認知症の早期診断 介護並びに回復と予防のシステム

アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病なので、発病を予防でき、早期治療により治せるのです

政府大綱が進める介護の予防、更には アルツハイマー型認知症の発病自体の予防E-02

2020-02-01 | 定年後の第二の人生をどう生きるか

(プロローグ)

様々な種類が数有る認知症の内の90%以上の割合、殆どを占めている『アルツハイマー型認知症』について、我が国だけでなく、世界中の認知症研究の権威とされる機関や人達が、未だに、『発病の原因が不明である』としているのです。発病の原因については、アミロイドベータ説(世界的に「通説」の地位にある=支持する学者の数が多いというだけの意味なのです)を筆頭にして、タウタンパク説脳の萎縮説及びアセチルコリン説という『4つの仮説』(仮説という意味は、各々の仮説が「発病の原因」と主張する内容と「アルツハイマー型認知症」の発病との間に存在するべき因果関係が立証されていないということなのです)が、未だに幅を利かせているのです。アミロイドベータ説の我が国での牙城である東大、京大、理化学研究所は、マウス(マウスにアミロイドベータを注入したアルツハイマーマウスと名付ける動物)を研究材料にして、憶測や推測に基づいただけの主張を展開し続けているのです。客観的で、科学的なデータの蓄積や証拠となる資料も無くて、此処まで杜撰な主張内容を、展開し続ける理由を知りたいのです。その悪弊のせいで、[末期の段階の発病者の『介護に要する費用』だけで、年間10兆円を超えてきているのですから。

此処で二つの問題を、権威ある専門機関及びその研究者達に問題提起しておきたいのです。一つは、正しい診断が行われていさえすれば(特に、脳血管性認知症と診断されている内の大半が実は、アルツハイマー型認知症であること)、様々な種類が数有る認知症の内で『アルツハイマー型認知症』の発病者が、認知症全体の90%以上を占めていること。もう一つは、発病のメカニズム及び症状の重症化が進行する機序を解明し、或いは、正しく理解するには、私たち人間だけに特有な世界である「意識的な世界」に着目することが不可欠であることなのです。「アルツハイマー型認知症」は、「仕事」とは無縁となる『第二の人生』を送っている60歳を超える年齢の『高齢者』だけを対象として発病するという特徴が確認される(老年発症が特徴)のです。「器質的な原因病変」が何等確認されないのに、私たちが『意識的に』何かのテーマを発想し、実行に移す際に、様々な程度及び態様により支障(認知症としての症状)が発現してくるのが特徴なのです。そもそも、脳の機能構造面から、『 意識的な世界』が存在しない「マウス」とは、縁のない世界で起きてくるものなのです。そもそも「意識的な世界」は、『注意の分配力』の機能なしには存在し得ないものであり、「マウス」には、「注意の分配力」という脳機能は備わっていないのです。

 

眼前の国策としての『介護の予防』という「テーマ」の推進を策定した人達、政府大綱を協議するに際して会議をリードした権威ある人達も、実は、「アミロイドベータ説」を信望している人達なのです。マウスの行動と『意識的な世界』とは無関係のものであり、マウスには、肝心の、『前頭葉』という機能も、『注意の分配力』という機能も備わっていないことが、どこかに置き忘れられているようなのです。『アルツハイマー型認知症』の発病のメカニズム、症状の重症化が進行していく機序、介護の予防、更には、発病自体の予防についての解明という目標を達成するには、これら「二つの」機能及び機能構造についての深く、正しい理解が不可欠となるのです。それ故、何時まで「マウス」(アルツハイマーマウスとて同じこと)の行動を追求していこうとも、仮説にしか終わらないのです。資金と(場合によっては、税金と)若い力をどれだけ投入しようとも(誤った場所を、誤った方法で、何処まで深く掘り進んでいこうとも)、何も、出ては来ないのです。何時の日になったら、私たち人間だけに「特有な世界」である『意識的な世界』に権威ある専門家とされる人達の目が向けられることになるのか、じれったくて、しょうがないのです。

 

&1 「意識的な世界」の要である『注意の分配力』の機能

今は冬の明け方、6時を少し回ったところ。ダイニングのテーブルで、このブログを書いている所なのです。もう少し空が明るくなってくると、お待ちかねの小鳥たち、山雀(ヤマガラ)や四十雀(シジュウカラ)や雀(スズメ)やメジロ達が、餌(ヒマワリの種と半分に割ったミカン)を求めて、眼前の庭にやってくるのです。

窓の外には、ハナミズキやキンカン、それにまだ花が付いたままのブーゲンビリアの巨木が植えてあるちょっとした庭が有り、その中で、ハナミズキの樹に取り付けてある餌箱に小鳥たちが寄ってくるのです。私が好きな四十雀の動きを例にとって説明してみましょう。四十雀は、集団でやってくることも多いのですが、二羽(ツガイかな?)でやってくることが多いのです。その動きを見ているときの、私の『脳の働き方』を説明しておきたいのです。

ヒマワリの種をついばみながら、雀がこないか、辺りをしきりに見回しながら、せっせと餌をついばむのです。ぴょんぴょんと小枝を上手に飛び渡りながら、餌をついばむのです。雀が一羽でも来たら、途端に、飛び立ってしまうのです。雀の方が強いということなのです。そうした「四十雀の動き」自体は、皆さんも同じように観察することが出来るのです。勿論、Tadにもできるのです。

