効果』によって、廃用性の加速度的で異常な機能低下が惹き起こされることにより、『前頭葉』(前頭葉の三本柱の機能、評価の物差しの機能及び実行機能から構成されている複合機能体であることに注意)の機能が、異常なレベルに衰えが進行してくることが原因で、発病するのです(二段階方式独自の見解)

(2) 私たち「二段階方式」が定義し、提示する『アルツハイマー型認知症』を発病するメカニズム(原因と機序)のもとでは、「第一の要件」は誰しも共通であり、「第二の要件」こそが「アルツハイマー型認知症」を発病するかしないかを決定づける条件となるのです。認知症の大多数90%以上を占める「アルツハイマー型認知症」は、ナイナイ尽くしの「単調な生活習慣」(自分なりに追求する特定のテーマがなく、生き甲斐無く、趣味なく、交友なく、運動もせず、目標となるものもない単調な日々の暮らし方)の継続という第二の人生での「生活習慣」が発病の引き金となる病気なのです。

(3)「原因も分からないし治せない病気」と言われて放置されたままになっている「アルツハイマー型認知症」という病気は、廃用症候群に属する老化・廃用型の「生活習慣病」であるというのが私達(kinukototadao)の見解です。私達の見解は、関係する「前頭葉」の働きを含む脳機能データにより根拠づけられていて、更には、452の市町村で展開した住民参加型の地位予防活動の実践の成果によって、疫学的方法により、実証されてもいるのです。

(4) 高齢になればなるほど、「アルツハイマー型認知症」を発病する人の割合が増えていきます。実態がそうであるとはいえ、どんな年齢の高齢者であろうと、年をとっているだけ(「第一の要件」の充足だけ)では、「アルツハイマー型認知症」を発病することはないのです。他方で、「アルツハイマー型認知症」を発病する人たちは高齢者に限られていて、30歳代や40歳代といった年齢の若い人達が、どんなに長い期間ナイナイ尽くしの「単調な生活」を送っていても(「第二の要件」の充足だけ)、発病することにはならないのです。「第一の要件」と「第二の要件」とを同時に充足することの「相剰効果」として、(「前頭葉」を含む脳全体の機能が、放物線を描くように「加速度的に機能低下していく」)こと、そしてその先に、(「アルツハイマー型認知症」の発病が待っている)ことを専門家と言われる認知症の研究者や認知症専門の精神科医は、早く知って欲しいのです。

&11 「若年性アルツハイマー型認知症」は架空の病気

(1) 働き盛りの30歳代から50歳代の若い年齢で、「若年性アルツハイマー型認知症」を発病する人が増えてきている)などとテレビで放映されたりすることがあります(これまでに、NHKが、繰り返して放送しているもの)。

(2) 老年性の「アルツハイマー型認知症」(全体の90%以上を占める)と若年性の「アルツハイマー病」(全体に占める割合は、1,.1%程度)とをまとめて、「アルツハイマー病」と呼称する人達がいます。その人達は、両者の「解剖所見」が似ているというだけの理由で、同じ病名をつけて呼んでいるのです(彼らは、「アルツハイマー型認知症」については無知な人たちであり、両者共に遺伝子が発病を惹き起こす原因と誤解しているだけ。その遺伝子も、「アルツハイマー病」は早発型で、「アルツハイマー型認知症」は晩発型なのではないかと、空想している)。

(3) 「若年性アルツハイマー型認知症」と診断され、呼称されている認知症の殆どは、発病の原因自体が「アルツハイマー型認知症」とは、全く異なる別の病気なのです。但し、認知症ではなくて「認知症と紛らわしい病気」である「側頭葉性健忘症」(このケースが、一番多い誤診のケース)や「感覚性失語症」や「緩徐進行性失行」のことをよく知らないで、それらを「若年性アルツハイマー型認知症」とまちがえているので、注意が必要です。

(4) 生まれつき特定の遺伝子に異常がある人だけが発病する「アルツハイマー病」(若年発症が特徴 )、「早発型アルツハイマー病」は、「アルツハイマー型認知症」発病の第一の要件とも第二の要件とも全く無関係の病気なのです。

(5) 米国精神医学会が定める「アルツハイマー型認知症」の診断規定である「DSM-Ⅳ」に、第一の要件として「記憶の障害」が、第二の要件として「失語、失認又は失行」が挙げられている為に、「前頭葉」を含む脳の機能レベルを調べることもなく、原因と結果との間の「因果関係」を確認することもなく、重度の記憶障害の症状(或いは、あたかも記憶障害の症状のように見かけられる症状)と第二の要件に挙げられている失語や失認や失行(紛い)の症状のうちのどれか一つの症状が見られると、「アルツハイマー型認知症」であると誤診しているのです(その人達は、『誤診』をしていることにも気づいていないのです)。  

(6)「働き盛りの若い50歳代の人たちの間に、「アルツハイマー型認知症」を発病する人達が増えてきているというのは、タイトルとしては衝撃的でニュース性があり視聴率を稼ぐことと思いますが、内容的には「全くの誤り」なのです。「アルツハイマー型認知症」を発病する「対象」は、60歳を超える年齢の「高齢者だけ」となるのです。

(7)「側頭葉性健忘症」の特徴である重度の「記憶障害の症状」(重度の記銘力障害が原因での重度の記憶障害の症状であることに注意)があっても、或いは「認知症の症状」と誤診されやすい「感覚性失語」による症状、又は「緩徐進行性失行」の症状があっても、(「前頭葉」の機能レベルが正常な場合は、そもそも「認知症」ではない)のです。

 

& 12    『アルツハイマー型認知症』の正体に対するコンセンサスの獲得   

(1) 世界中の認知症の専門家達(医師や研究者や学者達)から、「原因がわからないし、治すことができないし、予防することもできない」と言われている「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症は、(廃用症候群に属する老化・廃用型の単なる「生活習慣病」である)とする私達「二段階方式」独自の見解は、権威には乏しくても、「回復と予防」を目的とした他に例のない規模での市町村での「地域予防活動」による実績と大量の脳機能「データ」に裏打ちされています。

& 13    『 アルツハイマー型認知症』は予防出来ることのコンセンサスの獲得

(1)「アルツハイマー型認知症」は、廃用症候群に属する老化・廃用型の「生活習慣病」であって、早期の段階で見つけると治せるし、『前頭葉』を活性化させる「生活習慣」の構築により予防することも出来る病気であるとの私たち「二段階方式」の主張が、検証PRJ(50~100 程度の市町での住民参加型の地域予防活動による検証と実証)により、疫学的に証明されることによって、『「アルツハイマー型認知症」は、原因もわからないし、治すことができないし、予防することも出来ない病気である』と主張してきた「認知症の権威者達の考え」が初めて変わり、「アルツハイマー型認知症」という病気に対する考えに「コペルニクス的な転回」が訪れることになると思うのです(いつの日か、検証PRJを政府に提案してみたいと考えているのです)。

(2) そこで初めて、「アルツハイマー型認知症」の予防という課題に対する「国民的なコンセンサス」が形成されることになると考えているのです。何かの機会に私達のこのブログを読んでくださった方達は、出来るだけ周りの方達にもこのブログの存在を教えてあげていただきたいのです。私たちのこの想いを、どうしたら、できるだけ多くの方達にお知らせできるのか、それが一番の悩みなのです。

注)本著作物(このブログA-78に記載され表現された内容)に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。

 

 




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