認知症の早期診断 介護並びに回復と予防のシステム

アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病なので、発病を予防でき、早期治療により治せるのです

認知症の重症度別の人数の実態(A-14)

2012-03-21 | アルツハイマー型認知症の予防活動

認知症は、いったん完成した脳機能が、何らかの原因で全般的に(左右両側性に)機能低下し、社会生活や家庭生活やセルフケアに支障が起きてくる病気をいうものと定義されています。もともとは、脳の機能が正常で「社会生活」を営めていた人に起きてくるものである以上、現在脳の機能が全般的に衰えてきていて、「セルフケア」もおぼつかなくなっている人であっても、過去に遡れば正常であった時期があるのです。

その人が、何らかの契機で、「アルツハイマー型認知症」を発病した後、仮に医療機関で受診していたとしても、専門家の医師は、重度の記憶障害が認知症診断の第一の要件と考えている(実は、これは米国の「DSM-4」が犯している重大な間違いなのですが)ため、重度の記憶障害の症状が出てくる段階、「重度認知症」(大ボケ)のレベルでないと、認知症とは診断しないのです。

そのため、回復可能な「軽度認知症」(小ボケ)と「中等度認知症」(中ボケ)の段階が見過ごされてしまうことになるのです。その結果、認知症を発病後に家族がどこかおかしいと感じて、せっかく病院に連れて行っても「回復」の方法と「機会」が得られなくて、放置されているのです。手をこまねいて放置された結果、症状が徐々に重症化していき、現在の重度の症状を発現しているのです。ところが、「重度認知症」の段階になると、もはや回復の見込みはなく、家族の負担が大きい介護の対象でしかないのです。これが、「介護保険」財政の悪化にも大きく影響しているのです。

蛇口を開きっぱなしにしていて、受ける桶が小さいことだけを大騒ぎしていたのでは、早晩あふれかえってしまうのは目に見えています。 あふれかえってしまう前に「対策」を打たないと、「介護保険制度」自体が破綻してしまう危険があります。早期診断による「回復」と個別及び地域単位での「予防」を国民的なテーマとする啓蒙活動の展開が必要なのです。その大前提として、専門家が「アルツハイマー型認知症」の診断基準の間違いに、早く気づくことが不可欠なのです。

         

2012年2月末現在、厚生労働省が発表している認知症患者の数は、200万人とされ、今後更に高齢化が進行する見通しの中で、認知症の患者の数も増加していくと考えられています。ところが、この200万人と言う数は、「重度認知症」(大ボケ)のレベルの人たちの数なのです。「重度認知症」(大ボケ)の直前の段階が、世間では老化現象と間違えられている「中等度認知症」(中ボケ)で、その前の段階が世間で不活発病と呼ばれて見逃されている「軽度認知症」(小ボケ)なのです。「軽度認知症」と「中等度認知症」の数の合計は、「重度認知症」の数の4倍にもなると私達が蓄積してきたデータは示しています。

注)本著作物(このブログA-14に記載され表現された内容)に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。

 エイジングライフ研究所のHP(ここをクリックしてください)



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