『可愛いね!』とか、『あ、雀が来たので、逃げてしまった!』とか叫びながら、一緒に、そうした状況を楽しむことが出来るのです(オシドリのように、夫婦仲がいい!?)。

たとえどんなに短い言葉であろうとも、KinukoとTadが、言葉を交わしているときは、『前頭葉』のコントロールの下で「左脳」が働くのです。餌をついばんだり、飛び立つ動作を観察しているときは、『前頭葉』のコントロールの下で、「右脳」と「運動の脳」が働くのです。左脳は、言葉、計算、論理や場合分けと言ったデジタルな情報を処理する機能なのです。右脳は、形、色、空間、時間の経過、感情などアナログな情報を処理する機能なのです。運動の脳は、身体を動かすためのアナログな情報を処理する機能なのです。

左脳、右脳、運動の脳の働きと働き具合の結果を統合して認知して判断しているのが、意欲、注意の集中力、就中、『注意の分配力』の機能に支えられた『前頭葉』の働きという訳なのです。

言い換えると、『前頭葉』は、左脳、右脳及び運動の脳という三頭の馬が牽引する三頭立ての馬車の「御者」の役割を担っています。私たち人間だけに特有な世界である「意識的な世界」における脳全体の司令塔の役割を担っているのが『前頭葉』と言う脳機能なのです。私たちが意識的に何かのテーマを発想し、実行に移す世界では、どんなテーマであれ、このメカニズムの下で処理されているのです。『アルツハイマー型認知症』の発病及び症状の重症化が進行するメカニズムは、「DSM-4」の第一要件が確認を要求するメカニズム、即ち、「記憶障害」に起因して惹起されてくるものではないのです。「第一要件」の規定内容は、単なる憶測、推測の類に過ぎないのであり、重大な誤りを犯した内容なのです。正しくは、『前頭葉』の機能障害、「加齢」に起因した機能低下を基礎としつつ、ナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続に起因した廃用性の機能低下と言う加重要因の存在により、両者が同時に存在し充足されることに因る相乗効果により、「前頭葉」の機能障害、就中、「注意の分配力」の機能障害が原因で発病し、症状の重症化が進行していくものなのです。私たち二段階方式の考えが、主張の内容が、近い将来、『世界標準』となるのです。信じて、実行していただきたいのです。

 小鳥が飛び立つ動作を認知し出来ているとき、小鳥の形の認知とその飛び立つ動きの認知は各々別のものであり、両者が統合されることに因り、『小鳥が飛び立った』認知が可能となるのです。その場合に、注意の分配力の機能が主役として働いているのです。注意の分配力の機能は、「3つ以上」の異なる複数のテーマを同時に並行して処理していることが極めて重要なのです。チンパンジーであれば、異なる「二つのテーマ」を同時に並行して処理することが出来るのですが(Ex.相手に跳びかかっていきながら、同時に並行して、棒を使って相手を叩くことが出来る)、三つ以上になると、最早、出来ないのです。

 私たち人間であれば、例え75歳のTadであろうとも、BGMを楽しみながら、助手席の私と会話を楽しみながら、必要なスピードも維持しつつ、事故を起こすことも無く、車を運転することが出来るのです(「三つ以上」の異なる複数のテーマを同時に並行して処理することが出来る)。これを可能にしている機能が、DNAの98% が人間と同じとされるチンパンジーにさえも備わっていないものであり、三つ以上の異なる『意識』を構築し、統合し、統括し、管理し、コントロールしている『注意の分配力』という脳機能なのです。

 世の中で(世界中で)『前頭葉』についてあまり語られていないのは、未だに、その機能構造が良く分かっていないからなのです。脳科学者という肩書でテレビに出てきて語っていようとも、「前頭葉」の機能とか、「注意の分配力」の機能について、更には、「前頭葉の機能発揮上の二重構造」の問題といった「テーマ」については、殆ど理解を有してはいない人達なのです(KinukoとTadが有する知識と理解を超える人は、世界に居ないのです)。

この三つのテーマの深い理解が、『アルツハイマー型認知症』の「発病のメカニズム」及び症状の「重症化が進行していくメカニズム及び機序」を解明する上で不可欠なのです。今日のブログは、これが、テーマなのです。

  遠く離れた場所に住んでいて、仲のいいお友達と久しぶりに会って、元気で再会できたことを喜びながら、談笑をするに際しては、注意の分配力の機能が正常なレベルで機能していることが不可欠となるのです。言葉に因る意思疎通を行うには、前頭葉のコントロール下に左脳が働くことが必要であり、相手の嬉しそうな表情を読み取るには、前頭葉のコントロール下に右脳が働くことが必要であり、相手の体の動きを認知するには、前頭葉のコントロール下に運動の脳が働くことが必要となるのです。「三つ以上」の異なるテーマを同時に並行して処理することが要求されている状況にあることが理解できるでしょうか。これ等は全て、『注意の分配力』の機能が働くことに因って初めて達成されることなのです。昨今世の中でもてはやされている「デュアル・タスク」の推奨は、「注意の分配力」の機能に対する理解が浅いと言わざるを得ないのです。

 

&2「アルツハイマー型認知症」の症状の発現の仕方の特徴

(1)「アルツハイマー型認知症」の発病者としてのお年寄り、14689例の患者の脳機能データ(小ボケ中ボケ及び大ボケ全ての段階発病者を含むデータ)が示すものであり、アルツハイマー型認知症発病患者だけに特有な性質として、『MMSE下位項目の項目困難度』(アルツハイマー型認知症の発病者だけに確認される脳機能が衰えていく厳格な順番の存在)、小ボケ及び中ボケの段階の症状の『標準的な滞留期間』、脳の老化のスピード差をもたらす『生活要因』(但し、食生活とは無関係であり、「脳の使い方」としての「生活習慣」という要因であることに留意する)、市町村での『脳イキイキ教室』の運営とその効果に関わる脳機能データが『事象事実』として存在しているのです。これ等の事象事実について、「4つの仮説」の何れも、合理的に説明することは出来ないのです。言い換えると、「4つの仮説」は、『アルツハイマー型認知症』の発病との間に因果関係が存在しない主張内容であり、単なる「憶測の類」ということなのです。

(2) 「アルツハイマー型認知症」の症状は、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクして発現するのが特徴なのです。更にいうと、『脳のリハビリ』(「注意の分配力」の機能の出番が出来るだけ多くなるようなテーマを継続して実践する「生活習慣」により、「前頭葉」を含む脳全体が活性化され、機能が回復してくること)に因り「アルツハイマー型認知症」の症状が改善される=認知症の症状が治ることの可能性の有無及びその程度も、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクしているのです(「DSM-4」の第二要件が規定する失語失認、又は失行の症状が「初期症状」であるとする重大な誤りに気づいていない為に、「極めて末期の段階の症状」にしか目が行っていない世界中の権威ある学者や医師達は、治すことが出来ないものと確信犯的誤解していて、本当の意味での早期の段階、私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階が存在していることを知らない儘なのです)。私たちが類型的で代表的なアルツハイマー型認知症の症状として掲げている「小ボケ」の段階及び「中ボケ」の段階の症状と『MCI』の基準(「アルツハイマー型認知症」の前駆的な段階の症状の「判定基準」であるとされている)の内容とを比較してみていただきたいのです。何をもって、これが判定基準となるものであるか、その知識の程度だけでなく、見識自体を疑いたくなるのです。大学の医学部で教鞭をとっていたり、認知症の診断の専門医として病院で診断を行っているというのです。何かが、おかしいと言うしかないのです。

彼らは、権威だけでモノを言っていながら、アルツハイマー型認知症発病のメカニズムに関する『仮説』でしかない(支持する学者の数が多いというだけのものであり、キチンと言うと、誤った内容である)「アミロイドベータ説」を堂々と主張の根拠に挙げていたりする人たちなのです。

 

(3) 更に重要なことは、「アルツハイマー型認知症」の症状は、「症状の回復」(早期診断と脳のリハビリの実施により治すこと)並びに政府大綱が眼前の重要テーマに掲げている『介護の予防』の可能性及びその程度が、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルにリンクしていることなのです。

「小ボケ」:脳のリハビリにより治すことが、比較的容易

「中ボケ」:脳のリハビリにより治すことが、未だ可能

大ボケ」:脳のリハビリにより治すことが、最早困難

  アルツハイマー型認知症は、性質それ自体として治すことが出来ない訳ではないのです。医師が見つけている段階が遅すぎて治せないだけなのです。

認知症が専門の医師達の診断はというと、未だに、「DSM-4」の「第二要件」の規定内容の誤りに気付いていなくて、失語失認失行の症状が初期症状であると誤解した儘なのです。日常の生活面でのセルフ・ケアにも支障が出てくるようになり、介護が不可欠となる段階、末期の段階であり、私たちの区分で言う「大ボケ」の段階の更に後半になって初めて発現が確認される極めて重度の症状であることも知らずに、それらの症状の確認を待って初めて発病と診断しているのです。

 

&3 「前頭葉」の機能の発揮に関わる「三本柱」の機能

 私たちが、意識的に何かの「テーマ」を発想し、実行に移そうとする際に、器質的な原因病変が何等確認されないにも拘わらず、社会生活、家庭生活及びセルフケアと言った様々な場面で、異常なレベルでの支障が出てくる(認知症の症状が発現してくる)のが、「アルツハイマー型認知症」の特徴なのです。

それらの症状は、米国精神医学会が策定した「DSM-4」の第一要件が確認を要求している「記憶障害」に起因して発現するものではなくて、「前頭葉」の機能障害に起因したものであることを以下に説明しておきたいのです。

私たち人間だけに特有な意識的な世界では、自分が置かれている状況を分析し、理解し、判断し、状況判断に沿った「テーマ」を発想し、テーマの実行内容を企画し、計画して、実行結果を洞察し、推理し、シミュレーションして、シミュレーション結果に基づいて評価し、比較し、最終的な実行内容を選択し、実行の決断をして、脳の各部に実行の指令を出す、それが、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」(前頭前野に局在する脳機能複合体を言うものとする)の働きなのです。この場合、太字で表記したような機能のことを総称して、「実行機能」(Executive function)と呼ぶのです。ところが、『実行機能』を発揮するに際しては、私たちが「前頭葉」の三本柱の機能と名付ける意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能が関わってくるのです。「実行機能」の発揮度は、「前頭葉」の三本柱の機能の発揮の具合に左右され、下支えられているという関係、私たちが、『実行機能の機能発揮上の二重構造』と呼ぶ「構造的な依存関係」が存在しているのです。

太字表記して示した実行機能の各々が働く場面を考えてみて下さい。それらすべての機能が、三つ以上の異なるテーマを同時に並行して処理することが要求されることに気づいていただけるでしょうか。つまり、実行機能が働くには、注意の分配力の機能が関わることが不可欠となるということなのです。加えて、それら機能の発揮度を高めるには、意欲が必要であり、注意の集中力が高まり、或いは、注意の集中力の発揮が継続することが必要となるのです。私たちが何人か集まって、世間話に花を咲かせている時も、会話に加わっているお年寄りは勿論のこと、うなづき、時に笑顔を浮かべて聞いているだけのお年寄りでさえ、『注意の分配力』の機能が働いている(且つ、正常な機能レベルで)ことが、必ず要求されるのです。二つ以上の異なる意識が存在していて、且つそれらを統合し、統括し、コントロールしているのが、「注意の分配力」の機能であり、その下に、意欲、注意の集中力の機能の下支えという機能構造が存在しているのです。私たちは、『表情読み取りテスト』というものを開発しました。笑っているお母さん、泣いているお母さん、怒っているお父さん、やさしい表情のお母さん、酸っぱい表情のお母さんなどの表情をイラストで描いたものなのです。

小ボケ』の段階と判定されたお年寄りは、この表情読み取りテストが不合格となるのです。『意識は、重層的に且つ、注意の分配量の配分差による「覚醒の度合いの差異」を反映して段階的に、異なる複数の意識として、存在している』ことに、世界中の脳科学者が、早く気付いて頂きたいのです。話を元に戻して、即ち、『前頭葉』の三本柱の機能が、ナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続と言う「加重要因」により、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくと、次第に『実行機能』が、必要なレベルで機能発揮されなくなるのです。その結果として、失語や失認や失行の症状も発現してくることになるのです。

ズボンを頭から被るのは、「記憶障害」に起因してのものでないことを理解してほしいのです。「前頭葉」の機能障害こそが、真犯人なのです。加齢に起因した機能低下に加重される機能低下要因である、ナイナイ尽くしの単調な生活習慣継続に起因した廃用性の機能低下という要因こそが、「アルツハイマー型認知症」を発病させ、症状の重症化を進行させていく決定的で、核心的な要因だということに、権威とされる人たちが、早く気付いて欲しいと切に願うのです。

『アルツハイマー型認知症』(脳血管性認知症ほかについて正しい診断が行われさえすれば、様々な種類が数ある認知症の内の90%以上を占めることになるのです)は、廃用性症候群に属する老化・廃用型の『生活習慣病』に過ぎないのであり、「脳のリハビリ」により治すことも、症状の進行を緩やかにすることに因る「介護の予防」も、更には、「前頭葉」が活性化する生活習慣の継続(注意の分配力の機能の出番が出来るだけ多くなるような、自分なりの「テーマ」を継続して実践すること)により発病自体を予防することが出来るものなのです。

 私たち二段階方式の考え方及び二段階方式の手技の実践を、全国、市町村の隅々にまで広めていきたいと願っているのです。「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復、介護の予防及び発病自体の予防を明確な目的とした住民参加型の地域予防活動を拡大展開していきたいと望んでいるのです。介護費用だけで年間10兆円もの金額、天文学的な規模に達している状況を劇的に変化させて、介護離職や認認介護と言った社会状況を失くしていきたいと願ってもいるのです。身体が持つ限り、脳も持たせて、自分らしく第二の人生を生きていく社会を構築させる活動として、世の中に広めていきたいと考えているのです。

東大、京大、理化学研究所で、「アルツハイマー型認知症」発病のメカニズムの解明の研究に従事されている方達が、このブログを読まれたなら、『マウスには、前頭葉という脳機能も、注意の分配力の機能も備わっていなくて、何時まで掘り続けようとも、何も出てこない』ことに早く気付いて頂きたいと願うのです。日本でも、特別に権威がある組織なので、マウスを追いかけていて、『アルツハイマー型認知症は、原因不明で治らない』とする主張が、世の中を惑わしていることに早く気付き、潔く、撤回を表明して頂きたいと望むのです。

 再度提起しておきます。アルツハイマー型認知症というタイプの認知症は、私たち人間だけに特有な『意識的な世界』、私たちが意識的に何等かのテーマを発想し、実行に移すに際して、器質的な原因病変が何等確認されることが無いのに、社会生活面や、家庭生活面や果ては、セルフ・ケア面での様々な支障が出てくる(認知症としての症状が発現してくる)病気なのです。そのメカニズムは、記憶障害に起因したものではなくて、「前頭葉」の機能障害に起因したものなのです

加齢』に起因した脳機能の低下(正常老化の性質に起因)に加重される要因、何らかの状況の発生或いはその継続をキッカケとして、何事に対しても意欲を喪失してしまい、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣(生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものも無い、単調な暮らし方=注意の分配力の機能の出番が極端に少なくなる脳の使い方としての生活習慣)が継続されたままで居ると、『前頭葉』を含む脳全体の機能について、廃用性の機能低下が進行していくことになるのです。加齢に起因した脳機能の低下という要因とナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続に起因した廃用性の機能低下という加重要因、異なる二つの要因が、同時に存在し充足されることによる「相乗効果」に因り、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行していくその先に、『アルツハイマー型認知症』の発病及び症状の重症化の進行が待っているのです。

第二の人生』の送り方、脳の使い方としての『生活習慣』こそが、発病させる真犯人なのです。そうであるが故に、老年発症が特徴となるのであり、一時世の中を騒がせた、「若年性アルツハイマー型認知症」なるものは、実在してはいないのです。前頭葉の機能レベルを精緻に判定する手技を持たず、前頭葉の機能構造に無知な人達(学者や医師)が、誤った情報を、権威に任せて、発信しているだけなのです。惑わされないで頂きたいのです。正しくは、「側頭葉性健忘症」(重度の記銘力障害と海馬の萎縮を特徴とするものの、前頭葉の機能が正常な機能レベルに保たれていることが特徴)や「緩徐進行性失語症」(感覚性失語のパターンが殆どであり、喋るわりには、理解が悪いという特徴)とも知らないで、誤診に因る、誤った情報を発信しているだけなのです。

私たちが活動を開始してから25年が経過しているのに、医学会は変わっていなくて、相変わらず、「DSM-4」の規定(現在は、「DSM-5」が提示されているが、意味不明で、無用の代物というしかないレベル)及び「4つの仮説」が幅を利かせているのです。マウスを使うという間違った場所を間違った方法で何処まで掘り続けようと、何も出ては来ないことを指摘しておきたいのです。

製薬会社が「新たな治療薬」の治験の最終段階に入ったという報道を何度も、見聞きしてきました。廃用性症候群に属する老化・廃用型の『生活習慣病』(但し、食生活とは無関係のものであり、第二の人生における脳の使い方としての生活習慣が発病するかしないかを決定づける性質のもの=核心的な要因)であるにすぎないアルツハイマー型認知症治療薬(症状を治したり、改善させたり、症状の進行を緩やかにしたり、発病自体を予防する効能を有する薬)が開発されることは、未来永劫有り得ない事だと断言できるのです。

 

 今日は、久方ぶりに晴れていて、風も無いので、お友達を誘って、おいしいランチを食べに行こうと思ったとしましょう。この程度のこと(誰を誘うか、何を食べにどこへ行こうか、どんな服装で行こうか)を考えるにも、注意の分配力の機能が正常で働らかない限り、無理な相談になってしまうのです。

大ボケの段階とか、中ボケの段階ではなくて、最初の段階であり、認知症専門の学者や医師達が全く気付かないで見落としている段階、小ボケの段階と判定された「お年寄り」にとっては、無理な相談になってしまうのです。

一方で、小ボケの段階は愚か、中ボケの段階と判定されたお年寄りでさえも、それなりに喋るので、学者や医師が気づかない儘なのです。彼等には、権威はあっても、実力が伴っていないのです。認知機能と言う用語を持ち出そうとも、前頭葉の機能はどこかに置き忘れていて、MMSEや長谷川式を持ち出して(左脳及び右脳の機能レベルの判定用のものであり、前頭葉の機能レベルの判定は出来ない)、「物忘れ」程度の評価の尺度しか持ち合わせていないのです。

 

&4「アルツハイマー型認知症」の代表的で類型的な症状の8項目

(1)「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズムや症状の発現の特徴に関し、「アミロイドベータ説」を支持していたり、「MCI」(Mild Cognitive Impairment軽度認知障害)とかの基準を持ち出すことがあったなら、その人の肩書が何であれ、その人は、「アルツハイマー型認知症」については無知な人だということを此処で明確に指摘し、注意を喚起しておきたいのです。アミロイドベータ説は、マウスにアミロイドベータを注入して(アルツハイマーマウスとか名付けて悦に入っている)が檻の中で餌を探して歩き回るのを観察して、記憶障害が原因で「アルツハイマー型認知症」が発現すると主張しているレベルなのです。『前頭葉』という脳機能も、『注意の分配力』の機能も備わっていないマウスを研究材料にしていて、『アミロイドベータが、情報を連絡する神経細胞に蓄積されて生まれてくる老人斑の持つ毒性が、「神経細胞」の大量死を惹き起こさせ、そのことが原因で、記憶障害が惹起されて、その記憶障害に起因して「アルツハイマー型認知症」の様々な症状が発現してくる』という憶測に基づいただけの主張内容であり、発病との間の因果関係を未だに立証することが出来ていない、単なる「仮説」に過ぎないのです。権威がある機関が言うことなら、なんでも正しいという訳のものではない典型例なのです。

最近流行りの『MCI』という基準は、「アルツハイマー型認知症」が、「記憶障害」に起因して発現するとの想定を正しいものとする前提に立脚しただけの主張なのです。これが学説なのかと疑うほど、論理の構成も、内容の記述も、とても幼稚なものなのです。『MCI』という基準を持ち出す人の、「アルツハイマー型認知症」に対する知識の浅さの証明でもあるのです。

物忘れの症状』の程度を基準に発病の『前駆的状態』であるかどうかを判断するものであり、認知機能は正常とするのです。意識的な世界における脳全体の「司令塔」の役割を担っている「前頭葉」の機能は脇において、手足の役割でしかない、左脳と右脳の機能レベルをMMSE(国内では、長谷川式を使用する機関もある)による判定で、認知機能が正常だと公言しているのです。

意識的な世界は、左脳、右脳及び運動の脳という三頭の馬が牽引する三頭立ての馬車の世界と言いました。馬が正常であっても、肝心の御者(前頭葉)が異常な機能レベルに在れば、アウト・プットは全て異常なものとなることに気づいていないということなのです。私たちの定義で言う『小ボケ』の段階に「脳の働きという物差し」を当てて記述すると、左脳、右脳及び運動の脳の全てが正常な機能レベルに在り、前頭葉の機能だけが異常な機能レベルに在るとされているのです。即ち、「小ボケ」の段階の症状は、認知症の症状、『アルツハイマー型認知症』の発病としての「症状」であるということなのです

私たちが、度々指摘し問題提起してきているように、「アルツハイマー型認知症」の発病患者であれば、必ず、「MMSE下位項目の項目困難度」が示す脳機能が衰えていく順番、症状の標準的な滞留期間(小ボケ及び中ボケの期間)、脳の老化のスピード差をもたらす「生活要因」等が示す14689例にも及ぶ『脳機能データ』に従うことになるのであり、「4つの仮説」は、事象事実としてのそれらの脳機能データの存在を合理的、客観的に説明することが出来ないのです。

又、「三段階に区分」される以下の類型的な症状の存在を確認するだけで、『MCI』が基準として活用できる代物でないことも容易に理解できることと思うのです。廃用症候群に属する老化・廃用型の『生活習慣病』(脳の使い方としての生活習慣であることに注意)が本態である『アルツハイマー型認知症』は、症状が、緩やかに徐々にしか進行して行かないのが特徴なのです。昨日まで「社会生活」を支障なく送れていたお年寄りが、一晩寝たら、突然ズボンを頭から被ったりするようにはならないのです。小ボケ(3年)の段階が有り、次いで、中ボケ(2~3年)の段階を経て、最後に、大ボケ(身体がもつ限り、大ボケの段階が続き、更なる重症化が進行していくことになる)の段階の症状が発現してくるのです。

(2) 「軽度認知症」(『小ボケ』)の段階に特有で、代表的な症状の8類型

小ボケの段階の症状は全て、記憶障害に起因した症状の発現は皆無であり、『前頭葉』の機能障害起因した症状ばかりが発現してくることに注意)

※『小ボケ』の段階の代表的な症状の類型は、以下の通り。

□ 発想が乏しくなって、画一的な行動が目立つようになる

□ 何事にも億劫で面倒がり、やろうとする意欲が見られない

□ 一日や一週間の計画が立てられず、なにも思いつかない様子

□ 問いかけに対する反応が遅く、生き生きした笑顔が見られない

□ 根気が続かず中途半端なことを繰り返し、やりかけが目立つ

□ 目の光がどんよりとしていて、普段の顔つきが無表情となる

□ 歩くとき前屈みの姿勢で、小股でトボトボと歩く

□ 自分に自信がなくなり、何かにつけて人を頼ろうとする

(3)「アルツハイマー型認知症」の発病としての最初の段階である「小ボケ」の段階の症状が発現してきているお年寄りの脳の何処にも、「器質的な原因病変」はその欠片も見当たらないのです。加えて、「記憶障害」に起因したと考えられそうな症状は全くのこと確認できなくて、それらの全てが『前頭葉の機能障害に起因した症状』(言い換えると、「前頭葉」の三本柱の機能である意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能の廃用性の加速度的で異常な機能低下に起因した症状)ばかりなのです。

ⅰ)「小ボケ」の症状は全て「前頭葉」の機能の中で最も基礎的で且つ重要な働きであり、意識の構成要素に対する「認知度」及び機能の発揮度を下支えし/左右している機能である「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能(前頭葉の三本柱の機能)が的確且つ十分には働かなくなってきていることが直接の原因なのです。

ⅱ)私たち人間だけに特有な意識的な世界、私たちが意識的に何かのテーマを発想し、実行に移す際に不可欠の機能である「実行機能」(Executive functioningの発揮は、「前頭葉」の三本柱の機能により左右され/下支えられているという『機能発揮上の二重構造』の問題が存在しているので、「前頭葉」の三本柱の機能、就中、注意の分配力の機能(最も高度な機能であり、3つ以上の異なった「複数のテーマ」を、同時に、並行して処理する上で不可欠の機能)が、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続に起因して、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくことが「直接の原因」で、『実行機能』の発揮度が低下していくことを厳密に反映しているのが、『小ボケ」の段階の症状の特徴なのです。末期の段階の症状にしか目が向いていない世界中の権威は、未だに、このことに気づいていないのです。

(4)中ボケ』(中等度認知症)の段階の典型的で特有な症状の8類型

ⅰ)「中ボケ」の段階は、廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行が原因で、『前頭葉』の機能が更に異常なレベルに衰えてきている上に、「小ボケ」の段階では未だ正常な機能レベルにあった左脳、右脳及び運動の脳までもが異常な機能レベルに衰えてきているのです。ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が継続したままの状況下で、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行していく結果、『中ボケ』の段階に入ると、「前頭葉」を含む脳全体の機能が、異常な機能レベルに衰えてきていることに注意が必要です。『アルツハイマー型認知症』の症状は、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクして/反映した形で、「三段階に区分される症状」が、順次、発現してくるものなのです。

ⅱ)「前頭葉」の機能が異常なレベルに衰えてきているとはいえ、「小ボケ」には、自覚があります。「意欲も湧かないし、根気が続かないし、てきぱき出来ないし、発想も湧かないし、物事に感動することもないし・・」と感じていて、『以前の自分と比較して、自分のどこかがおかしい』という自覚を明確に持っていて、自分の状態に「不安」を感じているのです。ところが「中ボケ」の段階になると、「『前頭葉』を含む脳全体の機能が、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が継続してきたことに起因した廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行により、そうした自覚を持つこと自体が出来なくなります(「中ボケ」の特徴)。⇒ 働き盛りの若い年齢者であって(30歳代から50歳代までの年齢での発症例が多い)、「重度の記憶障害(=記銘力障害)」の症状の発現が顕著となっていても(この場合、重度の「記銘力障害」であることが特徴)、自分が置かれている状況に対する正しい及び適切な認識と理解が出来ていて、自分が困っていることを的確に言葉で表現できるなどと言うのは、アルツハイマー型認知症の発病患者には、絶対に起きてこないことなのです。『側頭葉性健忘症』(海馬の萎縮が確認されるのもこの病気の特徴なのです)が正しい診断であるものを、アルツハイマー型認知症についても無知であり、側頭葉性健忘症についても無知でありながら、権威が有るだけの医師達が、誤診し、『誤った情報』を社会に発信し、垂れ流しているのです。マスコミがそのことに気づかないで、『誤った情報をそのまま、発信してもいる』のです(不条理な社会状況が存在)。

ⅲ)『末期の段階』である「大ボケ」の段階でなくて、認知症研究の専門家達が未だ発病してはいないと誤解している段階、私たちの区分で言う「中ボケ」の段階で前頭葉」を含む脳全体の機能レベルが原因で(就中、「注意の分配力」の機能の低下が原因で)、「代表的で類型的な症状の類型」として、以下に例示するような症状が自分に起きていることさえも自覚できなくなるのです。

ⅳ)「中等度認知症」(『中ボケ』)に特有で、代表的な症状の8項目

□ 簡単な計算さえもしなくなり、お札ばかりで買い物をして、やたらと小銭がたまる

□ 家庭内の簡単な用事程度のこともきちんと出来ない(部屋や洗濯物の整理、食後の片付け、簡単な庭仕事さえもきちんと出来ない)

□ 自分が飲む2~3種類の服薬管理が出来ない

□ 服の着方に無頓着で、重ね着が目立つ(セーターの上からシャツを着る。裏表や前後ろに着る)

□ 入浴時の温度管理が出来ず、体を洗わないとか石鹸がついたまま

□ 料理の味付けが変になる(塩加減が極端に変になる。塩辛すぎて、周りが食べられないようなものを作り、本人だけが平気で食べる)

□ 行き慣れている所に行くのに、スムーズに行けない(行き先の違う乗り物に乗ったり、行き道を間違えたりする)

□ 季節が分からなくなる(夏にセーターなど、季節違いの服を平気で着ている)

   

 (5)末期の段階の『大ボケ』(重度認知症)の段階の脳の機能レベルとそれに厳密にリンクした特有で典型的な症状の類型の概観

)「中等度認知症」(中ボケ)になっても「老化現象」と勘違いしたりして、気づかないまま手をこまねいて居て、「脳のリハビリ」に励むことなく、相変わらずナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が継続されていると、「前頭葉」を含む脳全体の機能の廃用性の加速度的で異常な機能低下が更に進んでいく為に(中ボケの期間が 2~3年間続いた後は)、末期の段階である「重度認知症」(大ボケ)の段階に入っていきます(猶、「DSM-4」の規定が、アルツハイマー型認知症と診断する上での十分条件として確認を要求している失語、失認又は失行の症状は、大ボケの段階でも後半になって初めて発現が確認される症状、「MMSEの得点が一桁になって初めて発現が確認される」ことになる、『極めて重度の症状』であることに注意して頂きたいのです。「第二の要件」に従って、「アルツハイマー型認知症」発病の有無を診断している限り、せっかく見つけても手遅れ、治すことは最早出来ないのです)。私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」で見つければ(早期診断)、治すことが出来るのです。

)『大ボケ』になると、「前頭葉」を含む脳全体の働きが「中等度認知症」の段階よりも更に異常なレベルに衰えてきているのです。左脳と右脳の働きも、幼稚なレベルの機能が僅かに残っている程度である上に、脳の司令塔の役割を担っている「前頭葉」は殆ど機能しなくなってきているのです。挨拶程度の日常会話を交わすにも、ハサミとか歯ブラシ等、手に持っているものの用途を理解するにも、ズボンをはくにも、『注意の分配力』の機能が一定レベル以上の機能レベルに在ることが、『不可欠の条件』なのです。「注意の分配力」の機能が、殆ど働くことが出来ない程に、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行してきていることが原因で、簡単な日常会話も交わせないし、歯ブラシの使い方も分からないし、ズボンのはき方も分からないのであり、記憶障害が原因で起きているのではないことに、専門家とされる人達が早く気付いて欲しいのです。

ⅲ)『DSM-4』の規定内容に微塵も疑いを持っていない医師達が行う発病の有無の診断、医療の現場では、「第二要件」が規定する失語や失認や失行の症状が初期症状であると誤解しているので、私たちの区分で言う「大ボケ」の段階の前半で発現が確認される症状を誤って、「アルツハイマー型認知症」の初期段階の症状という表現を使用しているのですが、「脳のリハビリ」により実際に「回復させることが可能な」本当の意味での早期の段階は、私たちの区分でいう「小ボケ」及び「中ボケ」の段階までのことなのです(早期診断)。

『大ボケ』の段階の症状が発現してくるまでに『前頭葉』を含む脳全体の機能について、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行してくると、最早治すことは出来なくなるのです(アルツハイマー型認知症は、性質それ自体として治すことが出来ない訳ではない。極めて重度の症状である「失語や失認や失行の症状」が初期症状だと誤解していて、医師達が見つけて居る段階が遅すぎるが為に治せないだけなのです。極めて重要なポイントなのです!!)。

 脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』(左脳、右脳及び運動の脳という三頭の馬が牽引する「三頭立ての馬車」の『御者』)が、殆ど働かなくなっている(寝たきり状態に在る)上に、左脳や右脳や運動の脳も極めて不十分にしか働かない『大ボケ』の段階では、自分の身の回りのことをする『セルフ・ケア』にも支障が出る。食事をしたり、服を着たり脱いだり、お風呂に入ったり、トイレの後始末をしたりといった、身の回りのことも自分で出来なくなり、日常生活面での「介助」や『介護』が不可欠の状態となるのです。

ⅴ)「重度認知症」(『大ボケ』)に特有で代表的な類型的症状の8類型

□ 着ている服を脱ぎたがらないし、便で汚れた下着をそのまま平気で着ている

□ 風呂に入るのを嫌がり、怖がるようになる

□ 服を正しく着られないで、ズボンを頭から被ったり上着に足を通したりする

□ 家族の名前を間違えたり、配偶者を我が子と間違えたりする

□ 自宅に居ても落ちつかず、外に出て行きたがる

□ 大小便を失敗しても、後の処置や始末ができない

□ 今が昼なのか夜なのかが分からなくて、夜中にも大声で騒ぐ

□ 痛んだものを平気で食べ、食べ物でないものを口にする

ⅵ)私達が服を着るとき、ズボンであるか、上着であるかを判断し、上着であれば裏表がどちらか、ボタンをかけるタイプかどうか、どのような手順で着ればいいか等を的確に見極めた上で、必要な動作を、適切な手順で的確に行っているのです。上掲の『服を正しく着られず、ズボンを頭からかぶったり、上着に足を通したりする』と言った症状、「アルツハイマー型認知症」としての症状は、「記憶の障害」が原因で服を正しく着ることが出来ない訳ではないのです。上着とはどういうものであり、どのようにして、どのような手順で着るものなのかを忘れた為に着ることが出来ない訳でもないのです。「前頭葉」の三本柱の機能の中でも最も高度な機能であり最も早く衰えて行く機能である『注意の分配力の機能』(異なる複数の「テーマ」を、同時に並行して処理する為に不可欠の機能)が、殆ど機能しないまでに機能低下してきていることが直接及び核心的な原因で、加えて、左脳、右脳及び運動の脳までもが廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させてきたことが直接の原因で、『服を正しく着ることが出来ない』だけなのです。『家族の名前を間違えたり、配偶者を我が子と間違えたりする』という症状も同じことなのです。「配偶者を我が子と間違える」のは、「記憶障害」に起因している症状ではなくて、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを反映しただけのもの、就中、『注意の分配力の機能が、殆ど働かないレベルにまで廃用性の機能低下の進行により機能が低下してきている』為なのです。「DSM-4」の規定が「第二の要件」で確認を要求している失語、失認又は失行の症状も、『服を正しく着ることが出来ない』症状の事例で説明したのと全く同じメカニズムの下で発現してくるものなのであり、『「記憶障害」に起因して、それらの症状が発現してきている』との考え自体が、重大な誤り、誤解に基づく単なる憶測というべきものなのです。認知症研究の専門家達は、『注意の分配力』の機能についての理解が浅すぎるのです。『注意の分配力』という機能の深い理解が無い限り、「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズムを解明することは不可能事となると言っても過言ではないのです。

私たち人間だけに特有な世界である意識的な世界、意識的に何かのテーマを発想し、実行に移す世界では、『自分が置かれている状況を分析し、理解し、判断して、状況判断に沿ったテーマを発想して、思いついたテーマの実行内容を企画し、計画し、実行結果の洞察、推理、シミュレーションを行い、シミュレーションの結果を評価し、比較し、選択して、最終的な実行内容及び実行の仕方を決定して、実行の決断をして、脳の各部に必要な指令を出しているのです。

上記太字で表記した機能が「前頭葉」の個別認知機能(『実行機能=Executive function』)であり、個別の実行機能が発揮されるには、意欲、注意の集中力の機能の発揮は当然のことながら、『注意の分配力』の機能の発揮なしには、何事も行い得ないことを理解すべきなのです。『意識』の機能構造を解明する上で、『注意の分配力』の機能構造の理解が不可欠となるのです。

   

(6)例示した、発病の最初の段階である「小ボケ」の段階の症状、それに次ぐ、「中ボケ」の段階の症状、更には、末期の段階である「大ボケ」の段階の症状は、「記憶障害」に起因して発現するものではないのです(専門家達の想定条件の誤り)。私たちが規定する発病の「第二の要件」であり、発病するか/否か及び症状が重症化するか否かを決定づける核心的な要素である、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続に起因した廃用性の機能低下の進行という要因が、発病するかしないかを決定づける核心的な要因なのです。脳の機能面で言うと、左脳が主役となる『仕事』とは無関係の日々を送ることになる『第二の人生』を送っている60歳を超える年齢の『高齢者』(私たちが定義する発病の「第一要件」の充足)が、何かの出来事の発生又はその状況の継続下で、そのことをキッカケにして、何事に対しても意欲を喪失し、ナイナイ尽くしの単調な生活習慣が継続していると、前頭葉の三本柱の機能(「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」)の廃用性の機能低下が惹起され、進行していき、異常な機能レベルにまで機能が低下していくことになる(私たちが定義する発病の「第二要件」の充足)のです。その結果、『機能発揮上の二重構造』の関係に基づいた『前頭葉』(「実行機能」=Executive function)の機能障害を惹き起こすことになるのです。ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』が継続していくことにより、前頭葉の三本柱の機能(就中、注意の分配力の機能)の廃用性の機能低下が進行して異常なレベルに衰えていき並びに二重構造の関係に基づいた『実行機能』の廃用性の機能低下の進行が惹き起こされてきて、「アルツハイマー型認知症」の発病及び症状の重症化を進行させていくことになるのです。簡潔な表現を使えば、『前頭葉』の機能障害(前頭葉の三本柱の機能の機能障害並びに実行機能の機能障害という二つの要因の廃用性の機能低下の進行という『加重要因』の存在)こそが、発病を惹き起こす真犯人という訳なのです。これは、人間だけが有する脳機能である、注意の分配力及び実行機能に関わる廃用性の機能低下の問題なのであり、マウスをいくら追いかけまわそうとも、真の原因の究明には繋がらないという訳なのです。ついでに言うと、症状の重症化が進行するメカニズムも、発病と同じメカニズムの下で惹き起こされてきているのです。 

 分かってしまえば、コロンブスの卵程度のもの。『エイジングライフ研究所』という二人だけの小さな研究所の力でも、解明できる程度のものに過ぎないのです。

   本著作物「Eー02」に掲載され、記載され、表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所帰属しています。 

このブログ中の内容の一部を引用する際は、必ず、著作権法の規定に則って引用してくださるようお願いします(特に、医学会に身を置く人たちに、お願いします)。 

エイジングライフ研究所のHP左の部分をクリックしてください)   脳機能から見た認知症(具体例をベースとしたもう一つのブログです)

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